MISSION IMPOSSIBLE(File.252525 山羊コラ)

 

『おまけよ。最近、巷でおかしなものが出回っておる。調べてまいれ』

今日、俺はまたまたジーさんに呼び出され命令された。

おかしなものってなんだろうか・・・って、俺が聞くよりも早く、ジーさんは椅子から立ち上がりカーテンの奥に消えていった。

ざけんな、ジジィ!おかしなものは自分だろうが、早く気が付け!←無礼者

俺は仕方なく教皇の間をでて、『おかしなもの』とやらを調べることにした。
『おかしなもの』っていったら、やっぱりムウの麻呂眉だ。←かわゆいではないか
後は、兄貴も存在自体がおかしなものだ。それを言ったら、シャカとかアイオロスとかアフロディーテもオカシイ。
というか、この聖域自体がおかしなものかもしれんな。ジーさんはもしかして気がついていないのか?←漫画に下らぬつっこみを入れるでない
それもそうだ、ジーさんはおかしなものの教皇だもんな。キングオブおかしなものはジーサンに決定だ!←無礼者

てな報告書を書いたら、流石にジーサンも自分がおかしなものって気がつくだろうか?
そんなことをしたら、多分また『ばか者、余はおかしなものではない教皇である』とか赤を入れられるのがオチなので、俺は仕方なく調査をすることにした。←最初から素直に仕事せい

そもそもおかしなものが具体的になんだか分からないので、俺はジーサンが言っていた『ちまた』に行くことにした。十二宮でおかしなものが出回ってたら、じーさんも巷なんて事言わないだろうし、俺が気がついていたはずだ。←よいよい
そんなわけで、俺は十二宮をおりて下々の者がいる闘技場や訓練場、市場にいくことにした。

闘技場や、白銀聖闘士の詰め所、雑兵の詰め所とか市場のばばぁに聞き込みをした。

奴らの話しをまとめると、聖域にはやっぱりおかしなものがいっぱいあった。

まずは、雑兵が自慢気に俺にみせた、『アイオロスモデルのプロテクター、シリアルナンバー6003』←おかしいのぅ

それから雑兵が宝物だといって俺に見せた、女神が踏んだ石←よい心がけである

市場のばばぁのガキ(女)が持っていたへんなものは、ピンクの表紙に天使の絵が書いてあった恋愛ポエムだ。
これは白銀聖闘士ももっていたが、奴らは無理矢理買わされたようなことを言っていた。←押し売りか?いかんのぅ
だが、村や市場の奴らに聞いてみると、このポエムは女達に受けがいいらしく、結構持っている奴がいるみたいだ。

もしかして、巷に出回っているおかしなものというのは、これか?←ほうほう

だが、ポエムごときでじじーが目くじら立てることないだろう。しかも、巷といっても聖域のパンピーだしな。←パンピーとはなんじゃ?

俺はいらねぇって言うのに、白銀の一人から勝手におしつけられたポエムを持ってさらに聞き込みをしていると、市場の井戸の周りで雑兵2人がコソコソしているのを発見した。

怪しいな・・・。もしかしてこの俺に黙ってご禁制の品の密売なんてやってるんじゃないだろうな。←お前はやっておるのか?

俺は気配を殺しその雑兵に近づいていき、奴らが手に持っているものを見て驚いた。

なんと奴らはアイオロスの写真と、ムウの写真をもっていたのだ。しかもその写真ていうのが、普通じゃない!なんていうか、隠し撮りだ、隠し撮り。←いかんのぅ
ムウの写真は恐らく白羊宮の柱の影から撮ったんだろう、写真の半分が柱でその奥に小さなムウが映っていた。
アイオロスのは多分、朝の筋トレの隠し撮りだ。←撮るほうもいかんが、撮られるほうもいかのぅ

俺が雑兵たちからそれをとりあげ、この写真はなんだと尋ねると、奴らは他にも写真を出して俺に見せた。

それはまたまたムウとアイオロスの写真だ。どうやら、片方の雑兵はムウ信者で、もう片方はアイオロス信者らしい。

しかも、こんどの写真は隠し撮りじゃなかった。

ムウの写真は、いつものジャミール服にすかした笑いを浮かべているバストアップの写真で、アイオロスの写真もいつもの半裸にキッショイ笑顔を浮かべている写真だ。

『これは貴重なんです。サジタリアスさまのサインがはいっているんです!』

と、腐った目をキラキラ輝かせている雑兵が指差したところを見て、俺は絶句した。なんと写真の隅にまじでアイオロスのサインが入っているのだ。←いかんのぅ

まさしくこれがジーさんのいう『おかしなもの』だと直感した俺は、さらなる手がかりを求めてやつらから写真を奪った。

手がかりはすぐに見つかった。
さすが名探偵カノン様だぜ!

この雑兵の言うところの生写真(しかも、ご丁寧にビニール袋に入っていた)の裏に、怪しげな番号が書いてあったのだ。最初は商品番号みたいな奴かとおもったが、ムウの写真とアイオロスの写真に書いてある番号が両方とも同じだった。

これはどう見ても電話番号だ。しかも携帯の電話番号っぽい。←ほう、そんなことまでわかるのか

つーか、これはムウとアイオロスの自作じゃねぇか?
とくにアイオロスなんて、貧乏でいつもアルバイトしてるから、これもその延長だったりしてな。でも、ムウのところは電話の電波が届かないらしいし、原始人アイオロスが電話なんていう文明の利器を持っている、いや、使い方を知っているはずがない。

とにかく俺はこの番号に電話するべく、聖域にも数箇所しか設置されていない公衆電話の一つがある酒場に向かった。

もちろん俺は金をもっていないので、酒場の店主から金を貰おうとすると、なんと酒場にはシュラとデスマスクとアフロディーテが真昼間から酒をのんでいやがった。←厳重注意である

こいつらから金を貰ったほうが、あとあと面倒なことにはならなさそうだ。一般人から金をもらったら、また兄貴に盗んだとか、脅したとか言われるからな。←その通りであろう

『よぉ、暇人。金も無いのに酒場とはいいご身分だな。』

俺の顔を見るなりシュラがそういいやがった。マジむかつく。俺には金など必要ないのだ、この貧乏人め!←無一文に言われたくないのぅ

俺は一番はぶりのいいデスマスクから、電話代を貰うことにした。俺が電話をかけたいというと、デスマスク、シュラ、アフロディーテがいっせいに自分たちの携帯電話を俺に差し出した。

『お前、電話なんてかける友達がいるのか。そうか・・・、サガが聞いたら喜ぶな。俺の電話を使っていいぞ。』

シュラはそういって携帯電話を俺に渡した。

アフロディーテの携帯は何かの毛皮みたいなボワボワのがついていて、しかも携帯よりもそっちのほうがでかい。

デスマスクの携帯は・・・・変な丸い小さなピンクの人形と、多分しんごママの人形、それに蟹がついていた。←蟹?

俺は一番シンプルで何もついていないシュラの携帯を借りることにした。

三馬鹿に俺の仕事のことがバレるのは多分ジーさんに怒られるので、俺は酒場のすみにいって電話をかけた。←当然じゃ
しかし、何度電話してもつながらなかった。

くそ、持ち主と同じで携帯まで役立たずだ!

俺はシュラに携帯を返し、デスマスクから後で兄貴に倍返しさせる約束で金を貰った。


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