はじめてのおるすばん

 

この作品はフィクションなんだよ。

登場する人名、団体名、地名、職業などは

ぜんぶ架空のものだよ、おにいちゃん。

だから、じっさいのものとはな〜〜んにも関係ないんだ。

それから、作中に出てくる人物は

みぃんな18歳以上だからね!

過激な性的・暴力的表現、行為は

ぜったい、ぜったいマネしちゃだめだよ。

 

 

 

「では、明日から双子たちをお願いいたします」

双児宮の神官が訪ねてきたのは、暑い日々がつづく8月初旬のことであった。

双子たち・・・というのは、双児宮の双子の兄弟、サガとカノンのこと。

今年の夏、俺はふたりと留守番してすごすことになった。

 

私が、サガとカノンに出会ったのは、一年半ほど前。

十二宮の3番目の宮の二人が、ある日突然小さくなってしまい、まるで8歳児のようになってしまってから数日が経ったときのことだった。

その日、私が仕事から帰ってくると、ふたりが宮の下で、どうしよう、どうしよう・・・と、泣いていたのだ。

事情をきいてみると、なんでも金牛宮まであがったところで足が痛くて動けなくなってしまい、

しかも二人は双児宮の私室の鍵をなくしてしまったとか。

合い鍵はなく、双児宮の神官は今日は夜遅くにならないと来ないという。

だから、私はふたりを自分の宮にいれ、神官が来るまで、いっしょに遊んであげたのだ。

サガとカノンとは、それ以来の仲。

・・・いまでは私は、ふたりから「おにいちゃん」と呼ばれ、慕われている。

教皇さまからも信用されるようになって、すっかり家族同然のあつかいをうけるようになった。

双児宮の双子は他の聖闘士と同じように両親もおらず、しかも過去の犯罪歴もあって、あまり人がよりつかない。

だから、神官が急用で不在の時は双子の面倒をみるのを手伝ったり・・・と、そんな良好な関係がつづいている。

 

今年の夏、サガは教皇の間へ神学を習いに、カノンは聖闘士の訓練にかようことになった。

ところがスケジュールがかみ合わず、神学の授業のある日は聖闘士の訓練がなく、聖闘士の訓練がある日は、神学の授業はお休みという状況になってしまった。

神官も宮の管理などに忙しく、昼間は私室にいられない。

だから夏休みのあいだ、サガとカノンは毎日交互に、ひとりで双児宮の留守番をしなくてはならなくなってしまった。

・・・しかし聖域は、特に十二宮は弱肉強食の男性社会でいろいろ物騒だ。

教皇としても、双子をひとりで留守番させておくのはさすがに心配らしい。

そこで、双子が留守番している間、いっしょにいてやってほしい・・・っと、私にお願いしてきたワケだ。

執務補佐当番も特別夏期休暇ということで、断る理由など無い。

私を慕ってくれる双子兄弟と毎日いっしょにすごせるのだから、むしろ大歓迎だ。

ふたつ返事で、私はひきうけた。

 

かわいい双子とお留守番・・・。

今年の夏は、いつになく刺激的で楽しい夏になりそうだった・・・


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