MISSION IMPASSIBLE(File.242424 続!帰ってきた仲良し調査)

 

『カノン、私が席をはずしている間に、私の皿に何をいれた?』

兄貴は自分の皿のスープを一口飲むと俺を睨んだ。

しらね−よ。
俺が兄貴に答えると、兄貴は立ちあがり俺の胸倉を掴んだ。←暴力はいけないわ

『知らないわけなかろう。なぜシュガーポットが空になっている。お前がやったにきまってるだろう。食ってみろ。』

兄貴がキッチンに水を取りに行っている隙に俺が砂糖を一瓶を入れた兄貴の野菜スープを、兄貴はスプーンですくうと、それを俺の口元に持っていった。←「あ〜ん」ね。やっぱり仲がいいのね。
んな、砂糖漬けのスープなんて食えるか。兄貴の分なんだから自分で食いやがれ!!

『この馬鹿。あれほど食べ物を粗末にしてはいけないと言っただろう。』

『だったら兄貴が全部食えばいいだろう。それは兄貴のだ!』

『お前達、やはり仲が悪いのぅ。』

俺達は、突然の声に振りかえった。見ると、リビングの入り口に教皇が立っていた。
この麻呂、いつのまに俺の家に?←麻呂じゃないでしょ、おじーさまよ!

兄貴は俺の胸倉から手を離すと教皇の元へ走り出し、土下座した。

『どうして仲良くできぬのじゃ。女神がのぅ、「絶対サガ×カノンなの!」とおっしゃっておる。仲良くせい』←そうよ!巷ではサガxカノンなのよ

は?サガ×カノン?なんだそれ?←知らないの?今度日本にいらっしゃい。同人誌みせてあげるわ

『女神がのぅ「双子は絶対サガ×カノンじゃなくちゃ駄目なの!」と・・・。そう手紙に書かれておる。』

女神・・・

『いくら女神命令でも嫌いなものは嫌いだ。俺は兄貴が大嫌いだ!』

俺が教皇に言うと、兄貴はうんうんと肯いた。

教皇は顎を撫でながら、兄貴に確認をとると、兄貴は顔をあげてとんでもないことをいいやがった。

『私はカノンと仲良くしたいのですが、カノンが一向に私を受け入れてくれないのです』←まぁ、サガはカノンラブラブなのね

俺の目は点になった。兄貴の偽善者ぶりに思わずチビリそうになったくらいだ。
はぁ?お前がいつ俺と仲良くしようとした?イチイチ文句言っては、俺をタコ殴りにしやがって。←カノンは馬になったりするの?

『ではのぅ、何故に喧嘩をしておった?』

『カノンが私のスープに砂糖を一瓶入れたからです。』

ふざけんな!一方的に俺が悪いみたいじゃねぇか!←サガは甘いのが好きだから砂糖をいれてあげたんでしょ?
毎日毎日味のない不味いものばっかり食わされてるから、仕返ししたまでだ!!
俺がそう主張して、教皇に不味いスープを突き出すと、教皇は味見して顔をゆがめた。

『不味い』

いいぞ教皇、もっと言え!←変なものをおじーさまに食べさせないで。病気になったらどうするの!

『これは野菜の水炊きか?お前は弟にこんな不味い食事を与えて虐待しておるのか?聖闘士がこんなエネルギーのつかぬ食事でどうする。炭水化物を摂取せよ』

やったぜ、これで貧乏食ともおさらばだ!明日からは肉だ肉!←肉をたべたことがないのですか?今度辰巳に送らせましょう

しかし兄貴は

『私は、カノンに化学調味料の入った健康を害するような食事を与えたくないのです』

と付け加えた。どの口が言うか、この大嘘つき!クソジジィも納得してんじゃねぇよ!←グラード財団研究所開発健康食品も送るわ

『弟よ、濃い味がよければ自分でソースなり、ケチャップなりで後から味をつければよいではないか。サガよ、お前も自分の好みを弟に押し付けるでない。これから食卓には必ず調味料を並べておくように。よいな。』

おい、じじぃ!そういう問題じゃないだろう!←おじーさま

『ほれ、サガよ。さっさと食事の続きをせぬか。』

兄貴は眉間にシワを寄せながら、砂糖スープを片付けると、新しいのをと調味料を持ってきた。
俺と兄貴は向かい合わせに座り、教皇はテーブルから離れたところに座り、書類をチラチラ見ながらこっちを観察している。←おじーさま素敵v

『さっさと「あーん」でも口移しでもいいから、仲良く食え』

教皇はそう言うと、超能力で四角い箱を取り出した。なんとカメラだ!恐らく日本製のデジタルカメラだ!←沙織があげたのよ

『お前達がサガ×カノンである証拠をそえて、女神に報告せねばならぬのじゃ』

俺と兄貴は石になった。つーか、ジーサンよ、それは女神の命令じゃなくててめぇの趣味じゃないのかよ!←さすがおじーさま、沙織と趣味が同じね

『しかし、女神に虚偽の報告をなさるのはいかがなものかと・・・』

そうだ兄貴、いいぞもっといえ!

『女神が黒とおっしゃれば、白でも黒なのじゃ。余に意見するなど、300年早い。』←人間も馬になるのよ(ウフッ)

・・・もしかして、俺最大のピンチ?
兄貴は顔を真っ青にして、教皇と俺を見比べた。そして、手刀を構えた。

『ううう・・・このサガ、一命をもって女神にお詫びいたします・・・』

またいつもの自殺癖だ。しかし、相手が悪かった。兄貴は教皇に蹴り飛ばされ、自殺を阻止された。←いやぁ、もう自殺しないで怖くて眠れなくなるわ
折角兄貴が死ぬチャンスだったのに、邪魔すんじゃねぇよ。←止めなさい

『これは女神命令じゃ。証拠写真を撮るまで双児宮から帰ることはできんのじゃ』

教皇がそういうと兄貴は顔を蒼白にして、口を金魚みたいにパクパクさせた。泡を吹くのも時間の問題だ。←普段は泡を吹いているの?

しかしジーサンは教皇なんだから、んなくだらねぇことは雑魚に命令してやらせろよ。俺が教皇に聞くと、貴鬼でもムウでも決定的証拠がつかめなかったからジーサン自ら乗り込んだらしい。っていうかさ、デキてもいないのに、証拠なんてあるわけないじゃん。←沙織のお願いだからおじーさまが直接調べてくれてるのよv

『教皇様・・・それをすれば、教皇様はお帰り下さるのですか?』

『お前達が仲がよいという証拠を撮ったら帰ってやるわ』

『では、よろしくお願いします』←キャー、頑張ってサガv

は?
このクソバカエロホモ兄貴、何考えてる!?←ヤオイよ、ヤ・オ・イv
兄貴はスープを口に含んで俺の胸座を掴むと、顎を掴んで勢いよく顔を近づけた。
つーか、エロジジィの命令なんてきくんじゃねぇ、このホモ野郎!
俺はもちろん必死こいて抵抗した。
ガコーーーンと音がして、俺と兄貴の前歯が激突。兄貴はテーブルの上にスープを吐き出した。
うげーーーー、兄貴とチュウだなんて、マジ勘弁してくれ。俺は洗面所に走って、唇がはれるまできれいに洗浄した。

『汚いのぅ。こんな汚い写真を女神に提出するわけにはいかんのぅ。』←おじーさまったら優しいのね

洗面所から戻ってきた俺に、教皇はカメラの液晶を向けた。
兄貴がスープを吐き出した瞬間がバッチリ映ってる。ブサイクなうえ、超きたねぇ。


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