★シオンさまといっしょ8(給料日 その2)
ミロ「前から気になってたんだけど、アフロディーテさ、馬鹿みたいにブランド品とか化粧品とかかってるじゃん。そんなにいい給料もらっているのか?俺達年少組みと年中組みってスゲー給料の差あるの?」
アフロディーテ「ミロたんよりか貰ってるに決まってるでしょう。」
カミュ「仕事していないのに?」
アフロディーテ「失礼ね、してるわよ。」
ミロ「でも、ブランド品って高いじゃん。」
アフロディーテ「経費よ。経費。」
カミュ「化粧品が経費なんですか?」
アフロディーテ「違うわよ、バラ園の経費よ、施設維持費。毎日きちんと手入れをしていれば、バラも病気にならないし、虫も大量発生しないし、経費が浮くのよ。」
アルデバラン「あのバラはアフロディーテの私物じゃないんですか?」
アフロディーテ「私が双魚宮に来る前からあったもん。」
アイオロス「で、あまった経費を着服してるのか。」
アフロディーテ「その通り!」
ミロ「あのさ、お前の必殺技のなんとかローズとか、なんとかローズに使うバラも経費出るの?」
アフロディーテ「当然でしょう!仕事で使ってるんだから、仕事で!ブラッディーローズは滅茶苦茶高価なバラなんだからね!」
サガ「納得いかん!何でアフロディーテのバラが経費で落ちて、私の風呂が自腹なのだ!」
アフロディーテ「だって、アフロの宮廷バラは、敵から教皇の間を守るけど、サガのお風呂は何の役にも立たないでしょう。」
サガ「カノン、双児宮の風呂で津波を起こせるようになれ!そうしたら水道代も経費で落ちるぞ!」
カノン「・・・もう一回死んで来い、馬鹿兄貴・・・・。」
カミュ「シュラの女神像も施設維持費が出ているんですか?」
シュラ「そうともよ。」
カミュ「で、着服してると。」
シュラ「当然だ。」
ミロ「まさか、巨蟹宮のオブジェに施設費はでてないよな?」
デスマスク「でてるぜ。」
ミロ「あれこそお前の趣味だろう!!」
デスマスク「馬鹿いっちゃいけねぇ、俺っPiのコレクションには敵を思いとどまらせ、改心させる効果があるんだ。当然施設維持費はいただきよぅ。」
アイオリア「じゃぁ、処女宮の入り口にある仏像は?」
シャカ「私物だ!」
アイオリア「沙羅双樹は?」
シャカ「私物だ!」
アイオリア「維持費は?」
シャカ「私の弟子が修行の一環として、手入れを行っている。金などいらん!」
アイオロス「お前達、施設費を横領しなくったって、きちんと給料でているだろう。教皇にばれたら、ケツの穴掘られるぞ。」
デスマスク「そういうお前はどのくらい貰ってんだよ?」
アイオロス「私か?私は沢山貰ってるぞ。」
シュラ「・・・・アイオロス、これは貰いすぎじゃないんですか?」
自分の倍額以上はあるアイオロスの給料明細を見せられ、シュラは点目を粒にしアフロディーテにまわした。アイオロスの高額明細はあっという間に回覧される。
アフロディーテ「ずるい!!!あんたいっつも半裸でウロウロしてるだけじゃないのよ!」
カミュ「ふむ、死亡手当てですかね。」
デスマスク「だったら俺も死んでるぜ。」
ミロ「お前は自業自得だろう。」
アイオロス「教皇が休暇のときは、仕事が沢山あるからもっと給料がいいんだ。」
アイオリア「兄さん・・・・座っているだけじゃないか。」
カノン「超納得いかねぇ!!なんだよ、この金額!」
アイオロス「別におかしくないだろう。私は教皇代理だぞ、代理。次期教皇だぞ。会社にたとえるなら・・・あまりくわしくはないが、副社長みたいなものか?。」
シュラ「そういわれると、なんとなく分かるような、わからないような・・・。」
デスマスク「よし!今日は副社長様のおごりで、ぱーーっと飲みに行こうぜ!」
ミロ「副社長、ごちそうさま!!」
アフロディーテ「副社長なんだから高い店よ!高い店!」
アイオロス「おい、こら!私は貯金をしているんだから、勘弁してくれ。」
シュラ「こんなに貰っているのに貯金しているんですか?」
カノン「あ、分かったぞ。生命保険だな。いつまた兄貴に殺されてもいいように、高額な生命保険にでもはいってるんだろう!。」
デスマスク「ぶははははは!!!そうかそうか、いい兄貴もってよかったな、アイオリア!」
アイオリア「兄さん、不吉な事するのやめてくれよ!」
サガ「殺したりしないから、こいつらにおごってやれアイオロス・・・・はぁ・・・鬱だ・・・。」
アイオロス「聖闘士が生命保険になんて入れるわけないだろう!」
アルデバラン「では、いつサガに殺されてもいいように、アイオリアのお金を残しておきたいんですね。」
アイオロス「違う!違う!違う!」
サガ「・・・・・・・・・・あれは私のせいではない・・・私がやったのでは・・・・・ブツブツブツ。」
テーブルにむかって一人事を言い始めたサガをカノンはひっぱたいた。
アフロディーテ「だってサガは鶏になんか面倒見てもらうつもりない!って言ってるわよ。」
シュラ「よし、やっぱり今日は副社長のおごですね。」
デスマスク「羊はお留守番だから、1、2、3と・・・・・11人か?」
アイオロス「お前達、勝手に十二宮をあけるんじゃない!」
シュラ「ムウもいますし、教皇もいるから大丈夫ですよ。」
カミュ「1分持ちこたえてくれれば、十分でしょう。光速で駆けつけますから。」
