★白羊家の食卓(収穫祭 その2)
沢山野菜の入った篭を持ち上げたムウがその場から姿を消すと、シュラとミロはしまった!と声をあげ、股間を膨らませたまま十二宮の階段を光速で駆け下りた。今白羊宮に行けば、ムウが野菜で自慰にふける姿が拝めるはずである。
気配を殺して白羊宮に侵入した二人は、台所からする声に聞き耳を立てた。
ミロ「・・・、アイオロスがいるぞ?」
シュラ「あの喋り方は・・・カノンもいるな・・・・。」
ミロ「くっそーーー先約がいたか!」
シュラ「・・・ふふふ、3P野菜サラダだな。」
ミロ「な!!なにぃぃぃ?!3Pサラダぁぁ?!。」
野菜で自慰中のムウを、あわよくば頂いてしまおうと考えていたシュラとミロは舌打ちしながらも、カノン、アイオロス、ムウの野菜乱交パーティーを想像し、いやらしい笑いを浮かべる。二人の脳内では、尻にアイオロスの男根とキュウリを挿したムウが、カノン自身とナスを交互に舐めながら、白い精液のドレッシングまみれになっていた。
しかし、カノンはミロと同じく遅めの朝食をたかりに来ただけであり、アイオロスは朝食ついでに昼食も頂こうと朝から居座りつづけていただけである。
アイオロス「お前達、何やってんだ?」
突然アイオロスに声をかけられ、シュラとミロは妄想の世界から引き戻された。
ミロ「い、いやぁ・・・、あの、その、ちょっと。」
シュラ「処女宮でムウが野菜をとってるのを見て、美味そうだなぁと思って・・・。」
シュラが美味そうだと思っているのは、野菜ではなく羊の方である。
ムウ「おや、私の野菜のあとをつけてきたんですか。」
アイオロス「おう、野菜が食いたかったら台所で洗え。私はサガを呼んで来るからな。」
シュラ「え、俺も食べていいんですか?。」
ムウ「かまいませんよ。」
水に濡れたナスを持ったムウに微笑まれ、シュラとミロは心の中でガッツポーズをとった。このままいけばミロ、アイオロス、サガ、カノン、ムウと仲良くドレッシングまみれである。
ミロはぶーぶー文句を言いながら野菜を洗っているカノンの尻を撫でると、下心丸出しでニヤリと笑った。
カノン「ゴラ!エロ蠍!俺はホモじゃねぇ!!触るな!!」
ミロ「またまたまたぁぁぁ〜〜〜。カノンはキュウリがいいか?ナスがいいかぁ?それともニンジンかぁ?」
カノン「はぁ?このキュウリは俺のだぞ!お前にはやらん!!」
ムウ「ダメですよ、カノン。みんなで食べるんですから。」
シュラ「ムウ、そのナスは俺が洗うから、お前は俺のナスを洗ってくれ。」
ムウ「はぁ?シュラも野菜を持ってきたんですか?」
ムウとカノンは振り向くと、すでにズボンのジッパーを下ろし、元気爆発の股間を丸出しにしたシュラとミロにそれぞれ抱きつかれた。
カノン「ぎょえーーーーーーーー!!!!はなせ、キショ!」
ムウ「な!何を考えているんですか!」
シュラ「何って、野菜パーティーだろう?さぁ、ムウ、お前の尻に俺のナスを入れてやる。」
ムウ「馬鹿なこと言ってるんじゃありません!!!」
ミロ「ヤらせろ愚弟!!今キュウリがいいって言ったじゃねぇか!」
あっけなくミロに押し倒されたへっぽこカノンは、持っていたキュウリをミロに奪われ、ズボンを剥かれる。尻にキュウリを入れられてたまるものかと、尻に小宇宙を込めたカノンの両腿を掴みあげ、ミロはそのままカノンの股間に顔を埋めた。
カノン「ぎゃーー、てめぇ、ケツの穴舐めるんじゃねぇ!キショイ!ぎゃぁぁぁぁぁーー!ぅお!?」
一方隣ではシュラがムウに逃げられないように小宇宙を燃やして抱き着き、必死に耳元で愛を囁いていた。
シュラ「ムウ、俺のはナスよりすごいぞ。ヤろう。」
ムウ「はなしてください!包丁でプスリと刺しますよ!」
シュラ「何言ってるんだ、挿すのは俺の方だぞ、ムウ。」
