MISSION IMPOSSIBLE(File No.626262 人質カノン)

俺は結局シュラとスニオン岬まで行った。
兄貴はなかなか来なかった。ていうか、来るわけないよな。←本当は期待していたのであろう

「よし、サガが来たらこうしようぜ。カノンの命が欲しかったら、全裸になって尻を出せ、てな。どうだ?」

どうだといわれても、兄貴は来ないし。

俺達がスニオン岬についてから2時間がたった。

「カノンの命が惜しかったら、俺のを舐めろってのはどうだ?」

勝手にしろ。

俺達がスニオン岬についてから3時間がたった。

「カノンが大事なら、カノンの目の前で泣いて弟を返してくれと懇願しろ、はどうよ?」

それは悪くないが、むしろ俺が大事なら俺の変わりに死ね。

俺達がスニオン岬についてから4時間がたった。

「カノンの命がおしかったら、今目の前で自慰をし俺の極太の灼熱のナニをくださいと懇願しろ、とかもありだよな」

しるかよ。つか、てめぇのチ○はそんな立派じゃないだろうが、見栄張りやがって。

俺達がスニオン岬についてから5時間がたった。

「お前も混ざりたいならサガの口はゆずってやるぜ」

勝手に譲ってろ。

俺たちがスニオン岬についてから6時間がたって、約束の8時になった。

まぁ、俺は最初から兄貴が来ることを期待してなかったので、腹が減ってきたので海で魚を取って焼いて食った。

「サガはきっといきなり教皇に呼び出しされて、遅刻してるだけだ。絶対そうだ」←呼び出しておらぬ

「いや、俺が誘拐されたことなんて気にしてないだけだろう」←その通り

俺が魚を食いながら言ったら、シュラの目がキョドった。

約束の時間から1時間たった。

シュラがソワソワし始めた。

「サガはきっと教皇にチクチク嫌味を言われて、今重い足取りでこっちに向かっているに違いない」←余はもう寝ておる

兄貴はもう飯食って風呂の時間だな。

約束の時間から2時間経った。

「遅刻した罰に腰が立たなくなるまで二人で掘ってやろうな。ヒーヒー言って、泣き喚いても掘り続けてやる」

つか、なんで俺も入ってんだよ。俺は兄貴なんて掘るかっての、キショイ。

約束の時間から3時間過ぎた。

やっぱり兄貴は来る気配はない。つか、来ると思っているシュラのおつむは相当おめでたいな。

「大切な弟が殺されそうだって言うのにほうったらかしにして、サガを見損なったぞ」

え!?今頃見損なったのか!?←13年前に見損なうべきであったな

今まで散々見損なうようなことしてきただろうが。

約束の時間から4時間過ぎた。

まだ待ってなくちゃいけないのか? もう来ないんだし、解散にしてくれ。

「普通、兄弟っていったらどっちかがピンチだと、何をおいても助けに来るだろうが、サガは何をやってんだ!」

突然シュラが俺に向かって怒鳴った。
俺は兄貴がピンチでも見殺しにするけどな。むしろ更にピンチに陥れる!

約束の時間から5時間が過ぎた。もう深夜だ、兄貴は睡眠薬飲んで、安らかに永眠してるな。←安眠であろう

「アイオロスだったら、アイオリアが誘拐されたら絶対に何がなんでも助けに来るぜ。それなのに、サガはお前のことを何だと思ってるんだ!」

ゴミかくずだろう。でなけりゃ、スニオン岬の岩牢に閉じ込めたりなんてしねぇよ。
ていうか、アイオロスに夢見すぎだろう、それ。鶏だって、多分アイオリアが誘拐されても助けに来ないと思う。←状況によろう

俺は小さい女神像を抱えて崖に寄りかかって仮眠を取った。

約束の時間から6時間が過ぎた、俺は目を覚ました。

「これがフェニックスだったら、アンドロメダがさらわれた時点で地獄から見参するぜ、普通そうだろう」

あの兄弟は特別だろう。あの兄弟は異常だ。←深い兄弟愛で結ばれているのじゃ

俺が再び仮眠を取っていると、シュラにたたき起こされた。いい加減兄貴が来ない現実を受け入れたか?←お前が受け入れられないのであろう

「そうだ、あれをやれ、あれを」

は?

「必ず兄貴が助けに来てくれる、魔法の言葉だ!」

はぁ??