カノン「そういえばさ、ムウは給料どのくらい貰ってるんだよ?」
今まで皆の会話に口も出さず、お茶菓子のクッキーを夢中で食べていたムウは、顔をあげて首をかしげた。
ムウ「え?私ですか?。貰ってませんけど・・・。」
ミロ「隠すなよ、ケチだなぁ。明細見せろよ!」
ムウ「貰ってないものは見せようがありません。」
デスマスク「じゃぁ、てめぇ、ここで何してるんだ?昇給の辞令待ちだぞ?」
ムウ「シャカだって、給料貰ってないのにいるではありませんか。私を呼びにきた神官に聞いてください。」
シュラ「分かった、ムウの場合給料じゃなくて、愛人手当か?」
ムウ「そんなもの貰ってません。」
アフロディーテ「じゃあ、援助交際?」
ムウ「違います!」
ミロ「教皇から小遣いもらってるのか?」
ムウ「あなたと一緒にしないで下さい。」
カミュ「では、どうやってお前は買い物をしてるんだ?」
ムウ「ツケです。」
アイオロス「ツケ?」
ムウ「お店の人が請求書を経理に送付するんです。」
ミロ「え、金いらないの?」
ムウ「いるもなにも・・・お金なんて持ってませんから。」
ミロ「いいなーーー、何でも経費で買えるのかよ。」
アフロディーテ「えええ、じゃぁ、ブランド品も買えちゃうわけ?」
ムウ「私、聖域でしか買い物できませんし、私用で白羊宮から下におりたら怒られます。買った物は全部シオン様のチェックが入りますから、余計なものは一切買えません。」
カノン「お前、いっつもケーキだのプリンだの食ってるじゃん。あれは余計な買い物じゃないのかよ?」
ムウ「だから自作しているのではありませんか。材料だけではシオン様はそれがケーキだと分かりませんからね。」
ミロ「欲しいものがあるときはどうするんだ?」
シュラ「尻ふって、おねだりだろう。」
カミュ「それはミロです。」
ムウ「葉書を書きます。懸賞であてるんです。」
カノン「切手は?」
ムウ「アルデバランが投函してくれるんです。」
アルデバラン「私がプレゼントしても、教皇様に怒られて捨てられてしまいますから・・・。」
ミロ「教皇におねだりすれば何でも買ってくれるんじゃないの?」
ムウ「私の言うことを何でも聞いてくれるんだったら、私はとっくの昔にジャミールに帰ってますよ。」
アイオロス「しかし、お前だって仕事をしているのに、収入がないというのは可哀想だな。」
アフロディーテ「ミロたんだってお小遣い貰っているんだから、貰えばいいのに。」
シュラ「主婦労働を賃金で換算すると、けっこうな金額になるって話しだぞ。」
カノン「朝から晩まで教皇にケツの穴見せてんだから、もっといい金もらってもいいんじゃねぇのか?」
ムウ「・・・・私、ちょっとシオン様に話してきます。」
皆に煽られ、ついうっかり教皇の執務室にきてしまったムウは、単身乗り込んだことを後悔したが、引き返しようもないので、シオンに直談判する覚悟をきめた。
シオン「どうした、ムウよ?寂しくて余のところへきたのか?」
ムウ「シオンさま、その・・・私もお給料が欲しいです。」
シオン「そうか、余のモノが欲しいのか。ムウはかわゆいのぅ。」
ムウ「違います、お給料です。賃金。」
シオン「は?」
ムウ「ミロやカノンまで貰っているのに、どうして私はお給料をいただけないのでしょうか?」
シオン「お前に教えてやることも出来ずに死んでしまったからのぅ・・・。ムウや、給料というのはのぅ、働いた者が貰えるのじゃ。」
ムウ「私も働いてます、聖衣を直しているではありませんか。」
シオン「それはたまーーーーにであろう。」
ムウ「白羊宮の家事も全部やっていますし・・・。」
シオン「それは余が神官にやらせればよいというてるのに、お前がどうしても自分でやるというから、やっているのではないか。」
ムウ「弟子の面倒も見てます。」
シオン「あれはお前が勝手に拾った弟子であろう。そもそものぅ、子どもに金など必要ないのじゃ。非行の元じゃ。」
ムウ「こ、子ども?!・・・あの、お言葉ですが、私、もう20歳なのですが。」
シオン「余から見れば、お前など、まだまだ赤子も同然じゃ。」
ムウ「でも、私もちゃんと執務当番の時には出勤していますし・・・。」
シオン「出勤しても仕事をしておらぬではないか。」
ムウ「え?」
シオン「お前は出勤しても、余の股間を尻に咥えてアンアンと腰を振っているだけではないか。いつ仕事をしたというのじゃ?」
ムウ「え・・・・私の執務当番は、それが仕事ではないのですか・・・・?」
今まで舐めまわすようなイヤラシイ視線を送っていたシオンの銀色の瞳が、突如違うものにかわり、ムウの体は金縛りにあったように恐怖で硬直する。
シオン「何を馬鹿なことをゆうておる、ムウよ。・・・・お前は余に好きで抱かれているのであろう?」
ムウ「・・・・・はい。」
シオン「可愛いお前を売春婦扱いするような事を、この余にできるわけがなかろう。」
ムウ「・・・・・はい。」
シオン「ムウや、近う♪」
師匠に逆らえない体質のムウは、とぼとぼとシオンに近寄り膝の上にすわると、今日もせっせとただ働きをすることになった。
一方、辞令交付をシオンの下半身の都合で明日にのばされてしまった黄金聖闘士たちは、アイオロスのおごりでアテネ市内へ飲みに行ったのであった。