ムウは服の上から尻に硬くなった男根を押し当てられ、ない眉を寄せる。そして小宇宙を燃やしてシュラの腕の中から超能力で消えると、まな板の上に置かれた包丁を握って不敵に笑った。
ムウ「ふふふ、ではあなたの貧相なナスから、マーボナスにしてあげましょう。」
シュラ「何を言ってるムウ、俺のは立派だ。」
ムウ「あなたのエクスカリバーほどではないですが、私の包丁もよく斬れますよ、ふふふふ・・・・。」
邪悪につりあがるムウの口元をみて、シュラはこれはまずいと、手刀エクスカリバーを構えるが、股間は丸出しのまま天井を向いており、まったくかっこうがつかない。
カノン「ゴラ、ムウ!切るならエロ蠍のチンにしろ!ぅぎゃーーーー舐めるなーー!」
ムウ「貴方も聖闘士のはしくれなら、自分の尻は自分で守りなさい。」
シュラ「さぁムウ、野菜パーティーだ。お前の穴にたっぷりドレッシングをかけてやるからな。安心して俺のナスを食え。」
ムウ「生のナスを食べる趣味はありません!ミートナスにしてあげましょう。」
カノン「ぎゃーーーー!助けて兄貴ぃぃ!!」
ミロの股間の先端が、カノンの尻の穴の入り口に当たった瞬間、ミロは後頭部を鉄拳で殴られ、襟首をつかまれた。振り返るとサガが眉毛を限界まで吊り上げ、見下ろしている。
ムウ「隙あり!!」
シュラがサガにひるんだ瞬間、ムウはすかさず包丁を股間めがけて振りかざす。体をかわすよりも早く振り下ろされた包丁は、シュラの大事なところに当たる寸前、分厚い拳によって守られた。アイオロスがシュラの肉棒を掴んで、ムウの包丁から守ったのである。
アイオロスに思いっきり股間を握られたシュラは世にも情けない悲鳴をあげ、その場へとうずくまった。
アイオロス「いくらなんでも、チンを切るのはかわいそうだろう、ムウ。私に免じて許してくれないか?」
ムウ「・・・・仕方ないですね。今回限りですよ。」
包丁を置くと、ムウはアイオロスの包丁で切れた皮膚に手をかざす。ムウが手を離すと、そこには出血の跡すら残っていなかった。
サガ「お前達!一体何をやっているんだ!!」
カノン「聞いてくれ、兄貴!このエロ蠍がいきなり俺を襲ってきたんだ!」
サガ「カノン!お前も聖闘士なら自分の尻くらい自分でも守れ馬鹿者!」
ムウ「大体、野菜パーティーというのは何なのですか?」
アイオロス「野菜パーティー??」
うずくまるミロとシュラに全員の視線が集まる。
シュラは股間を押さえたまま、アイオロスに訴えるような目で語った。
シュラ「いえ・・・その・・・ムウが処女宮で、ナスにうっとり頬擦りしていたので・・・てっきり野菜乱交パーティーかと・・・。」
サガは顔を真っ赤にしてシュラの頭に小宇宙を込めて鉄拳を放った。
アイオロス「そんなことするか、馬鹿!」
ミロ「だって、ムウがやらしー顔して、野菜ナデナデしてら、誰だってそう思うだろう!」
ムウ「この野菜たちは、私が苗から育てたんです。いわば私の子供同然。愛しいに決まっているでしょう。変な勘違いをしないで下さい!。」
サガ「どうしてお前たちは、そうやって下半身でしかモノを考えられないんだ・・・。」
ムウ「サガ、説教するなら外でやってください。」
サガ「わかった。」
サガはミロとシュラの髪を掴むとそのままずるずると白羊宮の外へと引きずり出す。そして宮の中まで届く怒鳴り声が炸裂した。
15分後
貴鬼に連れられてきたカミュは白羊宮の階段の下に正座して、サガに怒鳴られているミロとシュラを見て溜息をついた。あの二人がつるんで説教されている場合、何があったのか大体のことは見当がつく。
ムウ「わざわざすみませんね。風呂場にスイカがあるので冷やしてもらいたいのですが。あと氷の器も頂ける嬉しいです。」
ムウに笑顔で迎えられ、悪くはないと思ったカミュは、返事をするとそのまま直ぐに風呂場へと向かった。
