Mission Impossible(File.170000 太陽神問題対策委員会審問会 その1)

 

『サガのおまけよ、たまには違う仕事もせい。お前にたいようしんもんだいたいさくいいんかいしんもんかいのしんもんいいんを任せる。今すぐ、第45会議室へ行け。』

はぁ?
兄貴が執務当番で久しぶりの自由な時間を堪能していた俺は、またまたまたまたまたジーサンに命令された。しかもジーサンの言っていることがよくわからねぇ。
じじぃ、早口でしかも脳内で勝手に話しをすすめてるんじゃねぇよ。なんだよ、そのなんたらかんたらいいんってのはよ!←お前が馬鹿なのじゃ

俺が文句を言うと、傍にいた神官が俺に書類封筒を渡してきた。ジーサンは俺が封筒を受け取ったのを見ると、後についてこいといって勝手に歩き出した。

俺は今まで来たことないフロアに連れて行かれた。超長い廊下にずらーっと豪華な扉が端から端まで並んでいるフロアだ。よく見ると、扉の上に数字がふってある。なるほど、俺はこの45番目の扉に入ればいいわけだな。
って、ずいぶん遠いな。

で、そのなんたらかんたらいいんってなんなんだ?俺がジーサンに尋ねると、

『なんでもかんでも余にきくでない。たまにはその無い脳みそを使わぬか。封筒の中身を見よ。』

そういって、俺を無視して歩きやがった。マジでむかついたので、一瞬ローブのすそを踏んで転ばせてやろうかと思った。←いい度胸をしておるのぅ
仕方なく歩きながら封筒を開けて中身を見ると、俺がジーさんの仕事のときに愛用しているレポート用紙の新品のやつと、何枚かの紙が入っていた。

『太陽神問題対策委員会審問会について』

紙にはこう書かれていた。

ああ、なるほどね。ジーサン、早口で仮面ごしにモゴモゴしゃべるから、いつも何を言ってるからわらかねぇんだよな。最初から文字で示せよ。←上の空で聞いておるからじゃ
で、なんだこの審問会っていうのは。俺がその紙を読もうとしたとき、

『これで分かったであろう。お前は、ある人物から先の太陽神の戦いのことを聞き出すのじゃ。太陽神とその仲間について、余も知っておかねばならぬし、また記録を残してもおきたいからのぅ。』

とジーサンが言った。待てよ、俺はまだ全然読んでないのに、わかるわけないだろう。っていうか、最初からそうやって口で説明したほうが早いだろうが。

で、ある人物ってなんだ??

俺がジーサンの話を聞こうとすると、いつのまにか45番目の会議室の前だった。

『いちいち説明せねばいかんようでは、仕事はできん。全てその紙に書いてあるから、あとは任せたぞ。』

ジーサンはそういってテレポートで消えていった。

結局俺は、その審問会とやらで太陽神の話を聞く羽目になった。

俺が部屋に入ると、なぜか兄貴、シュラ、デスマスク、アフロディーテ、カミュが楕円の会議テーブルの片側に横一列にならんでいた。

なるほど、ある人物っていうのは、裏切り者5人のことか。確かこいつらは、太陽神によみがえらせてもらって、太陽神側についた裏切り者だったよな。ってか、ハーデスとやることかぶってるじゃん。←アニメと漫画の差である

奴らは俺が部屋に入るなり、露骨に顔をゆがめた。

『カノン。ここはお前の来るところではない。さっさと帰るんだ。』

兄貴は冷静を装って言うと、他の5人が頷いた。←4人であろう

『ああん?間違って無いぜ、ここは45会議室だろう?太陽神問題対策委員会審問会っていうのがある45番目だろ?俺はお前たちの話を聞くためにここにきたんだぜ。』

俺がそういうと、やつらはまたまたざわめいた。

『ちょっと待て。俺はこいつに話しをするなんて、聞いてないぜ。こいつに話をするくらないなら、死んだほうがましだ。』

デスマスクがそういうと、全員がそうだそうだとうなずいた。だったら死ねよ。俺は構わないぜ。俺が鼻で笑うと、全員が一番奥に座っていた兄貴を見つめた。←その通り。今更これ以上かく恥もあるまいに
兄貴に俺を追い出させようたって、そうは問屋が卸さない。これは教皇命令だからな。

