新!俺の仕事 その4

 

兄貴の報告書を出しに俺が教皇の間にいくと、なんと先にアイオリアがいた。俺はアイオリアの目の前で、いかにこいつの馬鹿兄貴が俺の家に来て迷惑をかけているか苦情を言うと、アイオリアは教皇におこられた。
今週は、月曜日からいい気分だ!
ということで、恒例になった海底話。今週は、『海底の種馬、調教馬バイアン』
教皇大喜び、アイオリアは鼻血噴水で悶絶だ!←ウブよのぅ


11月19日(月) 天気:まぁま 気温:暑い

報告を終えると、なぜかこの日は教皇と一緒に教皇の間をでた。教皇は今から休暇で、代理がアイオロスらしい。
なるほど、鶏野郎を双児宮に来れなくさせたのか。超頭いいじゃん、教皇。←当然じゃ
双児宮で珍しく気転のきく教皇を見送って、自分の部屋で二度寝をすることにした。今日も朝から早いのだ!←起きておれ馬鹿者
その前に、ちゃんと兄貴の観察を……。
兄貴はリビングで今日も鬱!以上。←きちんと観察せよ
俺が部屋に入るとミロがきた。
『カミュはシベリア行ってるし、アフロディーテはデスマスクとイタリアにブランド物買い漁りにいってるし、リアとアイオロスは仕事してるし、ムウのところはクソジジがいるから暇なんだ、遊んでくれ!そのかわり土産持ってきた』
でかしたミロ!俺は早速土産を奪った。こいつ他に友達いないのかよ、寂しいやつめ。←お前ほどではなかろう
『カノンに持ってきたんじゃないんだぞ。お前が食うならヤらせろ、ごら!』
アホか、俺のケツは出す専門だ。俺はかるーくミロを無視して土産を食った。土産はアイスだった。スーパーの袋の中に小さい四角い箱にはいったアイスが沢山はいっていた。「pino」って書いてあった。
アイスマジ美味い!!ミロもたまには気が利くな。っていうか、こいつ、アイスなんて買う金あるのかよ。
『馬鹿にすんなよ。アイス買う金くらい持ってるっての!』
『それにしては、量が多いようだが』
兄貴がコーヒーをもってきて、ミロに超疑惑の視線をむけた。
『そうそう。これはアルデバランところの冷凍庫にはいってたやつ。全部持ってきたの』←いかんのぅ
兄貴は頭をかかえた。
それって泥棒だろう。っていうか、そんな小さい悪事に自慢げに鼻の穴ふくらますなよ。
『かっぱらってきたのか。そりゃ犯罪だぜ』
俺がいうとミロは馬鹿面を俺にむけた。
『盗んでないって。ちょっと借りただけ。あとで返せばいいじゃん。だって、あいつブラジル出張じゃん?賞味期限きれたらもったいないじゃん。』←冷凍庫に入れておけば賞味期限が切れることもなかろうに
兄貴も既に食ってるってことは、兄貴も共犯者だな。まっ、いいか。俺には関係ないし。
アイスマジでうめぇぇぇな。
俺がアイス食ってると、中に変な形の奴がはいっていた。尻の形のやつだ。
『超ラッキーじゃん。それってめったにでないんだぜ』
『は?尻の形のアイスなんてくいたくないっての』
『尻じゃねぇよ、ハートの形だって。幸せになれるとか、ラッキーとか、そんな意味があるらしいぜ。いいなぁ、カノン。俺、まだ1回しか出したことないのにさぁ。一発で出すなんて、すげぇじゃん』
そうか凄いのか。さすが、俺!
美味かったので、俺はもう一箱食った。また尻型のアイスが入っていた。しかも2個。俺、すごい!(らしい)←ほうほう
さらに美味かったので、もう一箱食った。なんと今度も尻型が1個はいってた!俺、世界最高!!!←程度が低いのぅ
ミロがすげぇすげぇと俺を崇拝しはじめた。やっと俺様の凄さが分かったか、馬鹿蠍!!うわーはっはっはっ。
『ミロ。もう一つもらってもいいだろうか?』
『いいよ。俺んじゃないし』
兄貴はミロにあきれながら、スーパーの袋に手を突っ込んで、もう一個とった。おかしい、いつもなら『いかんぞ、ミロ。人の物と盗むなどカノンと同じではないか!』て滝涙ながしながら、ボッコボコの刑なんだが。
『ハートでた?』
ミロが兄貴の箱の中を覗き込んだ。まさか、兄貴の奴尻形アイス狙いか?
まさか俺ばっかりでるから悔しいとかいうんじゃないだろうな。←そうであろうな
兄貴はその後さらにもう一箱食った。
『サガぁ、ハートなんてめったに出ないんだから、落ち込むなよ』
『おちこんでなどいない』
兄貴は4つめを食いだした。俺は5個目をあけてびびった。なんと全部尻型だったのだ!!!!
ミロが感動して目をキラキラさせた。兄貴は愕然!!
『悔しいのか、兄貴!!この俺様が哀れなお前に、ピノをくれてやろうか?』
『なに?』
『「どうぞ哀れなこのサガに、カノンさまのピノをください」って地に額をこすりつけて拝んで、俺の脚をなめろ!そしたらくれてやる!』←ほうほう、それが願望か
俺は殴られた。マジ殺す!!!
その後兄貴はさらに2箱食ったが、尻型はでなかった。

