しなの鉄道 経営危機表面化
掲載: 2001.12.16

信濃毎日新聞11月28日付より

しなの鉄道債務超過 中間決算、累積赤字24億超す

 第三セクター会社、しなの鉄道(長野市、山極達郎社長)の二〇〇一年九月中間決算で、累積赤字が二十四億六千六百万円に膨らみ、資本金二十三億円を上回る債務超過に陥ったことが、二十七日明らかになった。県は近く公的支援の枠組みを策定するが、こうした状況を受け、同社は年度内にまとめる経営再建計画で、大幅な人員削減を打ち出さざるを得ない見通しだ。

 中間決算によると、三月に実施した平均10%の運賃値上げで、旅客収入は前年同期比6・7%増の十一億七千二百万円を確保。線路使用料などを含めた営業収入は十三億七千百万円で6・3%増だった。一方、人件費を抑えるなどして、営業経費は十六億三千二百万円で6・1%減った。

 ただ、他の鉄道会社に比べ人件費比率が高いことや、鉄道資産の減価償却費二億三千九百万円を計上したことで、経常損失は三億七千七百万円となり、当期未処理損失は〇一年三月期から三億二百万円増えた。通期でも、債務超過状態は変わらない見込みという。

 同社株の75%を保有する県がつくる「しなの鉄道経営改革検討委員会」(石井晴夫委員長)は七月の中間報告で、社員(約二百五十人)を〇四年度までに三十―四十人削減することなどを盛ったリストラ案を公表した。その後も業績改善の見通しが立っておらず、近くさらに厳しいリストラ案をまとめ、同社に提言する方針だ。



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