MISSION IMPOSSIBLE(File.30303 アルプスの妖怪××× その1)

 

俺が白羊宮で飯を食っていると、同じく白羊宮で飯を食っていた中国のジーサンが言った。

『サガよ、シオンがしばらく日本から帰って来れぬというのじゃ。ちと様子を見て来い。』

だから俺はサガじゃなくてカノンだ!このボケジジィ!。←知っておる。からかっただけじゃ

俺は怒鳴るよりも先に日本に瞬間移動で飛ばされた。ちくしょう!まだ食いかけなのに!!覚えてろよ!

 

日本は時差で夜中だった。

とりあえず聖域に戻るには、教皇に頼むか、中国のジーサンの小宇宙に語りかけ頼むしかないもんな。←サガには頼めぬのか?

俺の飛ばされた場所は、女神の屋敷の入り口だった。車のヘッドライトが見えたので、俺は咄嗟に身を隠した。

黒塗りのデカイ車のドアをハゲの執事が開けると、中から出てきたのは女神と教皇だった。

ジーサンはスラックスにシャツという、普通の格好をしている。スゲー珍しいものを見てしまった俺は、カメラを持っていないことを後悔した。←うつるんですを買えばよいのじゃ

女神はニコニコと笑いながら、教皇に腕組みして屋敷の中に入っていった。なんだ?なんだ?なんだ?
一体これはどういうことだ???

俺は2階からこっそり侵入し、屋敷内の様子をうかがった。

満面の笑みの女神に対して、教皇はイマイチ魂が抜けている。一体何があったんだ?

『シオン、今日は凄く楽しかったわ。また出かけましょうね。』

『余はですのぅ、年寄りですからのぅ、あまり人間の多いところは好きではないのですじゃ。』←見た目は若くても、中身はマンモス老人じゃ

『まぁ、シオン、おじい様と同じ事を言うのね。でも、沙織はまた行きたいの。』

『女神がそうおっしゃるのでしたら、仕方ありませんなぁ。』

『やっぱりシオンは優しいのね!大好き!』

女神はそういうと、何とジーサンの頬にキスをして、ハゲの執事と一緒にリビングから姿を消した。
・・・・・・女神はジーサンLAVE?←スウィート・やっピー

しかし、教皇はせっかく女神から貰ったキスを、女神が消えると出されたおしぼりで、ゴシゴシと擦った。おいおい、ジーサン、それでも教皇かよ。←もったいないの

女神と入れ替わりに、ブロンズの小僧たちが入ってきた。ペガサスと、アンドロメダだ。

『教皇!!おみやげ!おみやげ!!』

ペガサスとアンドロメダはバカ面でジーサンに近寄ると、ジーサンから紙袋を受け取って喜んでいた。俺には二人の未来が見える!ジーサンに聖衣なしで近寄るなんて、究極の馬鹿だ!!←マンモス馬鹿じゃの

俺の勘は見事に的中し、ジーサンはペガサスとアンドロメダを二人まとめてソファーに押し倒した。

『ぎゃーーーー!やめて下さい、教皇!!!ぎゃーーー助けてーーーー!沙織さーーーん!!!』

ぷぷぷ!!ダセェ!!ダサすぎだぜ!!

ガウンを着た女神が小走りに現れると、女神は助けを求めるペガサスとアンドロメダを見て微笑んだ。

『まぁ、シオンは絶倫なところもおじい様そっくり!。』

教皇とそっくり?。それはヤバくないか??←ヤバイのぅ

『沙織おじょうさーーん!んな暢気なこと言ってないで助けて!!』

情けなさ過ぎるぞ、ペガサス!

『シオン、星矢はダメよ、星矢は。』

『では、他はよろしいのですかな?』

『いいわよ。』

女神が答えると、教皇はペガサスから手を離し、ペガサスはおみやげを持って一目散に逃げていった。←女神のお気に入りに手を出すと、後がマンモスオッチョロピーのじゃ

『そんな、沙織さん!!!』

相変わらず女々しいアンドロメダが女神に救いを求めた。

『瞬、あなたも聖闘士なら、自分でなんとかしなさい。それに貴方は聖衣を着ない方が強いのでしょう?』

『ほうほう、そうなのか、アンドロメダよ?』

ジーサンに首筋をベロリと舐められ、アンドロメダは悲鳴をあげた。しかし、女神はアンドロメダを助けずに出て行ってしまった。ま、当然だな。

『た!たすけてーーーー!兄さーーーーーん!』

惰弱なアンドロメダがそう叫ぶと、窓が突然勢いよく開き、聖衣をまとったフェニックスが両手を開き、ジャンプしながら現れた。
まるで鶏だ。奴の場合、羽の代わりに手をバタバタさせて、マジでダサすぎる・・・・・。

