MISSION IMPOSSIBLE(File.24242 摩訶不思議アドベンチャー)

 

今日、俺はいつもどおり教皇に呼び出された。次はなんの調査だ、ジーサン。
俺が教皇の謁見の間まで行くと、なぜかシュラがいた。ということは、また十二人斬りの手伝いか?
もうホモは勘弁してくれ。っていうか、シュラの奴、ついにジーサンに手をかりるのかよ・・・・。

『童虎がのう、白羊宮に居ついておるのじゃ。追い出せ!それが無理であれば、夜だけでも白羊宮から連れ出すのじゃ!』

は?中国のジーサンがなんでまた?
どうやら教皇は、中国のジーサンがいてムウに手を出せないらしい。
だったら、ムウを部屋に連れこめばいいじゃねぇか。←可能ならとっくの昔にやっておるわ

『童虎はのぅ、余と一緒に寝ておるのじゃ・・・・。』

ジーサンはため息をつきながら言った。俺達は目が粒になった。
なに?ジーサンは中国のジーサンとデキてるのか?でも、追い出せということは、中国のジーサンにヤられてるのか?←無礼者

『サルにヤられるほど、落ちぶれてはおらぬはーーー!!』

俺達は、超卑怯な必殺技『うろたえるな、小僧!』で吹っ飛ばされた。超、機嫌わるいぞ、このジジィ。←必殺技ではない
ジジィ、それが人に物を頼む態度かよ!ふざんけるな、おぼえてろよ!!

『しかし、教皇。老師さまでしたら、デスマスクが適任かと存じますが。』

『あれは駄目じゃ。童虎の息がかかっておる。』

シュラが聞くと、教皇は不機嫌そうに答えた。
だからって、なんでシュラが一緒なんだよ。まぁ、いいか。←お前一人では心もとないからである

俺達は教皇の間を出でて、磨羯宮で作戦会議をすることにした。
しかし、一体中国のジーサンはどうして白羊宮になどいるのだろうか。俺は、シュラに中国のジーサンを連れ出す作戦を考えさせ、白羊宮へと向かった。

俺が白羊宮へ行くと、中国のジーサンとアルデバランとムウが、まったりとお茶を飲んでいた。なんだか、老人ホームみたいだ。←白羊宮は福祉施設ではない
どうやら中国のジーサンは、教皇の素行を改めに白羊宮に泊まっているらしい。←迷惑この上ない
なるほど、それでムウを守るために教皇と同じ部屋に泊まってるのか。
俺はついでに、中国のジーサンも男が好きなのか聞いてみることした。

『シオンと一緒にするでない。男になどに興味はないわ!!』

へー、俺はてっきり妖怪ジーサンは二人ともホモなのかと思っていた。聖域の黄金聖闘士にもまともな奴がいるんだな。
俺は中国のジーサンの話しを聞いて、いい作戦を思いついて、磨羯宮へと引き返した。

俺の作戦はこうだ。
あの中国のジーサンは、ずーっと座っていたらしいから、ろくに遊んだこともないだろう。だから、夜、飲みに行くと誘って白羊宮から連れ出せばいいのだ。男に興味がないということは、女には興味があるということだ。酒だって、飲むだろうしな。

俺がシュラにこの素晴らしい作戦を話すと、シュラも納得した。しかし、俺達が中国のジーサンを誘っても、乗ってこない可能性が高い。
ということで、ここはデスマスクの出番だな。俺達はデスマスクを呼び出し、今夜中国のジーサンと親睦を深めるために飲みに行きたいと言うと、デスマスクは目を輝かせた。

『おう。まかせておけ。老師もせっかく聖域に戻ってきたのに、ずっと白羊宮にいるからな。たまには羽を伸ばして貰わないとな!!俺、ちょっと白羊宮まで行ってくらぁ!!あっ!7時に白羊宮の階段の下で待ち合わせな!!』