『サガ、どうにかしてください。貴方だって、カノンに聴取されるのはいやでしょう。』

『そうよ。サガどうにかして。』

『おうともよ。俺はぜってーーーーーーー、カノンになんか話すのいやだからな。』

『俺もだ。サガ。どうにしかしてくれ、頼む。』

カミュ、アフロディーテ、デスマスク、シュラに順々に縋り付かれ、兄貴は額から冷や汗を流しながら奴らを眺めると、大きくため息をついた。

『分かった。教皇さまになんとか話をつけてみよう。』

と、立ち上がり部屋から出て行った。

まじで!?兄貴の奴、勇気王だな。いい加減に、ああやって頼まれると断れない性格なんとかしろよ。←死んでも治らぬものは、何をやっても無駄じゃ

俺はとりあえず奴らの目の前にある椅子に腰をかけ、兄貴を待つことにした。その間、俺はもらった書類に目を通した。最初のペーパーは青銅のヒヨコたちから事情聴取したことがまとめてあった。最後のペーパには、ジーサンのミミズ文字がウネウネとうねっていた。←余は達筆なのじゃ

『太陽神及びその仲間達と、5人の間になにがあったか調べよ。特に、こいつらが太陽神とその仲間達にヤられたか詳しく調査せよ。』

うねり文字を解読した俺は絶句した。結局やっぱりジーサンが知りたいことはこれかよ。これって、結局いつもの仕事とかわらないような気がするのは、気のせいじゃないよな。
だから兄貴もこいつらも俺に話すのがいやなんだな。

兄貴は30分しても帰ってこなかった。もしかしてジーサンに掘られたか?それとも一人でとんずらか?

『やられたか・・・・。』

シュラがつぶやくと、他の三人が頷いた。

『サガ、ごめんなさい。』

『サガ・・・・、すみませんでした。』

アフロディーテとカミュが業とらしく目頭を抑えて、兄貴に謝った。

デスマスクは胸に十字を切って、拝み始めた。

『だったらてめぇらが行って来いよ。』

俺がそういうと、奴らは合わせたように首を横にふった。ぶははははっ、こいつらジーさんに食われるのが怖いんだな。っていうか、これでまた兄貴が鬱になって、俺の面倒が増えるだろうが。ふざけるなよ!!←ほうほう、兄が心配であるか

だいたい兄貴に教皇に苦情を言いに行かせる自体がそもそも間違いなんだよ。←全員確信犯である

さらに30分すると、兄貴の首根っこを掴んだジーサンが入ってきた。兄貴の顔は真っ青で精気がなく、半目状態でブツブツと独り言を言っていた。やっぱりやられたか?
ってか、ごら、ジジィ!兄貴をヤってるんじゃねーよ!兄貴が鬱になってるじゃないかよ!、しかも俺を1時間も待たせやがって。←ちょっとからかっただけじゃ
ふざけるなよ。←1万年早い

『お前たち。余が決めたことに何か不満があるのか?愚弟を審問員にしたのは余の宇宙よりも果てしない慈悲であるのが分からんのか。お前たちは、太陽神の話を神官や他の下級の聖闘士達にしたいと申すか?ん?それとも恥じを仲間に晒したほうがよいか?』

兄貴がジーサンに放り投げられると、よぼよぼしながら壁に激突した。やつらはそれを見て、顔が真っ青になった。

『よいか、愚弟は余に代わってお前たちの話を聞くのじゃ。よって、きちんと話さねば、反逆罪とみなし、お前たちもサガと同じ目にあうと思え。』

奴らは首がもげんばかりに頷いてジーサンを見送った。

 


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