★鬱の理由 その1
サガは教皇の間に来ていた。その表情は、今にもシオンを殺しそうなほど暗い。
シオン「おぬしが来るとは珍しいのう。如何致した?」
サガ「はい。実は折り入ってご相談がございます。できましたら、お人払いを・・・・。」
シオン「うむ。皆のもの下がれ。で、何用じゃ?」
サガ「はい。大きな声ではいえないのですが、再起不能になりまして・・・。」
シオン「再起不能とな?」
サガ「はい。13年間の悪行が祟りまして、再起不能に・・・・・。」
サガは悲痛な表情を浮かべて、首を横に振った。
サガ「アイオロスに相談しましたら、『構わない、一生自分が養ってやる』と言ってくれたのですが・・・・。」
シオン「ほう、それでよいではないか。」
サガ「しかし、私も男ですし。男はともかく、女を見ても・・・・・。何をやっても駄目なのです。」
サガは深い溜息をつくと、再び首を横に振った。
シオン「それは不憫よのう。おぬし、もしかしてそれで今まで鬱であったのか?」
サガ「はい。ですから250年、枯れることの無かった教皇にこうしてご相談に参った次第であります。」
シオン「ほうほう。余のところにきたということは、もちろん覚悟の上でだな?」
サガ「はい。元に戻りますならば、何でも受け入れます。」
シオン「そうか、では余の寝室に来るよい。」
サガ「はい。」
サガ「教皇、ありがとうございます。このご恩一生忘れません。」
シオン「ふむ。少し年を食いすぎだが、おぬしの身体もまだまだいけるのぅ。」
サガは晴れやかな、昔の神のような男の顔をして教皇の間を後にした。
注:本編とはまったく関係のないショートギャグです。って、鬱の理由がこれだったら、嫌だなぁ