MISSION IMPOSSIBLE(File.333 絶倫山羊を追え!)

 

 俺は、また教皇に呼び出された。今度は一体何のようだ!?また俺の報告書にケチでもつける気か、あの暇人!
しかし、前回のシュラの監視報告は、資料の再提出はあったが及第点を貰ったはずだ。やはり、兄貴観察報告書に問題でもあるのか!?

そして、教皇はまた俺に命令した。

『山羊を監視せよ!』

はぁ??俺は自分の耳を疑った。シュラの監視は、先月したばかりだ。
おじいちゃんはもうボケたのか? ←無礼者。余はピチピチの18歳だ!

「しかし、教皇。シュラの監視は先月に報告した通りですが・・・・・。またシュラを監視するのですか?」

俺はたまらず、教皇に聞いた。もうシュラの監視の為に、毎晩自分の尻の心配をしながら、あの冷たくて硬いアテナ像の下で寝るのは嫌だった。←一度余が直々に掘ってやろう♪
教皇は俺の質問など無視して、続けた。

『最近、山羊の様子がおかしい!余が山羊に話し掛けても、どこかうわの空じゃ。あれのほどの好き者が、最近余の話に乗ってこないのじゃ。故に、その原因がなんであるか追求せよ!』

なるほど・・・・・・。自分の変態エロ談義の相手であるシュラが、最近自分の話を聞いてくれないので拗ねているのだな。実にあほらしい仕事だ。しかし、今回の仕事は、シュラの鬱?の原因を探ればいいだけらしい。楽勝だ!

 

俺は教皇の間を後にし、その足で磨羯宮へと向かった。

 磨羯宮は相変わらずヒンヤリとしており静かだった。俺は1階から大声でシュラの名前を呼んだが、シュラは中々姿を表さなかった。俺が業を煮やして2階への階段を上ろうとした時、シュラはフラつきながら姿を現した。
俺はシュラの姿を見て驚いた・・・・・・それは、まるで兄貴・・・・・・ほどではなかったが、シュラはその目の下に隈をつくり、ゲッソリと疲れきっていた。

『はぁ〜〜〜〜、なんだカノンか。何か用か?用がないなら消えろ。』

シュラは、大きなため息をつきながら自室へと消えていった。

確かにシュラの様子はおかしかった。あいつ、やり過ぎでEDにでもなったんじゃねーのか?
それくらいシュラの様子は暗かった。いったいなにがあったのか?

 俺はシュラの尋常ならぬその姿を見て、今回の調査は中々楽しいものになりそうな予感がした。しかし、あの様子では、先日のような手でシュラの元に潜入するのは難しそうだった。

 先日の磨羯宮潜伏調査の際に磨羯宮の見取り図を頭の中に叩き込んでいた俺は、その場で気配を消し2階に忍び込んだ。15年間も人に見つからずに生活していたこの俺様に、気配を消すことなど容易かった。

 俺は磨羯宮の天井裏を伝い、工房にいるシュラを発見した。
シュラは工房で一心不乱に己のエクスカリバーで大理石に何かを彫っていた。上から覗いていた俺には、それが何であるかまでは確認できなかった。

しばらくして、シュラは再び深い溜め息をつくと工房を後にした。俺は再びシュラの行方を追った。

 シュラは私室のベッドで横になり、何かをブツブツとつぶやきながら、枕を抱えてごろごろと寝返りをうっていた。
俺は全神経を耳に集中させ、その言葉を拾った。

『・・・・・デス・・・・・・・・・・・・・・・デスマスク・・・・・・・・いぃ。・・・・・ハァ〜〜〜〜。』

デスマスク?デスマスクがいったいなんだというのだ??シュラの声はムウが喋っているかのように、か細くて聞き取れない。
そうしているうちに、俺はとんでもないシュラの姿を目の当たりにしてしまった。
シュラは、『デスマスク・・・・・・・・!デスマスク・・・・・・・!』と呟きながら、右手を股間の上に持っていき、右腕の訓練をし始めた。
流石の俺も、こういうプライベートなことは見てはいけないと思い・・・・・・っていうか、頼まれても見たくないので、先ほどの彫刻の正体を調べに工房へと向かった。←きちんと観察し、再提出。