そして風呂の戸を開け、そこにあるものを見てうっすらと笑いを浮かべる。浴槽には4玉のスイカと一緒にカノンが浮かんでいるのだ。ミロに尻を舐められ、シャワーを浴びていたカノンが、そのままスイカの浮かぶ水風呂に入って野菜洗いをサボっていたのである。
カノン「ごら!エロ瓶!出て行け!お前まで俺を襲う気か?!兄貴なら外だぞ!」
カミュ「ふ・・・ミロはあなたを襲おうとしてサガに怒られているんのですか。」
カノン「そうともよ!分かったなら出て行け!」
カミュ「残念だが、私はムウにスイカを冷やすように頼まれている。」
カノン「だったら、いますぐ風呂から出るから、そこをどけ。」
裸でカミュの前に出たら、間違いなく襲われると思ったカノンはカミュに怒鳴ったが、カミュは気にしたふうもなく、すたすたと風呂場へと入ってくる。
カノン「ゴラ!来るんじゃない!あっちいけ!」
逃げ場のないカノンはぷかぷか浮かぶスイカを掴み、咄嗟に股間を隠す。しかし、カミュは止まることなく浴槽に近づくと、水の中に手を入れて、静かに笑った。
カミュ「ふ、私にスイカを冷やすことなど容易い。」
カノン「ゴラ!俺ごと冷やすな!」
カノンはスイカを抱えたまま凍り始めた浴槽を慌てて飛び出す。が、浴槽から出る前にカノンの水につかっていた下半身はスイカごと瞬時に凍り付いてしまったのだった。
カノン「ゴラァァァァァァァ!!!何しやがる!!!」
カミュ「ふ、冷やしスイカだ。」
カノン「俺を冷やしてどうする!!」
カミュは真っ赤な髪をかきあげると、怒鳴るカノンを無視して浴室を後にする。程なくしてムウと貴鬼、アイオロスを連れて戻ってきたカミュは自身満々に口を開いた。
カミュ「どうだ、ムウ。冷やしスイカ器付だ。」
ムウ「・・・・・・。」
アイオロス「器とはカノンのことか?」
カミュ「そうだ。食卓に飾れば涼しさ満点だろう。」
ムウ「食欲のなくなる器ですね。」
アイオロス「カノンじゃなぁ・・・サガだったらよかったんだがなぁ。」
貴鬼「これじゃぁスイカがまずそうだよ。」
カノン「ゴラ!勝手なこと言ってんじゃねぇ!さっさとこの氷を何とかしろ!」
ムウ「情けない。聖闘士なら小宇宙で溶かしなさい。」
アイオロス「なんだぁ、カノン。お義兄ちゃんが暖めてやろうかぁぁ?!」
両手をワキワキさせながら迫り来るアイオロスにカノンは慌てて小宇宙を燃やす。
ムウ「くれぐれもスイカは落とさないで下さいね。それしかないんですから。」
アイオロス「ほーら、早く溶かさないと、お義兄ちゃんが抱きつくぞぉ〜〜。」
カノン「ゴラ!鶏!よるな!触るな!近づくなーーーー!」
意地悪な笑いを満面に浮かべて迫り来るアイオロスに、カノンは必死に小宇宙を燃やすと、氷が音を立てて崩れ落ち、スイカを持ったまま尻丸出して、風呂場から走り去った。
カミュ「ふっ、やはり氷の器はシュラに彫ってもらった方がいいだろう。」
ムウ「では、シュラは外にいますのでよろしくお願いします。」
ムウは自分の尻を撫でまわすカミュの手をピシャリとたたくと、風呂場から超能力で消え去った。
1時間後
頭に大量のたんこぶをこさえたシュラとミロも席につき、白羊宮はようやく昼食の時間となった。
テーブルの上には、氷の器に盛られた野菜サラダやスティックキュウリ、ミートナスのスパゲティー、がぼちゃの冷スープと、今朝取れたばかりの野菜で作った料理が並んでいる。
そこにはシュラとミロが期待したような、野菜の男体盛りはひとつなく、ドレッシングも中華風ドレッシングであり、茶色い上に唐辛子が浮かんでいた。
ムウ「ふぅ・・・どうして野菜を食べるのに、こんな騒ぎになってしまったんでしょうね。」
デザートのスイカをスプーンでちまちま食べながらムウがつぶやく。
お前が野菜に頬擦りなんてするからだ。
と、シュラはそう思ったが、そんなことを口にしたら、また大事なところを包丁で切り落とされかねないので、よく冷えたスイカを頬張り、何も言わなかった。