ミロたんといっしょ(ミロたんとお釈迦さ その2)

 

処女宮。

カミュ達から、金冠を処女宮で拾った話を聞いたサガは、ミロを連れて処女宮へと向かった。

サガ「シャカ。この金冠はお前のだろう?」

シャカ「なんだね。またそのことか?」

サガ「ミロが困っているんだ。助けてやってくれないか。」

シャカ「知らん。これは私のではない。」

サガ「しかし、処女宮で拾ったといっていたぞ。」

シャカ「これはもともと天秤宮にあったものだ。」

サガ「天秤宮?」

シャカ「そうだ。天秤宮にあったので、一輝に使おうと思って拾ってきたのだ。それを勝手にミロが持っていっただけだ。私は知らん!」

サガ「(勝手に持っていったのはお前もだろう・・・。)」

シャカ「なんだね?」

サガ「いや、なんでもない。それで、あれはどうやって外すんだ?」

シャカ「知らんといっているではないか!君もしつこいぞ!」

サガ「しかしだな・・・・。」

サガは深い溜息をつくと、眉間にさらにシワを寄せ悲痛な面持ちで首を横に振った。自ら背負ったお荷物に、再び心労がたまり始めたサガであった。

シャカ「サガ。そろそろ経を読む時間だ。邪魔をしないでくれたまえ。」

そう言って、シャカが経を唱え始めると同時に、ミロが苦痛の悲鳴をあげてのた打ち回った。

ミロ「うおぉぉーーーーー!!!!」

サガ「どうした、ミロ?」

ミロ「頭が割れるぅ!!!!!!」

サガ「まさか!!シャカ!経を読むのをやめろ!!」

シャカ「なんだね。人の邪魔をするのはやめたまえ。」

シャカが経を読むのをやめると、ミロが静かになる。

サガ「もう一度、経を読んでくれ。」

シャカ「なんなのだ一体。」

シャカが再び経を読み始めると、ミロが再び身悶えしてのた打ち回った。

サガ「やめろ、シャカ!!!」

シャカ「なるほど。その金冠には、このような効果があったとは・・・。」

シャカは唇を僅かに吊り上げると、再び経を呼び始めた。

ミロ「ぐおぉぉぉーーーーーーーーーーーー!!」

サガ「シャカ!やめないか!!!!!」

シャカ「それは無理だ。読経は私の日課なのでな。」

ミロ「あぎゅーーーーーーー!!!!」

サガ「シャカ、いい加減にしろ!!」

サガはシャカの頭を引っぱたくと、シャカは眉間にシワを寄せ、目を閉じたままサガを見つめた。

シャカ「なんだね、サガ。」

サガ「なんだね、ではない。ミロがこんなに苦しがっているんだ、やめないか!」

シャカ「私には慈悲なんてものは無いのだよ、サガ。」

サガ「そんなことは知っている。頼むから、しばらくの間、経を読むのは控えてくれ。」

シャカ「・・・・・。」

サガ「金冠が取れたら、毎日ミロにお前を拝みに行かせるから。」

シャカ「・・・・よかろう!!」

サガ「はぁ・・・・・。」

ミロ「あうぅぅ・・・・。」

サガ「いくぞ、ミロ。」

ミロ「俺、あんな奴を拝むのなんて嫌だからな。・・・・・・・・うおぉぉーーー、いてぇ!!」

処女宮の階段を下りながらミロが言うと、再び激痛が走る。

サガ「シャカーーーーーー!!経を読むんじゃない!!ちゃんと、拝ませるからやめるんだ!!」

サガが処女宮に振り返り怒鳴ると、ミロが静かになった。

 

双児宮

サガ「取りあえず引っ張って見るか。」

双児宮に戻ったサガが金冠に手をかけ引っ張るが、金冠はびくとも動かなかった。

カノン「兄貴!兄貴!!俺にやらせろよ!!」

カノンはサガを押しのけ、ミロの肩に片足をかけると力いっぱい金冠を引っ張った。

ミロ「いでぇーーーーーーーーーーーーーー!!てめぇ、このへっぽこマリーナ。何をしやがる。」

カノン「むかっ!!」

ミロ「ぐおぉぉーーーーー!!」

今度は、ミロの両肩に足をかけて引っ張った。

サガ「カノン。金冠が取れる前に、ミロの首が抜けるぞ。」

カノン「別にいいじゃねぇか!!」

ミロ「ぐおぉーーーーー、よくねぇ。やめろ!!」

サガ「待て!!こういうときは、熱の膨張を利用するんだったな。」

カミュ「熱の膨張ですか?」

サガ「そうだ。カミュ。お前はミロの顔を冷やしてくれ。私は、この金冠に小宇宙を込めて熱してみる。カノンは引き続き、引っ張るんだ。いくぞ!!」

カミュ「分かりました。」

カノン「おう!」

カミュはミロの両頬に手をあて、サガは金冠に手をあてて小宇宙を燃やし始めた。そして、カノンが片足をミロの肩にかけて引っ張る。

カミュ「大変ですサガ。ミロの様子がおかしいです。」

サガ「ん??」

ミロの顔は寒さでどんどんと青ざめていった。

サガ「ミ、ミロ、大丈夫か!?」

ミロ「だめ・・・・・くらくらする。」

カミュ「サガ。もうやめましょう。ミロがこれ以上馬鹿になったら大変です。」

サガ「そうだな。」

ようやく解放されたミロは、顔を真っ青にさせながらその場に倒れた。

 

