聞けませぬ―――

 

執務当番でないにもかかわらず、いきなりシオンに呼び出されたアイオロスは慌てて人馬宮をでた。

執務室

アイオロス「教皇、一体こんな時間になんの御用ですか?もうとっくに7時過ぎてますよ。ムウが心配しているんじゃないんですか?」

シオン「自慰なのじゃ!!」

アイオロス「はぁ?またジーっすか。もういいっすよ、そのネタは。そろそろ飽きました。」

シオン「なにをゆうておる、自慰はこれからじゃぞ。ほれ!」

目の前に突き出されたものに、アイオロスは目が点になった。

アイオロス「な、なんですか、それは?」

シオン「見て分からぬか?キトンじゃ!!」

アイオロス「そんなの見れば分かりますよ!だからそれがなんなんですか!!」

シオン「お前が着るのじゃ。今日からお前は自慰仕様になるのじゃ!!」

アイオロス「いやです、そんな女みたいな格好!男のキトンっていったら、腰巻きじゃないんですか!!」

シオン「愚か者め!キトンの歴史をなめるでないぞ。長い歴史の中では、こういう服も男がきておったのじゃ。安心せい、きちんと自慰仕様になるためにコルセットもついておる♪もちろんノーパン&フリチンで着るのじゃぞ!」

アイオロス「いやです。絶対に嫌です!!!」

シオン「なんじゃと?お前はこの教皇の命令が聞けぬというのか!」

アイオロス「聞けませぬ―――」

シオン「いいから着るのじゃ!」

アイオロス「着れませぬ―――」

シオン「ほう、余に逆らおうというのか?それがどういう意味かわかっておるのであろうな?」

アイオロス「分かりませぬ―――」

シオン「分からないというのであれば、身体で教えてやるまでじゃ。アイオロスよ、ちこう♪」

アイオロス「行けませぬ―――」

シオン「では、ここで自慰をせよ。このキトンを着て自慰をせよ!!」

アイオロス「できませぬ―――」

シオン「これはお前の為に自慰仕様で特注してやったのだぞ。その親心が分からぬともうすか!とっととやれ!」

アイオロス「やれませぬ―――」

シオン「ほう!やれぬと申すか・・・しか、これならどうじゃ。ふふふっ。」

アイオロス「!?!?!?!」

シオンの手の中にあるものを見て、アイオロスは目が点になった。

 

一方その頃、獅子宮には珍しい客が訪れていた。

ムウである。アイオリアは露骨に嫌そうな表情を浮かべてムウを睨んだ。
普段からムウのことがあまり好きではない上に、今のアイオリアは精神的にかなり不安定で不機嫌だった。

アイオリア「ムウ、一体なんのようだ。」

ムウ「ふっ、聖衣を治しておいてさしあげました。」

アイオリア「は?」

ムウ「自慰ですよ、自慰♪」

ドンと、ムウが背負っていた聖衣を床に置き、箱を開いた。

アイオリアの目が点になった。

アイオリア「なんだ、これは新手の嫌がらせか、ムウ。俺の聖衣はこんなじゃない。」

ムウ「よくみてください。ほら。」

ムウが触れた先から箱が開き、中から出てきたものにアイオリアの目は粒になった。

ムウ「自慰デビュおめでとうございます。ちゃんと自慰仕様に修復しておきましたから。ふっ。これは正真正銘、元獅子座の黄金聖衣ですよ。」

そう言ってムウは勝ち誇ったように鼻で笑った。が、次の瞬間目が点になった。

アイオリア「う、う、う、うわ―――――――――――――――――――――ん。」

てっきりアイオリアがまたぶちきれて自分に襲い掛かってくるとおもっていたのだが、変わりはてた姿の獅子座の聖衣にアイオリアは床にうずくまり、子供のような泣き声をあげて泣き出したのである。

ムウ「ど、どうしよう・・・。泣かせてしまった・・・・・・。」

ちょっと嫌がらせをしてやろうと思ったムウもさすがに絶句した。

 

執務室

シオン「ほぉれ、どうした。サガの生写真じゃぞ。サガ6歳〜28歳までの自慰じゃ。ほうほう、これは最近のサガの自慰の写真じゃのぅ。相変わらずよい顔をして喘いでおるわ。どうじゃ、これでも自慰ができぬというのか?」

アイオロス「ぬけませぬ―――」

アイオリアがわんわんと泣き叫ぶ一方で、アイオロスはがっくりと膝を付きうなだれながら、血の涙を流していたのであった。

 


イけませぬ―――