第15回中部地域家族会連絡会報告          
 
他の家族会活動を知る
                
              担当家族会 世田谷区さくら会
              世話人  奥山和夫(目黒区家族会)

 去る11月7日、都立中部総合精神保健福祉センターで第15回中部地域家族会連絡会が開催されました。中部地域家族会連絡会は都内9つの区の家族会が集まって、各単会の取り組みや近況を話し合い、お互いの情報交換を行う場です。平成3年10月に第1回を渋谷区すみれ会が担当して行われて以来、今日までつながっています。
 今回は登録家族会9単会、全会が出席されまた。新宿家族会からは会長・岡嵜、副会長・福田、会員1名が参加しました。午後1時30分から始まった会では、まず参加者の自己紹介が行われ、続いて各家族会の近況報告に入りました。

1港区げんき会 
 港区ではいまごろ精神保健福祉連絡協議会ができました。私も保健婦から委員になってほしいということで引き受けましたが、どのようなことをやったらいいか、きょうはこの会で学んでいきたいと思います。家族会は毎週土曜日に行われています。これまで保健所から保健婦さんはほとんど見えませんでしたが、中部精神保健センターのご指導を頂き、年2回、保健センターから出席するという約束をいただきました。いままで仲間うちだけで、あーだ、こーだと言っているだけだったものが、今後は港家族会も他の家族会並の活動ができるものと期待しています。

2世田谷さくら会
 さくら会は作業所が2つ、その1つは美術工房といって紙を漉いて絵を描くような作業を行い、バザー等に出品しています。もう一つは松沢病院の喫茶室「パイン」での作業です。
 グループホームは2つですが、同一場所にあります。6室×2で12名の方が利用しています。これにショートステイが2室あり、かなりの利用者がいます。また日曜日には昼食会を行っています。

 行事では川場村(群馬県)の世田谷区の保養施設にリクレーションとしてバス旅行を行いました。10月には全家連相談室の吉田相談室長を招いてお話を伺いました。11月松沢病院の高橋先生に講演をお願いしました。
 世田谷区では給田に精神障害者施設を作ることが検討されています。今年度はどのような施設にするかを決めることになっています。私たちは他の区や都の既存施設を見学して、検討材料にしようとしています。大筋は「地域生活支援センター」「地域住民の医療施設」、それに「授産施設」「福祉ホーム」かいずれか、となっています。

 私たちは大きな組織になったことや、経験豊かなこともありますが、やはり保健婦さんとの交流がなければならないと判断し、若い人を中心に保健婦さんとの話し合いの場を持ち、思いの丈を述べたり要望を突きつけたりしています。その成果の表れか区報で精神科の問題を大きく取り上げいただきました。このことはこれまで家族会内部だけで問題を考え、学んできたことが一般区民まで情報が広がったことで大いに評価できることと思っています。

 若い人たちはどんどんセルフヘルプのグループを作ったりして、ますます活発化していて、これが自然でいいのだろうと思っています。
 また、区報において国立精神神経センター精神保健研究所の伊藤順一郎先生の講話を掲載したところ、家族会を知って多くの方が参加するようなことになりました。先日の家族教室に120名ほどの参加者があり、それもすごいことですが、その半分の方が初めての参加者で、区報を見てきたそうです。「健康づくりホットライン」の「精神保健福祉」記事の最後に「世田谷家族会さくら会」電話○○、○○と書いて戴いたので、その反響が大きかったのだと思います。こうしたことは区の方たちにホントに感謝しますが、もう精神保健のことは一般市民が当たり前の知識になりつつあるし、これを知るか知らないかで、社会は全く違うものになると思います。

3品川区かもめ会
 現在会員は44名、会長1名、副会長2名、会計1名、委員6名、相談役1名、平成10年度決算は784, 354円となっています。会報「かもめ会だより」は450部発行となっています。

 平成11年度運動方針では1)グループホーム10月開設を目指す。2)ホームヘルプサービスの実現を目指す。3)第4作業所の早期実現を目指す。4)精神障害者地域生活支援センターの早期実現を目指す。5)一人でも多くの家族を「かもめ会」に迎入れ、不安解放しよう。となっています。

 1)のグループホームは方針通り10月1日開設されました。2)、3)、4)は区議会に請願中です。昨日自民党の区議会議員と面会しました。区議会では非公式だが、これらは議決の見込みであるとの返事を戴きました。問題は都財政とのからみがあり、区では議決される見込みであるとのことです。

