MISSION IMPOSSIBLE(File.262626 サガ好きさんなカノンに・・・)

 

その場で報告書を書きなぐって、ジーサンに提出した。
が、お約束でジーさんパンチが飛んできた。

殴ろうとなにしようと、事実は曲げられない。どんなに女神が、カノンサガだのサガカノンだといっても、無理は無理!
いい加減、諦めろ!
暇ならムウか兄貴かミロか、そこらへんの適当な聖闘士をからかって遊んでいてくれ。←お前で十分じゃ

どんなにじーさんに言われようとも、これだけは譲れない。
俺は兄貴が大嫌いだ!あいつは殺しても殺したりない。一生許せない人間だ!!!

俺がそういって力説すると、もういいと言ってカーテンの奥に引きこもった。

どうやら、ようやく諦めたらしい。

じーさんが脳内で描くラブラブエロエロ双子妄想から解放された俺は、そのまま教皇の間を出て、処女宮で昼寝して家に帰った。

 

と、いうのが一週間前だ。

俺はまたジーさんに呼び出され、しかたなく教皇の間に行った。たまには女のエロエロ調査とかしてみたいもんだぜ。
まぁどうせ、ホモ調査か、くっだらねぇ調査だろうがな。

『サガの金魚の糞!お前がどれだけサガが嫌いか、よぉくわかった。』

じーさんはいきなり言った。

じーさんの脳みその情報処理速度は、俺が兄貴が大嫌いだということを理解するのに1週間かかったらしい。俺は笑いを堪えるのに苦労した。
まったく、そんなことをいちいち言うために俺を呼び出したのか。

『しかしのぅ、サガはお前のことを嫌いとは思っておらぬかも知れぬぞ。』

は?

俺は我が耳を疑った。

兄貴が俺のことを嫌いじゃないだと?

まさか、そんなことあるはずがない。俺が兄貴のことを嫌いじゃなくなる確立と同じくらいない!なんていったって、兄貴は俺のことをスニオン岬の岩牢に閉じ込めて、見殺しにして邪悪に笑ってるくらい俺のことが嫌いなんだ。
毎日、俺にまずい飯を食わせたり、俺が風呂に入りたいのにいつまでたっても嫌がらせで出てこなかったり、独り言をブツブツいって俺にいやがらせしてみたり、俺がホモが嫌いだっていうのに目の前で男といちゃいちゃしてみたり、俺の部屋を勝手に片付けて大事なものを捨ててみたり、俺の金を勝手に管理してみたり、双子座の聖衣をいつまでたっても俺によこさなかったり、・・・・・、と、とにかく兄貴は俺に毎日いやがらせをして楽しむくらい、俺のことが大嫌いなんだ!←うろたえるな小僧

そもそも、ジーさんだって、兄貴が俺のことを嫌いなのを良く知っているはずだ。

麻呂小、中がカノンサガだの、サガカノンだの調査の時にも、ジーさん本人が調査にきたときも、兄貴は俺のことが嫌いだって言ってただろうが。←なにをそんなに必死になっておるのじゃ

もう忘れたのか?
やっぱりそろそろ引退して、どっか冥界辺りに骨でも埋めたらどうよ。

『そうはいうても、あれはその場しのぎの嘘かもしれぬぞ。仮に、サガがお前のことを好きであれば、おまえどうする?』

俺はさらにびっくりした。
多分、狐が豆鉄砲くらったような顔になったに違いない。←鳩じゃ

兄貴が俺のことを好きだなんて、天と地がひっくりかえってもありえない。

まぁ、仮に、天と地がひっくり返って兄貴が俺のことを好きとしよう。考えるだけでも、キッショイが。それはそれで、いろいろと・・・ふふふっ。←ほうほう

手っ取り早く、俺様の奴隷にしてやる。俺様の手下一号だ。←性奴隷じゃな
美味い飯作らせて、俺の身の周りの世話させて、なにか気に食わないことがあったら兄貴ボコって八つ当たり。んでもって、兄貴にアイオロスとかジーさんとか超気に食わない奴殺させて、この俺様が聖域を支配するのだ!←無理じゃ

これはこれで、考えるだけでも楽しいな。うわーーーーはっはっはっはっ。

『ふむ。では、サガがお前のことを好きかどうか調べて来い。』

だぁかぁらぁ、兄貴は俺のことが嫌いなんだってーの。さっきのは仮にって話だろうが、ボケ老人!

『口ではそうはいっても、本心はどうかのぅ。もしサガが心の底ではお前を好いていたら、お前の奴隷にできるやもしれぬのだぞ。』

・・・・。まさか。それは絶対にありえん。
俺が兄貴に好かれる理由なんて、まったくない。
俺だって、もし俺みたいに自分よりもかっこよくて、天才の弟がいたら、嫌うもんな。←うぬぼれるでない

『いいから、調べて来い、この馬鹿!お前だけではどうせ文句ばかり言うと思うて、今回は助っ人もつけてやるから、とっとと調べて来い!報告を楽しみにしてるぞ。』

ジーさんは、いひひひひっといやらしい笑い声を上げて、またまたカーテンの奥に雲隠れしやがった。

結局俺は、また調査するはめになった。しかも、調査内容があまりにもばかげている。

その助っ人やらに、ってどうせ麻呂小だろうから、麻呂小に全部まかせて、今回も兄貴に嫌がらせして家出さして双子座の聖衣を貰うかな。←ほうほうまたセクハラをしたいのじゃな

 

