双児家の食卓2 〜裏技大発見!<サガ編>〜

 

 

早朝5時の獅子宮

5時ぴったりに、アイオリアは飛び起きた。
10分後には兄・アイオロスが獅子宮に降りてくる。その前に、獅子宮に居候をする星矢をおこし、着替えと洗面をすませなければいけない。

普段のアイオロスなら、ギリシャ人らしい時間のルーズさを見せるのだが、事がトレーニングだとそうもいかなかった。アイオロスは筋トレに異常な情熱を注いでるのである。

アイオリア「星矢。起きろっ!!!」

星矢「う〜ん、魔鈴さん、もうちょっと……」

アイオリア「俺は魔鈴じゃないぞ。ほら、寝ぼけてないで、起きろよっ。でないと、またアイオロス兄さんが来るぞ!」

星矢「アイオロスは嫌だよぉ……むにゃむにゃ…え? アイオロス!?」

星矢はガバッと飛び起きた。そしてキョロキョロと辺りを見回すと、そこにアイオロスがいないことを知って、ホッと胸を撫で下ろした。
以前、寝坊した為に、星矢はアイオロスに倍の訓練を課せられたことがあったのだ。その苦い出来事を思い出して、思わず飛び起きてしまったのであった。

アイオリア「ほら、行くぞ。あと5分しかない。俺は洗面所で顔洗って髭そるから、お前はキッチンでやれ。分かったか」

星矢「おうっ!!」

星矢とアイオリアは頷きあうと、慌てて支度を行った。

そして5時10分きっかりに、獅子宮の通路に慌てて出る。しかしアイオロスは10分を過ぎても、獅子宮にはこなかった。

星矢「あれ? まだ来てないじゃん。チェッ、慌てて損したぁぁ〜」

アイオリア「油断するな、星矢。兄さんのことだ、どこかに隠れて様子をみているかもしれない。俺たちが気を抜いたところで、出てきて怒ったりするからな」

星矢とアイオリアはキョロキョロと辺りを見回し、柱一つ一つを確認するが、アイオロスの姿はなかった。
さらに20分待ってもアイオロスは来る気配を見せず、星矢はとうとう待ちくたびれて柱にもたれかかってウトウトし始めてしまった。

アイオリア「こりゃ、寝坊だな……。星矢、いくぞ!」

星矢「え!? お、おう!」

二人は獅子宮を上に上った。

 

人馬宮

星矢「寝坊って? アイオロスが寝坊なんてすることあるのか?」

アイオリア「ああ……そういえば、昨日はサガと双児宮で飲むって言っていたしな」

星矢「サガと? いいなぁ、アイオロス」

アイオリア「お前はまだ子供だから酒は飲めないだろう。あの二人、飲み始めるとはんぱじゃなくらい、飲むぞ」

星矢「そうなんだ。俺早く大人にならなくちゃ」

アイオリア「しかし……困ったな」

星矢「どうしたんだ?」

アイオリア「この時間に兄さんが起きないってことは、多分何をしても起きないんじゃないかなと思ってな」

星矢「俺、一発で目覚めるほうほう知ってるぜ、アイオリア!! まかせておけよ!」

星矢は指をパチンと鳴らし、ニヤリと笑ったのであった。

 

 