 「かもめ会だより」の発行では原稿依頼が問題です。これまで編集者が1人で書いていましたが、最近何名かが原稿を寄稿するようになりました。また、区の広報紙が家族会に原稿依頼をしてきているという明るい状況もあります。広報担当課長は家族会報の450部よりは区報の発行部数の方が俄然多いので、精神の問題をPRするには有利だろうと言ってくれています。現在、区の広報担当者と家族会担当者とで執筆内容の打ち合わせを行っている段階です。

 次に一人でも多くの家族をかもめ会に迎え入れる手段として、インターネットのE-mailで希望者に発信しています。また、11月15日にはインターネットのホームページを開設します。この意味は精神の場合、年寄りが若い人の面倒を見るという状況が一般的です。その若い人はコンビニと携帯電話があれば生きていけるような世代です。そこで、大正生まれの父親では若い人とは意志が通じないだろう。これからは若い人が若い人の面倒を見る時代ではないか、それには若い人たち同士が自由に話ができるE-mailやホームページがいいという意見が若い人たちから出たものですから、開設に踏み切ったわけです。このことが会を活性化させる重要なことだと認識しています。

 もう一つ、インターネットに関しては高齢者の役員対策と関連しています。私たちの会員、特に男性会員はほとんど70歳代を中心にしています。そこで現在の役員も、これからの役員は若い人に任せようと腹を決めまして、現状問題を対処しながらも、世代交代を念頭において会の運営を考えています。ただ、議会対策など若い人たちだけでは困難な問題の場合は我々古参の者が出ていって議員説得に回ろうと、こういう方向を考えています。

 次に談話室構想がありますが、日中のかもめ会に出られない人のために、月2回午後7時から9時まで区内の文化センターの会議室を無料で借りて開設しました。
 また、財源の掘り起こしとして、賛助会員に会報「かもめ会だより」を送っていますが、この人たちから会報の内容が参考になると、あるいは学校へも送っていますが生徒だけでなく教師も鬱病にもなることもあり、この「かもめ会だより」の具体的、専門的な情報が参考になると、賛助会費として寄付金を送ってくれるので非常に大きな力になっています。

 4番目に今年精神保健福祉関係図書の寄贈があったので、かもめ会図書室を開設しました。会員への貸し出し、会報原稿作成の資料調べなどで大変役立っています。
 部外活動では、区長への要望書の提出をはじめ、会員と役員10名前後が議会の傍聴に出かけています。その際、昨年の全家連東京大会の際のピンクのスタジャンを着て、議会へのアピールに役立てています。中には恥ずかしいという人もいましたが、そんなことを言ってる場合じゃないと、そのような活動を行っています。

4新宿家族会
 新宿家族会は会長の岡嵜も副会長の福田も日中の仕事を持っており、なかなかさくら会さんやかもめ会さんのような活発な活動ができないのが残念です。中部地域家族会の9単会の中で2番目に古い歴史を持っており、前任者から比べて現役員の力不足を感じます。

 新宿家族会の動きでは、最近インターネットのホームページを立ち上げました。この目的は当事者はじめ家族は月例会などで病気の理解はかなり進んでいますが、一般の社会人は無関心そのもので、我々が勉強することも大事だが、無関心の一般社会人に知ってもらってこそ、当事者たちが暮らしやすい社会となるであろうという考えから開設しました。

 内容は月例会で我々が学んだ精神科医師の講演やケースワーカーの話などを「フレンズ」という会報にまとめていますので、その内容をそっくりホームページに移行させています。
 その他に「家族会とは」で家族会の紹介と新宿家族会へのお誘い、「心の病いとは」で、この病気に初めて出会った人たちは誰でも「お先真っ暗」、自分がどこにいるのか、路頭に迷う状況にあるのでそんな人たちに「完治山」登山のイラストで、自らの位置、方向づけに役立てられるものを描いてみました。
 近況報告とはかけ離れたものになってしまいましたが、今後は行政とどう関わっていくかを考えています。

5文京家族会
 私たちの家族会は保健所のデイケアの家族を中心にして3年前に発足しました。活動は家族のストレスの解消、学習の場として行われています。この中部地域のような場に参加しながら、家族会活動のための活動ではなく、家族のための活動となるよう努力していきたいとおもいます。

 現在会員は30名と膨らみ、これからは内容の充実、家族のために何ができるかを考えています。そして月例会が通常平日開催のため、サラリーマン、自営者の出席できないという事情があります。また、会報、作業所、グループホーム等は一切ありません。学習会を主な目的として講演会を年2回開催しています。9月には日本福祉大学の池末美代子先生に「精神障害者の医療と福祉」のテーマで講演会を行いました。

