セクハラカノン番外編(蟹さんの入れ知恵)

 

あれから数日後、ムウが無事に日本から帰ると貴鬼は双児宮をでていった。
俺は巨蟹宮に居候している兄貴を、なんとか双児宮に連れ戻すことに成功した。どうせ、貴鬼がいなければ、兄貴をからかうことは出来ないからな。それを分かっている兄貴も貴鬼が白羊宮に戻ったから、家に戻ってきたのだ。

『カノン。風呂に入るぞ。』

家に帰った途端、兄貴は言った。あ?入ればいいだろう。どうぞ、勝手に入ってください。もう兄貴の邪魔をする奴はいねーよ。

『一緒に入るんだ、カノン』

兄貴はそういうと、俺を風呂場まで連れて行った。兄貴は俺に構わず服を脱ぐとさっさと風呂に入ってしまった。俺も仕方なく服を脱ぎ、風呂に入ることにした。

俺が風呂に入ると、兄貴は俺を見てニヤリと笑った。なんだか、兄貴の奴キャラが違うぞ。兄貴はバスタブの壁に背中を預けてふんぞり返り、右手の人差し指で俺に手招きをした。

『どうしたカノン?私のは準備万端だ。早くこっちに来い。』

準備万端ってなに?こっちに来いって??

俺はなんとも言えない恐怖を感じて、黙って首を横に振った。

『どうした?私の膝の上に座りたかったんじゃないのか?それとも心の準備が必要か、カノン?』

すると兄貴は風呂から立ち上がり、俺に近づいてきた。ひえぇぇぇ!!!

『そうか、膝の上は嫌か。だったら身体を洗ってやろう。兄さんはスポンジなどつかわないからな。お前の全身をくまなく洗ってやるぞ。』

俺は思わず風呂場から逃げ出した。

2時間後、久しぶりにゆっくりと風呂に入ったであろう兄貴に、俺は腕を掴まれ寝室へ引きずり込まれた。兄貴はバスローブ一枚だ。
ちょっと待て。兄貴!

『何を嫌がっている?。お前は私のことが好きなのだろう。帰りがけにデスマスクからいいものを貰ったんだ。早速つかってみるか?カノン。』

兄貴はそう言うと、手に持った避妊具を口で開けながら、俺をベッドに押し倒した。

ごめんなさい。

俺が咄嗟に怒鳴ると、兄貴は俺からはなれた。俺はそのままベッドので土下座をし、兄貴に謝った。

ごめんなさい、もうしません。

『ふっ、分かればいい。』

兄貴はそういうと風呂に戻っていった。


貴鬼が来ない時はセクハラしません。