俺の仕事2(カノンの兄弟観察日記)

 

7月25日(月) 晴 気温:暑い

 教皇に、アレで提出したらやっぱり怒られて突き返された。ちくしょう!
しかもスニオン岬に閉じ込めるとかまで言われた。それじゃぁ、やってることが兄貴と変わらない。
 仕方ないから、頑張ってみることにする。でも、頑張るのは明日からにしよう。

 家に帰ると早速、兄貴に声を掛けられた。俺が妖怪教皇に呼ばれた理由が気になるらしく、しつこく聞いてきた。俺がまた問題を興し、妖怪教皇に呼ばれたのだと思っていたらしい。俺がそんなバレるような、ヘマをするかってーの!
あまりにもウザイので、「妖怪教皇がマリーナ一時代のセイレーンとポセイドンの怪しい関係を赤裸々に話せといったので、話してきた。」と適当に嘘をついた。兄貴はすこぶる納得していたようだった。
駄目押しに、「兄貴にも聞かせてやろうか?」と言ったら嫌な顔をされた。こういう話は嫌いらしい。
だから、話してやった。
「嘘をつくな!」と殴られた。(頭に一発)


ポセイドンの詳細を後で報告するように

7月26日(火) 晴れ 気温:昨日と同じくらい

 昨日、頑張り過ぎて今朝は寝坊した。
兄貴はリビングで本を読んでいた。何の本かは不明。
俺も一緒にリビングで兄貴と無言で過ごす。俺が家にいるので兄貴は一瞬、不思議そうな顔をしたが、直ぐにいつもの顔にもどった。
つまらなかったので、歌でも歌ってみた。「うるさい!」と怒られた。しかし殴られなかった。
今日は落ち着いているようだった。

 

7月27日(水) 晴れ 気温:暑い

 今日はちゃんと兄貴と同じ時間に起きた。
朝は、コーヒー、パン、サラダ、卵を食べていた。俺も一緒に食べた、うまかった。
 どうやら外に出掛けるようだったので、俺も付いていこうとしたら不審がられた。それでも一緒に付いていくことにした。
兄貴はぷらぷらと宛ても無く、散歩をしているようだった。これが世に言う『徘徊』というやつか!?
結局、俺の存在を無視して、兄貴は聖域を一周した。

 

7月28日(木) 晴れ 気温:そこそこ暑い

 今日の兄貴の朝食はコーヒーだけだった。
心なしか兄貴の顔色が悪い。「どうしたのか?」とたずねると、これまた驚かれた。そういえば、兄貴にこんなことを尋ねたのは初めてだった。
兄貴は驚きながらも「食欲がないだけだ。」と答えた。そういえば、今日は教皇の所へいく日だった。もしかして、そのせいか?

兄貴が仕事から帰ってくる間、久々の自分の時間を楽しんだ。何をしたかは、秘密。

家に帰ってきた兄貴の顔は、朝の時よりも更に酷かった。顔が真っ青で、眉間のしわは・・・(1,2,3・・・)・・5本。また教皇にからかわれたのか?
兄貴は、飯も食わずに寝てしまった。(俺はちゃんと飯を食って寝た。)

 

7月29日(金) 晴れ 気温:なんとなく暑い

 今日は俺のほうが先に目が覚めた。というか、兄貴がいつもの時間になっても起きてこない。まさか、もう出掛けたのか??
こっそりと部屋を覗いてみたら、昨日の夜と同じ顔面蒼白で寝ていた。妖怪教皇の夢でも見てるのか?
俺は、兄貴の分のコーヒを片手に兄貴の部屋へ入った。兄貴を起こそうとした瞬間、俺の気配を察知した兄貴がベットから飛び起きた。予想通り、コーヒを持っていた手が兄貴の頭にあたり、兄貴は頭からコーヒを被った。
殴られたが、楽しかった。(みぞおち一発、頭に一発)
兄貴は、この日は一日寝ていた。

 

7月30日(土) 晴れ 気温:暑い

 今日も相変わらずシケた顔をしていた。昨日の事をまだ怒っているようだった。今日はイタズラは止めておこう。こういう時は下手になにかすると、異次元に飛ばされる。
今朝は朝食にコーヒーとリンゴを食っていた。昨日は何も食べていないはず。よく体力がもつものだ。このままの状態が続けば、俺が双子座の聖衣を手にする日も近いと思った。ちょっと嬉しくなった。
今日も一日、家にいた。兄貴はつまらない男だ。

 

7月30日(日) 晴れ 気温:やや暑い

 兄貴のことを心配して、アイオロスが家に来た。俺はこのクソ真面目ないい子ちゃんが苦手だ。まだ弟のほうがましだ。
兄貴は心なしか嬉しそうだった。今週に入って初めて兄貴の笑顔を見た。
アイオロスは兄の身体を心配して、飯を作ってくれたが、これが凄く不味かった。しかし兄貴はウマそうに食っていた。これが『社交辞令』ってやつか?
今日は、家の中がほのぼのしていた。
あの二人は夫婦か!?キモイ!

明日は妖怪教皇に報告書を提出。妖怪教皇はこれで満足してくれるだろうか?

 

誰が観察日記を書けといった!報告書を書かぬか!報告書を!!これでは小学生の夏休み日記ではないか!!!。
サガの監視はよく出来ているようなので誉めてつかわす。引き続き観察、ではなく、監視を怠らないように。

教皇 シオン


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