デスマスクはそう言って、磨羯宮を出ていった。
俺達がどこへ飲みに行くかとか、何時に集合するかとか考える必要もなく、作戦はデスマスクによって決行されることになった。超楽!!
しかも、今夜の飲み代はデスマスク持ちになる可能性も高い。

俺達は今夜、中国のジーサンを白羊宮から連れ出すことができそうなので、教皇に報告しにいった。
俺達が事の次第を報告すると、教皇は嬉しそうに笑って、成功したら何でも褒美をくれると約束してくれた。やったぜ。これが成功すれば双子座の聖衣は俺のものだ!!
それにしても、中国のジーサンはそんなに邪魔なのか?だったら、プスリと殺っちまえばいいのにな。←可能ならとっくの昔にやっておるわ

 

その夜。7時になったのを確認して、俺は、兄貴に飯はいらないと言って双児宮を出た。
白羊宮の階段では、既にデスマスク、シュラ、中国のジーサンが俺を待っていた。まじで?約束の時間を守ったことがないこいつらが、なんで7時をちょっとしか過ぎてないのにいるんだよ。
俺は、デスマスクに遅いと言って怒鳴られた。←約束の時間を破るでない

『まぁ、よいではないか。サガとて、いろいろとやることがあったのだろう。しかし、サガが飲みに行くとは珍しいのう。おぬしが元気があるということは、よいことじゃ!!』

はぁぁ??おい中国のジーサン!!俺はカノンだってーの!!

『あのぉ。俺、カノンなんですけど。サガの双子の弟のカノンです。』

『ほう、それはすまなかったのう。サガよ。』

だから、カノンだって言ってるだろうがこのクソジジィ!!俺は、このボケ老人に殺意を覚えた。←プスリと殺ってしまうがよい

 

俺達はテレポートでアテネ市内に行くと、馴染みの美人のホステスさんがいっぱいいるお店に向かった。
すると、中国のジーサンの目が輝いた。
やっぱりな。200年以上座っていたから、そうとうたまっているはずだもんな。俺の作戦成功!!

俺達はVIPルームに入ると、美人のお姉ちゃん達がわらわらと寄ってきた。中国のジーサンの鼻の下は伸びっぱなし。

『どうですか、老師?』

『よいのぉーーーーー!!』

デカイ声のデスマスクが尋ねると、ジーサンはデカイ声で答えた。

『やーーん、デッちゃん。こちら初めての方よね?お友達??』

『きゃ、童虎ちゃん喋り方可愛い!』←目が腐っておるの

『やーーん、「じゃ」だって。かわいーい!!』←耳も腐っておるの

『中国の方なんですか?今度、私の為に中華料理作ってぇーーーー!!』

中国のジーサンは小さくてサルみたいだと女達にモテモテだった。ジーサンもすっかり大乗りで、調子に乗ってお姉ちゃん達にベタベタと触りまくっていた。

『女はよいのーーー。どうしてシオンは女の良さが分からんかのぅ!!』←どうして男のよさが分からぬかのぅ

ジーサンはお姉ちゃんを抱きしめながら、酒を飲んで笑った。

『童虎ちゃん、本当に可愛い!!童虎ちゃんになら、パフパフしてあげる。』

『パフパフ!?デスマスク、パフパフとはなんじゃ?』

『パフパフですよ。老師。パフパフはいいですよ!!』

ジーサンが不思議そうに聞くと、デスマスクがケラケラと笑いながら答えた。そして、お姉ちゃんがいきなりジーサンの頬を掴むと、自分の胸の谷間にジーサンの顔をうめこんだ。そして、両方の胸の外側に手をあて、ジーサンの顔を胸でパフパフと挟んだ。←下劣極まりない

『よいのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!』

お姉ちゃんの胸から顔を上げたジーサンが、また叫んだ。さっきから、ジーサンは『よいのー。』しか言ってない気がするのは俺だけだろうか・・・。
まぁいい。これで俺達の、中国のジーサン夜遊び作戦は大成功だ。俺はシュラと顔を見合わせて、作戦が成功したことに祝杯をあげた。

その後もジーサンは、お姉ちゃん達と楽しそうに酒を飲んで、触りまくっていた。
こんなんで双子座の聖衣が貰えるならチョロいな。

しかし、9時になると、ジーサンの動き緩慢になってきた。
おっ、なんだかヨボヨボしてきたぞ。

『ふむ。もう9時ではないか。どうりで眠いはずじゃ。』

何、ジーサンはもう眠いのか?おいおい、まだ9時じゃねぇか。

『デスマスクよ。わしはそろそろ帰るとするかのう。今日は皆と飲めて楽しかったぞ。感謝する。』

ジーサンはそう言ってヨボヨボと店を出ていた。ヨボヨボしているジーサンを心配したデスマスクは、慌てて勘定を済ませると、ジーサンの後を追った。俺は慌ててデスマスクに掴まり、テレポートで聖域まで戻った。←自力で戻れぬのか

 

くそっ、作戦は失敗だ。まさか、中国のジーサンがこんなに早くに眠くなるとは・・・。体は若いくせに、中身は全然老人じゃねぇかよ!!←その通り
俺とデスマスクがジーサンを追って、白羊宮へと入ると、目が点になった。

白羊宮のリビングで、裸のムウが教皇の上に乗っかって喘いでいたのだ。

『シオン!お主何をしておるのじゃ!!』

『童虎こそ、なぜにここにおる。山羊達と出かけたのではないのか!!』

『さてはお主、シュラ達をつこうて、このわしを白羊宮から遠ざけおったのか!!デスマスク!!』

ムウと教皇の痴態に呆然と立ち尽くしていた俺達は、中国のジーサンに怒鳴られ我に返った。

『ろ、老師。私は何も知りません。ただ、シュラ達が老師と親睦を・・・・。』

『サガよ。では、お主はこのことを知っておったのか!!』

だからサガじゃねぇって言ってるだろう、ごらぁ!!ってーか、このくそジジィ、わざと言ってるだろう!!

俺は取り合えず保身のために、首を横に振った。

『シオン。いい加減ムウからはなれろ!!』

中国のジーサンは、教皇に怒鳴るとムウの髪の毛を掴んで、教皇からムウを引っこ抜いた。そして、そのままムウを俺達の方向へと投げ飛ばした。俺は咄嗟によけたが、事の次第に唖然としていたデスマスクはよけきれずに、素っ裸のムウを乗っけたまま倒れ、悲鳴を上げた。←余の可愛いムウを乱暴に扱うでない

『ムウに淫行を働くでないと何度言ったら分かるのじゃ!!』

『うるさい。ムウは余のものである。余の好きにして何がいかんというのじゃ!!』

教皇は怒鳴ると、デスマスクの上に覆い被さっていたムウを引き離し、連れていこうとする。すると、中国のジーサンの手元にいきなり、黒い巨大なお玉みたいなものが現れ、それで教皇の頭を小宇宙を込めて殴った。いーぞ、中国のジーサンもっとやれ!!

『なにをする、童虎!!』

今度は教皇が小宇宙を込めて、中国のジーサンを殴った。
ジーサン同士の小宇宙が白羊宮内で爆発し、壮絶な雰囲気になった。
なんだ、ムウの取りあいか?なんだかんだ言って、中国のジーサンはムウLAVE?←Love、ムウは余のものである