 俺はこの工房に入るのは始めてだった。先日の調査の時には鍵がかかっており入り口からは入れなかったのだ。しかし、今回は鍵が空いていた。シュラはデスマスクに夢中で鍵を掛け忘れていたようだった。

俺は静かにその扉を開け、中に入った。
部屋には、大理石の塊がゴロゴロと転がっており、彫りかけの女神像や男神像などが置かれていた。
更に奥へと入った俺は、おもしろい物を発見した。
大理石のアイオロスだ!数体のアイオロス胸像と全身像、聖衣を着たアイオロス、私服のアイオロス、微笑んでいるアイオロス。更に俺は、他の聖闘士の像も発見した。特に俺が気に入ったのは、聖衣のヘッドだけをつけたドラゴンが真剣白刃取りをしている像だった。 ←アニメ版のアレか?

そして俺はシュラが先程から真剣に彫っていた像を発見した。
その像は、デスマスクの全身像だった。デスマスクは聖衣を着ていたが、マントは着用されていなかった。デスマスクの顔はさわやかに笑っていた。

まじで!?まじで、あいつデスマスクに惚れたのか!?

俺は絶倫山羊として名高いシュラの趣味などどうでもよかったが、流石にデスマスクというのは・・・・・・・・・。
俺はシュラの秘密を知って楽しくなった。

 再びシュラの私室へと戻った俺は、シュラの果てた姿を確認し、シュラの目の前に降りていった。
シュラは天井から降りてきた俺の姿を見て、酷く動揺していた。

『お前、デスマスクに惚れたのか!?デスマスクをおかずに果てただろう!』

シュラの粒目は泳ぎまくっていた。そんなシュラの姿を見たのは初めてだった。

シュラは『ち・・・ちがう!誤解だ!!』とほざいたが、今更そんなことを言っても遅かった。シュラは、俺が今まで見た一部始終を語ってやると、観念したように話し始めた。

『俺は、毎日毎日あの事ばかり考えて、夜も眠れない。別にそんなことは良くあることだ。しかし相手はデスマスクなんだ。一体どうしたらいいか・・・・。』

おいおい、相手がムウやらシャカならまだ分からないでもないが、デスマスクっていうのは終わってるだろうよ・・・。←ムウは余のものである

『力づくで無理矢理襲えば?』

俺は、シュラに提案してみた。

『それは駄目だ!!俺の美学に反する!!よしんば、無理矢理襲ったとしても、奴に積尸気に逃げられるだけだ。こういうのはムードが大切なんだぞ!俺はもっと、こうゆっくりとじっくりと味わいたいのだ!!』

デスマスクとシュラにムードも糞もあるか!!俺は心の中で思った。

『聞け、カノン!この俺の素晴らしい計画を!!』

俺は黙ってシュラのあほな計画を聞いた。

『まずは、デスマスクをスペインの海に沈む夕日が見えるレストランに誘うんだ!俺達はシャンパンで乾杯をし、その夕日の美しさを語りながらディナーを食べる!』

男二人でシャンパン?? ←何がいかんと言うのだ?

『俺はデスマスクのシャンパンに、酔いが早く回るように薬を入れる。あいつは酒に強いからつぶれるのを待っていたらこっちがもたないからな!そして、デスマスクが酔ってフラフラになった頃を見計らって、俺はデスマスクをホテルに連れ込む!』

はぁぁぁ??あいつにそんな薬が効くのか?