双児宮

昼を過ぎた頃、訓練でヘロヘロになった星矢は、アイオロスとアイオリアの3人で双児宮に休憩に来ていた。

カノン「お前ら、双児宮は休憩所じゃねぇぞ!」

アイオロス「なんだ、茶くらい出してくれてもいいだろう」

カノン「飲みたきゃ、自分で勝手に飲め!」

アイオロス「星矢。キッチンから何か飲み物もってこい!」

星矢「ちぇっ、アイオロスは人づかい荒いなぁ」

アイオロス「ところでサガは、今日はちゃんと仕事にいけたのか?」

カノン「あ? 兄貴の心配する前に、お前はどうだったんだよ」

アイオロス「ああ、私か? 私はバッチリ目覚めた」

アイオリア「よくいうよ。俺が起こしてやったんじゃないか」

アイオロス「ああ、最悪の目覚めだったな」

星矢「でも、一発で目が覚めただろう? サガはそういう心配なさそうだよなぁ」

星矢が言うと、三人は互いに視線を交わし、苦笑いを浮かべた。

カノン「ペガサス。お前、兄貴になにか夢みてないか?」

星矢「??」

カノン「あいつの寝起きの悪さは、恐らく聖域一だ」

星矢「嘘だぁぁ。俺が双児宮に来るときは、いっつも爽やかに笑ってるぜ!」

カノン「あいつは外面がいいからなぁ」

アイオロス「そうそう。ガキの時から、サガは寝起きが悪かった」

カノン「今は、睡眠薬とか飲んで寝てるから余計そうなんだろうな」

アイオリア「やっぱり睡眠薬飲むと寝起き違うのか?」

カノン「いや、分からねぇけど、そんな気がする。おい、ごらぁアイオロス!」

アイオロス「なんだ?」

カノン「てめぇ、兄貴の寝起きが悪いの知ってて、遅くまで酒つきあわせてんじゃねぇぞ。こっちは起こすの大変なんだからなっ!」

星矢「え!? カノンがサガを起こしてるの?」

カノン「そうともよ」

星矢「嘘だろう! なんか逆なイメージなんだけど」

カノン「嘘じゃねぇよ。俺だって好きで早起きしてるわけじゃないが、早く起きて兄貴を起こしてやらないと、教皇に俺まで怒られるからな」

因みにサガは、13年間の残務処理のために毎日教皇の間に出勤しているのである。

星矢「だったらさ、俺がサガが一発で起きる起こし方、教えてやるよ!」

カノン「まじか!」

星矢「まかせろよ。アイオロスだって一発で目が覚めたんだから」

カノン「頼むぜ、ペガサスッ!」

 

