★MISSION IMPOSSIBLE(File.16161 聖域の不叶姉妹 その1)
今日、俺が白羊宮で昼飯を食っていると、薔薇と香水のくっせぇ匂いをプンプンとさせたアフロディーテが現れた。←なんだよ、昼メシもくってたのか。ムウにちょっかいだしにきたんじゃないだろうな。
飯時に、こんなくせぇ匂いを持ってくるな!飯が不味くなるだろうが!!←おまえに、メシの味がわかるのかよ。
俺と、アルデバラン、貴鬼があまりの匂いに顔をしかめていると、アフロディーテの後ろから、これまたデカイハデハデな男が現れた。『ムウゥゥ〜〜〜。お願いがあるんだけどぉ〜。』
アフロディーテは、ムウに賄賂のケーキを渡すと、紙切れを机の上に置いた。
その紙には、魚座の聖衣の絵が書かれていた。お?魚座の聖衣ってこんなんだっけ?なんかおかしくねーか??
『なんですかこれは?』
しっかりケーキを受を取ったムウが冷ややかな目で絵を見つめながら言った。←え、ケーキあるの?
『グッチ!』
グッチ?なんだそれ?←しらねーの、バカじゃん。
アフロディーテは勝手にダイニングテーブルに腰を下ろすと、ムウに説明した。
なんでも、超有名なデザイナーという輩がデザインした商標のことをグッチというらしい。しかも、そのグッチ商標は、素材、使い勝手が素晴らしく、値段も高いらしい。
っていうか、俺たちが知らないんだ、そんなもんは有名とは言わなねぇだろう。
アフロディーテは、わざわざそのために、グッチとやらのデザイナーに聖衣のデザインをしてもらったらしい。
アホか、こいつ。←おまえほどじゃねーよ。
『で、私の弟分のこの子には、エルメスデザインの聖衣。』
キョトンと見つめる俺たちに構わず、アフロディーテは新しい菓子折りを出しながら、また紙をだした。
『その節はどうもぉ〜。リザドのミスティでございますぅ。アリエスさま、どうぞよろしくお願いします。』
もう一人のハデハデな男が身体をくねらせながら言った。リザド?こいつは蜥蜴座の白銀聖闘士か・・・。
やっぱりオカマはオカマを呼ぶのか!?←こいつらだけだミスティの聖衣はエルメスとかいうデザインらしい。
これまたしっかり菓子折りを受け取ったムウの額に冷や汗が流れた。いくらムウでも、聖衣をこんなわけの分からないデザインに変えてくれって言われたら固まるよな。
菓子折り1つで変えてくれるなら、俺だって双子座の聖衣の裏に、俺の名前を入れて貰いたいくらいだぜ。←オレのクロスしっぽからかでんりゅーしほーでるようにしたいんだけど。『ムウが仕事をしている間は、私たちが家事をするから。ねっ、ムウ!アフロのお・ね・が・い!』
俺たちは思わず飯を吐き出しそうになった。←きたねーな
ケーキと菓子を貰ったムウは、アフロディーテとミスティーに引っ張られ工房へと消えていってしまった。
程なくして、ミスティとアフロディーテが工房から戻ってきた。
ムウの奴、本当に聖衣を改造してやるのか?
俺がこっそり工房を覗くと、ムウは魚座と蜥蜴座の聖衣を目の前にして、聞き取れないくらいの小さな声で唸っていた。←ことわりゃいーのにな
そりゃ、ムウでなくても唸るな・・・。
俺が再びリビングに戻ると、アルデバランと貴鬼がグッタリとしてソファで茶を飲んでいた。
俺はそのまま、キッチンで昼食の片づけをしている2人に、なんでこんな聖衣にしてもらうのか聞いてみた。
『だって、今の聖衣ってダサいじゃなーい。やっぱりアフロに似合うのはグッチ。これでサガも私に振り向いてくれるわぁ!!』←カマやめればビックリしてふりむくんじゃないのか?
アフロディーテが両手で髪を掻き揚げながら言う。そんなことをしても兄貴は振り向きもしないだろう。いや、逆に驚いて振り向くか・・・。っていうか、兄貴以外も振り向くな。←オレはふりむかねーよ。正面から笑ってやる。
『さすがお兄様。やっぱり聖闘士は美が命!!』
今度は隣でミスティが目を輝かせていった。
は??聖闘士は美が命??