6大田区つばさ会
 今年の4月からの取り組みから申し上げます。4月12日、公設の大田区地域生活支援センターが開所されました。通称は「センターあけぼの」。生活支援を主目的にした施設です。大田区が場所(麹屋福祉センター2階)を提供し、助成金345万円(H11年度、H12年度)を出してくれました。実務は大田区精神障害者問題協議会・通称あけぼの会が大田区から委託を受けて行っています。

 つばさ会はあけぼの会と連動して活動を行っています。当事者の登録メンバーは10月18日現在105名です。利用日は毎週月、水、金の午後5時から8時まで。専任職員は1名。内容は水曜日が夕食サービスでボランティアの協力で料理が作られ、参加費は200円です。

 また、あけぼの会はNPO法人(民間非営利組織)を取得しようと話が出ています。今年9月、NPO法人化に詳しい上原延江さんをお招きして話を聞きました。
 9月15日、つばさ会10周年記念の集いを開催し、第1部では精神科クリニック・小田原先生の講演会を行いました。テーマは「生活支援センター開設にちなみ、大田区の地域医療について」です。第2部はリハビリメイクでかづきれいこ先生の実技と講演を聞きました。この時の様子はTBSの「ニュース23」で紹介されました。

 10月18日、西野大田区長との懇談会を行いました。内容は先ほどの生活支援センター開所に当たって、場所、助成金の提供に対するお礼と今後の支援のお願い、これまでの経過報告でした。また、大田区内にある12カ所の作業所に次いで13番目の作業所を計画していることを伝えました。さらにあけぼの会がNPO化に取り組み中であることを伝えました。西野区長は「精神障害者問題は一番遅れている」と言ってくれました。とても前向きに私たちの声を聞いてくれました。

 西野区長は23区の区長会の会長になったそうで、石原都知事とも接触を持つ機会が多いので、いまの都の財政再建プランに対する東京都連(つくし会)の要求も伝えました。

 10月23日、24日に大田区主催・大田区ふれあいフェスティバルが開かれ、ここで200万人署名と都精民協の署名を実施しました。
 私は「わわわ通信」を出していますが、これに署名用紙も同封してお願いしています。何名かの返送が届いています。

 大田区ホームヘルプ事業は昨年、大田区区議会で採択されています。まだ予算化されてはいませんが、ヘルパーの養成は進んでいます。うまく行けば来年には予算化される見通しです。以上です。

7渋谷区すみれ会
 私は目が覚める思いで皆さんのお話を聞いていました。私たちはマンネリ化していると反省しています。渋谷には1カ所作業所がありますが、今年2カ所できて、区から助成金を戴いております。その1つは弁当づくりです。

 私は通所を通して当事者の社会復帰を切に願っています。すみれ工房では30数名が登録されており、毎日25,6名の人が通所しています。この出勤することが大きな仕事であると捉え、遅刻や休む時は必ず電話連絡するような習慣を作っています。

 当事者が時間管理、金銭管理を一人でやっていけるかを目標にしています、現在、4人が自活しています。グループホームを持つことは大変だから、現在住んでいる家のままで、金銭管理、時間管理、食事の準備、こうしたことが一人でできることを目標にしています。

 作業所では週に2回男女が一緒になって料理を作っています。できあがって皆さんで戴きます。ここで笑って、ゴロっと横になる、いいじゃないですか。そして音楽を楽しむ。カラオケもある。楽しくやりながら自立に向かわせています。

 以前は暴言、暴行、親は夜も眠れないといっていましたが、いまそういう話はほとんどなくなりました。こういう状況から当事者の自立が可能になっていくものと思っています。

8中央区つつじ会
 1週間ほど前、精神障害者精神保健福祉連絡協議会が開かれました。そのとき家族会から精神障害とは何かと聞かれて、連絡協議会委員たちに説明してきました。

 中央区は昭和63年に家族会を発足させて、今年が10周年です。その後作業所、グループホームが作られまして、今日に至っていますが、毎月の例会のほかは特に目立った活動は行っていません。私たちのところでは保健婦さんが協力してくれています。また、作業所、グループホームを運営しておりまして、運営委員会を組織して両施設の運営に関する事項を審議しております。委員は家族会と嘱託医、ソーシャルワーカー、保健センターの職員さん、作業所の指導員、ホームの世話人、保健婦、役所職員等です。業務連絡会は入所、入居、日常の指導について顧問医の意見を聞きながら進めています。

