魅惑の双児宮 番外編(シュラの場合) 

 

磨羯宮。

カノン「よぉ、シュラ。頼みがあるんだけどさ。」

シュラ「なんだ、愚弟!」

カノン「あのさ、ほってほしいものがあるんだけど・・・・。」

シュラ「おお、そうか。お安いご用だ!」

シュラは立ちあがると、ズボンのジッパーを下ろした。

カノン「わっ!ちょっと待て。違う、違う!それをしまえ。」

シュラ「なんだ、違うのか?」

カノン「おまえ、ノーパン?」

シュラ「ああ、だいたいな。で、なんなんだ?」

カノン「そうそう。お姉ちゃんの像を彫って欲しいんだ。新しい風呂につけたいんだよ。」

シュラ「新しいふろ?」

カノン「ああ。お姉ちゃんが肩に持っている瓶からお湯が流れてくる感じで、4人くらいがいいな。無理なら3人でもいいけど。」

シュラ「なんで、俺がそんなことをしなくちゃいけない。」

カノン「いいじゃん。お前、兄貴に冥界編12宮突破の時に散々世話になったろ?」

シュラ「これはサガの頼みなのか?」

カノン「俺の頼みは兄貴の頼みだ。作ってくれよ!」

シュラ「報酬は?」

カノン「うーーーーん、そうだな。像を作ってくれたら、お前にも新しい風呂に入らせてやる。どうよ!?」

シュラ「双児宮の風呂に?いいだろう。」

カノン「ありがとな!」

 

1週間後。磨羯宮。

カノン「もうできたのか?」

シュラ「そうとも。まっ、見てくれ。」

カノン「おぉ、すげー。俺の理想通りだよ。」

サガ「さすがシュラだな。」

シュラ「ところで、サガ。約束は守ってもらえるんですよね?」

サガ「約束?」

カノン「おぉ、そうそう。この像の礼にシュラに家の風呂に入らせる約束したんだよ。」

サガ「そうか。こんな素晴らしい物を作ってくれたんだ、いつでも入りに来てくれ。」

 

数日後、魅惑の双児宮の風呂は完成した。

シュラ「こ・・・・これが風呂?」

サガ「お前のおかげで素晴らしい風呂ができた。感謝するよ。」

シュラ「いや、力になれて嬉しいよ。で、約束は覚えてるんでしょうね?」

サガ「ああ、もちろんだ。」

カノン「好きなだけ入れよ。なんなら今すぐ入ってもいいぜ。」

シュラ「いますぐ?じゃ、早速、一緒に入りましょう。」

サガ「何を言っている、シュラ。」

シュラ「え?風呂に入る約束じゃないか。」

カノン「俺は、一緒に風呂に入るという約束はしてないぜ。」

サガ「シュラ。君には申し訳無いが、この風呂は一人用だ。」

シュラ「え?一人用?この広さで、一人?」

サガとカノンは黙って頷いた。

サガ「これでも、まだ狭いが我慢してくれ。」

カノン「ゆっくりしていけよな、シュラ。」

サガ「バスタオルはあとで持って来てやろう。」

シュラ「まだせまい?」

双児宮の巨大な風呂場に一人取り残されたシュラは目を粒にさせ、呆然と立ちつくしていた。

 


ふむっ。ゲスト用の風呂でも新しく作るか・・・。