MISSION IMPOSSIBLE(File.616161 世界の中心で酒を叫ぶ)

 

ようやくシュラが中に入ってきた。
シュラは昼から酒盛りしている中国のじーさんと白人のジジィを見て目が粒になった。

「おお、シュラ!お前も飲め!」

中国のじーさんがシュラに気づいて早速酒をすすめた。俺も飲みたい。←仕事中じゃ

「老師、事情はよく分かりませんが、そちらの客人に帰ってもらってください。シリュウたちが、迷惑だと言っています」

シュラがずばっと言い切った。が、百龍覇でぶっとばされた。泥酔してるからいつもより破壊力はない。←情けない

「貴様、路頭に迷っている老人を放り出せとは、それでも正義の聖闘士か!」

ピクピクしているシュラに中国のじーさんが怒鳴った。もしかして白人のジジィはじーさんの友人?それとも隠し子を頼ってヨーロッパから出てきたのか?

「ロキぃ〜〜酒じゃぁ〜〜酒を持ってくるのじゃ〜〜」

白人のジジィが手をプルプルさせながら言うと、ロキことオウコはテーブルを叩いた。

「いい加減にしろ!ここは酒場じゃない!!」

中国のじーさんがピクっと眉を吊り上げて、昇龍覇でオウコをぶっとばした。息子にも容赦なしだ。アル中による家庭内暴力か?←弟子じゃ

「シュンレイや、酒じゃ、酒もってこい!」

中国のじーさんがまた酒を催促した。飲むの早すぎる。

「老師、もうお酒はありません」

シュンレイがでかい目をうるうるさせてもっさり言うと、シリュウが付け加えた。

「老師、もう酒を買う金もありません。シュンレイに写真集を作って売れとでもいうのですか?!」

何、写真集!?ヌードなら買うぞ。

「うっ、うっ、ぅっ……私ヌードは嫌です。ヌードにならなきゃいけないならイエロー●ャブ辞めます」

もっさり娘がエグエグ泣き出した。イエロー●ャブって何だよ!?
ていうか、TV放映では脱いでたじゃん!←中の人が代わったのじゃ

娘に泣かれて流石に中国のじじーも反省したのか、しばらく黙り込んでしまった。

が、

「シュラ、聖域に戻って酒をもってこい!シオンにの、アスガルドから客人がきておるといえばわかる!」

は?アスガルド?

俺もシュラも驚いた。白人のジジィはアスガルド関係者?!でもアスガルドにあんなジジィいたか?

「老師、アスガルドと申しますと……」

「オウコがのぅ、山中で行倒れてたこちらさんを助けたのじゃ。そしたらびっくり、アスガルドの教主だとゆうのじゃ」

そりゃびっくりだ。なんでアスガルドの教主が中国の山中で行倒れてるんだよ!←それを調べるのがお前の仕事じゃ
それに教主はそんなへんなジジィじゃなくてヒルダだぞ。

「分かったなら、酒もってこい!」

中国のじーさんはシュラを超能力で消した。

 

5分ぐらいして、シュラが戻ってきた。今度は親分のアイオロスが一緒だ。

アイオロスが酒を持って現れると、自称教主が

「フレぃ〜〜〜何をしにきたぁ〜〜」

とアイオロスに言った。そいつはフレイじゃなくてアイオロスだぞ、ジジィ。酒の飲みすぎで人の顔の区別もつかないらしい。

アイオロスは老師にワインを渡すと、東映まんが祭りのパンフレットと自称教主を見比べた。

あ、そうか!こいつは映画版のアスガルドか!あっちはむさい男ばっかりだから覚えてなかったぜ。アスガルドはオッパイ姉妹に限る。←下賎な

アイオロスはヘベレケ状態の教主に声をかけた。

「あなたはドルバル教主ですか?」

「いいや……余はぁ……教主じゃよ」

どっちなんだよ!アイオロスが頬を引きつらせてもう一度聞いた。

「あなたはドルバル教主ですか?」

「いいや……余はぁ……教主じゃ」

だからどっちだってーんだ!酒で脳みそが腐ってるらしい。←ボケておるのぅ

「シリュウの話だと、二日前から飲んでいるそうですから、きいても無駄かと……」

シュラがアイオロスにそう言った。マジか?!←飲みすぎじゃ

「何でアスガルドの教主が中国にいるんだよ」

「そんなの知りませんよ」

アイオロスとシュラがひそひそ話していると、シリュウとオウコとシュンレイも加わって、5人でヒソヒソ話し始めた。滝の音がうるさくてよく聞こえない。

ようするに

中国のじーさんがアスガルドの女をはらませ産ませたガキがオウコ(ロキ)で、教主は慰謝料をふんだくろうと中国へきたが行倒れて、偶然にもシリュウに助けられ、中国のじいさんと酒盛りをし、いつまでたっても酒盛りが終わらないから、なんとかしてくれということだ!←捏造するでない。拾ってきたのはカワユイ方の童虎であろう

「フレぃ〜〜余の顔をわすれたのかぁぁ〜〜フレアはどこじゃぁ〜〜」

フレアはヒルダの妹だろう?関係あるのかこのジジィ?←フレイとやらにも妹がおるそうじゃ

「教主よ、ありゃフライじゃなくて、アイオロスじゃ」

じーさん、フライじゃなくてフレイだろう。

「ん〜?あれはフレぃじゃぁ〜〜フレぃよぉ〜〜どぉしたぁ〜〜肌が焦げておるぞぉ〜?」

「フライが焦げておるのか?シュンレイ!エビフライがこげておるぞ!」

どこにエビフライがあるんだ?ボケてる上に酔っぱらいの言うことはわからん!

「エビフりゃぁ〜ではない……フレぃじゃ〜〜フレぃが黒いのじゃぁ」

「そうか、そうか。シュンレや、魚のフライを用意せい!焦げていないフライじゃぞ!」

教主は焦げてないフライが食いたいってことなのか!?酔っ払い同士で小宇宙が通じあっているのか?←ボケ老人同士じゃ

「そうじゃ〜フレぃは焦げておらんのじゃ〜。フレぃ〜どうしてお前は焦げておるのじゃぁ〜〜」

教主がフライフライというので、シュンレイはあわててフライを作り始めた。俺にはフレイにきこえるが、フライのことらしいからな。

 

アイオロスとシュラは外へ出てなんかしゃべると、アイオロスが消えた。

しばらくするとフライが出来上がった。キツネ色で焦げてない魚のフライだ。
しかし教主はオウコがもってきたフライをみて

「ロキぃ〜〜フレぃはとごへいった〜〜フレぃじゃ〜〜」

と言いながらオウコの尻を撫でて、オウコに殴られた。

「どうした教主よ、フライは目の前じゃぞ。シュンレイの料理は美味いのじゃ!」

中国のじーさんはフライをむしゃむしゃ食いながらワインをがばがば飲んだ。さっきもってきたのに、もう空だ。酒がなくなると暴れだすからな、このじじーは。←禁酒せよ

案の定、空瓶を逆さにして酒がないのを確認すると、中国じーさんはシュラに

「酒もってこい!」

と怒鳴って瓶を投げつけた。ダメだこりゃ。←酒癖が悪いにも程がある

「シュラ、お願いです!何とかしてください!」

「だから俺を頼るな!期待するな!俺に変な仕事を押し付けるな!」←情けない

縋りつくシリュウを振り払って、シュラは腕時計を見た。もしかしてアイオロスが戻ってくるのか?酒もって?


Next