クモの糸(黄金トーテムポールの作り方)

 

今まさに、黄金聖闘士は神々の手によって封印されようとしていた。

神々永田「神に逆らいし愚かな人間共よ、神は無慈悲ではない。誰か一人だけ救ってやろう」

神々ルミ「ここに一本の糸がある。そこから誰か一人上ってくるがよい。その者だけを救ってやろう」

シオン「愚かなる神よ。それは救われた者はどうなる?」

神々永田「映画にフルカラーで登場し、青銅達の導き手となろう」

サガ「それでは真紅の私と被るではないかっ!!」

デスマスク「被ってもいい!俺は行くぜ!」

アフロディーテ「こら、お待ち!ここはアフロさまの出番よ!」

カミュ「何を言う、氷河を導くのはこのカミュの役目!」

シュラ「馬鹿を!この山羊座のシュラが授けたエクスかリバーを見届けに、俺が行く!待っていろ紫龍!」

サガ「待て、氷河達に力を授けても意味がない。ここは私が再び星矢を目覚めさせてやらねばならん!」

シャカ「この私がいけば、アルテミスなど取るにたりぬのだよ!」

ミロ「ていうか、一番人気の俺に決まってんじゃん。俺が行く!」

アルデバラン「貴方たち、今まで散々出番があったんだから、たまには私に譲ってください!」

カノン「ぐはははっ、馬鹿めが。このカノンさまが青銅を引き連れていくに決まってるだろうが!!」

童虎「紫龍が五老峰で待っておる、わしが行かねば!!」

ムウ「お待ちなさい。今、星矢たちに必要なのは聖衣です。地上に唯一人の修復師、このアリエスのムウが行くべきです」

シオン「ムウや、誰か忘れてはおらんか?」

ムウ「忘れてません!」

シオン「皆の者頭が高い、控えおろう!地上に赴き、カラーでフル出ずっぱりは前教皇にして、修復師のこのアリエスシオンじゃぁ!!」

ムウ「むうっ!!なんと卑怯な!……あ。あれは!?」

そこにスルスルと白い糸が下りて来た。

ムウ「わが師よ、世の中早いもの勝ちです!」

ムウはテレポートで糸を掴んだ。

アルデバラン「卑怯だぞ、ムウ!たまには出番を譲れ!」

アルデバランがムウの足を引っ張った。

ムウ「放しなさい、アルデバラン。貴方に映画という大きな舞台は似合いません!」

デスマスク「おのれ麻呂!俺が行く!!」

アフロディーテ「デスマスク、あんたは激弱なんだか、私に譲れ!」

アルデバランの足にデスマスクがひっついてよじ登り始めると、アフロディーテが後に続いた。

カミュ「真紅での汚名を返上せねば。氷河ぁぁぁぁ今いくぞ!」

シュラ「それはこっちの台詞だ、カミュ、どけぇ!」

カミュ「こうなったら共同戦線をはりましょう、シュラ」

シュラ「うむ。ムウとアルデバラン、そしてデスマスクとアフロディーテ、やつらには負けん」

カミュ「どっちが先についても恨みっこなしですよ」

シュラ「ああ、俺が地上に出たら、回想シーンで思いっきりお前を語ってやるよ」

カミュ「私も貴方との思い出を捏造しましょう」

シュラ「行くぞ、カミュ!」

カミュ「おりゃ!」

シュラとカミュが同時にデスマスクとアフロディーテに掴みかかった。

シャカ「醜いな……。最後に出るのはこの私と決まっているのだよ!」

シャカが跳躍してアルデバランの背中にしがみついた。

カノン「わーーーーはっはっはっはっ。馬鹿め!!この俺が地上にでるのだ!!」

カノンがシャカの髪の毛を引っ張ろうとすると、サガがカノンの髪の毛を引っ張った。

カノン「何をしやがる、兄貴!!」

振り向いた瞬間、キュッキュッキュッとカノンは額に「サガ」と書かれた。

サガ「さぁ、行け。カノンよ。そして散って来い!」

カノン「なに!?」

サガ「これで私が地上にでても、お前が出ても、「サガ」は活躍する。行くぞ、カノンッ!」

サガはカノンの手を引っ張ってシュラ、カミュ、デスマスクのを上り始めた。

カノン「うおぉぉぉ、この偽善者野郎!!あっ、そうだ!おい、ごらぁ、兄貴!」

キュッキュッキュッ

カノンはサガの額に「カノン」と書いた。

サガ「うぉぉぉぉ、きぃさぁまぁ〜〜。お前というやつはどこまでも卑怯なやつ!!」

カノン「さぁ、兄貴。思う存分行って来い!この双子座のカノンとしてな!!」

ミロ「あうっ、くそぉ。出遅れた!!お前ら、全員痺れてろ!!スカレーットニードル乱れうちぃ!」

アフロディーテ「ぎゃぁぁぁぁ!何する、洟垂れ小僧!」

アイオリア「ミロ、待て。お前はどうせ役立たずだ。俺が行く!」

ミロ「お前だって役立たずじゃねぇかよ!」

アイオリア「なんだと!?」

ミロ「俺が行くんだぁぁぁ、全国の俺のファンよぉ、待ってろよ!!!」

アイオリア「魔鈴いまいくぞぉぉぉぉ!!」

ミロ・アイオリア「どりゃぁぁ!」

ミロとアイオリアは仲間たちが連らなりに飛びついた。

童虎「ほう、こうも醜い争いが行われようとは、悲しいのぅシオンよ」

シオン「なんという情けない姿。そうまでして映画にでたいというのか」

童虎「シオンよ。ここは一発、お主の得意技をこの馬鹿達に食らわしてやってはどうかのぅ?」

シオン「童虎。お前の腹は読めておる。余がうろたえるな小僧をし、ムウ達が散った隙をついてお前はあの糸を登る気であろう」

童虎「チッ……」

シオン「伊達にお前と百年単位で友をしてはおらんぞ、童虎。余を甘く見るな」

ムウ「シオンさまぁ、助けてください。皆が私を犯そうとしております!!」

ムウはゲシゲシとアルデバランの頭を蹴りながら、糸を這い登った。

童虎「むっ、いかん!ムウが一歩リードしおった。急がねば!!」

童虎は慌ててアイオリアの頭、ミロの頭、シュラ……と頭を足場に駆け上がった。

シオン「そうはさせるか!!!」

シオンも負けじとそれを追うが、力尽きたアルデバランがムウの足を離したその時、ムウはヒョイッとその首根っこをつかまれた。

両手を前にプラーンとさせ、ムウは冷や汗を流して顔だけで振り向いた。シオンが瞬間移動で一番上を陣取ったのである。

シオン「ふふふ、この余を出し抜くなど、1億年早いのじゃ。だが安心せい、ムウよ。やはり余はお前が可愛い。お前も一緒に連れて行って、未来永劫可愛がってやるぞ、はーーーっはははは!」

それは事実上のシオンの勝利宣言であり、黄金聖闘士達は落胆の声を漏らした。

が!

神々永田「残念だな、黄金聖闘士たちよ。時間切れだ!」

シオン「は?時間切れ?」

神々ルミ「お前たちの魂は永久に封印される」

プチッと全員が糸が切れる音が聞こえた。

こうして黄金聖闘士たちは縦に連なった状態で、特にムウはシオンに首根っこを掴まれた状態で、トーテムポールにされてしまったのであった。

注)トーテムポールの順番は裏をとってません。

 


END