★ミロたんといっしょ(ミロたんとお釈迦さ その2)
処女宮。
カミュ達から、金冠を処女宮で拾った話を聞いたサガは、ミロを連れて処女宮へと向かった。
サガ「シャカ。この金冠はお前のだろう?」
シャカ「なんだね。またそのことか?」
サガ「ミロが困っているんだ。助けてやってくれないか。」
シャカ「知らん。これは私のではない。」
サガ「しかし、処女宮で拾ったといっていたぞ。」
シャカ「これはもともと天秤宮にあったものだ。」
サガ「天秤宮?」
シャカ「そうだ。天秤宮にあったので、一輝に使おうと思って拾ってきたのだ。それを勝手にミロが持っていっただけだ。私は知らん!」
サガ「(勝手に持っていったのはお前もだろう・・・。)」
シャカ「なんだね?」
サガ「いや、なんでもない。それで、あれはどうやって外すんだ?」
シャカ「知らんといっているではないか!君もしつこいぞ!」
サガ「しかしだな・・・・。」
サガは深い溜息をつくと、眉間にさらにシワを寄せ悲痛な面持ちで首を横に振った。自ら背負ったお荷物に、再び心労がたまり始めたサガであった。
シャカ「サガ。そろそろ経を読む時間だ。邪魔をしないでくれたまえ。」
そう言って、シャカが経を唱え始めると同時に、ミロが苦痛の悲鳴をあげてのた打ち回った。
ミロ「うおぉぉーーーーー!!!!」
サガ「どうした、ミロ?」
ミロ「頭が割れるぅ!!!!!!」
サガ「まさか!!シャカ!経を読むのをやめろ!!」
シャカ「なんだね。人の邪魔をするのはやめたまえ。」
シャカが経を読むのをやめると、ミロが静かになる。
サガ「もう一度、経を読んでくれ。」
シャカ「なんなのだ一体。」
シャカが再び経を読み始めると、ミロが再び身悶えしてのた打ち回った。
サガ「やめろ、シャカ!!!」
シャカ「なるほど。その金冠には、このような効果があったとは・・・。」
シャカは唇を僅かに吊り上げると、再び経を呼び始めた。
ミロ「ぐおぉぉぉーーーーーーーーーーーー!!」
サガ「シャカ!やめないか!!!!!」
シャカ「それは無理だ。読経は私の日課なのでな。」
ミロ「あぎゅーーーーーーー!!!!」
サガ「シャカ、いい加減にしろ!!」
サガはシャカの頭を引っぱたくと、シャカは眉間にシワを寄せ、目を閉じたままサガを見つめた。
シャカ「なんだね、サガ。」
サガ「なんだね、ではない。ミロがこんなに苦しがっているんだ、やめないか!」
シャカ「私には慈悲なんてものは無いのだよ、サガ。」
サガ「そんなことは知っている。頼むから、しばらくの間、経を読むのは控えてくれ。」
シャカ「・・・・・。」
サガ「金冠が取れたら、毎日ミロにお前を拝みに行かせるから。」
シャカ「・・・・よかろう!!」
サガ「はぁ・・・・・。」
ミロ「あうぅぅ・・・・。」
サガ「いくぞ、ミロ。」
ミロ「俺、あんな奴を拝むのなんて嫌だからな。・・・・・・・・うおぉぉーーー、いてぇ!!」
処女宮の階段を下りながらミロが言うと、再び激痛が走る。
サガ「シャカーーーーーー!!経を読むんじゃない!!ちゃんと、拝ませるからやめるんだ!!」
サガが処女宮に振り返り怒鳴ると、ミロが静かになった。
双児宮
サガ「取りあえず引っ張って見るか。」
双児宮に戻ったサガが金冠に手をかけ引っ張るが、金冠はびくとも動かなかった。
カノン「兄貴!兄貴!!俺にやらせろよ!!」
カノンはサガを押しのけ、ミロの肩に片足をかけると力いっぱい金冠を引っ張った。
ミロ「いでぇーーーーーーーーーーーーーー!!てめぇ、このへっぽこマリーナ。何をしやがる。」
カノン「むかっ!!」
ミロ「ぐおぉぉーーーーー!!」
今度は、ミロの両肩に足をかけて引っ張った。
サガ「カノン。金冠が取れる前に、ミロの首が抜けるぞ。」
カノン「別にいいじゃねぇか!!」
ミロ「ぐおぉーーーーー、よくねぇ。やめろ!!」
サガ「待て!!こういうときは、熱の膨張を利用するんだったな。」
カミュ「熱の膨張ですか?」
サガ「そうだ。カミュ。お前はミロの顔を冷やしてくれ。私は、この金冠に小宇宙を込めて熱してみる。カノンは引き続き、引っ張るんだ。いくぞ!!」
カミュ「分かりました。」
カノン「おう!」
カミュはミロの両頬に手をあて、サガは金冠に手をあてて小宇宙を燃やし始めた。そして、カノンが片足をミロの肩にかけて引っ張る。
カミュ「大変ですサガ。ミロの様子がおかしいです。」
サガ「ん??」
ミロの顔は寒さでどんどんと青ざめていった。
サガ「ミ、ミロ、大丈夫か!?」
ミロ「だめ・・・・・くらくらする。」
カミュ「サガ。もうやめましょう。ミロがこれ以上馬鹿になったら大変です。」
サガ「そうだな。」
ようやく解放されたミロは、顔を真っ青にさせながらその場に倒れた。
カミュ「どうしたらいいんでしょうか、サガ。」
カノン「別に、欲情したときに輪がしまったのは偶然だったんだろう。だったら、シャカの口を封じればいいんじゃねぇの?」
