シオンさまといっしょ6(聖域の昼下がり その2)

 

シュラとカミュは教皇の執務室でシオンの仕事の補佐をしていた。

シュラ「教皇、今日は本当にいい天気ですね。」

シオン「ん?」

シオンは何かを感じ取ったように椅子から立ちあがると、後ろの窓をあけテラスへと出た。

シオン「山羊、水瓶。近う。」

シュラ「なんでしょうか?」

シオン「双児宮を見てみるがよい。なかなか良いものが見られるぞ。」

シオンは超能力で双眼鏡を取り出すと、シュラとカミュに手渡した。

シュラ「あ!双児宮のテラスの長いすでサガが昼寝してますね。」

カミュ「教皇は、肉眼で見えるんですか?」

シオン「当然である。250年も生きておれば容易い。」

シュラ「妖怪ですからね。」

シオン「無礼なことを言うでない、山羊。」

シュラ「それにしても、カノンとは大違いですね。」

カミュ「なんとも言えない色気がむんむんですね。」

シオン「ふむ。本を読んでいるうちに寝てしまったようじゃな。」

カミュ「すみません。本日は早退してよろしいでしょうか?私、今からちょっと双児宮へ・・・。」

シオン「焦るでない、水瓶よ。あれを見てみるが良い。」

シュラとカミュはシオンが指差したほうを見た。

シュラ「あっ、巨蟹宮からアフロディーテが下りてきます。」

カミュ「ん?アフロディーテが双児宮の出口の前でその場足踏みしてます。」

シオン「双子座の迷宮じゃ。サガは用心深いからの。」

シュラ「なるほど。」

カミュ「サガ、流石だ。」

シオン「ふむ。また来おったぞ。」

シュラ「あっ!今度はアイオロスが巨蟹宮からおりてきます。」

カミュ「アイオロスも迷宮行きでしょうか?」

シオン「あやつは何回もこの手に引っかかっておるから、大丈夫であろう。」

シュラ「ああっ!途中からいきなり横道にそれましたよ。」

カミュ「双児宮に入らずに崖をおりはじめました。」

シュラ「さすがアイオロス。中からではなく、直接外からテラスに入るわけか。」

シオン「ふむ、考えおったな、アイオロスのやつめ。」

シュラ「寝ているサガの顔をじーーーっと覗き込んでます。」

カミュ「何を考えているんでしょうか?」

シオン「お主たち、動きがあったら知らせよ。余は執務に戻る。」

シュラ「え?どういうことですか?」

シオン「アイオロスはしばらくはサガの顔を見ているであろう。」

シオンはそういうと、テラスの窓を開け放したまま執務へと戻った。

 

