新宿区後援・1月新宿フレンズ講演会

   企業からみる障がい者就労 

            -仕事を得る・続けるポイント-   

    講師 日立製作所 人財統括部 勤労部 藤原 敏さん
       他 当事者の皆さん 五味渕 律子さん(人財統括本部 勤労部)

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 障がい者雇用の担当者といいますと、一般の方々は障がい者の採用担当者と思いがちですが、私は日立製作所の本社で各事業所及び国内グループ会社約350社がきちんと法定雇用率を遵守できているか管理をする仕事をしています。最近はCSR(企業の社会的責任)の意識が高まってきていることに加え、社会的にも影響力の大きい会社なので、ただ単に雇用率を遵守するだけではなく、世の中のお手本になるように精神障がい者や発達障がい者の雇用をも積極的に実施していくよう各事業所及び関連グループ会社の人事採用担当者にお願いしているところです。

 ここで私の自己紹介ですが、私は19歳で腎臓病を患い、21歳で人工透析を開始しました。障がい者手帳の等級は1級です。今でこそこのように人前で堂々と自分の障がいについてお話ができますが、若い頃は障がいをなかなか受入れることができませんでした。透析終了後は体がとても辛いし、朝起きるのも大変。仕事をしていなかったので日中は家でゴロゴロしていて、よく母親と口喧嘩をしていました。

 さて、1960年に「身体障害者雇用促進法」ができ、76年には義務化となり、翌年には法定雇用率に満たない企業は納付金を国に収めることになりましたが、私が大学を卒業した当時は現在とは違い、企業の障がい者雇用の意識は相当に低いものでした。

【精神障がい者の就労について】

 精神障がい者の雇用義務化についてですが、「障害者雇用促進制度における障害者の範囲等の在り方に関する研究会報告書概要」(平成24年8月3日)によりますと、「義務化に向けた条件整備は確実に進展してきたと考えられることから、精神障害者を雇用義務の対象とすることが適当である」と明記されています。これを受けて厚生労働省の労働政策審議会の障害者雇用分科会で現在議論されているところです。実施時期がいつになるのかは分かりませんが、私は、いずれは雇用義務化になると思っています。対象は精神障害者保健福祉手帳を持っている方になると思います。

 厚生労働省の「精神障害者雇用促進モデル事業」に参画することができた訳ですが、モデル事業では6人を雇用し、社内の理解促進のための広報活動をしながら、一方では雇用した当事者向けにWRAPやSSTなどの定着支援も実施しました。

 また、私どもでは精神障がい者への理解を促すためのホームページを掲載していて、サイト上では精神疾患の説明や当事者・職場・家族の悩みに答えるコーナーや当事者の体験談なども掲載しています。べてるの家や新宿フレンズのバナーも貼らせて頂いています。

 精神障がい者の雇用は人事部だけが理解していてもなかなか進まないものです。精神障がい者が働くことになった場合、配属される部署は営業・広報・経理・研究開発部門等さまざまですから、その職場の上長なり同僚に理解がないと定着できません。ですから人事以外の社員にも周知して勉強の機会を設けるためにHP上でサポーターを募ったところ、数百人の登録者がおりましたので、その登録されたサポーター向けの研修会も開催しています。

【障がい者雇用の現状と支援】

 世の中の状況が変わってきています。障がい種別の求職登録者数を見てみますと、身体はあまり増えておらず、知的は微増で、精神障がい者が増加しています。実際に就職している精神障がい者の数も表のとおり増えてきています。精神障がい者の雇用支援策はたくさんありますが、そのほとんどが雇用する企業に助成金を支払う仕組みが多いのが特徴です。

 皆さんが活用できそうなのは、ハローワークに配置されている「精神障害者トータルサポーター」という制度です。精神障がい者の中にはハローワーク主催の合同就職面接会などで「働けます」「大丈夫です」だけを主張して、自分は何が苦手なのかも話さずに就職してしまう人が多いようですが、そういう方のほとんどが就職後困難に遭遇したときに支援が得られずに辞めてしまうケースが最も多いそうです。

 そのためハローワークでは個別に対応できる専門相談員を窓口に配置しており、当事者が就職紹介の登録をしに来られた際に、このトータルサポーターがまず話を聞いて、仮に就職にはまだ準備が必要だと判断した場合は就労支援機関や障害者職業センター等に訓練を依頼することもあるそうです。また逆に支援機関から利用者の就職相談を受けることもあるそうです。