「助けて、にーさんってやつ」

冗談じゃねーよ。そんな見っとも無いこと出来るか、ごら!!←かわゆいではないか
俺をあの女々しいオカマ小僧と一緒にするな。

俺は久しぶりにシュラに殺意を覚えた。高波でも呼んでやろうか。

「いいから、いえよ。お前だって本当はサガが来るのを待ってるんだろう」

待ってるわけねぇーだろうが、馬鹿。
俺はじーさんに命令されてシュラに協力しろってことで、ここにいるんだ。
だーーーれが、来るはずもない兄貴を待つかっての。
ていうか、俺が兄貴を待つ理由が分からない。←必死じゃな

「仕事だったら、ちゃんと最後までしろよ。でないと、教皇に仕事してないってチクルぞ」

俺は本当に高波を呼んで、シュラを海の藻屑にしてやろうと思った。だが、ここでじーさんにばれて、女神にまで俺が仕事をしてないことがバレたら面倒くさいので、俺は仕方なく兄貴に助けを求めた。←言い訳が長いの

「助けろ、兄貴」

俺が棒読みで言うと、シュラが恐れ多くも俺の頭を殴った。天才が馬鹿になったらどうするだ、ごら!貴重な聖域の頭脳を粗末に扱うな!←これ以上馬鹿にはならぬ、安心せい

「もっと可愛く助けをもとめろ。アンドロメダはもっと切羽詰って切実に言うだろうが。しかも声にだけだしてどうする、声に出しながらサガの小宇宙に直接助けを求めろ」

俺はアンドロメダじゃないんだから、そんな見っともない真似できるかよ!

「助けて、兄貴」

俺が棒読みで言うと、また殴られそうになったので、華麗によけてカウンターパンチをお見舞いしてやった。←殴られたのであろう

「兄貴なんて呼び方は、可愛くない。もっとサガが助けに来てくれるように……ていうか、助けてやってもいいかなって思わせるような呼び方をしろ」

「助けて、兄さん」

俺は恥を忍んでアンドロメダの台詞をまねてみた。が、またパンチが飛んできたので、俺はカウンターパンチに蹴りを加えてシュラを海に蹴り落とした。←落ちたのはお前であろう

「馬鹿野郎、もっと弱々しい弟を演じろ、お前はそれでも弟か!」

うるせーよ。双子なんて、弟も兄もあんまり関係ねぇんだよ!!!

ちくしょう、俺はガラスの仮○見たいに、アンドロメダのキャラを降ろしてみた。

「助けて、にぃーーーすわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!」

もう俺ってば、今年のアカデミー賞いただきだな。グラミー賞も確実か?赤絨毯を美女はべらせて歩いてやる!

俺が助けを求める弟を演じても、やっぱり兄貴は来なかった。

その後、俺はシュラに言われて日が昇るまで兄貴の小宇宙に助けを求め続けたが、当然兄貴は来なかった。

兄貴は俺のことを殺したいくらい嫌いだし、俺も助けてもらう気ないしな。それに睡眠薬でぽっくりいってちゃ、俺の小宇宙も届いているかどうか微妙だ。

「嘘だ、サガはなんて薄情な男なんだ。あいつ、あれでも正義の聖闘士か」←正義の聖闘士ではない

シュラは兄貴が助けにこない現実を受け入れられないようで、朝日を浴びながら打ちひしがれていた。←打ちひしがれていたのはお前であろう

「あいつ、正義の聖闘士じゃないじゃん。そんなのお前、13年の間でいやってほど知ってんだろうが、ばーか」

俺は打ちひしがれているシュラに現実を突きつけて、双児宮に帰った。

双児宮では兄貴が何事も無かったかのようにコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。俺ももちろん何事も無かったかのように寝室に向かった。一晩中シュラに付き合っていたので、とりあえず仮眠だ。

俺が部屋に入ろうとしたとき、

「一晩中気持ち悪い小宇宙を送って、なんのマネだ。また新しい嫌がらせか?くだらないことをする前に、もっと修行をしろ。私に関わるな」

兄貴はいきなり俺を殴った。

むかついたので、俺は二度とシュラの手伝いはしないことにした。

報告:シュラの十二人斬りのせいで兄貴に殴られた。次の助っ人は他の奴にしろ!
兄貴斬りはシュラが強くなるまでおあずけ。

またサガに捨てられたのがそんなに悲しいか。
泣きすぎて目がはれておるぞ。
サガももう少し弟を大事にするよう指導せねばならぬのぅ。

教皇シオン


END