カミュ「どうしたらいいんでしょうか、サガ。」

カノン「別に、欲情したときに輪がしまったのは偶然だったんだろう。だったら、シャカの口を封じればいいんじゃねぇの?」

カミュ「しかし、それはもっと難しいと思うが・・・。」

サガ「カミュ。石鹸をつけてみたか?」

カミュ「いえ。やっていませんが。それで取れるでしょうか?」

サガ「取りあえず、やってみよう。」

サガはミロを風呂場へと連れて行くと、湯をかけシャンプーを金冠とミロの頭の間に入るように塗りこんだ。
そして、一気に力を込めて回しながら引っ張った。

ミロ「いでぇぇぇぇーーーーーーーーーーーー!!!」

サガ「ミロ。お前がいっしょになって首を回してどうする!カミュ。ミロの顔を押さえてくれ。」

カミュ「はい!!」

カミュがミロの顔を押さえ、サガは金冠を回しながら引っ張るが、それでも金冠は外れなかった。

 

双児宮のリビングで、コーヒーを飲みながら、金冠を取る方法に試行錯誤していると、再びミロが悶え始める。

ミロ「あぎゅーーーーーーーー!!!痛いぃ!!!」

サガ・カミュ「(シャカ!!経を読むのはやめてくれ!!!!)」

シャカ「(まだ取れないのかね?)」

サガ「(まだだ!!だからやめないか!)」

シャカの小宇宙に直接語りかけ、読経をやめさせる。

サガ「こうなったら力技で行くしかないか・・・・。」

ミロ「え?力技って・・・?」

サガ「アイオロスを呼んで来る。」

サガは瞑想し、アイオロスの小宇宙に語りかけると、アイオロスが光速で人馬宮から下りてきた。アイオロスは、眉間にシワを寄せ、疲れた顔しているサガを見て、眉をひそめる。

アイオロス「どうした、サガ?顔色が悪いぞ?」

サガ「頼みがあるんだが・・・。」

アイオロス「お前の頼みなら何でも聞いてやるぞ。」

サガ「ミロの頭にはまっている輪っかを取ってくれ。」

アイオロス「ミロの頭?」

ミロ「ちょっと待ってくれよ。力技って、アイオロスのこと?」

アイオロス「なんだ、ミロ。また落ちている物でも拾って、着けてみたのか?」

ミロ「なんでわかる。」

アイオロス「お前は、小さい時からそうだろう?」

ミロ「うっ・・・・・。」

アイオロス「で、取れなくなったのか?」

サガ「何をやっても駄目なんだ。」

アイオロス「そうか。サガがやっても駄目なら、あとは力で取るしかないな。」

ミロはアイオロスを見て、顔が青くなった。さわやかに笑ったアイオロスの上半身に、素敵な筋肉が盛り上がったからだ。

ミロ「やややや、やめろ!!首が取れる!!」

アイオロス「問答無用!!」

アイオロスはミロの頭に片足を乗せると、両手で金冠を引っ掛け引っ張った。

アイオロス「おりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

ミロ「あぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

アイオロス「サガ!!ミロの顔を押させてくれ!!」

サガはミロに馬乗りに跨ると、ミロの顔を押さえた。アイオロスはミロの頭に両足をかけて、さらに引っ張る。

アイオロス「どりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

ミロ「うおぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

アイオロス「ふぅーーーー、なかなか強情なやつだな。」

サガ「やはり駄目か・・・。」

カミュ「どうしたらいいんでしょうか。」

カノン「なぁ。アテナエクスクラメーションはどうよ!?」

アイオロス「あ!!なるほど。3人で小宇宙を込めて引っ張れば、抜けるかもしれんな。」

サガ「アテナエクスクラメーションか・・・。しかし、それを使えばミロがどうなるか・・・。」

カノン「大丈夫じゃねぇの?こいつだって、腐っても黄金聖闘士だ。」

カミュ「やってみましょう。」

サガ「しかし・・・・。」

アイオロス「ふむ。一度、アテナエクスクラメーションをサガとしてみたかったんだ。」

ミロ「ちょっと待てぇ!!!」

アイオロス・カミュ「問答無用!!」

アイオロス「カノン。首が抜けないよう、ミロの顔を引っ張れ。」

カノン「おうよ!!」

アイオロス「行くぞ。アテナ・・・・・!!!」

ミロ「待て、待て、待てぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

カミュ、サガ、アイオロスが金冠に手をかけ、小宇宙を燃やし始めると、ミロが手足をバタつかせて抵抗した。

アイオロス「どうした?往生際が悪いぞ。」

ミロ「死ぬ。そんなことをしたら絶対に死ぬ。死ぬくらいなら、取れないほうがいい。」

アイオロス「なんだ、根性のない奴め!!」

ミロ「そういう問題じゃない!」

カミュ「では、一生このまま金冠をつけておくのか?シャカは毎日毎時間、読経をすると思うが。」

ミロ「ううううう、うわーーーーーーーーーーーーーん!!!」

カミュ「ミロ。みっともないから、泣くな!!」

ミロ「うわーーーーーーーん。このままじゃ、カミュとエッチもできないよぉーーー!うわーーーーーん!!」

 


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