ハッピィ バースデイ アイオロス

 

11月30日

誕生日を祝いに人馬宮に来たアイオリアとミロは、アイオロスの格好に目が点になった。

鍛え上げられた素肌の上に白い毛皮のロングコートを着ているのである。

ミロ「どうしたんだ、アイオロス……その格好は……」

アイオリア「兄さん、その格好おかしいよ」

アイオロス「サガから貰ったんだ」

ミロ「なにそれ?」

アイオロス「誕生日プレゼントに何が欲しいって聞くから、正直に『サガが欲しい』って言ったら、サガがこれをくれた。だから着てる。今日から毎日ずっとコレを着てやる、ちくしょう!」

アイオリア「暑苦しいからやめろよ」

ミロ「なんで、毛皮なんだ?」

アイオロス「サガフォックスとかいうやつだ。サガの馬鹿野郎!私は誕生日にサガとH三昧という意味で言ったのに!!!!」

ミロ「で、サガは?」

アイオロス「これを渡しにさっき人馬宮に来て、もう帰った」

アイオリア「じゃぁ、誕生日はそのサガ(毛皮)だけ?」

アイオロス「いや、ちゃんと『サガが食べたい』と正直に言ったら、他のものもくれた」

ミロ「よかったじゃん」

アイオロス「いや、良くない」

アイオロスは仏頂面を浮かべたまま、リビングの隅に顎をしゃくった。

そこには大きなダンボール箱がおいてあった。

アイオリア「なにこれ?」

アイオロス「『SAGAみかん』」

ミロ「サガみかん?」

アイオロス「日本のオレンジだ。確かに美味かった……美味かったが……」

ミロ「へぇぇ、美味いんだ。俺にも一個ちょうだい!」

アイオロス「ふざけんな!サガは私のだ!!これは全部私が食う!!くっそーーー、絶対全部くってやる!!」

アイオロスは素肌に白いロングの毛皮のコートを着たまま、佐賀みかんを頬張りながら号泣しはじめた。

ミロとアイオリアは互いに顔を見合わせて苦笑いを浮かべたのであった。

 


アイオロス「来年こそはサガとしっぽりしてやる!」