 ここにあげた支援の中で他に障害者就業・生活支援センターや障害者職業センターのジョブコーチ支援も利用できます。ハローワークを通じて就職された人がどの程度定着しているかの調査では、在職期間が半年以上は49.1%、1年以上は41.5%となっており、半分以上の方が1年以内に辞めてしまっています。ここが、企業がなかなか精神障がい者の雇用に踏み出せない理由のひとつになっています。しかしながらこの調査では支援機関につながっていると71.2%、さらにジョブコーチ支援があると80.3%が定着できているという結果も出ています。これは精神障がい者の就労において「支援があれば働ける」という根拠でもあると思います。

【就職活動を始める前に】

・なぜ就職しようと思うのか
 
私の場合は、年600万円の医療費がかかっていて、それを少しでもお返ししたいと思っています。社会保険料や所得税で返すのは金額的には不可能でも会社の利益が上がれば目には見えない形で社会に返せるわけです。障がい年金・福祉手当については所得制限をオーバーしているので支給停止になりましたが、決して損をしたと思っていません。むしろ自分に誇りを持てるようになりました。

・どんな仕事がしたいのか
 
まず自分が興味のあることを考えるといいでしょう。いろいろな仕事、例えば営業・経理・広報・企画・マーケティング、それらのサポート業務もあります。研究開発系ではSEやプログラマー、設計の仕事もあります。ライン作業や清掃・倉庫管理や配達もなくてはならない仕事です。自分がどういう仕事がしたいか、何に向いているのか考えてみてください。就職活動をするにあたって自分が何をしたいのか明確にしておけば、面接で応募の理由を聞かれたときに、たとえ今できなくても「こういうことをやってみたい」と希望を伝えれば、面接担当者には「この人は意欲満々の人だな」と良い印象を持ってもらえます。

・どんな会社で働きたいか
 福祉系の会社、特例子会社、大手企業、中小企業、自営業、地域の商店などいろいろな仕事場があり、それぞれに特徴があります。企業は障がい者の雇用を進めるために特例子会社を所有しています。もし自分と同じような障がいのある人と一緒に働きたいのならば、特例子会社や福祉系の会社を選べば安心して働けると思います。

どんな働き方を希望するのか
 障がい者は将来のことや給料・退職金などを考えて正社員を希望される方が多いですが、正社員は求人数が少なく、就職のハードルも高く、何より入ってからが大変です。正社員になっても昨今はリストラも多く、逆に契約社員やパート勤務の方がストレスを最小限に、無理なく長く働ける場合もあります。正社員で働くことだけが良い、安定して長く働けるということではありませんので、これから就職しようとする人はよく考えて活動してください。

【企業はどういう人を採用するか】

・働く意欲があって、どんな仕事でもチャレンジ精神のある人
 会社にいると自分が担当している仕事以外にも「これやってもらえないか」と上司や先輩からお願いされることがよくあります。そのような時に嫌がらずに受ける人は印象が良いですね。何でもかんでも引き受け過ぎてできなくなるのも困りますが、何でもやってみようという意欲は必要です。やってみてもしダメだったら「ダメでした」と早めに報告してくれれば良いのですから。

・職場が求める能力がある、その向上が見込めること
 パソコンは高度なレベルまで求めてはいませんが必須です。ワードでビジネス文書を作成する。エクセルで人の名前や所属を入力する。漢字を間違えないで入力できるというレベルであれば後は仕事の中で覚える意欲があれば大丈夫です。経理やWEBデザインのようなある程度の専門性のある仕事をしたいのであればそれなりの資格と技能は必要になります。

・自分の障がい特性を理解し、自己コントロールができる
 「何でもやれます。大丈夫です」ではなかなか長続きしません。後になって辛いことが起きた時、体調を崩してしまいます。調子が悪くなってきた時にその予兆に気がつく。「ストレスが高まっているな。ちょっと休憩を入れよう」と自分の状態を理解してきちんと自分から休憩が取れる人は安定して働けると思います。頑張り過ぎて結局、復職できなくなった人も結構いますので、体調が悪い時の異変を自分で認識できる能力を身につけて欲しいと思います。

・協調性や思いやりがあって素直、困った時に自らサポートを求めることができる
 人間関係が苦手な精神障がい者にこれを求めるのは非常に酷なのかとも思いますが、職場では協調性は大切です。作業所やデイケアなどで人間関係構築の仕方を学んで欲しいと思います。

