セクハラカノン番外編(逆襲のカノン)

 

その夜、3度目の風呂に入ったサガは、さすがに湯疲れをしたのか、ぐったりとしてベッドに腰をおろす。

「もう、これは不要だな・・・。」

そう思って、今朝、デスマスクからもらったものをゴミ箱に投げ捨てると、ベッドに横たわった。

数日振りの馴染み深い自分の枕に頭を預けると、すぐに睡魔が襲ってくる。

心地よいまどろみの中でサガは、自分の部屋のドアが開く音で目を覚ます。

「兄さん・・・・。」

そこに立っていたのは、珍しくガウンを羽織ったカノンだった。サガはカノンの姿を黙って見つめる。

こんな時間に一体どうしたというのだろうか。嫌な考えが脳裏を掠めた。

カノンは部屋に侵入し、ベッドの上に腰を下ろした。

カノンは黙ってガウンの紐を解いた。薄暗い部屋の中でも分かる、その下は、一糸纏わぬ姿であった。サガはその姿に目を見張る。

「兄さん。さっきはごめん。俺、突然のことでびっくりしちゃって・・・・。いきなりだったから、心の準備が出来てなかったんだ。でも・・・・・。」

「何を言っているんだ、カノン?」

サガは動揺を前面に押し出して聞いた。

「でも・・・・。俺、兄さんにだったら、でしてもらいたい。兄さん!!!!」

カノンはそう叫ぶと、サガの毛布を一気に剥ぎ取り、全裸で抱きついた。

「ぎゃぁぁぁーーーー!!」

サガは悲鳴をあげると、カノンを突き飛ばし部屋から出て行った。

「うわっはっはっはっはっはっ!!!兄貴、チョロいぜぇ!!」

深夜、双児宮にカノンの高笑いが響き渡った。


デ、デスマスク!!あいつ本気だったぁ!!!