MISSION IMPOSSIBLE(file.500000 日出所のお兄様)

 

俺が寝ていると突然兄貴に叩き起こされた。ふざけんなこの鬱野郎!てめぇの無駄にデカイ寝言が五月蝿くて、俺は寝てないのだ!

『教皇さまがお呼びだ、すぐに行くぞ』

またかよ。
もういい加減にしろ、俺は兄貴の観察で忙しいっての!←寝坊をしておったではないか、たわけ
俺が渋々双児宮を出るとなぜか兄貴もついてきた。
いちいち俺の後についてくんじゃねぇよ、この金魚の糞が!!←それはお前であろう

俺が教皇の間に行くまで兄貴はついてきた。ていうか、なんで他の連中まで教皇の間にいるんだよ?
もしかして全員集合?珍しくムウまでいる。

『女神が黄金聖闘士を招集されておる。お前達、今すぐ日本へ行って来い』

『は?』

ミロがポカンと馬鹿面をあげた。おい、教皇相手にその「は?」はやめろ、馬鹿がよけい馬鹿に見えるぞ。←お前もしょっちゅうしておる

『女神が住まわれる屋敷の桜がそれはそれはたいそう美しく咲いたそうじゃ。桜の花を愛でる風習が、日本ではあるらしくてのぉ』

はぁ?
じーさん、俺達はそんなことは聞いてない。何で俺達全員が女神の所に行くかってことを聞いてるんだ。ムウももっとしっかり老人介護しろよ。←介護など必要ない、無礼者

『花見というそうじゃが、女神がお前達にも是非その花見とやらを楽しませてくださるそうじゃ』

『それはいつでございますか?』

コケッ!としていたアイオロスが言った。おう、俺も知りたい。

『今からじゃ。今すぐ言って来い』

はぁぁぁ?ジジィ、ばか、死ね!←無礼者
そういうことはもっと早くに言えよ、ごらぁ!!!!当然俺以外もどよった。

『安心せい。聖域は余とムウが留守を守る。のぅ、ムウよ』

ムウがガクガク震えた。なるほど、ムウとしっぽりあんあんしたいから、俺達にギリギリまで秘密にしていたんだな。←女神から緊急の呼び出しである

『お前達、はようせい。女神が待っておられるぞ』

俺達は渋々立ち上がって教皇の間を後にした。だが、俺は途中でじーさんに呼び止められた。

『愚弟。お前は他に任務がある。お前は黄金聖闘士ではないからのぅ』

え?俺は花見とかいうの楽しめないのか?ふざけんな。そんな調査してられるか。

『突然の女神の召集じゃ。きちんと調査をしてくるがよい。』

あっ、俺も行っていいんだな。よし、バッチリ日本に行って花見とかいうの楽しんでくるぜ!←お前の仕事は調査じゃ
俺は適当に頷いて兄貴達の後を追った。

 

んで日本。

女神の屋敷は凄かった!でかい庭に、宴会セットが用意されていたのだ。酒、飯、酒、飯、酒、飯のオンパレード。
超やる気なかった不届きなアイオロスとかミロとかアルデバランとかデスマスクも目を輝かせた。←いかんのぅ

が、俺達は目が点になった。女神がビービー泣いてるのだ。やっぱりじーさんが来ないからか?←そのようなことはない
ていうか、俺達12人<じーさんだもんな。←女神の愛は平等である

『うえぇぇぇ、おじーさま、聞いてぇぇ。アベルお兄さまがぁぁぁ』

『女神。おじーさまはおりませぬ。いかがなされましたか?』

中国のじーさんがしゃしゃり出てくると、女神はますますビータラビータラ泣き始めた。
んで、兄貴と中年トリオとカミュの顔が引きつった。←年中であろう
アベルって、たしか太陽神だよな。ぷぷぷっ、兄貴達尻がうずきだしたか?←楽しそうじゃのぅ

『見て、あれ』

女神が指差した方向を見て、俺達はさらに目が点。ていうか粒になった。なんか無駄にデカイ岩がどーんとおいてあるのだ。
あれを割ったらなんか景品もらえるのか?

俺達は岩に近寄ってびっくりした。なんかへんてこな格好をした生足のミニスカ男が3人いて、女神みたいにオイオイないているのだ。

じーさん、ムウなんか監禁しないで、こっちにくればよかったのにな。超じーさん好みだぜ、こいつら。←ムウよりよい男などいない

ていうことで、じーさんのぼけた頭でも分かるように説明すると、この前公開された映画で本家本元太陽神が出てきて、偽太陽神アベルがいじけてしまったらしい。←ぼけてなどいない
どうせ女神のことだから、心無いこといったんだろうな。んで、太陽神はこの岩に閉じこもったらしいんだが、これってなんか知ってる。
前に日本のアニメでやってたやつだ。
うるせーやつらとかいうので、やっぱりこんな感じで岩に閉じこもってたな。

『これはアマテラスオオカミの岩牢です。アベルお兄さまはこの中に閉篭もってしまったの・・・・・・。この岩牢をあけるには、皆で宴会をしてお兄さまの気をひくのです』

狼の岩牢?なんだそれ。なんか日本の神話かなにからしいが、俺達はさっぱりわからず首をかしげた。←天照大神の岩戸じゃ
俺達がポカンとしていると、ミニスカ野郎の金髪が俺に近寄ってきた。

『サガ。今すぐ脱げっ!』

は?俺はサガじぇねよ!
ていうか何で脱ぐんだ、アホか!