数十分後。

シュラ「教皇!教皇!!アイオロスが動きました!!」

カミュ「サガにキスしました。しかもディープキスです。」

シオン「ほうほう、やっと動いたか。」

シオンは再びテラスへと顔をだした。

シュラ「あ!サガが眼を覚ましました。」

カミュ「サガの顔が真っ赤です。」

シオン「28にもなってキスごときでうろたえるとはのう。」

シュラ「アイオロスがサガに跨がりました。首筋にキスをしています。」

カミュ「サガのローブの上着に手をかけました。あちこちにキスをしながら器用に、前をはだけていってます。」

シュラ「サガが持っている本でアイオロスの頭を容赦なく叩いてますね。」

シオン「アイオロスは、そんなことではやめんであろう。」

シュラ「『やめないか。こんなところで!!』って騒ぎながら叩いてます。他の所でならいいということですかね?」

カミュ「あああ!!アイオロスの手がサガの股間をまさぐってます。」

シュラ「あ!サガが悶え始めました。」

カミュ「ハァハァハァ・・・・サガ、素敵だ。」

シオン「どうした、水瓶よ。サガの姿に興奮してきたか?」

シュラ「それにしても、アイオロスは的確にサガの急所をキスでせめているようですね。サガが凄いエロい表情で悶えてますよ。」

シオン「ふむ。サガもアイオロスも余が直々に開発してやったからの。特にサガは、念入りに隅々まで開発してやったからのう。」

カミュ「そ、それは幼い頃の話でしょうか?」

シオン「そうである。攻め方も余の直伝じゃ。アイオロスはサガをイかせてやるんだと、特にはりきっておったのう。」

カミュ「え?それはどういう意味ですか?攻め方を教えるって・・・。」

シオン「水瓶よ、そなた何を考えておる。余が尻を貸したとでも思うておるのか?」

カミュ「申し訳ありません、つい・・・。」

シュラ「なるほど。サガの性感帯を押さえているうえに、教皇直伝の技では流石のサガもあーなるわけですか。」

カミュ「あ!アイオロスがサガのローブの裾を一気に捲り上げました。サガ、嫌がってますね。」

シオン「ふむ、サガは外で行うのは嫌いだからのう。」

カミュ「それも幼い頃の話しですね、教皇。」

シュラ「おおおお。サガの身体を愛撫しながらも、指がサガの尻に。流石アイオロスだ、ミロとは大違いですね。」

シオン「いきなり挿せばサガが嫌がるからであろう。あれはサガに嫌わるのを恐れておるからのう。」

カミュ「はぁはぁはぁ・・・・サガァ・・・・。」

シュラ「カミュ、お前大丈夫か?帰ったほうがいいんじゃないか?」

カミュ「大丈夫です。最後まで見ていきます。」

シオン「ほうほう、サガは相変わらずいい顔をして喘いでおるの。」

シュラ「あ!アイオロスがサガの片足を持ち上げました。」

カミュ「あぁ!!!アイオロスのモノの先端がサガの尻に!!!!」

シュラ「あっ!!カノンがいきなりテラスに入ってきました。」

カミュ「カノンがアイオロスを殴ってアイオロスがこちらに飛んできます。」

 

双児宮。

サガ「カ・・・・カノン!?」

サガがアイオロスに挿される寸前に、カノンはずかずかと無言でテラスに入り、無言でアイオロスを殴り飛ばした。サガは痴態を見られた恥ずかしさと、アイオロスの愛撫の名残で顔を真っ赤に染めながら、慌てて着崩れたローブを正した。

カノン「この前、ミロから助けてもらった礼だよ。これで借りはかえしたぜ。」

カノンはプイッと顔をそらすと、スタスタと私室へ戻っていった。

 

執務室テラス。

シュラ「あいつ、サガがアイオロスに犯されそうになったと勘違いしたみたいですね。」

シオン「勘違いしたふりかもしれぬぞ。」

カミュ「カノンはいつからアイオロスがあそこにいたのを知っていたのでしょうか?」

シオン「最初から柱の影で覗いておったのかもしれんな。山羊よ、そこはアイオロスの落下地点じゃぞ。」

シュラはシオンに言われ、その場から一歩退くと、アイオロスがそこに落下した。

シュラ「アイオロス、大丈夫ですか?」

アイオロス「お・・・・・おのれ、愚弟・・・。」

アイオロスは呟くと白目をむいて気絶した。

シュラ「教皇。なんだか、この前のミロへの一撃よりも強烈のようですが。」

シオン「山羊よ。そなたアイオロスを好きにしてよいぞ。」

シュラ「え?本当ですか?」

シオン「うむ。本日はもう下がってよい。」

シュラ「ありがとうございます、教皇。お言葉に甘えまして、早退させていただきます。」

シュラは気絶したアイオロスを肩に担ぐと、シオンに敬礼する。そして、テラスから飛び出し、適当な足場を見つけてはジャンプし切り立った崖を軽やかに下りていった。

シオン「さすが山羊であるの。さて、水瓶よ。そなたサガの痴態で随分興奮しておるようだが。」

カミュ「え?」

シオン「お主、股間が勃っておるぞ。余とともに来るが良い。お主のほてりを治してやる。」

カミュ「そ・・・・それだけは、ご勘弁を。」

シオン「よいではないか♪よいでないか♪」

カミュ「あうっ!」


end