MISSIONN IMPOSSIBLE(File.6666 双子座の陳情書 その1)

 

報告書:

それは数日前のことだった・・・。

俺と兄貴が昼食を食っていると、ミロが泣きながら飛び込んできた。どうやらカミュと喧嘩をしたらしく、宝瓶宮を飛び出してきたらしい。ミロはうわーーん、うわーーんと泣きながら、兄貴にすがった。

『カミュの顔は見たくない。だから、しばらくここに置いてくれ!!』

なんで家なんだよ。白羊宮にでも行けよ!

『白羊宮に行ったらさ、妖怪に追い出されたんだ!!お願いだよ、サガ。』←当然だ

兄貴は困った顔をしながら、ミロをリビングへと通した。ちょっと待て、いくらなんでも人が良過ぎるぞ。

『心配するな。話しを聞いてやれば、落ち着くだろう。すぐにカミュの元に帰らせる。』

俺は兄貴を止めようとすると、兄貴は落ち着きながら言った。兄貴、ミロを甘く見すぎてるぞ。

兄貴はミロにコーヒーを与え、ミロの話しを聞いた。喧嘩の原因はどうやら、カミュの浮気にあるらしい。カミュの浮気??ミロ、お前は自分のことを棚に上げて何を言っているんだ。ミロが言うには、カミュの浮気相手は兄貴らしい。これには流石の兄貴もびっくりしていた。
兄貴は何とかミロの誤解を解こうと、ミロを説得し続けた。
そうか、兄貴はカミュとデキていたのか。俺は知らなかった・・・・。←ほうほう

俺達がミロの話しを聞いていると、2人目の来訪者があわられた。俺と兄貴は、ミロをリビングへと残し玄関へと向かった。

『失礼します。ミロと喧嘩をしました。あれの顔はもう見たくありません。しばらくここでやっかいになります。』

自分の身の回りのものを持って現れたカミュは、そう言うと勝手に家へとあがりこんだ。それに気がついたミロが、慌ててリビングから飛び出してきた。

『ほら!!やっぱりサガと浮気してるじゃないか!!なんだよ、カミュ、その荷物は!!』

『ミロ!お前こそ何で双児宮にいる!!やっぱりカノンと浮気してたんだな!!それとも狙いはサガか!?』

そうか、俺はミロとデキてたのか。知らなかった・・・・・・。ってちょっと待てよ。なんだよそりゃ。←ほうほう

『なんだよ、サガを狙ってるのはカミュだろ。俺は知ってるんだからな!!』

『そういうお前こそ、あわよくばカノンを襲おうとしているだろう!!』

『なんだと!!』

カミュとミロは一触即発の状態だった。

『いい加減にしないか、お前達。』

兄貴が二人の間に割って入った。

『いいか、よく聞け。ミロ。私はカミュとは何の関係も無い。カミュが私と浮気しているというのはまったくの誤解だ。』

兄貴はミロの目を見ながら優しく言った。その次にカミュの顔を見て言った。

『カミュ。ミロがカノンと浮気しているというのも誤解だ。カノンにも私にもそういう気はない。安心しろ。』

そうだ!そうだ!!俺達をお前達と一緒にするな!!
兄貴は二人を宥めると、仲直りをさせようとした。しかしお互いに一歩も譲らない。いい加減にしてくれよ、俺達が関係無いと言っているんだ、なんで信用できないんだよ!!!←日頃の素行に問題があるからであろう

『俺は知ってるんだぞ!!カミュが1週間も双児宮に泊まっていたことを!!』

あ??あれか??カミュが風呂を覗いた時のことか??

『それを言うのであれば、ミロのほうこそ、カノンにしょっちゅうちょっかいをだしているではないか!!』

確かに、それはカミュの言うとおりだ・・・・。
兄貴は眉間にシワを寄せて、困った風に顔を横に振るとミロに言った。

『ミロ。お前、カノンや私に良からぬことをしないと約束するか??それだったら、しばらく双児宮にいるがいい。』

ちょっと待て、兄貴。そりゃどういうことだ?ミロにそんな約束は通じるはずがないだろう。
ミロは兄貴の言葉に黙って頷いた。

『サガ。それはどういうことですか!』

『カミュ。お前は一度、宝瓶宮へ戻るんだ。』

『なぜ、ミロがよくて私が駄目なんですか??』

『カミュ。ミロが一人で暮らせないことはお前が一番よく知ってるだろう。ミロは誰かが世話をしなければ野たれ死ぬぞ。』

『そんなもの、野垂れ死なせとけばいいんです!!』

おいおい、仮にもミロはお前の恋人だろうよ・・・・。カミュはやっぱり冷たい奴なのか?

