★MISSION IMPOSSIBLE(File.222223 はばたけ!鳥人間コンテスト!)
今日は兄貴がジーサンの
奴隷執務当番で、俺が双児宮のテラスで一時の自由の時間を過ごしていると、俺の家に勝手にペガサスが入ってきやがった。
青銅のくせにノックもなしに人様の家に入ってくるなんざ、100万年早い!←入ってくるまで気付かぬお前も悪い
俺が寝椅子に寝転んで、テラスの入り口に立つペガサスを睨んだ。が、俺はわが目を疑った。
女神にも暴言を吐くこの小僧が、涙目なのだ。←13歳であるからのぅなんだ、もしかしてアイオリアとかアイオロスに強姦されて兄貴に泣きつきにでもきたのか?←ほうほう
何か
ユスるネタトラブルになりそうな予感がし、俺は浮き足だった。←ゆするでない『サ、サガさんは?』
『兄貴なら、今日は仕事で上に行ってるが。』
『だったら、カノンさんでいいんで聞いてくださいよぉ〜。』
カノンさんでいいってなんだ、俺は兄貴の変わりじゃない。←代わり
むかついたのでボコってやろうと思ったが、ここはぐっと堪えてペガサスの話をきくことにした。←私闘は厳禁じゃペガサスは男のくせにデカイ目をウルウルさせながら、俺のTシャツの裾を握った。なるほど、これが兄貴がすぐにこいつを甘やかす理由か。しかし、俺には通用しないのがわからないのか?←ほうほうサガはペガサスLoveか
『聞いて下さいよぉ、カノンすわぁん。アイオリアもアイオロスさんも俺の言うこと信用してくれないんです。』
そりゃ、いかんな。
俺はうんうんと頷いて、ペガサスに同情してやった。
『よし、俺がどんなにアイオリアとアイオロスが酷い大人かきいてやるから、まぁ、中に入れ。』
俺はペガサスを連れてリビングに入ると、ペガサスは勝手にキッチンまで入り冷蔵庫から俺のコーラーを取り出して飲みだした。普段なら、こんな礼儀知らずのずうずうしいガキは即効ボコってあの世行きってところだが、俺は海よりも広い寛大な心で我慢することにした。今は、とにかくアイオリアとアイオロスの話だ。←無闇に子供を殺めるでない。もっともペガサス流星拳でボコボコにされるであろうがのぅ
『で、アイオリアとアイオロスがどうしたんだ?』
『酷いんっすよ!俺は本当に飛んだんです!!』
飛んだ?ヤバイ薬でもやったのか?それが筋肉兄弟にばれたとか?←いかんのぅ
『アイオロスさんも、アイオリアも俺が飛んだって言っても信用してくれないんですよぉ。俺は本当に射手座の聖衣を着て、空を飛んだんです。最初はアイオリアも俺の言うこと信じてたんですけど、アイオロスさんが射手座の聖衣は飛ばないっていったら、アイオリアの奴ころっと態度変えたんですよ!!でも、俺は本当に射手座の聖衣を着て沙織さんを抱っこして飛んだんです!』
ペガサスの力説によれば、俺が手出ししてないほうの北欧の神闘士と戦った時に、女神を助けるために女神を抱っこしたまま空を飛んだらしい。それをアイオリアとアイオロスに話したところ、まったく相手にされなかったらしい。←神々の熱き戦いであるのぅ
それが悔しくて兄貴に言いつけに来たのだ。
一応、聖域に来てからスニオン岬に幽閉されるまでの数年間、聖闘士として修行とかしてた俺でも聖闘士が聖衣の力で空を飛ぶなんて話は聞いたことないんだが。←余もないのぅ
しかし、主役のペガサスの言うことを信じず、しかも泣かした馬鹿兄弟のことを知ったらきっと女神は激怒するだろうな。←そのとおり俺は念のため、聖衣のエキスパートであるムウ・・・・は、高いから貴鬼を呼び出した。
