★MISSION IMPOSSIBLE(File No.444444 太陽の煌き黄金の翼)
次に行くのは、小さな泣き虫アイオリアは天蠍宮のところにいたから、巨蟹宮だ。今度は小さなのりPiとか言うんじゃねぇだろうな。
『ああああ、なんということだ!!!』
巨蟹宮に入った途端、兄貴の絶叫が響いた。
蟹があまりにも毛むくじゃらでびびったのか?←余は驚いたのぅ
『あん?うるせぇぞ、サガ』
デスマスクが絶叫を聞いて私室から出てきた。
その瞬間、兄貴の表情を見て、奴は退いた。
やっぱり長年付き合っているから、一目見て兄貴がいっちゃってることが分かるらしい。だが、兄貴は全然容赦なかった。
またデスマスクに思い切り抱きついて、背中をポンポン叩き始めて泣き出した。『ああ、私の可愛い小さないたずらっ子。怖かっただろう……、かわいそうに……。巨蟹宮がこんなに恐ろしい所だとは、余りにも無知な私は知らなかったのだ。もし私がそれを知っていたら、どうしてお前をここに一人で置いておくことができよう』
はぁぁぁ?
『お前が人一倍怖がりだということを私は知っておきながら、なんという罪を犯してしまったのだ。この恐ろしい巨蟹宮で、私のやんちゃ坊主が一人で夜も眠れずに泣いていたかと思うと、私の小さな胸は今にも張り裂けそうだ……。さぁ、今日から双児宮で暮らすといい。いざ何かあったときは、可哀想だが少しの間巨蟹宮にいておくれ。私が全ての敵を悔い改めさせて、巨蟹宮には何人たりともあげさせないからね。その少しの間だけ、恐ろしいくて不安で心細いだろうが、この恐ろしい巨蟹宮を守っておくれ、デスマスク』
ぶははははははっ、そうか、そうか。デスマスクは人一倍怖がりだったのか!!!←虫が嫌いじゃったかのぅ
俺は柱の影で様子をうかがいながら、声をころして腹を抱えて爆笑した。
『さぁ、行こう。デスマスク』
兄貴がデスマスクの手を引っ張った。俺はまじで驚いた!
なんとデスマスクが、黙って兄貴に手を引かれて巨蟹宮を出たのだ。
ちょっと待て、自分の宮捨てたらヤバイだろう。ていうか、まさかデスマスクは兄貴ROBO?←Love
『ちょっと待て、サガ!!それはいかんぞ!』
アイオロスがやっぱり止めた。まぁ、普通兄貴LOBEのホモ野郎じゃなくても、止めるわな。←Love
『なんという酷いことを言うのだ、アイオロス。お前は私の元気なデスマスクを、こんな恐ろしい所に一人でおい、見捨てろというのか。お前はそれでも愛と正義の聖闘士か!アイオロス、私は可哀想な怖がりのデスマスクのために言っているのだ、それをお前は……』
兄貴がまたヨヨヨヨッと泣き崩れた。
アイオロスがオロオロしながらデスマスクを睨み付けて、柱の影に連れて行った。
もしかしてヤキいれるのか?
おいジーさん、次期教皇が姑息な暴力手段で物を解決しようとしているぜ!!!
やっぱこいつに教皇はムリ!俺が次期教皇決定!←お前のほうがもっと無理じゃ
ということで、俺は証拠を抑えるために柱を移動した。
『おい、蟹野郎!一体どういうつもりだ』
『落ち着け、アイオロス。あいつ、今おかしいんだろう。どうせ教皇か愚弟になんかされて、白くなってんだろうが』
今回は俺じゃねぇっての!!
『俺は別に双児宮に移住する気なんてねぇよ。ただ、移住するふりをするだけだ、ふり!』
『どういうことだ?』
アイオロスって本当に脳みそ筋肉だな。俺はもう分かったぞ、さすが姑息なデスマスクだ。
『だからだな……。白くなったって、どうせすぐにいつもの鬱にもどるんだから、白い間だけ奴に適当にあわせておくんだよ。でないと、こっちが疲れちまうからな。ということで、俺はサガと暮らすぜ。それがいやなら、さっさとあれを元通りにしろ!俺は面倒はごめんんだ!』
『なるほど……わかった。すぐに、なんとかするから、サガに手を出すなよ。絶対、絶対、絶対、サガに手をだすなよ』
『馬鹿野郎!俺はホモじゃねぇよ!そんなに心配なら、人馬宮に連れてけぇーれ(帰れ)!』
『いや、それはわかってる。だが、今は大事な用があるのだ』
大事な用?十二宮くだりが大事な用なのか???
兄貴はそのままアイオロスと蟹を連れて、双児宮までおりていった。
蟹はとりあえず双児宮において、アイオロスがまだ下に下りるといって金牛宮に向かった。
なんと金牛宮にはムウとアルデバランがいた。←何故にムウがおるのじゃ!
あ゛っ!このパターンはもしや……。
教皇様が心配しておられるぅ〜とか言って、ムウを教皇の間に強制送還か!?