『そうよ。聖闘士は美が命。美しさのバロメータは強さのバロメータ!!美しくないカノンは、だから弱いのよ!!』
・・・・あまりの阿呆ップリに怒る気も失せる。←ほんとはゲキドしたんだろー
『聖闘士の中でも一番の美を誇る私は、常に自分を磨く為に大変なんだから。』
誰が一番の美だって?アフロディーテの目は薔薇の花粉でいかれてるのか?←やっぱりサガが1番だとおもってんの?
『強い人が綺麗な人なら、魚のオジサンを冥界送りにしたムウさまは、もっと綺麗なんだね。』
『そうだな。そしたら、シャカやサガなんかも、アフロディーテよりも美しいことになるな。老師様も美しいのか。アフロディーテの美的感覚は当てにならんな。ははははっ!』
『他には誰が強いかなぁ。射手座のオジサンも美しいかな、アルデバラン?』←オレとカミュもちょーつえーぞ
『うっるさいわね。お子様と筋肉団子はお黙り!!』
貴鬼とアルデバランが笑いながら言うと、アフロディーテはプゥっと顔を膨らませて怒った。
『それだったら、星矢も綺麗だよ。』
星矢?ペガサスが!?
貴鬼の言葉に皆唖然となった。
『だって、ミスティは星矢に倒されたもん。』
ぶはははっ。そうか、この白銀オカマはペガサスにも劣る美しさなのか!!そりゃ哀れだな!!←おまえ、フェニックスに相手にされなかったらしーじゃん。フェニックス以下な。
『なんだと、このクソガキ!もう一遍言ってみろ!!』
一変して怒りを顕にし、男に戻ったミスティが貴鬼の胸倉を掴んむと、貴鬼が悲鳴をあげた。
こいつ、アフロディーテとまったく変わらないな。本当に兄弟みたいな奴らだな。←オカマなんてこんなもんじゃねーの?『おやめなさい、ミスティ。折角の美貌が台なしですよ。』←心にもないことよくゆーよな
工房から姿を表したムウが言うと、ミスティは慌てて貴鬼から手を離した。
ムウが戻ってきたとういことは、やっぱり聖衣の改造は無理なのだろうか?アフロディーテが身体をくねくねさせながら、改造の進行状況を聞いたが、まったく進んでいないようだった。
ムウは、これから夕飯の買い物に行って、夕飯の準備をして、教皇が帰ってくる準備をしなくてはいけないと説明した。すると、アフロディーテとミスティがムウを再び工房へと閉じ込めた。←つーかさー、ムウをとじこめるって、けっこうスゴイと思うんだけど、ぼんのーパワーってやつ?
そして、夕飯の支度と教皇の世話を自分達がやると言い出すと、買い物へ出かけた。ようやく白羊宮が落ち着くと、今度はミロが来た。まさか、こいつまで聖衣の改造を?
どうやらカミュが不在で、夕飯をたかりに来たらしかった。←おまえだって同じじゃねーかよ、ゴラァ!サガがいなくてコカンがさびしいんだろぅ〜〜〜〜。そういえば、兄貴のアスガルド出張はカミュとだったか。←カミュ〜〜サガとウワキするなよーーー
ミロが俺たちからアフロディーテの話を聞いて大爆笑をしていると、程なくして、アフロディーテとミスティが大量の買い物袋を抱えて帰ってきた。←マジあほ!
そして、俺たちは凄い物を見てしまった。
アフロディーテとミスティが、裸エプロンで料理を始めたのだ。キッチンに並んだ、2人の引き締まった尻を見て、俺たちは吐き気を催した。←キレイなケツじゃん
すると、ミロが興奮しはじめる。
やばい。カミュがいない時のミロは危険だ・・・。←こかんがさみしーんだよね。ヤらせろ!『おい、なんで裸エプロンなんだ!?キショイから服を着ろ!!裸で飯つくるんじゃねーよ!!』
『失礼ね!!裸じゃないわよ。香水を着てるの、シャネルよ、シャネル!!』
『私はプワゾンです!!』
俺が怒鳴ると、アフロディーテとミスティはお互いの匂いを嗅ぎながら陶酔しはじめた。
うーーー、キショイ、キショイ!!←こいつらナルだもん。あほ〜〜〜