ムーミン谷の春 番外編

 

馬鹿な同僚のアイアコスとミーノスが揃って1週間の休暇を取ったため、ラダマンティスは面倒な仕事を一人でしなければならず、イライラしていた。
1週間がやっと終わると、ラダマンティスはようやく一息つくことができると思った。
しかし週が明けて出勤すると、アイアコスとミーノスが更に1週間の休暇延長を申し出たことを知り、憤慨した。

ラダマンティス「まったく、あの馬鹿二人は一体何を考えているんだ!!」

バレンタイン「ラダマンティスさま。実はお耳に入れたいことがございます。」

ラダマンティス「なんだ!?」

バレンタイン「はい。ミーノスさまの配下の者から聞いてのですが。ミーノスさまとアイアコスさまは、この休暇でギリシャへ行かれたそうです。」

ラダマンティス「なっ!?ギリシャだと!?」

ギリシャと聞いただけで、咄嗟にラダマンティスの脳裏にカノンとサガの顔がよぎる。ラダマンティス脳内で、二人はキラキラと輝いて自分の名前を呼んでいた。にやけそうになるのを我慢して、バレンタインに話の先を促す。

バレンタイン「はい。しかも聖域へと行かれたそうです。」

ラダマンティス「それでまだ帰って来れずに休暇を延長というわけか?」

自分と同じ運命、いやそれ以上に悲惨な運命を辿っているであろう同僚を思い、ラダマンティスは残忍な笑顔を浮かべる。

バレンタイン「いえ。先週お帰りになられたようですが・・・・。」

ラダマンティス「な、なに!?もう帰ってきてるのか?(・・・・・・・まさか、カノンやお兄さまに・・・・。)」

バレンタイン「はい。しかし、休暇の余韻を楽しみたいということで、更に休暇を・・・。ということらしいのですが。」

ラダマンティス「奴らは今どこにいる?」

バレンタイン「おそらくご自宅かと・・・・。」

ラダマンティス「そうか。すこし席を外すから、代理を頼んだぞ。」

バレンタイン「はい、かしこまりました。」

ラダマンティスはドタドタと部屋を出ていくと、アイアコスの家へと向かった。

 

アイアコスの家。

ラダマンティスは南国ムード万点の自宅にずかずかと勝手にはいり、リビングの籐の椅子に腰をかけたアイアコスの胸倉を掴んだ。

ラダマンティス「おい、こら、アイアコス。てめぇ、聖域でなにをしてきた!!」

アイアコス「・・・・・・。」

ラダマンティス「おい、返事をしろ!!聖域でなにをしてきた!?」

アイアコス「・・・・・・・。」

ラダマンティス「くそっ!!」

ボゥっとし、目の焦点があっていないアイアコスは、ラダマンティスに詰め寄られても反応しなかった。ラダマンティスはそのままアイアコスを引きずり、ミーノスの元へといく。

 

ミーノスの家。

ウットリ・アイアコスを引きずったままラダマンティスは、壁一面に操り人形が飾ってあるミーノス宅に押しかけ、勝手にあがりこみ、リビングでミーノスを発見する。

ラダマンティス「おい、ごらぁ、ミーノス!!」

ミーノスは咄嗟にリビングの入り口に背を向けると、太目のヘアーターバンでちんちくりんになった前髪を上げる。

ミーノス「なんですか?」

ラダマンティス「・・・・・・ん?お前、髪の毛どうした?」

ミーノス「イメチェンですよ。イメチェン。それより何か?」

ラダマンティス「お前とこいつで聖域に行ったんだってな。こいつに聞いても何も喋らないんだ、一体何があった?」

ラダマンティスはウットリ・アイアコスをミーノスの前に引きずりだした。

ミーノス「別に、ラダマンティスには関係のないこと・・・・。ただ、アイアコスはあまりにも聖域の双子が良かったので、その余韻が冷めないだけです。」

ラダマンティス「なっ・・・・なんだと!?やっぱりカノンとお兄さまに・・・・・。いや、そうじゃないだろう。アイアコスに何があったかは知らないが、お前のその髪は、大方麻呂眉にでもやられたんだろう?」

