MISSION IMPOSSIBLE(File.9191 牡羊座の陳情書 その1)

 

白羊宮においてのシオンさまに関する問題の早期解決について

 

 現在、本宮においては、皆様のご助力により日中の生活を中心にその成果があらわれつつあります。

 特に、牡牛座のアルデバラン氏の存在は、聖戦後以来、ムウさま及び私の本宮での生活の改善の創出に大きく寄与しております。

 しかしながら、本宮の生活問題は今なお存在しています。

 ムウさまは、毎朝、シオンさまを起こす為、早朝に起床しなければなりません。しかし、シオンさまは更に早くに起床しまして、寝室でムウさまを待ち、ムウさまに手出ししようと企ております。

 その後、朝食をとるとムウさまに着替えの手伝いをさせるために、自室へと消えていき、しばらくは部屋からは出てこないのです。

 日中は、シオンさまが教皇の執務で不在の為、本宮には一時の平和が訪れます。

 しかし、夕刻になると、本宮は由々しき自体が続きます。

 まず、ムウさまはシオンさまと私たちの夕飯を別に作らねばなりません。シオンさまのために、銀食器をならべ、シオンさまの嗜好にあった料理を作らなければならないのです。食事中も、ムウさまは、シオンさまのために、料理を給仕し、落ち着いて食事ができる状況ではないのです。

 更に、シオンさまは、ムウさまとアルデバラン氏が口をきくことをあまり好ましく思っておらず、食卓は一変して静かなものです。

 また、食事後は、シオンさまはムウさまを独占し、入浴の同行を強要したり、同じベッドで寝ることを強要したりするのです。

 とりわけ、先日から休暇と称してムウさまを独占しているシオンさまの行動は目に余るものがございます。
シオンさまは、その日のうちにムウさまを自室に連れ込み、一月ほど経ちますが、いまだに部屋から出てこない状況であります。
3度の食事は、1回に減らされ、私が用意致しまして、それを部屋の前に置かせます。シオンさまは、それを念動力によって部屋まで移動させ、空になりました食器を再び元の位置へと念動力で移動させるのです。時には、まったく食事に手をつけないこともあるのです。
もちろん、その間、ムウさまは部屋から一歩も出させてはもらえません。

 また、私は毎日浴室の掃除をし、いつでもシオンさまがムウさまを連れて入浴できる状態を保っておかなければいけません。シオンさま達が入浴中に、私はシオンさまの汚れた部屋を片付け、ベッドを整えておかなければなりません。

 このような状況を踏まえ、本宮においての生活の改善とムウさまの解放に全力で取り組む考えでありますので、下記にあげた事項について早急に適切な措置を講じていただきたく強く要請するものであります。

 

 

1   シオンさまの白羊宮からの早期撤退。

2   シオンさまの休暇の取消し。

3   ムウさまの解放。

4   私とムウさまの最低限の生活の保障。

5   シオンさまの教皇庁での生活の実現。

 以上、聖域自治法第142条の規定により要請書を提出する。

貴鬼

あて先

 アイオロス教皇代理、サガ教皇代理補佐

 


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