報告:尻型ピノは幸運の証。兄貴にでるわけない


11月20日(火) 雨 気温:昨日よりちょっと寒い

俺が目を覚ますと、兄貴がアイスを食っていた。
朝からアイスか?って、もう昼すぎか。俺は兄貴が作った冷えた飯をチンして食った。やっぱまずい。死ぬ、吐く!!←早寝早起きを心がけよ
何か他に食いもんないかと調べてみたら、なんと冷凍庫に大量のアイス=ピノが入っていた。昨日ミロが持ってきたアイスは全部兄貴と俺で食ったはずだが……。俺は普段兄貴がつけている家計簿を見た。なるほど、あの馬鹿はコンビニで大量に買い占めてきたのか。←馬鹿じゃのぅ
そんなに尻の形のアイスを出したいのか?
『なぜだ……なぜカノンにでて、私にはでないのだ!!!』
兄貴はブツブツといいながらアイスを食っていた。
やっぱり俺に尻型アイスがでて、自分に出なかったのが悔しいらしい。素直に地に額をこすりつけ、俺の脚をなめてカノンさまってお願いすれば、くれてやるのにな。馬鹿め!

報告:兄貴が俺に土下座する日もちかい!
兄貴がアイスを食った数:30箱←大馬鹿じゃ

 
11月21日(水) 天気:ちょっと雨 ちょっと寒い

俺が起きると兄貴は今日もアイスを食っていた。俺も食ったら、勝手に食うなと殴られた。
『勝手に私のアイスを食うのではない。中身を見せてみろ!!』
兄貴に耳を引っ張られた俺は仕方なくアイスの中身を見せてやった。
尻型のアイスが中になかったので、兄貴はほっとしたらしく、またブツブツと独り言をいいながら、冷凍庫の中のアイスをつかんでリビングに戻っていった。
『おい。お前、まさか飯もアイス食ってるんじゃないだろうな?』
俺が言うと、おもいっきり睨まれた。←図星か
『馬鹿者!子供ではあるまいに、食事にアイスなど食わん。これはデザートだ!』
メインの飯よりデザートのほうがおおいんじゃねぇの?っていうか、ずいぶん長い時間デザート食ってんだな。

しばらくするとミロがまたきた。
しかもまたアイス持ってきた。
『サガにいいモンもってきた』
ミロが食いかけのアイスを兄貴に渡した。中身は尻型ピノだった。
ぶはははっ、兄貴の奴、ミロにまで同情されてやんの。兄貴ますます鬱決定!!
『ミロ。気持ちはありがたいが、こういうものは自らの手でつかむことに意味があるのだ。気持ちだけ受け取っておく』
ああ、無茶しちゃって。素直にミロに幸せのアイスを恵んでもらえばいいのにな(笑)

報告:ミロにも同情された
兄貴がアイスを食った数:40箱←救いようのない馬鹿じゃ

 

11月22日(木) 天気:雨 寒い

今週はアイオロスが教皇代理とかやってるので、執務当番なし。ということで、今日は出勤日だったが兄貴は家にいた。まじうぜぇぇ。とっとと仕事にいって、俺につかの間の休息をくれ!
兄貴は今日もアイス食っていた。しかもキッチンの冷凍庫の前にダイニングの椅子持ってきて、そこに座って食っていた。
リビングとキッチンをわざわざ往復するのも面倒くさくなったらしい。←いかんのぅ
っていうか、毎日冷凍庫にビッチリ入るほどのアイス買って、それ全部食ってるのにまだハート型でないのか?
兄貴運悪すぎ、馬鹿すぎ、はげすぎ!←今までの悪行が祟っておるのであろう
朝昼晩の飯はちゃんと食ってるみたいで、いちいち作ってるので、俺はまずい飯を食いながら兄貴を観察した。
なんか兄貴の顔、ちょっと変。いや、まえからこいつの顔変なんだけど。赤いブツブツができていた。
まさか変な病気か!?←吹き出物であろう