貴鬼は、双児宮にペガサスが来ていて、しかも菓子が大量にあるといったら、即行で双児宮に来た。←いかんのぅ
『射手座の聖衣が飛ぶ?そんなことムウさまからもシオンさまからも聞いたこと無いよ。星矢、夢見たんじゃないの!』
貴鬼がそういうと、ペガサスは貴鬼の頬を思いっきりつねった。
『嘘じゃないっていってるだろう。』
『いへはのおひはんらっれ、ほれぇひゃひっへひふぁんはろ。』
貴鬼は頬をつねられたまま口から涎をだらだら垂らしながら、訳のわからない言語を話した。もしかしてこれが噂の麻呂語か?なーんてね!←余もわからんのぅ
『アイオロスさんは俺の話をまともに聞いてくれないんだよ。』
ペガサスは謎の麻呂言語に答えた。どうやら、「射手座のおじさんだって、飛べないって言ったんだろう」という意味だったらし。
『おい、小僧!お前、ムウやジーサンから聞いたこと無いっていうが、そもそもお前、ジーサンやムウから射手座の聖衣の話とか、そういう勉強してるのかよ!』
俺が言うと、貴鬼の顔色が青くなり、涙目に何ながら首を横に振った。←いかんのぅ
本当にこいつ、ムウの弟子なのか?もっと勉強しろよ。
聞いたことがないというのは、本当に聖衣の話を聞いたことが無いだけで、別に聖衣で飛べないとい話を聞いたことがないというわけじゃないということだ。
俺は妙案を思いつた。←下らぬことを考えるでない
そんなにアイオロスに自分が空を飛んだということを認めさせたいなら、奴の前で実際に飛んでみればいいのだ。
俺も実際に、聖衣で人間が飛べるのかどうか見てみたいしな。←聖衣はおもちゃではない俺がそういうと、ペガサスと貴鬼が巨大な目を輝かせた。
『さすが、サガさんの弟っすね。カノンさん頭いい!!!』
『おじさん意外にさえてるね!!すごいよっ!』
こいつら単純だな。こんな簡単なことも思いつかなかったのか?←下らぬことをそそのかすでない
とりあえず俺は、ペガサスと貴鬼をつれて双児宮をでた。途中で、俺の顔を見て露骨に不信の目を向けるアイオリアを拾い、人馬宮まで上った。
馬鹿の一つ覚えの筋トレをしているアイオロスのところまでいくと、ペガサスはいきなり聖衣を貸せと言った。流石のアイオロスも目が粒になった。というか、俺も目が粒になった。事情も説明しないで、聖衣を貸せなど、なんて無謀な奴なんだ。
『アイオロスさん。また聖衣貸してください!』
『一体何の為にお前に聖衣を貸さねばならんのだ。』
『だから俺が聖衣を着て空を飛んだことを、今から証明するんですよ!』
ペガサスが目を輝かせて力説すると、アイオロスがペガサスの顔面をグーで殴りつけた。
『馬鹿野郎!!聖衣は玩具ではない!アイオリアッ!お前、星矢に今まで一体何を教えてきたんだ!』←ペガサスの師は鷲である
どばっちりを受けたアイオリアはアイオロスに怒られたのがまるで俺のせいだといわんばかりに、俺のことを睨みつけやがった。
なんだよ、だいたいお前たち汚れた大人が純真な子供の言うことをまじめに聞いてやらなかったのがいかんのだろうが!!俺は悪くない。お前たちが悪いのだ!←話をすりかえるでない
『俺は、本当に射手座の聖衣で空を飛んだんですってば!沙織さんを抱っこして、空を飛んだんです。』
『それが本当なら、星矢メチャメチャかっこいいけどね。』
貴鬼がニヤニヤ笑いながら言った。まだまだ貴鬼もアイオリアもアイオロスもペガサスの言うことを信じていなかった。