MISSION IMPOSSIBLE(File.17171 Shadow Doragon その1)

 

『最近、山羊がストーカーの被害にあっているそうじゃ。おもしろそうなので詳細を報告せよ。』

ジーサンは俺に命令した。
またシュラか?いや、それよりもシュラにストーカーだと?
ジーサンはやっぱりボケたんだな。←余はピチピチの18歳である
シュラがストーカーしているの間違いじゃねーのか。たとえば、アイオロスのストーカーとか、ムウのストーカーとか、デスマスクのストーカーとか・・・・。

まぁ、いいか。ストーカーされているにしろ、しているにしろ、面白そうだな。

俺はそのまま磨羯宮へと向かい、シュラの私室を訪ねた。
俺が、私室のドアを叩くと、シュラが姿を現した。

ん?家に家にいるっていうことは、ストーカー中じゃないということか・・・。まさか本当にストーカーされているんじゃないだろうな。世の中そんな物好きいねぇよな。←被害調査とゆうておるだろう

シュラはドアを開けて俺の姿を確認すると、外をキョロキョロと見回し何かを確認していた。シュラは俺の手を引っ張って部屋に引きずり込むと、慌ててドアを閉め鍵をかけた。←連れ込まれた上に鍵とは・・・掘られたか?
シュラの顔は真っ青で、何かに怯えている様子だった。

『お前、ストーカーされてるんだってな!』

俺が言うと、シュラは恐怖に顔を歪めてながら頷いた。

まじで!?まじで、こいつなんかをストーカーする奴いるのかよ!!←蓼食う虫も好き好きである
あっ、でも、こいつの場合、日ごろの行いが悪いから仕方ないか。どうせ、シュラに遊ばれて捨てられた男か女に恨まれんたんだな。
そういう場合はうらまれる前に、あの世に送ってやればいいんだ!←その程度のことで命を奪うでない

『馬鹿!俺の恋はいつでも本気だ。遊びなんかじゃない。それに、そういうときはお互い割り切ってるんだ。いい夢を見させてもらったと言って感謝されることはあっても、恨まれるわけがない!!』

へぃへぃ、大した自信だな。←思い上がりも甚だしい

『で、具体的にはどんなことされてんの?』

俺はシュラに聞くと、シュラは話し始めた。

『まず、こうやって部屋で過ごしていても、誰かの視線を感じるんだ。お前、感じないか!?ほら、誰かが見ている気がするだろう?』

全然。それは自意識過剰の間違いだろう。←被害妄想も入っておるな

『外から帰ってくるとな、物の配置が若干変わっていたり、物が無くなっているんだ。』

そりゃ、兄貴みたいに記憶がないだけじゃねーのか!?シュラも黒くなったりするのか!?←もとより黒いではないか

『しかも、朝起きたり、夜遅くに帰ってくると、飯の用意がしてあるんだ。』

楽でいいじゃねぇか。←しかし不気味で食えぬであろう

『でな、一番の恐怖がこれだ。毎朝、朝刊の間に挟まっているんだ。』

そう言ってシュラは、大量の紙の山を持ってきて俺の前に投げ出した。

それは、ストーカーから送られたシュラへの手紙だった。

『これが一番最初に入っていた手紙だ。』

愛するシュラへ
シュラ。貴方はいつになったら私を迎えに来てくれるのですか?貴方と過ごした日々が忘れられません。早く迎えに来てください。

シュラはスペイン語で書かれた手紙を、ギリシャ語に翻訳しながら手紙を読んだ。←スペン人か?

貴方と過ごした日々って、やっぱりお前に捨てられた奴からの恨みじゃねぇか!!

愛するシュラへ
毎日、毎日、待っているのに何故迎えに来てくれないのか・・・・。きっと貴方は仕事が忙しいから、それどころではないのだろう。だから、これからは私が貴方の元へ行くことにする。

ほうほう、それでこいつはシュラのところに来たというわけか。←十二宮に忍び込むとは天晴れであるな

愛するシュラへ
シュラが毎日仲間達と過ごしている日々を邪魔することができない。貴方はいつも仲間たちと一緒に楽しそうだ。だから、私は影ながら貴方を見守るとしよう。
←言い回しがぎこちないのぅ
しかし、あまり夜遊びはしないほうがいい。私は貴方の身体が心配だ。

夜遊びをしていることまで知っているのか!?