ということで、俺はそのまま双児宮に戻った。

双児宮にもどると、リビングのソファにシュラが座ってコーヒーを飲んでくつろいでいた。
どうせ兄貴のご機嫌取りか、仕事の話か、遊んでくれる奴がいなくて暇つぶしだろう。
俺には関係ないので、麻呂小がくるまで部屋で昼寝をすることにした。

だが、俺はシュラの向かいに座ってた兄貴に、呼び止められた。それを無視して部屋に入ろうとしたら、兄貴は光速移動で俺の耳をひっぱりソファに無理矢理座らせやがった。

『カノン。私はお前のことが大嫌いだ。できればお前の顔など二度とみたくない。』

俺はマジでむかついた。帰ってきていきなり兄貴は俺に喧嘩をふっかけてきたのだ。

『ったりまえだ。俺だって、お前のことが大嫌いだ。むしろお前が死ね!』

俺がそういって兄貴の胸倉を掴むと、兄貴は目の前にいるシュラのほうを向いて頷いた。

『これで分かったであろう。私とカノンは憎みあっている。サガカノンでもカノンサガでもない。』

兄貴がそういったので、俺は思わず兄貴から手を放しシュラを見た。

肩をすくめて大袈裟に呆れた表情をするシュラの手には、これで通産何度目かのレイのブツが握られていた。

女神とじーさんの命令書だ。

まさか、助っ人って麻呂小じゃななくて粒目か!?

『しかしですね、サガ。俺は女神にもっとも忠誠厚い聖闘士です。これで引き下がるわけには行かないんですよ。ちゃんとカノンサガの証拠を提示しないと、日本にいる女神に顔向けできません。』

そういって、ピンクの便箋に丸文字で書かれた女神の命令書をシュラは誇らしげに見せて、鼻息をあらくした。

あのお嬢、まだ懲りてないのか・・・。しかもこんどは俺攻めか!?

『というわけで、女神の命令書も、教皇の命令書もあるので、しばらくやっかいになります。』

シュラは兄貴に頭を下げた。

まじか!?

やっかいになるってことは、また麻呂小〜大みたいに住み込みで調査するのか?

おい、ごら、じじっ!助っ人じゃなくて、ただの邪魔者じゃねぇかよ。←ほうほう、何が邪魔なのじゃ?

っていうか、じーさんが俺に命令したことと、シュラが命令された内容がまーーーーーったく違うのは気のせいじゃないよな。

今回の調査は、兄貴がどれだけ俺のことを好きかの調査じゃなかったのか!?

しかし俺ももちろんだが、兄貴がシュラが双児宮で生活するなんて許すわけがない。

『まったく、何度もいうようだが、お前も知ってのとおり、私たち兄弟は仲が悪いのだ。いや、私はこんな奴とは兄弟でもなんでもない。たまたま同じ女性から生まれた赤の他人だ。私はこんな極悪非道の男と兄弟で双子など思いたくもない。分かったなら、帰れ。』←同じ股から産まれてきたら兄弟ではないか

おいおい、自分のことを棚にあげて何を言っているんだ、このすっとこどっこいな兄貴は。なんかめちゃめちゃむかつくが、俺は兄貴の意見に同意した。

『なるほど!他人だと思っているから、SEXもできるんですね!やはりサガ的には血のつながっている弟の身体を受け入れるのは難しかったわけですか。しかし、それを血のつながりのない赤の他人と思うことによって、クリアしたんですね。』←ほうほう

手をぽんと叩いてシュラはうんうんと頷いた。

兄貴も俺も目が点になった。

『だれもそのようなことは言ってはおらんだろう。』

兄貴は顔を真っ赤にして怒鳴ったが、これがまたいけなかった。

『あっ、顔が赤くなってますよ。やっぱりカノンとSEXしてるんですね。』

シュラはニヤニヤしながら言った。

いかん・・・、兄貴はSEXとかアナルとかペニスとか乳首とか〇〇〇とか××××とか、下ネタが好きですぐに顔が赤くなるのだ。テレビで動物の交尾が映っても赤くなって一人で取り乱すんだよな。←ほうほう下ネタが好きとはのぅ
つーか、その年で取り乱すな、キショイ!

『とういわけで、現場を押さえるまで、俺は双児宮で生活しますから。』

シュラはウキウキしながら言った。

現場!?

俺と兄貴はさらに目が粒になった。

『げ、現場とは何の現場だ?』

兄貴の声が上づってる。←ほうほう
奴が望む現場といったら、あの現場だよな。もしかして、想像しちゃって、顔が赤くなってるのか?←お前は想像してニヤついていたのであろう
頼むから、勝手に想像すんなよ。出演料取るぞ、くそ兄貴。

『だがら、SEXの現場です。キスでもいいですよ。あとはラブラブなところでもいいですけど・・・。まぁ、俺のことが鬱陶しいと思うんだったら、とっととSEXの現場を押さえさせてください。そしたら女神も教皇もこれ以上、二人を詮索することもなくなると思いますがね。』

そのSEX写真をこいつは絶対に売る気だな。
聖域はじーさんの目があるから海底だけにしておけっつったのに。この馬鹿!←結局手を組んだのか、この馬鹿

『もう、私に構うのはやめてくれ。私とカノンはそういう関係ではないことはよく分かっているだろう。』

兄貴がついに切れて怒鳴った。

『しかしですね、俺も女神に命令されたんだから、やるだけのことはやらないと・・・。』

女神の名前を出されたら、超裏切り者小心野郎の兄貴は抵抗できない。

『しらん。勝手にしろ!出て行け!何をされても、私とカノンは今のままだ!』

兄貴はとうとうぶち切れて、書斎に逃げていった。

兄貴のやつそうとうパニックになってるな。

出て行けと勝手にしろじゃ、大きな差なんだがな・・・・。


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