MISSION IMPOSSIBLE(File.5555 天使の微笑み その1)

 

『アイオロスを白羊宮から追い出すのじゃ!!』

はぁ?

『一昨日から、アイオロスが白羊宮に住み着いておるのだ!』

ジーサン、今度はアイオロスか・・・・。ムウがもてもてでジーサンも大変だな。←ムウは美しいからのう

俺は取り合えず、白羊宮へと向かった。

俺が金牛宮を出ると、白羊宮の出口でアイオロスが貴鬼と遊んでいるのを見つけた。

あいつ、何やってるんだ?

俺と目が合ったアイオロスは立ちあがると、俺を見つめた。俺はアイオロスを無視して、白羊宮へと入っていった。まずはムウに、アイオロスを追い出していいか訊かなければ・・・・・。

『いいですよ。』

ムウは俺の質問にさらりと答えた。

あれ??ムウがアイオロスを囲っているんじゃないのか?←違うに決まっておろう!

『あの大きさは・・・私の趣味ではありませんね。』

あ・・・あの大きさ??どこの大きさだよ・・・。やっぱり基準はアルデバラン?←余である

俺はとばっちりを食うのはごめんなので、それ以上の追求を避けた。
さて、ムウの許可も下りたしアイオロスを追い出すか。
俺は昼飯を食いながら、アイオロスに訊いた。

『お前、なんで白羊宮にいるんだ?』

『私がここにいてはいけないのか?』←当たり前だ

『っていうか、白羊宮で何してんだよ?』

『貴鬼のトレーニングだ!』

貴鬼のトレーニング??怪しすぎだぞ、こいつ。

『もしかしてお前、ムウのことが好きなのか??』

『あぁ、ムウは大好きだぞ。』

『射手座のおじさん!ムウ様はオイラのだぞ!!』←余のものである

貴鬼が食事の手を止め、アイオロスを睨んだ。アイオロスはにっこりと笑うといった。

『心配するな。私は、貴鬼もカノンもアルデバランも皆大好きだ!!』

『じゃあ、なんでここに居着いてるんだよ!!』

『お前に言う必要はない!それに、私はちゃんと夜は家に帰っている!!』

やっぱり怪しい・・・・。俺は白羊宮でアイオロスの監視を続けることにした。
食後、アイオロスは再び貴鬼と宮の出口で遊び始めた。

アイオロスは一日中同じ場所で貴鬼と遊んでいた。仮にもトレーニングなら、こんな所でしないで他のところでしろよ。

俺達は、更に人数が増えた為に機嫌が悪い教皇と一緒に夕飯を食べた。その後、アイオロスはアルデバランと白羊宮を後にしたので、俺も着いていった。アルデバランとアイオロスは金牛宮に着くと、軽く運動をした後、組み手を始めた。

あーあー、こいつらは本当にまじめちゃんだな。

『アイオロス。お前、いつも何時に起きてるんだ??』

アイオロスは組み手をしながら、俺の質問に答えた。

『五時だ!五時には起きて、走り込みに行く!!』

はっ?五時??朝の五時??こいつは老人か!!
俺は明日、五時に起きるためにその場を引き上げた。明日にはこの調査を終えたい・・・・。

 

次の日。

俺は根性と小宇宙で5時に起きた。俺、凄い!!
俺が柱の影に隠れていると、アイオロスはアイオリアを連れて双児宮を走って抜けていった。

アイオロスは白羊宮まで来ると、アイオリアを入り口で待たせて私室へと入っていった。
なんだ、やっぱりムウの寝こみを襲うのか?朝からとは大胆なやつめ!俺は、気配を殺してアイオロスの行動を探った。

アイオロスは私室へ忍び込むと、風呂場へ直行した。

風呂??

アイオロスは脱衣所に持ってきた荷物を置くと、ガスのスイッチをいれ白羊宮を出ていった。俺は、アイオロスが置いていった荷物をしらべた。それは、バスタオルとアイオロスの服だった。
謎だ・・・・・。

俺は荷物を調べた後、白羊宮を出たが既に2人の姿はなかった。仕方なく白羊宮のソファでアイオロスが来るのを待つことにした。

 

『ムウーーーーーーーーーーーーーーーー!』

俺は教皇の怒鳴り声で眼を覚ました。

『ムウ!なんで風呂にアイオロスがいる!!』

俺が寝ていたソファの横を、腰にバスタオルを巻いた教皇が怒鳴りながら歩いていった。ん?アイオロスの奴、ここの風呂に入ってるのか?

俺は突然、向きをかえた教皇と目が合った。

『ムウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!なんで、ここにサガの弟がおるのだぁ!!』

教皇が再び怒鳴った。俺は教皇に、アイオロスと俺は今朝、白羊宮に来たことを説明し、これも調査の一環だということを説明した。ジーサンは納得いかなさそうにブツブツと文句を言いながら、風呂場へ戻った。←白羊宮は銭湯ではない!

怒鳴った割には、アイオロスと風呂に入るのかよ。

え??もしかして、ジーサンは朝から風呂場でアイオロスを??

俺は風呂場へと向かった。俺が脱衣場へ入ると既に貴鬼が風呂のドアで聞き耳を立てていた。貴鬼は俺の姿を見ると、ニヤリと笑い人差し指を口元に立てた。こ・・・こいつ、末恐ろしいガキだ・・・・。←厳重注意しておく

もちろん、俺も貴鬼の隣で聞き耳を立てた。中からはアイオロスの声が聞こえた。

『どうですか、教皇!!俺の身体は!?』

『もういい、アイオロス。やめろ!』

俺と貴鬼は目を見張った。アイオロスがジーサンを??貴鬼は俺が止めるのもきかずに、風呂のドアを僅かに開けた。俺は凄いものを見た。風呂に浸かっているジーサンの前で筋肉を見せびらかしているアイオロスだ。アイオロスは渾身の力を込めて筋肉ポーズを取っていた。俺と貴鬼は気分が悪くなり、ドアを閉めた。

朝からアイオロスの筋肉ショーとはジーサンもお気の毒に・・・・。


Next