ムウちゃんといっしょ(ないものねだり  その2)

 

処女宮

ムウ「覚えておれ、アイオリア・・・いつか全身の毛を焼いて、禿ライオンにしてやる・・・。」

ムウは処女宮で瞑想したまま眠るシャカに近づき頬を撫でた。

シャカ「何をしてるのだね!麻呂!」

ムウ「おや、目が覚めたんですか?」

シャカ「寝てなどいない!」

ムウ「寝てたくせに。」

シャカ「寝てなどいないと言っているだろう!君こそ日が昇る前から何をしているのだ!」

ムウ「髭の調査です。ひ・げ。剃られる前に調べないと駄目なんです。」

シャカ「・・・・・・・。それで、成果はあったのかね?」

ムウ「・・・・まぁ、それなりに。」

シャカ「・・・ほう。」

ムウ「アルデバランは一日二回剃って、一晩で真っ黒になってしまうんです。サガとカノンはカビでした。2日か3日にいっぺんくらい剃るそうです。デスマスクも一晩でボーボーで、アルデバランよりすごいんです。アイオリアは金色の柔らかい毛が顎から胸までつながってました。」

シャカ「それで、君は?」

ムウ「私ですか・・・・生えないんですよ。」

シャカ「っふ、君は妖怪だからな!」

ムウ「・・・・・。サガは生えてましたよ。二重人格だからって、髪の色や声まで変わるのは妖怪ですよ。そういうあなたこそ生えていないではありませんか!」

シャカ「ふ、私には髭がある。」

ムウ「嘘をつくのはおよしなさい。」

シャカ「嘘ではない!」

ムウはシャカに顔を近づけると、シャカの鼻の下にはうっすらではあるが、金髪の毛が綺麗に整えられていた。

ムウ「・・・・それは産毛でしょう。」

シャカ「髭だ!」

ムウ「だったら、一日何回顔を剃るんですか?」

シャカ「月に二回だ!」

ムウ「・・・・剃る意味ないですね。」

シャカ「そう言う君は剃ったことがないのだろう!。君はやはり妖怪だ!」

ムウ「貴方だって大して変わりませんよ!」

そう怒鳴ると、ムウは処女宮から姿を消した。

 

天蠍宮

ミロは夢の中で、愛しいカミュと乳繰り合っていた。

ミロ「うぅうぅぅん〜〜〜カミュぅぅ〜〜〜もっと。」

夢の中でカミュはローションのついた手でミロの頬をいとおしげに撫でまわしている。

ムウ「相変わらず馬鹿面ですねぇ。ミロは子供だから髭が生えないんですかねぇ。」

ミロの顎をなでも、チクチクとした感触はなく、ムウはにやりと笑う。

しかし、白々と明けてきた朝の光に輝くものを頬に見つけて目を見張った。

ムウ「・・・な、長い!」

ミロの頬には所々に長くてほそい猫髭が生えていたのである。

ムウ「・・・ミロは猫だったんですね・・・・。それで海の生き物のカノンを追いまわしているのですか。」

ムウはぶつぶつ呟くと、天蠍宮から姿を消す。ミロはムウにまったく気付くことなく、ぐーぐーと眠っていた。

 

人馬宮

アイオロスは夢の中で、愛しいサガと乳繰り合っていた。

アイオロス「なんだぁぁぁ〜〜〜サガぁぁ、おねだりかぁぁぁ〜〜〜。」

夢の中でサガはエロエロポーズでアイオロスの頬をいとおしげに撫でまわしている。

しかし、どうも夢にしては頬にあたる感触がリアルで、サガにしてはサービスが良すぎると思い目を開けると、輝く紫色の瞳と至近距離で目が合い、アイオロスは驚いて飛び起きた。枕もとにいつの間にかムウが座っているのである。

