白羊家の食卓7 番外編(聖域の女王さま)

 

コタツから久しぶりに出たミロは、自宮に帰る前に双児宮に寄った。

ミロ「おーい、サガ。あのさ、聞きたいことがあるんだけど。」

サガ「なんだ?」

ミロ「白羊宮でちょっと小耳に挟んだんだけどさ、サガって女王様なのか?」

リビングにいたカノンとサガは目が点になった。

サガ「はぁ?」

ミロ「アルデバランが、サガは女王様でアイオロスが下僕だって言っていたぞ。」

サガ「はぁぁぁ?それはアルデバランの新しいオヤジギャクかなにかか?」

ミロ「またまたまたぁ。とぼけるなよ。本当は、アイオロスのことを縄で縛って、ろうそくたらして、鞭で叩いて喜んでるんだろう。ハイヒールで踏んづけちゃったりしてるんだろう。お前、カノンに暴力ふるうの好きだから、やっぱりアイオロスにもやってるわけ?」

話を聞いていたカノンは、サガが黒いエナメルのボンテージを身に纏い、怪しげな蝶のマスクで顔を隠し、鞭を振り回しながらアイオロスを踏みつけている姿を想像し、腹を抱えて笑った。

カノン「ああ、そう。兄貴ってば、そういう趣味があったんだ。どうりで、昔から俺のことを意味もなく殴ってたと思ってたよ。まぁ、兄貴もサドだからな。」

ミロ「なに、カノンは、やっぱり下僕としての地位をアイオロスに奪われて嫉妬してんのか?」

カノン「んなわけねぇだろう!!俺は下僕じゃなくて、俺がご主人さまだ!!」

サガ「ふん。くだらん。」

ミロ「でもさ、アルデバランがいってたってことは、他の連中もそう思ってるってことじゃないか。」

サガ「・・・・・、ふむっ。それは心外だな。私は女王さまではなく・・・・。」

サガは顎に手を当てて、にやりと笑った。

サガ「あえて言うなら、偽教皇さまだ!いや、あえていわなくても、私は偽教皇さまだ。うわーーーーはっはっはっはっはっ!!」

ぼこっ!!

ミロ「お前、まだ懲りてねぇーのかよ!!」

サガが笑うと同時に、ミロの猫パンチがサガの顔面を直撃した。カノンは、最強の兄がミロたんにあっけなく殴られ、目をつぶにした。

サガ「何もなぐることはなかろう。アルデバランのギャグよりも面白いかと思ったのだが・・・。欝だ・・・風呂にはいってこよう。」

捨て身のギャグに鬱になったサガは、鼻血をたらしながら風呂場へと消えていった。


カノン「兄貴、そのギャグつまらねぇぞ・・・・。」