シオンさまといっしょ(シオンさまの野望)

 

童虎を除く、黄金聖闘士を全員目の前に並べる。

シオン「ムウよ、羊らしく『メェ〜』と鳴け。」

ムウ「メェ〜

シオン「おお、相変わらずそなたの泣き声は美しいのぅ。余は満足じゃ。」

デスマスク「(なんで麻呂眉の野郎、あんな馬鹿な命令断らねぇんだ!)」

唯一シオンの命令に逆らう根性のあるムウが断らなかったとあっては、他の全員は断るわけにはいかず、おそらくこれから自分達にもまわってくるであろう命令を想像し、冷や汗を流した。

シオン「次、牛。『モー』と鳴いてみよ。」

アルデバラン「自分の国では『モー』ではなく、『モォォォォォォォ』であります!。」

シオン「なるほどなるほど。」

シュラ「(ち、上手い方法を使ったな・・・・。同じ手口は二度通用せんか。)」

シオン「次、双子!。うーーーむ、双子はどんな泣き声かのぅ。あとで余の寝室で確かめる事にしよう。次!」

サガはシオンの言葉に、立ったまま意識を失った。

シオン「蟹!泡を吹け!泡だ。」

デスマスク「は、かしこまりました。」

デスマスクは積尸気から石鹸水の入ったコップを取り出し、口に含んでうがいをする。そしてその口からはシオンが望むように、ブクブクと泡が零れ落ちた。

シオン「おお、素晴らしい!見事であるぞ!。次は獅子か。百獣の王らしく『にゃぁ』と鳴いてみろ!。」

アイオリア「は!かしこまりました!!『にやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』で、よろしいでしょうか!」

シオン「次、乙女座。ふーむ、本当にばぁじんかどうか、あとで余が直々に確認してやるぞ。ふふふふ・・・」

無気味な笑いにさすがのシャカも動揺し、一筋の汗を流す。

シオン「よし、次は・・・童虎だから置いておいて、サソリ!」

ミロ「は・・・・」

シオン「今日は痺れておらぬのか?足が痺れるまでそこで正座していろ。」

ミロは渋々指示通りその場へ足を揃えて正座した。

シオン「射手座か・・・困ったのうぅ・・・。!。馬だ!馬!『ヒヒ〜〜〜ン』と鳴いてみよ!」

アイオロス「う、馬じゃないんだけどなぁ・・・。」

シオン「何か申したか?」

アイオロス「い、いえ・・・・・・『ひひーーーーーーん!』で、よろしゅうございますか?」

シオン「『よろしゅうごじますか』は余計じゃ。次!山羊!」

シュラ「は!『メーーー』で、ございますね。」

シオン「芸がないのぅ。それではムウと一緒ではないか。紙でも食うてみよ。」

シュラ「そ、それは・・・・・。」

シオン「それができぬというならば、もっと個性のある鳴き方をしてみよ!。」

シュラ「こ、個性って一体・・・」

シオン「もうよい、次!水瓶!」

カミュ「は。亀の物真似でございますか?」

シオン「そなたはいつから亀の聖闘士になったのだ?!そなたは水瓶座であろう。」

カミュ「然様でございますか。では、氷芸を・・・・。」

シオン「それはも飽きた。水瓶はたしか乙女が持っていたな。ふむふむ、ヴァルゴと一緒に後で余のところへ来るがよい。」

抵抗も空しく、カミュはがっくりと肩をおとす。思わず抗議に立ち上がろうとしたミロだが、足が痺れてそれどころではなかった。

シオン「最後!魚!!。余の風呂で泳げ!。」

アフロディーテ「んふっ。お安い御用ですわ〜〜〜ん。」

シオン「今日はこれにて、終了。先に名を挙げたものは必ず私の寝室に来るように。解散!」

 

シオン「・・・、というのをやってみたいのだがのう、貴鬼よ。」

貴鬼はシオンから壮大な野望を語られ、言葉を失った。

シオン「本当は奴等が子供の時にやりたかったんだがのぅ。今からでは遅いと思うか?」

貴鬼「うん、確実に刺されるね。シオンさまいくつ命があってもたりないや。」

シオン「やはりそうか・・・・。うーむ、残念。」

貴鬼は本当にこの人がムウの師で、いや、それ以前に教皇であるのか疑問に思わずにはいられなかった。

 


End