『一体どうしたんだ、カノン!!』

そこへ、ジーサン達の小宇宙を感じて兄貴とアイオロスが白羊宮に下りてきた。ってーか、なんでアイオロスまで??←お楽しみ中であったのであろう

『アイオロス、命令じゃ。童虎を今すぐ白羊宮から連れ出せ。他のものも邪魔じゃ!!』

『私用で黄金聖闘士を使うでない、この馬鹿者!!!』←私用ではない

教皇がアイオロスに命令すると、中国のジーサンが再び黒いお玉で教皇の頭を殴った。打ち所が悪かったのか、教皇がちょっとふらついたのを俺は見逃さなかった。

その途端、今度はムウの部屋のドアが勢い良く開き、中からアルデバランと貴鬼が飛び出してきた。
兄貴は咄嗟に貴鬼に駆け寄ると、ムウさま、ムウさまと騒いでいる貴鬼の体を持ち上げ、ムウのあられもない姿が見えないように目を手で隠した。そんなことをしても今更遅いってーの。
アルデバランが慌ててムウに駆け寄ると、抱き起こす。

ジーサン達が罵り合いをしている間、アイオロスと兄貴はアルデバランに事情を聞いていた。

どうやら、中国のジーサンが出かけた後、アルデバランと貴鬼は教皇に妖力でムウの寝室に閉じ込められたらしい。しかもムウの寝室の扉は、アルデバランがグレートホーンを使っても、何をしても開かなく、外からはムウの悲鳴&喘ぎ声と教皇の笑い声が聞こえて大変だったらしい。
おい、旦那。しっかりしろよ。お前のグレートホーンは全然役立たずだな!!←牛では話にならぬ。

きっと、さっき教皇がフラついたときに、教皇の力が弱まったんだな。だせーぞ、ジジィ!

『牛!!ムウに触るでない!!』

『この色ボケ羊、いい加減にせぬかーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』

中国のジーサンが小宇宙を込めて力いっぱい、デカイ黒いフライパンで、ムウの片足を掴んでアルデバランを睨みつけている教皇の頭を殴ると、教皇の頭にみるみるタンコブが膨れ上がり、その場に倒れこんだ。
うわっ、教皇チョロいぞ。←お前も一度殴られてみるがよい

『まったく。こやつは250年前とちっとも変わっておらんわ。サガよ、わしはもう寝るから、あとは頼んだぞ!!』

中国のジーサンは、暴れている貴鬼を抱いている兄貴に声をかけると、白目を剥いて倒れている教皇の髪の毛を引きずって寝室へと消えていった。
ってーか、やっぱり兄貴と俺のことわかってるんじゃねぇかよ、ジジィ!!←そういう男である

中国のジーサンに命令された兄貴は、アルデバランにムウを風呂に入れさせると、貴鬼を寝室へと連れていった。

『ムウはすぐに隣に来るから、お前はもう寝なさい。』

泣きじゃくる貴鬼を宥めながら兄貴は貴鬼を寝かしつけると、ため息をつきながら、部屋の片付けを始めた。アイオロスは、腰を抜かして放心状態のデスマスクの頬をペチペチと叩きながら、帰ってくるのが早い!と言って怒っていた。
なんだよ、それ。俺達が帰ってくるのが早いのがなんか問題があるのかよ!!←大問題であろう

しばらくして、アルデバランに風呂に入れてもらったムウは、兄貴に良く眠れるようにと、ホットミルクと精神安定剤を貰ってリビングで宙を見つめていた。
俺はストレスが溜まって心労MAXの兄貴が、たまにこういう状態になるのを思い出した。ムウもきっとジーサンに掘られてストレスMAXなんだろうな。牛乳を飲んだムウは、アルデバランに連れられて寝室へと消えていった。さすが旦那だ、ムウの面倒をよく見てるな!←心労などたまるはずなかろう。牛は旦那ではない

その後、俺達は遅れて帰ってきたシュラと一緒に、教皇の醜態を酒の肴に双児宮で飲みなおすことにした。

報告:中国のジーサンを夜に連れ出すのは無理!!だが、中国のジーサンは中々の女好きと見えるので、女を与えてみてはどうですか?

 

話にならぬ、役立たずどもめ。

教皇 シオン


End