『俺はサガじゃない。あっちがサガだ!』

俺が指差すと奴は兄貴に向かって言った。

『サガ。アベルさまの為に脱げ!そうすれば、アベルさまもここからお出になられる』

『そうだ。さすがベレニケ!デスマスクとアフロディーテ、それかシュラとカミュ!お前達も脱げ』←これは誰が言うたのじゃ?

もしかして太陽神て馬鹿5人roveなのか?たしか審問会でも、兄貴達は太陽神とこのミニスカにスッコンバッコン掘られたんだよな。
だからっていくらなんでも女神の前で脱ぐ馬鹿がどこにいる。←女神の命令なら脱がねばならぬがのぅ
これ以上、俺と同じような顔して恥をさらすなよ。←もうこれ以上かく恥もあるまい

兄貴達がタジタジしていると、鶏とミロが女神を取り囲んだ。

『女神。一体なぜ我らがアベルなど救わねばならないのでしょうか?』

『そうです、女神。俺のカミュを裸にするほどの価値があるんですか?』

『そうだ、いいぞミロ!女神、私が裸になったところで、アベルが出てくるとは思えません。それに女神の前で裸体をさらすなど……』

カミュが必死になって訴えた。もうこいつら必死すぎて哀れに見えてくる。
っていうか、最初から女神がスッポンポンになって巨乳揺らせば、太陽神も出てくるんじゃないのか?既に1回スッポンポンになったんだから、1回も2回も3回も4回も5回も10回も50回も100回もかわらないだろう。←無礼者

『しかしお兄さまが岩牢に隠れたら、太陽がこの地上を照らさなくなるのですよ』

女神はビービー泣きながら言った。

俺達は空を見上げてみた。太陽はかんかん照りだった。
女神……おつむ大丈夫か?太陽でてるぞ、その巨大な目でよぉく見てくれよ。

『女神よ。お天道様はしっかり出ておられるぞ』

さすが妖怪。あっけに取られていた俺達よりも子供の扱いになれてるな。中国のじーさんが太陽を指差すと、女神の目がキョトンとなった。

『あら、本当だわ。どうしてかしら??』

『天界にはアポロンがおりますのじゃ。アベルごときがいなくなっても、地上に異変は起こりませぬ』

『あっ、そうよね。アポロンお兄さまがいるものね。太陽が地上から消えるわけないわよね』

『それに、このままのほうが地上にとっても聖域にとっても、そして設定上もよろしいかと存じます。アベルがまた地上に降りれば、いろんな意味で混乱は免れますまい』

アベルが出なくても出てても、いろんな意味で混乱してるけどな。

『そうよね。さすが童虎だわ。おじーさまの次に頼りになるわね』

女神の涙がピタッと止まった。もしかしてどっかにスイッチでもついてるのか?←女にはみなついておる
兄貴達ともみ合っていたミニスカ野郎共は、女神の言葉に愕然となっていたが、黄金聖闘士12人+女神vsミニスカじゃ勝ち目なしっ!

『では、女神よ。花見とやらをはじめませぬか?はるか遠い聖域から参ってますゆえ、わしは咽喉がからからじゃ』

じーさん、とうとう本音が出たな。面倒くさいことはとりあえずやめて、酒が飲みたいだけじゃねぇかよ。←いかんのぅ
まぁ、俺もそれには賛成だけどな。もちろん、兄貴達も大賛成。
だれがこんな面倒くさい設定の男を引っ張りだすかってのっ!

『そうね。お花見しましょう。あっ、お兄さまにもお酒とおつまみさしあげなくちゃね』

女神はウッキウキで禿の執事に酒と食事を持ってこさせると、巨大な岩の前に置いた。

『お兄さま。そこに飽きたらいつでもお出になってね。ここにお食事おいておくわね』

『おぉ、さすが女神。なんという慈悲深さじゃ』

すでに酒を飲み始めたじーさんが号泣すると、俺達も女神の慈悲深さに号泣した。←嘘であろう

ていうか、なんかその岩牢、供え物がしてある墓石みたいだな。

日本の酒うまいっ!!

イセエビ!アンキモ!タイ!ニク!サケ!うまーーーーーーーいっ!!
ダンゴー最高ッ!

報告 アベルがいなくてもアポロンがいるので問題なし!アベルは女神の庭に居候中。放置プレイ決定。女神が今度はじーさんと二人きりで花見がしたいってよ!

 

二度とアベルが出て来れぬよう、岩をどこかに封印するか火口の中にでも落としてこぬか大馬鹿どもめ。
酒を飲んで浮かれておる場合ではなかろう。
まったくもって話にならぬ。

教皇 シオン

 


End