翌朝

7時に目覚まし時計がなると、それを無意識に止めたカノンはその30分後に目を覚ました。

この日は日曜日なので、サガの出勤もない。

しかし、カノンは昨日星矢から教えてもらった、サガ起床法を試すために眠い身体を無理矢理起こした。

サガは低血圧で寝起きが悪いどころか、ほうっておけば昼過ぎまで寝ているため、カノンはいつも頭を悩ませていたのであった。

カノン「兄貴、起きろ!」

カノンは行き成りサガの背中に蹴りを入れた。

サガ「……」

カノン「起きろって言ってるだろうが!!」

サガ「……」

カノン「ジジィにおこられっぞ!! 犯されても知らねぇからな!」

サガ「……きょう……あんそく……び………だ」

カノン「んなこと、分かってんだよ。さっさと起きろ!!」

蹴りを何度も入れながらカノンはシーツを引っ張るが、無駄に大きなベッドの上でシーツと一緒にサガの体が滑った。

いつもは、こんなやり取りを繰り返すこと約30〜40分で、サガはようやく目を覚ますのだ。

カノン「……起きないのか?」

サガ「……」

カノン「起きないんだな?」

サガ「……」

カノン「そうか。そうだな、兄貴も病気なうえに、仕事させられてるんだもんな。たまには、ゆっくり寝るのもいいだろう」

カノンはニヤリと唇を吊り上げると、シーツの端を引っ張り持ち上げ、サガのベッドに侵入した。そして、ぴったりとその背中に体をくっつけた。

カノン「俺も毎日無理してるし、そうだ、俺もサガと一緒に寝ようかなぁ!」

棒読みのせりふを吐きながら、カノンがチラリとサガを伺うと、サガはびっくりして振り返り、眉間に何本もの筋を浮かべて寝ぼけ眼を瞬かせた。

カノン「たまには一緒に寝るのもいいよなぁ、兄さん」

サガ「何をしているのだ、カノン」

カノン「兄貴が起きないなら俺も起きるのやめようかと思って、一緒に寝ようぜ」

サガ「気持ち悪いまねはよせ、気は確かか?」

カノン「俺も眠いからな。お前を起こすのは、もううんざりだ。おやすみ、サガ」

ピトッとカノンが身体をくっつけると、サガはベッドから飛び起きた。
カノンはそれを見てほくそえんだ。

星矢の言ったとおり、起きないサガのベッドに忍び込んで、わざと大きな声で一緒に寝ることを宣言したのだ。そしたら見事、サガのはパッチリ目を覚ましたのだ。

カノン「目が覚めたようだな、手間取らせやがって」

サガはニヤリと勝ち誇るカノンを睨みつけるようにして見下ろした。

サガ「いったい、なんの真似だ……カノン……、これは夢の続きか?」

カノン「はん? 夢?」

カノンが思いっきり眉根を寄せると、逆にサガの眉間の皺がすっと消えた。そしてサガは、ポォッと頬を染めてはにかむように瞳を細め、コロンと再び元の位置へと寝転がった。

カノン「な、なんで、また寝てんだよ!! 起きろ馬鹿!」

サガ「一緒に寝るのだろう……」

ぴったりと身体を寄せ付けて、カノンの肩口に頬を預けたサガはじーっとカノンの顔を上目遣いで見る。

カノン「キ、キョショいんだよ。何見てんだよ!! 起きろっていってんだろうがっ、寝るんじゃねぇよ!!!」

サガ「寝ないのか?」

カノン「起きろ、馬鹿兄貴」

サガ「そうか、分かった。気がつかなくてすまなかったな」

サガはそういうと、寝ぼけ眼のままムクリと身体を起こした。そして突然カノンの股間に手を伸ばし、トランクスを下に引っ張った。

カノン「ちょ、ちょっと待て!! てめぇ、何を考えてやがる!!」

カノンが止めるよりも早く、サガはまるでそのまま枕に突っ伏すかのように、顔を前へと倒した。

カノンの自身の根元が圧迫され、そして先端は生ぬるい粘液につつまれた。

カノン「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとまてぇぇぇぇぇい!!!」

サガ「どうした?、カノン」

カノン「どうしたじゃない!! て、てめぇ、いきなりなにをするんだ!!……うっ」

サガ「なにをするって……(かぁーーーっ)。言わなくちゃ、だめか?」

顔を真っ赤にしながら俯くサガは、それでも手はしっかりとそれを握り上下に扱いていた。

カノン「ちょっと待て、お前、誰かと勘違いしてるだろう。……あうっ!」

サガ「勘違い?、お前はカノンだろう? 私がお前を間違えるとでも思っているのか」

サガはニッコリと笑うと、右手を口に含み唾液で濡らし、ゆっくりと自らの秘孔へとその濡れた指をすべらせた。

サガ「あっ……んん」

ネチャネチャと粘膜をかき回す音が響く。サガは息を荒げながらも、カノンのそれをしごく左手を止めず、さらには舌先で先端を舐めあげ、ゆっくりと口での愛撫を施した。

カノン「うぉぉっ、いぃ! ……じゃなくて、ま、待て、兄貴。いや、サガ、待て、まじで待ってくれ!!」

サガ「もう我慢できない……」

サガはカノンの身体を跨ぐと、ゆっくりと腰を下ろしカノンのそれを根元まで収めると、自ら腰を使って快楽を求めた。

カノン「うおっ!!!……サ、サガ……、ま、まさか……俺のこと?」

サガ「あっ、カノン……いぃ……アッ、アッ、アッ!」

サガは自身の乳首を弄くりながら、夢中で腰を動かした。

体温、香、触れる感触と、そして秘孔に収めたそれがいつもの夢よりも張り詰めて灼熱の棒のようで生々しくリアルで、サガは青銀の巻き毛を振り乱して激しく悶えながら放出すると、カノンもまたサガの中にたっぷりと放出したのであった。

それは、家族や肉親が添い寝をすることによって、気恥ずかしさや驚きでどんなに寝起きが悪くても一発で起きてしまうという、テレビ番組で実証された裏技だという。

実際に、アイオロスはそれでしっかり目を覚ましたのだ。

だが、サガはそうはいかなかった。

まさか寝ぼけたサガが、自分を求めてくるとは思ってもみなかったカノンであった。

カノン「はぁ……たまにはこの起こし方いいかも、クセになりそう……(ウットリ)」

グッショリとした股間を丸出しにしたまま、カノンは腕に巻きついてぐっすり眠るサガにいやらしい視線を向けて、恍惚とした笑みを浮かべたのであった。


おわり