★魅惑の双児宮 番外編(シュラの場合)
磨羯宮。
カノン「よぉ、シュラ。頼みがあるんだけどさ。」
シュラ「なんだ、愚弟!」
カノン「あのさ、ほってほしいものがあるんだけど・・・・。」
シュラ「おお、そうか。お安いご用だ!」
シュラは立ちあがると、ズボンのジッパーを下ろした。
カノン「わっ!ちょっと待て。違う、違う!それをしまえ。」
シュラ「なんだ、違うのか?」
カノン「おまえ、ノーパン?」
シュラ「ああ、だいたいな。で、なんなんだ?」
カノン「そうそう。お姉ちゃんの像を彫って欲しいんだ。新しい風呂につけたいんだよ。」
シュラ「新しいふろ?」
カノン「ああ。お姉ちゃんが肩に持っている瓶からお湯が流れてくる感じで、4人くらいがいいな。無理なら3人でもいいけど。」
シュラ「なんで、俺がそんなことをしなくちゃいけない。」
カノン「いいじゃん。お前、兄貴に冥界編12宮突破の時に散々世話になったろ?」
シュラ「これはサガの頼みなのか?」
カノン「俺の頼みは兄貴の頼みだ。作ってくれよ!」
シュラ「報酬は?」
カノン「うーーーーん、そうだな。像を作ってくれたら、お前にも新しい風呂に入らせてやる。どうよ!?」
シュラ「双児宮の風呂に?いいだろう。」
カノン「ありがとな!」
1週間後。磨羯宮。
カノン「もうできたのか?」
シュラ「そうとも。まっ、見てくれ。」
カノン「おぉ、すげー。俺の理想通りだよ。」
サガ「さすがシュラだな。」
シュラ「ところで、サガ。約束は守ってもらえるんですよね?」
サガ「約束?」
カノン「おぉ、そうそう。この像の礼にシュラに家の風呂に入らせる約束したんだよ。」
サガ「そうか。こんな素晴らしい物を作ってくれたんだ、いつでも入りに来てくれ。」
数日後、魅惑の双児宮の風呂は完成した。
シュラ「こ・・・・これが風呂?」
サガ「お前のおかげで素晴らしい風呂ができた。感謝するよ。」
シュラ「いや、力になれて嬉しいよ。で、約束は覚えてるんでしょうね?」
サガ「ああ、もちろんだ。」
カノン「好きなだけ入れよ。なんなら今すぐ入ってもいいぜ。」
シュラ「いますぐ?じゃ、早速、一緒に入りましょう。」
サガ「何を言っている、シュラ。」
シュラ「え?風呂に入る約束じゃないか。」
カノン「俺は、一緒に風呂に入るという約束はしてないぜ。」
サガ「シュラ。君には申し訳無いが、この風呂は一人用だ。」
シュラ「え?一人用?この広さで、一人?」
サガとカノンは黙って頷いた。
サガ「これでも、まだ狭いが我慢してくれ。」
カノン「ゆっくりしていけよな、シュラ。」
サガ「バスタオルはあとで持って来てやろう。」
シュラ「まだせまい?」
双児宮の巨大な風呂場に一人取り残されたシュラは目を粒にさせ、呆然と立ちつくしていた。