 通院医療費公費負担の申請が男が43名、女が48名、合計91名。精神障害者保健福祉手帳の交付数、男11名、女11名合計22名となっています。

 今後の課題はこの病気が20歳前後の発病で、そのあと長い期間の病気であることから、本人の自立を支える地域生活支援センターの早期設立です。

9目黒区ひのき会
 定例会の問題について、出席される方は常連になっていること、出席数は8人から10人、多くても12人。東京つくし会の統計では登録会員数の4割が実際出席しています。欠席される人は勤めの関係で、患者を家に一人残して出られない、高齢のため足腰が弱ってしまった、例会に参加するメリットが感じられない、面白くない、といった理由があげられます。その対応として料理会を開く、日帰り旅行を企画する、などがありますが、その前に私はアンケート調査を行うことをお薦めします。

 次に都連と単会との関係について、家族会の活動は話し合い、学習、運動の3本柱です。この中で運動は単会だけの活動では限界があります。例えば都では通院医療費全額負担となっていますが、他府県には5%患者負担のところがあり、都でも5%負担を考えています。このような問題を単会で反対運動を行ってもあまり意味はありません。都連の単位で考えなければなりません。従って都連が行う要望書、陳情書、請願書、署名運動、ヒアリング、議会傍聴に単会が都連として参加して、団体で行動を起こすことが必要だと思います。

 それから単会では役員会を持つと思いますが、その際都連の役員を招いて会議に参加してもらうことで、都連のと関係はより密接感が高まると思います。

以上で各単会の近況報告は終わりました。さくら会、かもめ会、つばさ会の活発な活動報告には、大いに刺激となりました。また、新宿のインターネットホームページ開設と機を合わせるように、かもめ会がホームページを立ち上げるようですが、時代は刻々と変化していることを感じさせます。

 次にご来賓として招かれた東京都精神障害者家族会連合会(つくし会)の服部副会長から、3点のお話がありました。

東京つくし会 服部副会長
 石原知事の財政再建推進プランについては私たち都連はじめ家族会関係者にとって大変な問題だということで、学習会をもって取り組んでいます。都連では6月に都庁の各局へ要望書を提出いたしましたが、さらに請願書を作成して、12月都議会に間に合うように9月28日に自民党から社民党まで11名の紹介議員に提出しました。そのほか10月5日と10月14日、高山会長はじめ都連の代表が各党を回って強力にお願いをしてまいりました。

 請願事項

1精神障害者の諸制度を身体障害者、知的障害者と同等の水準になるよう施策を行ってください。

2精神保健福祉法32条の通院医療費公費負担制度に対する5%補助を今後も継続してください。

3精神障害者共同作業所の現状を維持するため、現状の水準の確保を図ってください。

4都営交通無料乗車券発行事業を精神障害者にも適用してください。
 この4項目です。

 私の所属する家族会でも2番の通院医療費公費負担がなくなると、たとえ500円か千円でもぎりぎりの生活している障害者にとっては通院を怠る人も出る、そんなことになったら、せっかく良くなった病状がまた再発の可能性を増やすことになり、大きな社会問題になると訴える人もいます。

 次に去る10月14日、15日に山形で行われた全家連山形大会について述べます。
 第1日目は「地球のステージ」と題して、精神科医の桑山紀彦さんが大変ユニークなコンサートを行ってくれました。桑山さんがギターを弾き、正面の大スクリーンには桑山さんが世界の放浪の旅で接した子供たちの「楽しさ」や「貧困」「紛争」などを見て、そこから自らの生き方を考え直し、医療ボランティアとして道を歩むようになった経緯を言葉と演奏で語ってくれました。とても印象に残ったコンサートでした。

 二日目はデンマークから二人の方がいらっしゃいまして、一人はデンマーク・オーフス県議会精神保健・障害福祉委員会委員長のロランダさん、もう一人は同じく県議会精神保健の実務担当者・オールンドさんです。その中で印象に残った言葉は「デンマークは一朝一夕で恵まれた精神医療制度が出来上がったわけではない」と。

 税率が50%以上にも及んでいて、例えば100万円の収入に対し、60万円が税金に取られてしまうそうです。高い税率ですが、デンマークの場合、その税金の使い道が全て情報公開されているそうです。日本みたいに税金がどこに行っちゃったか判らないなんてことは全くないそうです。

 また、デンマークの精神病院の入院期間が平均45日だそうで、日本は5年、10年なんて話ですからね。そして1人の患者さんにつく看護職員の数は1.5人です。だから45日の入院でも退院できるのだと思います。これには関心しました。また退院後は県と市の地域の受け皿がきちんとできているんです。デンマークは高い税率ですが、情報公開が徹底していて、市民が納得できる使われ方がなされているというお話でした。