アイオロス「む、ムウ!!家出してきたのか?」

ムウ「違います。」

アイオロス「しかしなぁ、お前に手を出すと教皇に怒られる。だからな、掘ってほしくても、お前は掘ってやれないんだ。」

ムウ「サガと一緒にしないで下さい!髭の調査ですよ。」

アイオロス「ひげ?」

ムウ「・・・・なんで体毛が生えていないのにひげが生えてるんですか?」

ムウはアイオロスの毛の生えていないツルツル胸や腕を摩りながら、顎に指を這わせる。髭の感触がザラザラと指にあたるが、胸に這わせた指からは何もあたらない。

アイオロス「・・・・さ、さぁ・・・なんでだろうなぁ?・・・」

ムウ「アトミック!!で被爆したんですかねぇ。」

アイオロス「ひ、被爆ぅぅぅぅ?!」

ムウは首をかしげながらアイオロスの頬と胸を撫でまわす。ムウにその気はなくても、教皇じこみの愛撫のテクニックで、右胸部の中心に走る快感にアイオロスはたじろぎ始めた。

アイオロス「おい、ムウ・・・・やめないか。わ、私の股間はサガ専用なんだ。・・・うぉお!」

ムウ「はぁ???何言ってるんですか?。あ、陰毛はあるんですか?」

ムウがタオルケットを掴んで一気に引き剥がすと、全裸のアイオロスは元気になってしまった股間を慌てて押さえこんだ。

アイオロス「陰毛くらい生えてるに決まってるだろう!タオルケット返せ!」

ムウ「おや・・・私に発情ですかぁ?所詮アイオリアの兄ですねぇ。さっきまでサガとしていたのに、足りなかったんですか?」

アイオロス「馬鹿!お前が撫でまわすからだ!」

ムウ「ふ、サガに言いつけますかねぇ。」

そう言い残して、ムウは人馬宮から消えると、アイオロスは急いでズボンをはき、言い訳をする為、双児宮めがけて光速で階段を駆け下りた。

 

磨羯宮

シュラは夢の中で、年下の彼氏と乳繰り合っていた。

シュラ「ん〜〜〜〜アラン〜〜〜。」

夢の中で彼氏は日に焼けた手でシュラの頬をいとおしげに撫でまわし、甘い声でおねだりをしている。

しかし、どうも夢にしては頬にあたる感触がリアルで、指使いが上手いと思い目を開けると、輝く紫色の瞳と至近距離で目が合い、シュラは驚いて飛び起きた。枕もとにいつの間にかムウが座っているのである。

シュラ「・・・・、なんだムウ。ヤって欲しいのか?。」

ムウ「はぁぁぁ?」

シュラ「俺にヤってほしいんだろ。だったら勃たせろ!。」

シュラはそういいうと自ら布団を剥がし、全裸でムウに手招きをした。

ムウ「馬鹿なこと言ってるんじゃありませんよ。髭の調査です。」

シュラ「髭?」

ムウ「・・・・・真っ黒ですね・・・・。」

シュラは自分の顎に手を当てニヒルに笑った。

シュラ「ふ、当たり前だ。かっこいいスペイン人には髭が似合うのだ。」

ムウ「貴方も一晩でボーボーになるんですか?」

シュラ「当然だ、男の子が俺に頬擦りしながら『シュラの髭が当たって気持ちイイ(はぁと)』とうっとりするんだ。」

ムウ「・・・・・。で、何所から髭で、何所から胸毛なんですか?」

シュラの毛は黒いだけあり、アイオリアよりも胸までブツブツと黒く続いている髭がはっきりと分かる。

シュラ「教えて欲しいか?」

ムウ「はい、とても。」

シュラ「なら舐めろ!」

ムウ「嫌です。」

シュラ「ち・・・・、朝起きて剃るところまでが髭で、剃らないところが胸毛だ。そんなことも分からないのか。」

ムウ「私は、髭ないですから・・・・。」

シュラ「そうか、俺の髭が羨ましいのか。」

ムウ「それはもう。で、一日に何回髭を剃るんですか?」

シュラ「普通は2回。出かけるときは3回だな。」

ムウ「さ、3回ぃぃぃ?!」

シュラ「どうだ!すごいだろう!!」

ムウ「すごいです・・・・さ、3回も・・・。」

シュラ「さ、教えたんだから、勃たせろ、舐めろ、ヤらせろ!。」

シュラは目を瞬かせて驚いているムウの隙を突いて、硬いベッドにムウを押し倒すと、ムウのふくよかな頬に自分の髭面を押し当てる。

シュラ「ほぉ〜〜ら、気持ちいだろう!」

ムウ「私はアルデバランのほうがいいんです!」

ムウはシュラの髭面を平手で殴りつけると、テレポートでその場から姿を消した。

 


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