カミュ「しかし、それはもっと難しいと思うが・・・。」
サガ「カミュ。石鹸をつけてみたか?」
カミュ「いえ。やっていませんが。それで取れるでしょうか?」
サガ「取りあえず、やってみよう。」
サガはミロを風呂場へと連れて行くと、湯をかけシャンプーを金冠とミロの頭の間に入るように塗りこんだ。
そして、一気に力を込めて回しながら引っ張った。ミロ「いでぇぇぇぇーーーーーーーーーーーー!!!」
サガ「ミロ。お前がいっしょになって首を回してどうする!カミュ。ミロの顔を押さえてくれ。」
カミュ「はい!!」
カミュがミロの顔を押さえ、サガは金冠を回しながら引っ張るが、それでも金冠は外れなかった。
双児宮のリビングで、コーヒーを飲みながら、金冠を取る方法に試行錯誤していると、再びミロが悶え始める。
ミロ「あぎゅーーーーーーーー!!!痛いぃ!!!」
サガ・カミュ「(シャカ!!経を読むのはやめてくれ!!!!)」
シャカ「(まだ取れないのかね?)」
サガ「(まだだ!!だからやめないか!)」
シャカの小宇宙に直接語りかけ、読経をやめさせる。
サガ「こうなったら力技で行くしかないか・・・・。」
ミロ「え?力技って・・・?」
サガ「アイオロスを呼んで来る。」
サガは瞑想し、アイオロスの小宇宙に語りかけると、アイオロスが光速で人馬宮から下りてきた。アイオロスは、眉間にシワを寄せ、疲れた顔しているサガを見て、眉をひそめる。
アイオロス「どうした、サガ?顔色が悪いぞ?」
サガ「頼みがあるんだが・・・。」
アイオロス「お前の頼みなら何でも聞いてやるぞ。」
サガ「ミロの頭にはまっている輪っかを取ってくれ。」
アイオロス「ミロの頭?」
ミロ「ちょっと待ってくれよ。力技って、アイオロスのこと?」
アイオロス「なんだ、ミロ。また落ちている物でも拾って、着けてみたのか?」
ミロ「なんでわかる。」
アイオロス「お前は、小さい時からそうだろう?」
ミロ「うっ・・・・・。」
アイオロス「で、取れなくなったのか?」
サガ「何をやっても駄目なんだ。」
アイオロス「そうか。サガがやっても駄目なら、あとは力で取るしかないな。」
ミロはアイオロスを見て、顔が青くなった。さわやかに笑ったアイオロスの上半身に、素敵な筋肉が盛り上がったからだ。
ミロ「やややや、やめろ!!首が取れる!!」
アイオロス「問答無用!!」
アイオロスはミロの頭に片足を乗せると、両手で金冠を引っ掛け引っ張った。
アイオロス「おりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ミロ「あぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
アイオロス「サガ!!ミロの顔を押させてくれ!!」
サガはミロに馬乗りに跨ると、ミロの顔を押さえた。アイオロスはミロの頭に両足をかけて、さらに引っ張る。
アイオロス「どりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ミロ「うおぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
アイオロス「ふぅーーーー、なかなか強情なやつだな。」
サガ「やはり駄目か・・・。」
カミュ「どうしたらいいんでしょうか。」
カノン「なぁ。アテナエクスクラメーションはどうよ!?」
アイオロス「あ!!なるほど。3人で小宇宙を込めて引っ張れば、抜けるかもしれんな。」
サガ「アテナエクスクラメーションか・・・。しかし、それを使えばミロがどうなるか・・・。」
カノン「大丈夫じゃねぇの?こいつだって、腐っても黄金聖闘士だ。」
カミュ「やってみましょう。」
サガ「しかし・・・・。」
アイオロス「ふむ。一度、アテナエクスクラメーションをサガとしてみたかったんだ。」
ミロ「ちょっと待てぇ!!!」
アイオロス・カミュ「問答無用!!」
アイオロス「カノン。首が抜けないよう、ミロの顔を引っ張れ。」
カノン「おうよ!!」
アイオロス「行くぞ。アテナ・・・・・!!!」
ミロ「待て、待て、待てぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
カミュ、サガ、アイオロスが金冠に手をかけ、小宇宙を燃やし始めると、ミロが手足をバタつかせて抵抗した。
アイオロス「どうした?往生際が悪いぞ。」
ミロ「死ぬ。そんなことをしたら絶対に死ぬ。死ぬくらいなら、取れないほうがいい。」
アイオロス「なんだ、根性のない奴め!!」
ミロ「そういう問題じゃない!」
カミュ「では、一生このまま金冠をつけておくのか?シャカは毎日毎時間、読経をすると思うが。」
ミロ「ううううう、うわーーーーーーーーーーーーーん!!!」
カミュ「ミロ。みっともないから、泣くな!!」
ミロ「うわーーーーーーーん。このままじゃ、カミュとエッチもできないよぉーーー!うわーーーーーん!!」