『なんだと、カミュ!!言っていいことと悪いことがあるぞ!!』

ミロは兄貴の後ろに隠れると、顔だけを出してカミュに言った。

『うるさい、ミロ!お前は黙れ。ミロが双児宮を出ないなら、私もここにいます。』

カミュ、なんでそうなるんだよ!!お前はミロの顔を見たくもないんだろう。さっさと宝瓶宮に帰れ!

『ミロがここにいる以上、貴方のことが心配です。こいつは何を考えているか分かりません。だから、ミロが出ていかないのなら私も双児宮を出ていきません。』

カミュの言葉に兄貴は困り果てていると、再び兄貴の後ろからミロが顔を出した。

『何を考えているのか分からないのはカミュのほうだろう!!双児宮に居座って、サガと浮気するつもりだろう!!俺だって、カミュが出ていかないなら、ここを出ていかないからな!!!』

『いい加減にしないか。そんなに家にいたいのなら、気の済むまでここにいろ。但し、変な気を起こすな!喧嘩はするな!!分かったな!!』←無理であろうな

兄貴はそう言うと、二人を置いてリビングへと消えた。ちょっと待ってくれよ兄貴。俺はこいつらと生活するのはごめんだぞ。俺は兄貴に文句を言った。兄貴の考えは、あの二人がお互い浮気をしないように監視しているなら、俺達には何もしないだろうということだった。
うむ、確かにお互いに監視していれば、悪さはできないな。逆に一人だけのほうが、危険かもしれない。俺は渋々と兄貴に従うことにした。

 

兄貴は仕事をすると言って、書斎へと消えていった。俺とカミュとミロはリビングに取り残された。もしかして、こいつらの世話は俺がしなくちゃいけないのか???勘弁してくれよ!!

しかし、カミュは世話になるのだからと言って、夕飯の支度をしはじめた。おぉ、さすがカミュだぜ。それに引き換えミロのほうはといえば、家のことをする気もなく、俺と一緒にテレビゲームをしていた。まぁ、テレビゲームで大人しくなるなら、それでいいか。こいつの場合は余計なことをしないほうがいい。

俺達はカミュに呼ばれてダイニングへといった。夕飯だ!!

しかし、テーブルには3食分しかなかった。兄貴は、しかめ面をしながらその理由を聞くと、カミュは冷たく応えた。←大人気ない

『私は、ミロの食事を用意する義理はありません。ミロは双児宮の人間ではないのですから。』

『なんだと!カミュ!こっちだってお前の飯なんてくえるかよ!!』

ミロは泣きそうになるのを堪えながら怒鳴った。

『いい加減にしろ。カミュ、そんな子供みたいな真似はやめるんだ!!』

カミュは兄貴に怒鳴られ、顔を下に向けた。兄貴はミロに、

『ミロ。私の分を食べなさい。お前は野菜は食べないだろう?私は野菜だけでいいから。』

とミロに自分の分の食事を渡し、兄貴はサラダだけを食べるとフラフラと風呂へと消えていった。俺はミロとカミュの3人で食事をする羽目になった。まぁ、普段から食事は会話がないからなれているが、なんだかいつもよりも飯が不味い。

『カミュ。サガの風呂を覗こうなんて考えるなよ!』

ミロが飯を食いながら言った。

『ふん。そんなことはしない。お前こそ、そんなことを考えているんじゃないのか?カノンが早く風呂に入ればいいと思っているんだろう。』

『俺はお前とはちげーよ。』

カミュとミロは今度は兄貴の風呂のことで喧嘩を始めた。俺にとってはこいつら二人は同じようなものだ。きっと、俺が風呂に入っている間も似たようなことで喧嘩を始めるに違いない。
俺は、とっとと飯を平らげた。兄貴が風呂から上がってきたので、俺もカミュとミロが喧嘩をしている間に風呂に入ることにした。


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