ミーノス「(ギクリ・・・。)」

ラダマンティス「本当は麻呂眉大中小にコテンパンにされたんだろう?どうよ?」

ミーノス「ざ、残念だが、それは見当はずれだ。お前と一緒にしないでくれたまえ。私達は麻呂眉大中小を倒し、鈍牛を倒して双子の元へ行ってきたのですよ。」

ラダマンティス「嘘つくな。」

ミーノス「嘘ではありません。カノンもその兄も二人で頂いてきました。アイアコスは、双子の体があまりにも良くてウットリしてしまってね。情けない・・・。」

ラダマンティス「・・・・、おい、アイアコス。どうなんだ!!!!」

アイアコス「サ、聖域・・・・いい。もどりたい・・・・。」

アイアコスはうわ言のように呟いた。

ラダマンティス「ぐっ・・・・。」

ミーノス「ふっ、まだ疑うのですか、ラダマンティス。では、私が双子の痴態をお前に教えてあげよう。」

ラダマンティス「なに!?」

ミーノス「コズミック・マリオネーションで、兄とカノンの身動きを封じたのです。そして、兄が見ている前で、カノンの尻と口を二人で犯したのです。
そして次に、カノンが見ている前で、兄の尻と口を犯してやりました。」

ラダマンティス「なななななっ、なんだとぉっ!?」

ミーノス「あの兄は相当な好きもののようですね。私のモノを口で咥え、アイアコスのモノをしっかり尻に咥えて腰を振っていましたからね。これがまた我慢しながら、いい声をだしてよがっていた。
カノンのほうは、あれはもっと調教が必要ですね。『ぎゃー。』と色気もへったくれもない声を出すようでは、まだまだ・・・。」

ラダマンティス「な、な、なっ、なっ、なっ・・・・・・・!?」

ミーノス「しかし、私たちの調教は完璧ですからね。最後には、二人とも自ら腰を振り、もっとしてくれと求めてきましたよ。冥界に帰るなと泣き付かれましたからね・・・・。ラダマンティスを思い出す余裕など、もう微塵もないでしょう。ふっ。」

ラダマンティス「カ・・・・カノン。お兄さま・・・・・。」

三巨頭のプライドにかけても、聖域であったこと、白羊宮すら通りぬけられなかったこと、スナフキンと呼ばれていることなど、口が裂けても言えないミーノスであった。

ラダマンティスは号泣しながらミーノスの家をでると、自らの上司パンドラの元へ転がり込んだ。

ラダマンティス「パンドラさまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

パンドラ「何かよう?」

ラダマンティス「休暇を下さい、休暇!!聖域に急用が!!」

パンドラ「馬鹿者!!お前は先日無断欠勤をしたばかりではないかっ!?」

以前、聖域に乗り込みシオンに掴まり、挙句のあてにスニオン岬に閉じ込められたラダマンティスは、無断欠勤扱いになっていたのだ。

ラダマンティス「そこをなんとか、パンドラさまぁぁぁぁぁ。」

ラダマンティスは涙を流し号泣しながら、地に額を擦りつけてパンドラを拝んだ。

パンドラ「ならぬ。下がりなさい、ラダマンティス!!!」

ラダマンティス「パパパパ、パンドラさまぁぁぁぁぁぁ。」

パンドラ「私だって、一輝追っかけに有給全部使って1日も残っていないのよ!それなのにラダマンティスの分際で、有給を取ろうなんて甘いのよっ!!」

ラダマンティス「パンドラさまぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜。」

結局ラダマンティスは事実を確認することも出来ず、カノンとサガの痴態を想像し、眠れない夜が続いたのであった。


クワァノォ〜〜〜〜ン!おにぃさまぁぁぁ!!