『フェニック一輝!地獄よりけ・・・・・ぅおおおお!』

アホなフェニックスは決め台詞?を最後まで言わせて貰えずに、教皇に勢いよく脚をつかまれ、テーブルの角に頭をぶつけて失神した。

アホだ・・・・アホ過ぎる。

『ほうほう、日本食も悪くはないのぅ。』

教皇はそう言うと、泣き叫ぶアンドロメダと白目を剥いているフェニックスを小脇に抱えて姿を消した。←昔となんら変わっておらんの

俺はその晩、教皇が消えたリビングで寝ることにした。どうせ、もうここには戻ってこないだろう。今ごろは馬鹿兄弟とお楽しみ中のはずだからな。

ユニバーサルスタジオジャパンと書いてある、アンドロメダが忘れていった紙袋を部屋の外に出し、俺は明日のために睡眠をとった。

 

次の日、外から聞こえる女神の声で俺は目を覚ました。

窓から外を見ると、女神が教皇と手を繋いで庭を散歩している。今日も教皇は普通の服で、どこか放心気味だ。いつも女神にくっついているハゲの執事もいない。ダラダラとやる気なく歩いている教皇の手を引っ張り、女神はかなりご機嫌にはしゃいでいた。

・・・・やっぱり女神はジーサンLAVE??←スウィート・やっぴー

女神に手をひかれ屋敷内に戻ったのジーサンは、女神と一緒に朝食をとった。

でも何でジーサンが上座に座ってんだよ?いくらジーサンが年上でも女神の方が格別偉いだろうが!!。おい、ハゲ!女神にベラベラ喋ってないで、ジーサンに注意しろよ!ますますツケあがるじゃねぇか!!!。←いかんのぅ

俺は女神が食事をとりおえ、ハゲと外出するのを見届けると、プラプラしているペガサスを捕まえた。

『あ、その格好はカノンさん。こんな所でなにやってるんですか??』←サガじゃ♪

このクソガキ!俺と兄貴を服で見分けるんじゃねぇって何度言わせれば解るんだ!射手座はやっぱり全員トリアタマなのか?!

俺はペガサスにガンパンを食らわすと、事情を話して女神に内緒で朝食を用意させた。

俺は飯を食いながら、教皇と女神にについてペガサスから聞き出した。

『なんか沙織さん、教皇激ラブなんっすよ。「無駄に偉そうで、無意味に不遜なところがおじい様そっくり!!」とか言っちゃって、教皇にベタベタくっついてるんですよ。』

おじいさまって誰だよ?←紫龍の父じゃ

『玄関にでっかいじじぃの絵が飾ってあるの見てません?』

あー、見た見た。

『あれっすよ、あれ。沙織さんのじーさん。城戸光政ですよ。あのクソジジーに比べたら、教皇の方が全然優しいと思うけどなぁ。』

それはお前が女神に贔屓されてて、教皇に襲われたことがないからだぞ、ペガサス・・・・。←シオンは動物は襲わないのじゃ

そんなわけで、昨日教皇は、女神にせがまれ、ユニバーサルスタジオとかいう遊園地にデートしに行ってきたらしい。

でも、どうして女神とデートして魂抜けるんだよ??

『あ、今日はこれから教皇が俺たちに稽古つけてくれることになってるんですよ。じゃ、俺、聖衣きてきますんで。』

ペガサスはそう言うと、部屋から出て行った。

 

庭には聖衣を着た青銅のガキに混ざって、バ○ダイの玩具みたいな謎の聖衣を着たガキが3人いた。アレが噂のスチールセイントってやつか?

ペガサス、ベアー、ユニコーン、ヒドラ、ライオネット、アンドロメダ、フェニック、それから玩具聖闘士が3人。

全員を一列に並べて教皇は長々と偉そうに話をしていた。アホみたいに長い話を、青銅たちは目を輝かして聞いている。青銅からすれば、教皇なんて神様みたいなもんだからな。
しかし、アンドロメダとフェニックスだけは恨めしそうに教皇をにらみつけていた。ぷぷぷ、やっぱり掘られたか、ざまぁみろ!!←可哀想じゃのぅ

最初は真剣に話を聞いていた青銅たちだが、あまりにもジーサンの話が長いので、段々だらけてきた。そりゃ2時間も説教聞かされてりゃ眠くなるよな。←シオンの話は昔から無駄に長いのじゃ

『だらけるでないーーーー!小僧ーーー!』

突然ジーサンの怒号がした。ジーサンの超必達、「うろたえるな小僧」が炸裂したのだ。←これはわしの百龍波のパクリとしか思えんのじゃ

10人のガキどもは、全員天高く舞い上がり地面に叩きつけられた。

弱い!弱すぎる!!聖衣を着ていない教皇に投げ飛ばされるなんてアホだ!

『お前達は緊張感が足りぬのじゃ。平和ボケするでない。』←シオンも十分緊張感がないっぴ

ボケ老人にボケと言われたヘッポコ聖闘士は立ち上がることも出来ずに、地面にへばりついてピクピクしていた。←ボケシオンにボケとは言われたくはないのぅ

 


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