報告:兄貴が病気になった。隔離決定!
兄貴がアイスを食った数:45箱←死んだほうがよいのぅ


11月23日(金) 天気:曇り 寒い

今日も兄貴は一日中アイス食ってた。
どれくらい食ってたかというと、なんと風呂にも入らず食っていた。まじありえない!←ありえぬのぅ
『おう、兄貴。風呂はどうした?』
『私に風呂など入っている時間などない!!!!』
兄貴はブツブツだらけの顔で俺に怒鳴った。そういえば、昨日も風呂入ってないような……。1日2時間以上風呂入ってる兄貴が風呂に入ってないなんて、絶対おかしい。っていうかそこまでして、尻型アイスって欲しいのか?
つーか、兄貴、そういえばくせぇぇぇ。なんとなく鶏と同じにおいが……。
くせぇ、くせぇ、くせぇぇぇ。
風呂入れ、この馬鹿!!

午後になって、なんとアイオロスがまた来た。こいつ教皇代理で仕事してんじゃなかったのか?
『サガぁぁぁ。ひさしぶりだなぁ。心配したぞぉぉ』
心配されるのはお前の頭のほうだ、鶏。
『なんだ、アイス食ってるのか?私にもくれ!!教皇の間の食事は、物足りないんだよな』←いかんのぅ
アイオロスが勝手に冷凍庫をあけてアイスを取り出した。が、それを兄貴がつかんだ。
『それは全て私のだ。勝手に食べるな!』
『ケチケチすんなよ。ムウじゃないんだから、サガはこんなに食わんだろう』
『残念だが、私はそれを全部食べるつもりだ。そんなにアイスが食べたければアルデバランのところにいけっ。ここにはお前に食わすアイスはないっ!』
アイオロスががーーーんってなった。ばかめ。
だがショボンとしているアイオロスに、兄貴はアイスを食いながら眉間に超しわよせて声をかけた。アイオロスが間抜け面丸出しでにごった目を輝かせた。
『ちょっと待て、一つだけやろう。好きなものを選らべ!』
『お前が食べているやつがいい!』
『ばか者!それでは意味なかろう。冷凍庫の中にあるアイスをえらべ。それが嫌なら、とっとと帰れ!』
アイオロスがアイスを選んで箱をあけると、兄貴はそれを奪って、顔を青くした。眉間の皺はバリ10!
俺が横から覗いてみたら、箱の中には1個だけ尻型のアイスがあった。
『ア、ア、ア、ア、ア、アイオロスッ!私の幸せをうばったな!!!お前がこれを取らなければ、次はこのアイスを取るつもりだったのだぞ』←低レベルすぎじゃ
『何を訳の分からないことをいってるんだ?大丈夫か、サガ?このアイスが欲しいなら、やるぞ。ほら』
いや、兄貴は大丈夫じゃねぇだろう。いつも異常だが、今日はもっと異常だ。
『お前の施しなどうけん。自分で出してこそ意味があるのだ。もうお前の顔など見たくない。でていけぇっ!!!!』
アイオロスは追い出された。えらいぞ兄貴!

報告:兄貴がくさくなりました
兄貴が食ったアイスの数:50箱←糖尿病になるのぅ

 

11月24日(土) 天気:曇り 寒い

珍しく早く起きると、キッチンに知らない奴がいた。なんかぱちんぱちんなまん丸の顔に、赤いブツブツの斑点がついて青い髪の毛の奴・・・、って、まさか兄貴か!?!?
肌色の赤い水玉模様の風船が青いズラかぶっているのかと思った……。
兄貴はアイスの食いすぎで、顔がパッチンパッチンパンパンにむくんでいたのだ。すげぇぇ。俺は手元にカメラがないことを後悔した。
青いズラをかぶった風船。
まさかこの顔でコンビにまでアイス買いにいったのか?恥ずかしいやつめ。
俺がまずい飯を食っていると、窓のそとでキンピカリンがうろちょろしていた。窓をあけて覗くと、聖衣を着たアイオロスが中をうかがっていた。
覗きとはいい度胸だな、この変態野郎。
『サガは今日もアイス食ってるのか?いったい何があったんだ?』
『あん?アイスが好きなんだとよ。ムウの病気でもうつったんだろう』←ムウは病気ではない
俺は適当にいって、窓を閉めた。
兄貴はアイスに夢中で静かだし、アイオロスも追い出されて来ないし、なかなか快適な環境かもしれん。
まぁ、ちょっと兄貴の独り言が五月蝿いが、この際我慢しよう。

