MISSION IMPOSSIBLE(File.40404 ミロたんといっしょ その1)

 

『サガの弟よ。蠍にのぅ、今日一日の自分の行動を報告するようにゆうてあるのじゃ。ちと様子を見に行って来い。』

俺が双自宮で朝食を食っていると、ジーサンに呼び出された。とりあえず、飯を食い終わってから俺が教皇の間まで行くと、また命令された。←さっさと来ぬか、馬鹿者
ミロに報告させるんなら、俺がその報告をする必要なんてないだろうが・・・・。

が、ジーサンは命令をすると、さっさとどこかに消えてしまった。

ふざけんな、ごらぁ!俺の話を最後まで聞いていけ、このエロ妖怪!←聞く必要などない

仕方なく教皇の間を出て、俺は宝瓶宮に向かった。
どうせ、ミロはカミュの所にお泊りだろう。が、宝瓶宮にまったく人の気配を感じなかったので、そのまま天蠍宮に行く事にした。

俺が天蠍宮まで行くと、天井裏に侵入するまでもなく、私室の玄関のドアが開いていた。開いていたといのは、鍵が開いていたということじゃなくて、本当にドアが開けっ放しだったのだ。←いかんのぅ
きっとあまりにも部屋が汚くて、異臭が立ち込めてるんだろうな。だから、換気のためにドアを開けているのだろうと俺は思った。

ゴミを掻き分け部屋の中に入ると、ベッドの上にはミロの抜け殻・・・・、ミロが抜けた形のままの毛布だけがあった。
ベッドがほんのりと生暖かったが、天蠍宮内にミロはいなかった。
ということは、獅子宮、俺の宮、白羊宮のどれかだな。

部屋を出てドアを閉めようとした時、俺はマジでびびった。

ドアの鍵穴に、鍵がぶら下がっている。しかも、5つくらい鍵がついているのだ。しかし、鍵よりもキーホルダーの量のほうが多い。
しかし、まぁ、天蠍宮の鍵が1〜2個として、1個は宝瓶宮の鍵か!?

部屋には誰もいなかったが・・・・、もしかして、昨晩帰ってきてドアを開けたときに外すの忘れたのか?まぁ、十二宮に泥棒に入る奴なんて、俺くらいしかいないだろうが、他にも鍵がついているんだし、本当にだらしのない奴だ。←泥棒などするでない

戸締りをしてやる義理も無いので、俺はそのまま鍵をパクって、獅子宮に向かった。

が、獅子宮にも俺の宮にもミロはいなかったので、昼食ついでに白羊宮まで行く事にした。

 

俺の予想通り、ミロとムウが白羊宮で飯を食っていた。予想外だったのはアイオロスとシュラまでいたことだ。白羊食堂繁盛してんじゃん。←食堂ではない

俺にも昼食をよこせと言うと、貴鬼がコーヒを出してきた。

『蠍のオジサンが食べているのは朝食だよ。』

は?

『おうっ、朝食くってんの。あっ、でも昼食も食うから。』

ソファーでシュラが飲んでたコーヒーを吹き出し、向に座ったアイオロスに吹きかけた。汚ねぇな、アイオロス!

え?だって、ムウ達もくってるだろう・・・。

『ムウ達も、寝坊したのか?』

『ええ、ミロの朝食に付き合ってあげてるんですよ。一人で食事をするのは、寂しいですからね。』←食い過ぎじゃ、馬鹿者

ムウの言葉に、今度はアイオロスがコーヒーを吹き出し、向いに座ったシュラに吹きかけた。あーあ、ばっちぃぞ、シュラ。

『一人でする食事の寂しさは、カノンが一番よくわかってるんじゃないですか?』

いや、分からなねぇな。飯は一人で食ったほうが気が楽だ。兄貴は昔からいちいちうるせぇーからな。←本当は寂しいのであろう

っていうことは、ムウはジーサンと朝食を食って、さらにミロとも朝食を食っているというわけか。←いかんのぅ

ミロはフォークを置くと、食卓の上においてあるノートを開いて、汚い字で何かを書いていた。

どうやら自分の行動をメモっているらしい。ちゃんとジーサンに言われたを事やってるらしい。←ほうほう

っていうか、書いておかないと忘れるのか・・・・。馬鹿かこいつ、食ったものくらい覚えてられないのかよ?