 私のメモ帳を拾い読みしてみますと、デンマークにも精神保健では歴史的な経緯がありまして、オーフスという町が精神保健では特に先端を行っていましたが、1960年から61年くらいは1000人の患者さんがいましたけど、薬の開発で病院の役割が変わってきました。新しい治療が開発されるまで病院は収容所であったそうです。社会で生活できない人が病院に収容され、精神病院内には教会墓地まであって、患者さんは最後まで見とどけるとしていました。

 これに対して1970年から80年に専任の担当者がついて病人は患者ではなく社会であると、専門家に対して疑問が出されました。精神科は一般病院の中に設けられ、国立から県立に移行され、精神病院から収容所機能を廃止しました。地域精神保健外来治療に市町村で地域サービスを、県と市が共同して生活援助を行う、となりました。

 最近の傾向としては精神保健が医療から福祉に全面的に変わってきました。オーフス市に精神の担当部署ができました。地域精神保健が県全体にいき渡り、住宅が憩いの場所になり、市町村が精神保健の責任を自覚してきました。精神障害者によい住まい、仕事、自由時間を援助するのがローカル精神保健であるとしています。

 県の政策はできるだけ入院を避け、まず治療を行い、病院だけではなく、外来だけでもなく、また治療だけでなく、福祉的サービスを在宅、地域で行う。どうしても在宅治療ができない場合は入居施設に入り、施設的生活にならないように地域で少人数で生活できる場所を提供する。その生活環境は施設ではなくアパート形式であること。公的機関の同じ担当がずっと継続して担当する。閉鎖病棟を全廃する方向で、入院治療は入院後、病棟を変えていく。鍵はかけられるが、職員が接触を多く持ち、鍵をかけなくても済むような状況におく。

 家族は長い経験を持った人たち、患者さんの情報、助言をスタッフにすることが大切であるとしています。もと朝日新聞の記者で、アルコール中毒になられた大熊さんが「デンマークと日本とは比較にならない。日本の保護者制度はあまりにも残酷。デンマークにも3つの時代があり、それをその時代の人たちが解決してきた。日本も確実に動いている。皆さんの力で必ず変えられる」と発言されました。

 私が特に印象に残ったことはデンマークは入院を避け、地域で治す。入院しても在院日数が45日。病棟には鍵をかけないで、患者1人に1.5人の看護者がつく。手厚い対応をしていること。日本はできるだけ少ない職員で、患者を薬漬けにしてスタッフの手間がかからないようにしている。国の精神医療に対する根本的な違いが感じられました。

 日本の精神医療関係者は自らの専門分野であることの責任を持ってもらいたい。国、市町村は精神保健福祉制度を充実させるよう、せめて他の障害者と同等の制度が受けられるようにしてもらいこと。税金の使い道の情報公開も徹底してほしい。全家連山形大会が終わって、私はこのようなことを感じて帰ってまいりました。以上です。

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 中部地域家族会連絡会は以上のような内容で終わりました。9つの家族会の集まりは、その規模的に、内容的に身近であり、出席する度に刺激されます。そしてさらに上を行くデンマークの精神医療制度は、刺激を通り越して垂涎の的に終わりそうな感があります。中地家連の次回開催は平成12年4月の予定です。


編集後記

 今回の中部地域家族会連絡会の本文記事は窮余の一策であった。10月勉強会・岩下先生の講演テープが後半録音されていなかった。まず、この紙面で岩下先生にお詫び申し上げます。
 そこで急遽この記事に差し替えた経緯がある。怪我の巧妙か、他の家族会の様子が窺えた点は評価できると思う。
 その中で期せずしてインターネット・ホームページが品川かもめ会と当新宿家族会がほぼ同時立ち上げとなった。インターネットは、その扱いによって、犯罪の巣ともなり、また、迷える人に一縷の光ともなり得る。
 最近、ある個人のホームページが某大手電機メーカーのクレーム対応のまずさを追求し、大手企業が一個人に謝罪した。まさにメディアの威力を見せつけた出来事である。
 我々の家族会活動もメディアの力を大いに利用すべきだと思う。メディアを通して世界は一つであることを認識できる。人種差別も、地域格差もない。ましてや障害者と健常者に何の格差があるか。メディアはそんな人の命の重さまでも教えてくれる。                      嵜


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新宿家族会 E-mail: frenz@big.or.jp