『なぜだぁぁぁ、どうして私には、ハート型のアイスがでないのだ!!!』
突然兄貴が床にはいつくばって泣き出した。俺はまじびびった。予告なしに叫ぶのやめろ、ごら!
っていうか、兄貴は真性馬鹿だな。←どうにもならんのぅ
『カノンッ!!お前、あの時何かいんちきしたのではあるまいな!!』
兄貴が突然俺につかみかかってきた。
『超能力で中身をすりかえたのであろう。私にでるはずのハート型を、全部自分の箱の中身とすりかえたな。そうだ、そうに違いない!お前みたいな悪人にハート型がでるなど、絶対にありえないのだ』
ムクムクパンパン兄貴は俺の胸倉をつかんだ。手もむくんでクリームパンみたいになっていた。すげぇ、人間ってここまでむくむのか?
ってことは、まさか・・・・・・。
俺はクリームパンをはたいて、兄貴のローブをめくった……。むくみっていうより、中年太り????
足も腹もむくんでいたが、なんかむくみっていうより太ったか?
聖闘士として致命的だな。とっとと糖尿病になって死ね!
『答えろ、カノンッ。全部お前の嫌がらせであろう!!』
今度は髪の毛をつかまれた。それはこっちのせりふだっての。
よく見たら兄貴の毛先の色がじょじょに変わりはじめた。やばっ、また黒い兄貴が出る。黒い兄貴になっても、やっぱりムクムクパンパンなのか?←アイスクリーム程度で人格が変わるとはのぅ
いや、そんなことを考えている場合じゃない、地上と俺の平和を守るために、俺は兄貴に思いっきり回し蹴りをいれた。兄貴はむくんでいたせいか、あっけなく転がった。そこにさらにニ、三発けりをいれて気絶させ、俺はそのまま兄貴を風呂の浴槽に浮かばせておいた。
風呂はいって頭ひやせ、くせぇんだよ。

報告 兄貴の入浴完了
アイス食った数:今日は30個


11月25日(日) 天気:晴れ 寒い

今日も兄貴はアイス食ってた。しかも昨日よりもむくみと赤いブツブツが激しい。もう誰だかわかんねぇな、これじゃ。
今日もまたコンビに買いに行ったのか?ってか、まだ諦めてないのかよ。本当にこいつは諦めが悪い奴だ。
っていうか、これだけアイス食ってて、尻型でないんだから、もうまじで諦めろ。
昼飯を食った後、突然兄貴が『う゛っ』と唸って腹を押さえてうずくまった。
俺の耳にはしっかりと、グーーーーキュリュリュリュリュとかいう変な音が聞こえた。と同時に兄貴は光速で便所に駆け込んだ。
しばらく兄貴が便所から出てこなかったので、俺は兄貴が食べようとして放置したままのテーブルの上のアイスを勝手に食った。ビニールから取り出して、ぺりぺりふたを開けると、なんとまた尻型のアイスがでた!!
下痢ピー我慢しないで、このアイスあけちまえばよかったのにな。
本当に馬鹿な奴だ。
その後、兄貴はパッツンパッツンの顔を青くしながら便所からでると、また冷凍庫からアイスを出して食った。
アイス>下痢らしい。
だが、食べている途中ですぐにまたグーーーーキューーーーーーーーって音がなって、また便所にはいった。
で、出てきてまたアイスくって、また便所、アイス、便所、アイスの繰り返しだ。アイスは兄貴の口から尻まで超特急ノンストップか?
便所とキッチンを行ったりきたりして、落ち着いてゲームもできなかった。まじウザイ。便所の中でアイス食え。

報告:とうとう下痢なになった
アイス食った数:30個
便所行った回数:18回


明日は教皇に報告する日だ。
兄貴はしばらくはアイス&下痢ピーの永久ループを繰り返しているので、俺に休暇をください。


そもそも謀反人の分際で幸運をつかもうなどという考えが図々しいのじゃ。
分相応という言葉をサガの身に叩き込むかのぅ。
ところでお前はくだらないことばかりに運が回ってくるようじゃのぅ。

 

教皇シオン


End