愛するシュラへ
ちゃんと食事は食べないとだめだ。しっかり3食を食べないと身体に悪い。クラシックを聞くのはいい趣味だと思うが、あまり変な小説や雑誌を読むのはやめて欲しい。私がいるのだから、そういうものを読む必要もないだろう。
それから、アイオロスとはどういう関係なのだ。もし、貴方がアイオロスに誑かされているのなら、早く目を覚まして欲しい。

うおっ。いきなり私生活へ踏み込んだな。っていうか、見られているのに気が付かないシュラも馬鹿だ。このストーカーはアイオロスに嫉妬しているのか!?←山羊は修業のしなおしじゃな

愛するシュラへ
乾電池は燃えないゴミだ。燃えるゴミと一緒に捨ててはいけない。だが、安心してください。私がきちんと燃えないゴミに分別しておいた。ティッシュの使用量が多いようだが、やはり不自由しているのか!私がいつでも相手になるといっているのに・・・。そういうシャイなシュラがまた好きなのだが。
それから、デスマスクとはどういう関係なのだ。あんな毛蟹で暴力的な男は貴方には似合わない。
←蟹はウナジが魅力じゃ

こいつ、ゴミまで調べているのか・・・。←筋金入りじゃのう。

愛するシュラへ
昨日は貴方の事を見ていられなかったのが残念だ。何でだと思う?実は貴方に早く目を覚まして欲しくて、アイオロスのことを調べてきたんだ。
やはり貴方はアイオロスに騙されている。アイオロスは、貴方にちょっかいを出しながらも、サガにも手を出していた。あの男はずっとサガに引っ付いていて、べたべたしていた。貴方にあんなスケベな男は似合わない。あの男は貴方を騙しているんです。絶対に許せない。貴方をを騙すなんて!!

すげぇ巨大な勘違いだな。アイオロスにちょっかいを出しているのは、シュラのほうだろう。←サガにちょっか出しているのは事実であろう

愛するシュラへ
今日の帰りは随分と遅かったようですね。デスマスク達と一緒に、あまり夜遊びをしないほうがいい。昨晩、あなたに色目を使っていた女は危険だ。きっとよからぬ事を考えているの違いない。
そういえば、アフロディーテとはどういう関係なんです?あの男の貴方を見る目は異常です。あまり近づかないほうがいいと思う。
それから、二日酔いでも食事はしっかりとらないと駄目だ。だから、私が愛をこめた粥を作っておいた。

そうか、アフロディーテは兄貴からシュラに鞍替えしたのか。

愛するシュラへ
シュラ!貴方は一日に何本タバコを吸っているのですか。1日に2箱も吸ったら身体に毒です。貴方が肺がんになって死んだりしたら、私は生きてはいけない。だから私の為にも、タバコは控えてください。タバコの匂いが身体について、貴方の香りを消してしまう。
あの時、貴方を抱いて以来、貴方の温もりと香りが忘れられないのだ。

はぁ!?抱いたって・・・・・。←ほうほう、やはり痴情の縺れであるか

『お前って、掘られるのも好きなのか?』

『そんな訳ねぇーだろう。なんなら、今すぐ試してやろうか!?』

俺がシュラに聞くと、シュラは自分のズボンに手をかけた。
ちょっと待て、ふざけるな。俺は慌ててシュラを止めると、次の手紙を読ませた。

愛するシュラへ
やはりアイオロスは駄目だ。あの男にとって、貴方はサガの変わりだ。きっと、サガが相手にしてくれないから貴方で我慢しているに違いない。・・・・・、サガがアイオロスに振り向けば、貴方はアイオロスから解放されるのだろうか。それにしても、なんという酷い男なんだ。
しかし、安心してください。私は、貴方を一人の人間とし愛しています。
シュラ、貴方のぬくもりが忘れられない。貴方が私にくれたものは、今でも大切にしています。

このストーカーの目ってそうとう腐ってんな。
シュラは、この手紙を読んで青ざめていた。アイオロスに何かあったらどうしようかということらしい。
その前に、自分の心配をしろよ、シュラ。←その通り

シュラはその後も、怪しげな手紙を俺に読んで聞かせながら、恐いと言って、顔を引きつらせていた。

ぶはははっ!!だせぇな、ストーカーが恐いのか、こいつは!!

『お前、黄金聖闘士のくせにストーカーが恐いのかよ!!!』

『恐いに決まってるだろう!!黄金聖闘士の俺に気がつかれないで、後をつけ、俺の様子を調べたりしているんだぞ!!この手紙だって、必ず毎朝届いて、しかも昨日のことが書いてあるんだ。消印とか無いんだぞ!!こいつは、毎朝、直接磨羯宮にこの手紙を届けてるんだ!』←なかなかの手練れであるな

『だったら、朝、入り口で張って、捕まればいーだろう!お前、馬鹿か!?』

『んなもん、毎朝やってらぁ!!だが、いつまでたっても磨羯宮には、それらしい人間がこないんだ。諦めて俺が部屋に入ると、テーブルの上に手紙が・・・・・・・・・。』

シュラはそう言って頭を抱えて唸り声を上げた。
シュラはよっぽどストーカーが恐いようで、最近は外に出るのもやめ、夜も寝られないらしい。

よっぽど恐いんだな。なさけない奴め!←お前は恐くないと申すか

さて、ストーカーの楽しい話も聞けたし、ジーサンに報告にいくかな。

 


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