シオンさまといっしょ5(シオンさまとプチ教皇 その1)

 

 聖域は、ハーデスとの長き闘い後、女神の力によって復活した聖闘士達の活気でかつてない賑わいを見せていた。
お気に入りの18歳の体で復活したシオンは、13年間のブランクを埋めるために毎日、教皇の間に黄金聖闘士を2人づつ呼び、自分の仕事を手伝わせていた。

教皇の執務の随行の組はランダムに決められ、毎月末に発表されるそれに皆、戦々恐々とした。なぜならば、組む相手と教皇のその日の機嫌によっては最悪の事態になるからだ。

<月曜日 サガとシャカ>

教皇の執務室の応接に向かい合わせに座ったサガとシャカは、資料に目を通していた。シオンはその姿を執務机の椅子に腰をかけて眺めている。執務室で仕事をする際は、教皇の冠と仮面を外していることが多いシオンの顔は、なんともいやらしい笑顔でゆがんでいる。

シャカ「サガ・・・・・・・。」

サガ「どうした、シャカ?」

シャカに呼ばれたサガは資料から顔を上げ、シャカをみた。シャカは耳まで真っ赤に染めて額に汗をながしていた。サガはシャカの肩越しに見えるシオンを横目で見て、溜息をついた。

サガ「シャカ、気にするな。」

シャカ「し・・・しかし。」

サガ「教皇の思念を感じ取ってはいけない。集中しろ・・・・。」

シャカ「しかし、私はあのようなことはしない。」

サガ「それは教皇の妄想の中の話だ。」

シャカ「だが、教皇は君にまで・・・・・。しかも、私と君をいっぺんに・・・・・・・・・。」

サガ「だから、それは教皇の中の私だ。いいか。気にするな。教皇の思念に負けるな。」

シャカ「・・・・・・。」

サガ「シャカ!振り向くな。目を合わせてはいかん。仕事に集中しろ!」

シオン「(どうやったら二人いっぺんに手篭めにできるかのう・・・・。難しい・・・。)」

シオンはシャカとサガを見つめながら、卑猥な妄想を思い浮かべ、そのビジョンをサガとシャカへと送っていた。

シオン「さて、今日は普通の昼食で我慢するか。」

シャカ「サガ。普通の昼食とはどういう意味だ?」

サガ「普通の昼食のことだ。お前と私を昼食にするのを諦めたらしい。」

シャカ「・・・・・・・・・・。」

3人は、昼食後再び執務室にこもり仕事をしていた。

シャカ「サガ、どこへいくのだ?」

サガがソファから立ち上がるとシャカは顔を上げて尋ねた。

サガ「すまん。ちょっと手洗いに・・・・。」

シオン「ほうほう、そうか。サガ、ゆっくりと行って来るがいい。」

シャカは思わずシオンを振り返った。

シオン「シャカよ、そなたほどの男でも、余と二人きりになるのが恐ろしいのか?」

シャカ「いえ、そんなことはございません。」

シオン「だそうじゃ、サガ。ゆっくりとしてまいれよ。」

サガ「お言葉ですが教皇。私はシャカと共に手洗いに参りたいのですが。」

シオン「なんじゃと?」

サガ「シャカ、行くぞ。」

サガはシャカの手を無理矢理取ると執務室から出て行った。

シャカ「かたじけない・・・・。」

サガ「シャカ。強がらないでもっと素直になれ。あれを恐がるのは何の恥でもない。でなければ、いつかお前も掘られるぞ。あれは妖怪だ。」

シオン「ふむっ。なかなか手強いのぅ・・・・。」

 

<火曜日 デスマスクとアフロディーテ>

教皇の執務室の応接に向かい合わせに座ったデスマスクとアフロディーテは、資料に目を通していた。シオンはその姿を執務机の椅子に腰をかけて眺めている。執務室で仕事をする際は、教皇の冠と仮面を外していることが多いシオンの顔は、なんともいやらしい笑顔でゆがんでいる。

アフロディーテ「デッちゃん。なんで聖衣着てるの?」

デスマスク「あ?教皇がウナジがよく見えるように聖衣を着て来いって言うからだ。」

デスマスクは資料をテーブルに置くと、立ちあがった。

アフロディーテ「ちょっと、デッちゃんどこいくの?」

デスマスク「ああ。ちょっとタバコを吸いに。ここ禁煙だからよ。」

アフロディーテ「いやーーーーーー。」

アフロディーテは立ち上がったデスマスクに抱きついた。アフロディーテの大きな瞳からは怒涛のような涙が零れ落ちている。

デスマスク「???」

アフロディーテ「お願い、デッちゃん。私を一人にしないで。」

デスマスク「は?」

アフロディーテ「デッちゃんがいなくなったら、私、教皇に何されるか分からない!!お願い、デッちゃん。ここにいて!」

デスマスク「何いってるんだ?」

アフロディーテ「私、美人だから、絶対に教皇に掘られるもん。教皇に掘られたら2、3日は立てないとか、しばらくは枯れるとか、1ヶ月監禁されるとかしちゃうもん。」

デスマスク「何も泣くことじゃねーだろ。それに、それは噂じゃねーのか?」

シオン「少なからず真実じゃ。」

アフロディーテ「いやーーーーー。やっぱり置いてかないで、デッちゃん。」

デスマスク「馬鹿。放しやがれ!」

アフロディーテ「デッちゃーーーーーーーーーーーーん。そんな冷たいこと言わないで。お願い、デッちゃーーーん。」

シオン「蟹よ。魚を連れて喫煙してくるがよい。うるさくて適わん。」

デスマスクは泣き叫ぶアフロディーテを連れて執務室を出て行った。


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