『自分のことになると、全然覚えてないんだよ。いちおう、楽しいこととかは覚えてるんだけどさ。』

ミロが朝食をガツガツ食いながら言った。
まぁ、脳味噌にシワがないから仕方ないのか。しかし、楽しい事とかいうのも、絶対に覚えていなさそうだけどな。

それから、ミロは言葉どおりに朝食に続けて昼食も食った。

昼はコロッケだった。もちろん俺たちは、コロッケをパンに挟んで、コロッケパンにして食った。
それをムウが羨ましそうに見ていたが、あいつはジーサンにコロッケパンなんて下品なものを食うなといわれているから、食べられないんだよな。
←当然じゃ

『ムウ、コロッケパン食わないの?』

ミロが口の周りをソースでべちゃべちゃにしながら言った。相変わらずミロの食べ方は汚い。←お前もであろう

『シオンさまに食べてはいけないといわれましたから。』

『でも、本当は食いたいんだろう?だったら、コロッケバーガーにすればいいじゃん。』

コロッケバーガー??

全員の目がミロに集中すると、ミロは得意満面な顔で、

『そう。コロッケバーガーだよ。丸いパンにコロッケ挟んで、キャベツ挟めばいいじゃん。パンの形が違うだけで、コロッケパンとそんなに変らないだろう?』

なるほど、こいつ何気に頭いいじゃん。って、もしかして食うことになると頭の回転が速くなるタイプか?

そして俺はムウの目が輝いたのを見逃さなかった。ムウは丸いパンをキッチンから持ってくると、いそいそとパンを半分に切って、コロッケ、キャベツ、ソースではさんだ。
そして、それを皿の上におくと、なんとフォークとナイフで切って、チマチマと食べ始めたのだ。

『おい、ムウ!ハンバーガーっていうのはな、手で掴んで食うのがいいんだぞ。』←下品である

シュラがそういうと、隣に座ったアイオロスが丸パンを取って、手で二つに割ると、自作のコロッケバーガーを作り始めた。

『そんな不味そうな食い方するなよ、ムウ。ほらっ!』

そう言って、アイオロスはいきなりコロッケバーガをムウの口に突っ込むと、ムウはだらしなく口を開けたまま硬直した。

どうやら顎が外れたらしい。こいつの口ちいせぇーもんな。
っていうかさ、どうせ毎日旦那とジーサンのモノ咥えてるくせに、コロッケバーガー一つで顎が外れるなんて、情けない。
←牛のモノなど咥えておるはずなかろう

結局ムウは、アイオロスに無理矢理顎を元に戻され、コロッケバーガーはちょっとしか食べられなかった。
馬鹿な奴だ。
←下品な食べ方をしようとした罰があたったのじゃ

ミロは飯を食い終わると、今度はテラスに出て昼寝をし始めた。

こいつ、さっき起きてきたばかりなのに、また寝るのかよ。←勉強をせぬか

俺は一旦双自宮に戻り、3時頃に再び白羊宮へ行った。
おそらくおやつの時間にはミロは起きるだろう。

白羊宮に戻ると、俺の予想通りミロは起きて、氷嚢で顎を冷やしているムウにおやつをねだっていた。
俺は、アイオロスがお詫びに買って来た(といっても、どうせシュラに買いに行かせたんだろうが)、チョコアイスを食った。
ミロはチョコアイスを食いたがったが、その前にバニラ、ストロベリー、レモンとかいっぱい食べてるくせに、ずーずーしんだよっ!!
←図々しい

アイスを食いながら、貴鬼とゲームをしていると、ミロが乱入してきた。
ミロの一人勝ちで、奴はご機嫌だった。
子供相手に本気になってるんじぇねぇよ。
←負け犬の遠吠えか?
たまにはガキに勝たせてやれ。この馬鹿!

大人気ないミロをハブにして、貴鬼とゲームをしていると保護者が迎えにきた。
シベリア帰りのカミュだ。
ミロはそのままヘラヘラとしながら、カミュの後ろにへばりついて天蠍宮(又は宝瓶宮)に帰っていった。

大方、これからカミュとセックスだろう。ホモは見たくないので、俺も自分の宮に帰る事にした。←しっかり観察するように

帰り道、俺は自分の宮の通路に何かが落ちてているので、拾ってみた。
ゴミが落ちていると、兄貴がなんでも俺のせいにするからな。クソ兄貴!
←日ごろの行いが悪いからである

見ると、もしかしなくてもミロのノートだった。

カミュとヤることで頭がいっぱいで、落としたことすら気が付かなかったらしい。

駄目すぎ!

 

報告:ミロは脳味噌ツルツル。必需品は首からぶら下げさせろ!!

提出物:ミロの鍵、ミロのノート

 

蠍は聖闘士としての自覚どころか、成人としての自覚が足りなさ過ぎのようであるの。淫行に現を抜かして、余の言うたこと忘れ、メモをなくすとはもってのほかじゃ。
水瓶もまったく保護者の役目を果たしておらぬようじゃな。
本人に詳細を尋ね、事と場合によっては、今後1ヶ月は宝瓶宮への出入り並びに、水瓶との淫行を禁止を罰に与えることとする。

教皇 シオン


Next