★MISSION IMPOSSIBLE(File No.???? 聖闘士達の熱き戦い)
次は俺の宮だが、確か俺が出て行ったときは兄貴は風呂に入ってたし、まぁ特に問題なしか。
いくら馬鹿で間抜け鬱で超極悪の兄貴でも、今の鬱状態じゃ映画に出ようなんて思いもしないよな。
俺は双児宮に入って、自分の甘さを自覚した。
兄貴はさすが聖域一の大問題聖闘士だ。
俺がいない間に、兄貴はペガサスを双児宮につれこんでいたのだ!兄貴も他の奴等と同じで聖衣を着て、ペガサス拉致って映画の練習か。←いかんのぅ
「もう勘弁してくれよ、サガ」
「まだだ!お前には女神の聖闘士としての自覚がたりんのだ!!」
あーあ、ペガサスぼっこんぼっこんだ。
兄貴は容赦ないからなぁ……。
「星矢。私がお前をセブンセンシズ、いやエイトセンシズに目覚めさせてやろう。アルテミスを打ち、そしてアポロンを二人で倒すのだ。さぁ、立て、星矢。地上の愛と平和はすべてこの私の導きにかかっているのだ!!」
兄貴は号泣しながらペガサスの頬を引っ張った。←頬をひっぱる必要はあるまい
地上の愛と平和のためにっていうか、てめぇのためだろう。←その通り
たしか今現在俺の知っている情報だと、ペガサス廃人決定らしいじゃん。そんなペガサスになにやってもダメなんじゃねぇの?
ていうか、兄貴は二回、太陽神いれたら三回も女神裏切って、また裏切るつもりか!?
それだったらもう出ないほうがいいんじゃねぇの?
恥の上塗りするだけだ。←厚塗りじゃ
こんなのと血がつながっているなんて、思われたくない。
しかし兄貴の場合はこのまま生き恥晒させて放置のほうが楽しいので、俺はそのまま双児宮を出た。←止めよ、馬鹿者
金牛宮のオッサンは処女宮なので、金牛宮はそのまま素通り。
時間的にもそろそろ夕飯の時間だ!!
白羊宮でムウの練習監察→レポート書く→飯→ジーさんにレポート提出→仕事終了!
俺はそのまま白羊宮に向かった。
飯、飯、飯!←白羊宮は食堂ではない
と、その前にムウの馬鹿っぷりも調査してやらなくちゃな。
俺はこっそり白羊宮の天井裏に忍び込んだ。
しかしムウは普通だった。
いつものようにキッチンで飯の準備をしているのだ。
老人と子どもと旦那の面倒を見なくちゃいけないムウは、映画のことなんて気にする暇もないのか。←ムウに旦那などおらぬ
俺はそのまま白羊宮に邪魔した。
今日はアイオロスは鶏の聖衣を磨くのに夢中だし、ミロも白髪染め中、アルデバランもシャカとアテナエクスクラメーションの交渉中だから、飯を食うのは俺だけか?
やったぜ、取り分3倍!!
「おい、ムウ。お前は映画の準備しないのか?」
「は?映画??」
俺は馬鹿たちが映画に出る気満々で、馬鹿みたいに練習していることを教えてやった。
ムウが思いっきり鼻を鳴らして、すかして笑った。
「なんと愚かな……。私たち黄金聖闘士は冥界編で死んだことになっています。いくら美形キャラはよみがえる法則があるからといっても、主役はあくまでも星矢です。そうそう私たちが出張るわけにもいきませんでしょう。未だにみじめったらしく映画に出演しようなんて根性、私にはありません。くだらない……。私はこれでも自分の立場をわきまえているつもりですからね」
その通り!!
今日はムウが一番まともだな。←流石余の弟子じゃ
俺は冷蔵庫に入っていたおやつの残り物のかぼちゃのプリンをゲットした。
かぼちゃのプリン美味い!!
プリンを食いながらリビングで適当に報告書を書いていると、なんか聞こえてきた。←適当にかくでない!
風呂のほうからだ。
俺はこっそり風呂に向かった。
風呂では貴鬼が掃除をしていた。
「アリエスのムウさまの一番弟子のオイラをなめるなよ!」
ついに貴鬼にまで鬱がうつったか?
「オイラはアリエスのムウさまの弟子の貴鬼だ!」
「アリエスのムウさまはオイラの師匠だ!」
「貴鬼。もっと大きな声で言わねばならんと言っただろう。このアリエスのムウの弟子としてもっと声を大きく出すのだ。」
うわっ、びっくりした。
突然ムウが風呂場にテレポートしてきたのだ。
「はい、ムウさま。オイラは、アリエスのムウさまの一番弟子だい!」
「貴鬼、『アリエスのムウ』はもっと大きな声ではっきりと活舌よく!」
「はい、ムウさま!!」
これってもしかして、貴鬼の映画出演の訓練か?
自分は出ないけど、名前だけでも目立とうっていう魂胆か??←これが一番賢い方法じゃ
そうにしか思えん。
「何をしておる、ムウ!!!」
俺はまたびびった。突然後ろからジーさんの声がしたのだ。
そういえば、もうジーさんが帰ってくる時間だ。
飯の支度もしないでこんなことしてたら、そりゃジーさんでも怒るっての。
俺だって家に帰って飯なかったら、兄貴ぶっ殺すぜ!←お前には無理じゃ
ジーさんが服を着たまま風呂に乗り込んできた。
まさかムウお仕置き決定か?
「貴鬼よ。ムウの言うことなど聞くでない。お前はこのアリエスシオンの孫弟子じゃ!」
は?
「よいか、お前の台詞はこうじゃ。『オイラは前教皇アリエスシオンの孫弟子の貴鬼だ!』じゃ。頭のよいお前ならいえるであろう」
「何をおっしゃるのですか、シオンさま!貴鬼は私、「このアリエスムウの弟子」です。貴鬼、シオンさまの言うことなど聞いてはならん。お前は私の弟子だ」
「ムウや。見苦しいぞ。貴鬼はアリエスシオンの孫弟子である」
「シオンさま、権力を盾にとるのはおやめください。貴鬼は聖戦で生き残った私の大事な弟子。この貴鬼だけが、この十二宮で唯一生き残り、映画の出演の可能性があるのです。邪魔しないでください!私の名が映画で目立つも目立たないも貴鬼次第。」
「ムウよ、この余に逆らうか?」
「逆らいますとも。シオンさまだけ目立とうなんて、ずるいです!!」
小麻呂は、大と中にはさまれてあばばばばっとなっていた。
じーさん、あんたも十分見苦しいっての。ていうか、ムウもジーさんも上にいる奴らとレベル一緒じゃん。
馬鹿だ、馬鹿。
映画に出るというその自信はどこからくるのか謎だが、羊のみじめったらしい悪あがきもどうかと思う。←戦略である、悪あがきではない
ていうか、お前等が映画に出れるわけないだろうが、馬鹿め!!
アホらしいので俺は報告書を適当に書きなぐって、ダイニングのジーさんの席に置いて帰った。←きちんと書くように
まったくこの俺様にくだらない調査させんなっての。
俺がアルテミスとアポロンを祭り上げ世界征服をした暁には、こんなくだらないこと即廃止だ!!←懲りておらぬのか、馬鹿者め
報告:黄金聖闘士は映画に出る気満々で練習中。
映画のラスボスは俺なので、奴等の出番なんてあるわけない!!←ありえぬ余の出番がないと全国一千万の男子中学生が悲しむのじゃがのぅ……
こればかりは仕方ない。
すべては2月の映画を見ればわかるのじゃ。教皇シオン