『やぁ、私の小さなおしゃまなムウと可愛い大きなアルデバラン、君たちは本当に仲がいいね』←よくなどない
やっぱりアルデバランは「大きな」なのか……。
兄貴がキラキラしながら挨拶すると、二人とも思いっきり顔を引きつらせた。
『サガ。私は言われなくても、時間になったらシオンさまのところに帰りますから』←時間にならずとも余の傍におればよいのじゃ
ムウが先手を打った。
前に、白い兄貴に「教皇が心配しているから早く教皇の間に帰れ」といって強制送還されたのが、よっぽどこたえたらしい。
『ああ、分かってるよ、ムウ。後で私も一緒についていってあげよう』
キラキラしながら兄貴はムウの頭を撫でた。
また自らジーさんに掘られに、ムウの代尻をかってでるのか、兄貴……。←便利な性格よのぅ一回、白い兄貴の被害にあっているムウは、珍しく大人しく兄貴に頭を撫でられていた。
もしかして白い兄貴最強か!?←最凶じゃていうか、最強伝説できあがりつつあるぜ、マジで。
『ところでサガとアイオロスはこれから何処にでかけるのですか?』
アルデバランが冷や汗を流しながら言った。もしかして兄貴たち邪魔ってことか?←邪魔ではない。ムウと牛を引き離せ
いや、違うな。それもあるが、面倒を起こす前にさっさと消えろってことだな。『ああ、そうみたいなのだ。アイオロスがどこかに行きたいらしくてね。一体どこにいくのだ、アイオロス?』
兄貴がキラキラしながら言ったが、アイオロスはいつもみたいに鼻の下がベロロロロロンて伸びなかった。
『いや、もういい。サガ、俺のことを何て呼んでるんだ』
はぁぁ?アイオロスだろう?
『アイオロスだろう。射手座のアイオロスだ』
兄貴がキラキラしながらこたえると、またしても鼻の下は伸びなかった。一体どうしたアイオロス!?
突然アイオロスが兄貴の胸倉をつかんで、思いっきり睨みつけた。
なんだ、なんだ、なんだ!!!
『どうしてだ、サガ!!どうして私には素敵な形容詞がついていないのだ!!!!』
はぁ?
もしかして今までの十二宮くだりは、白兄貴が連中のことを何て呼んでいるか確認していたのか?←そのようじゃのぅ
『なんで私は、「私の愛しいアイオロス」じゃないんだぁぁぁぁぁぁぁぁ』←愛しくないからであろう
俺は思わず吹き出した。もちろん、アルデバランもムウも爆笑だ。
だが今の兄貴は天然通り越して、いっちゃってるので、アイオロスの言いたいことが半分以上も分かってなかった。
『アイオロスはアイオロスだろう?それ以外の何者でもない。アイオロス、お前は正義と愛にあふれたアイオロスだろう?』
『違う!「私の胸がトキメく黄金の輝き、アイオロス」だろうが』←ときめかぬのであろう
『何をいっている、お前は「聖域の英雄アイオロス」だろう?』
『違う、違う、違う!「私の近い未来の伴侶アイオロス」だ』←伴侶にするつもりはないのであろう
『何をいっている、お前は「聖域の黄金に輝く戦士アイオロス」だろう?』
『違う、違う、違う、違う、違う「私の愛しい愛しい愛してやまないアイオロス」じゃないか』←さっぱり愛しておらぬのであろう
『何をいっている、アイオロスはアイオロスだ「地上の愛と正義の聖闘士アイオロス」』
『違う!「私の素敵な人生のパートナーアイオロス」だ』←人生のパートナーとして不適格と思っているのであろう
『何を言っているんだ。お前は「聖域の希望の輝き。次期教皇アイオロス」だろう』
『違うっていってんだろう!「私の心と身体をうずかせるアイオロス」だ!』←うずかぬのであろう
兄貴とアイオロスは延々と2時間も、ずっとこんな感じでやっていた。←大馬鹿者め
もうメモしきれないので、あとは略だ。
さすがに飽きてきたので、俺は姿を現してムウとアルデバランと一緒に茶をすすった。
『お願いだ……もう何でもいいから、せめて「私の」をつけてくれ、お願いだサガ』
ついにアイオロスが床に手をついて土下座した。
もしかしなくても泣いていた。馬鹿か、こいつ……。←死んでも治らなかったか
ていうか、アイオロス諦め悪すぎ!お前はただの黄金聖闘士アイオロスだってことを早く認めろよ。
『ああ、どうしたというのだ、無敵必勝の象徴射手座のアイオロス。私にはお前が何を言おうとしているのかさっぱりわからない。ああ、頼むから泣かないでくれ太陽の煌き黄金の翼アイオロス。このサガが悪いのといというのなら、いくらでも謝ろう……』
兄貴までヨヨヨヨッと泣き出した。
『面白い茶番劇ですね、アルデバラン』
『ああ、楽しいな。だがそろそろサガをどうにかしないと、ムウは教皇の間に帰る時間になってしまうぞ』←余計なことを言うでない
『おや、もうそんな時間ですか。楽しくてつい時を忘れてました』
俺も!!
『ということで、カノン。サガをどうにかしてください』
アイオロスはどうでもいいのかよ?俺が聞くと、ムウがすかして笑った。
『いつものことですから、大丈夫です。明日になれば忘れて、サガサガとサガの尻を追いかけにきますよ。自殺しようとなったら、シュラやアイオリアが必死で止めますから、サガが貴方を道連れに自殺する前になんとかしなさい。金牛宮で自殺されたら適いません』
兄貴が自殺する分には一行にかまわんのだが……。なんでそこで俺が道連れになってんだよ。ムウの頭もおかしいぜ。←お前のような不良分子を残して自殺するのは正義の道に外れるというものじゃ
ムウが早くどうにかしろと必死に言うので、俺は一週間分のおやつのプリンと引き換えに、どうにかしてやることにした。
俺はヨヨヨヨヨッと泣いている兄貴の頭めがけて小宇宙をこめて拳を叩き込んだ。
4〜5発で気絶して、その後様子を見てたらきらきらが段々収まってきたので、最後に股間に一発蹴りをいれて双児宮似連れ帰った。
報告:アイオロスはただの聖闘士。
せっかく白くなったというのに数時間で元に戻してはもったいないではないか。
もっと有効活用するように。教皇シオン