『ちょっと待て、いくらデスマスクがフラフラでも、お前にテレポートで聖域まで送らせるだろう?』

俺はシュラの話を中断して疑問を口にした。

『大丈夫だ!俺も酔ったふりをし、テレポートが使えないと言えば問題ない。今夜はホテルに泊まって明日帰ろう!!とかなんとか言えば、簡単にホテルに連れ込める。
ホテルに着いたら、まずはデスマスクをベッドに横たえ、俺は酒気を取る為にシャワーを浴びるんだ。
俺が、シャワーから上がるとデスマスクはベッドの上で軽い寝息を立てながら寝ているんだろう。俺はそれを確認すると、デスマスクの横に座り、そのシャツのボタンを優しく1つづつ外していく・・・・・。』

おいおい、それはもうデスマスクじゃねーだろうよ。軽い寝息をたてるデスマスクなんて想像できない・・・・。←大地を揺るがすイビキであろうな
俺は呆れながらも、シュラの話を聞いた。

『服を脱がせたら、デスマスクの頬を軽く叩きデスマスクを起こす。』

起こす?起こしちゃ意味ないだろうよ!

『おいおい、そこで起こしたら、せっかくの努力が無駄なんじゃないのか?』

俺は夢うつつに語るシュラに聞いた。

『お前は、ほっんとに分かってねーなぁ。寝てる相手になんかやってもつまらないだろう!!もっとよくその空っぽの脳みそで考えろ!!
いいか、デスマスクが目を覚ましたら、俺はデスマスクにシャワーを浴びるように言うんだ。デスマスクは朦朧としながらもベットから立ち上がりシャワールームへと歩こうとするだろう。しかし、その足取りは確かなものではない。俺はフラつき倒れそうになるデスマスクを、後ろから優しく抱きしめ、その首筋に軽くキスをする。瞬間、デスマスクの口から熱い吐息が漏れる。』

分かってないのはお前だ、シュラ。酒を飲んでたら、吐息は臭いぞ。

『俺は立て続けに、その首筋に熱いキスを浴びせる。そして、デスマスクの耳に俺の熱い吐息を、フッーと吹きかける。その頃になると、デスマスクの息は激しく乱れて・・・・・ハァハァ・・・・・・。』

激しく乱れているのは今のお前だ、シュラ!

『そして、俺は・・・・・・・・・・俺は、いっきに後ろから・・・・・・・・。』

う・・・後ろから・・・・・・・・。(ゴクリ)

『うなじを舐め上げる!!』

はっ??俺は目が点になった。

『だから、こうベロベロと舌全体を使ってな。下から舐めあげ、上から舐め下ろす。どうだ!?』

そう言って、シュラはまるで目の前にデスマスクのウナジがあるかのように、舌使いを披露した。

『で?その後は??』

『その後?舐める!』

『だから、そんで?』

『舐める!』




この問答はしばらく続いた。

『だぁーかぁーらぁー。舐めるのは分かった。いつ、お前のナニを奴のケツにさすんだ!?って聞いてんだよ!』

そう怒鳴った俺を見て、シュラの目は点・・・・粒になった。

『はぁ??カノン、お前そんなこと考えていたのか?イヤらしいやつめ!俺がデスマスクなんかに、そんなことするわけないだろう、キショイ。』

イヤらしいのはお前だァーーーー。キショイのもおーまーえーだぁー。


報告:自覚がない変態はほっとくに限る。

お土産押収品:ムウの胸像。(全身像は製作途中でした。穴がないけどいいですか?)

↓これ買ったんですけど、カッコイイっしょ!

これは↑余が押す印である。お前が押してどうする馬鹿者が!

 

  山羊は妄想癖が激しいいよだな。しかし、ウナジだけでヌクとは、なかなか変わった趣向をしておる。先代の蟹もそれはそれは、美しいウナジをしていた。あれの肌は白く、まるでシベリアに降る雪のようで、ウナジにはえた金髪の産毛が何とも言えぬ色気を漂わせておった。顔はよく覚えておらんが、ウナジだけは今でもはっきりと脳裏に焼き付いておる。(空欄がないので裏に続く→)

教皇 シオン


End