【職場に向けて必要な準備と心構え】

・規則正しい生活習慣

 夜遅くまで起きていたり、土・日も遊んでばかりで体を休めない、食事も不規則な人はだいだい仕事でも調子を崩していきます。仮に私が面接を担当するとしたら、生活リズムは要チェックで、できていなければ、たとえどんなに仕事ができそうな人でも採用はしません。精神障がい者が安定して仕事を続けていくためには日常の生活リズムの安定は必須条件です。

・障がいの自己理解があり、自分の障がいを受容している
 自分の得意なこと、できること、苦手なことを分かっていること。デイケアや作業所の職員などから客観的な意見を聞いてみると良いでしょう。

・コミュニケーションが取れる
 デイケアなどで「おはようございます」「お先に失礼します」など基本的な挨拶ができているでしょうか。依頼された仕事が完了したら上司や先輩にきちんと報告をする。何か困ったことが起きたらすぐに相談する。こうした基本的なことができれば問題ありません。夜の飲み会に誘われてもきちんと断れれば行かなくても構いません。職場の人たちが気持ちよく仕事ができるようなコミュニケーション能力は就職する前からデイケアや訓練施設等で身につけておいてください。

・相談相手や場の確保
 
困ったときには一人で悩まず、信頼して相談できる人をつくっておきましょう。会社では職場の上司に相談できれば良いのですが、親でも支援機関またはこれまでお世話になったデイケアや作業所のスタッフでも良いです。精神障がい者は真面目な方が多いので自分ひとりで悩んで苦労して最後はギブアップとなって、周囲が気付いたときには既に手遅れということもありますので早めに相談して欲しいと思います。

・笑顔と明るい雰囲気
 いつも暗い顔では周囲も心配します。笑顔や明るい声など就労までに鏡の前で表情をつくる訓練をしてみてください。

【面接時のポイント】

 障がい者雇用の面接で必ず聞かれるのは「あなたを雇用する場合、会社はどのような配慮が必要でしょうか」です。これはどの会社でも質問してきます。もし質問してこなかったらその会社は理解のない会社だと思って結構です。「配慮して欲しいことを正直に言うと落ちるんじゃないか」と思って隠すのはよくありません。隠して入社したところで、自分の特性を理解して受け止めて支援してくれる職場でなければまず長続きはしません。

【働き続けるためのコツ】

・食事・睡眠の生活リズムと服薬管理

「お薬はどこで飲むのか?」と悩む人もいますが、理解のある会社でしたら周りの目を気にせず自席で飲んでいただいて構いません。休憩の取り方や、理解しやすい指示の出し方、薬の副作用、変調のサインなども伝えておくと良いでしょう。

・ストレス・マネジメント

自分自身のストレス対処方法を理解し実行することです。例えば「嫌なことがあった時に気持ちを切替えるには」「疲れている時にリラックスするには」自分はどうしているか。音楽を聴く、散歩、入浴など。会社にいる時なら、ストレッチ、水を飲む、外の空気を吸うとか、あるいは誰かに相談をすると気持ちが落ち着くとか。仕事、プライベートのあらゆる場面に応じて、1人で悩まずに相談できる人との関係を持続して下さい。家族・友人・支援者…誰でもいいのです。

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日立に障がい者雇用で就労をして

青山和正さん(人財統括本部 勤労部)

 私は、厚生労働省の精神障がい者雇用促進モデル事業受託をきっかけに日立へ入社して3年2か月になります。年齢は41歳で両親と犬と住んでいます。趣味は読書と美術館めぐりで、金曜日の仕事が終わると美術館に立ち寄ることが多いです。支援機関はJHCワーキングトライ(板橋区)に所属しています。

 大学を卒業して父親の経営している問屋会社に入り、会社全体の経営状況を見たり、部下を育てたり、中国や韓国に行き現地での仕事も頑張りました。多忙を極める状況で躁状態になり夜も眠らず仕事をして、よくしゃべるようになっていき、そんな変化に気づいた家族が保健所に相談に行き精神科受診を勧められました。はじめは凄く抵抗しましたが結局、諦めて4か月の入院。

 入院中は外の空気を吸いたくなり、良くなった振りをして退院したのですが、その後どんどん薬が効いてきました。1年間は会話もできず、家族と週1回通院の主治医と床屋さんと話すくらいでした。同居の母親は仕事で忙しかったので、適度な距離が取れて丁度よかったと思います。

 無気力で寝てばかりではダメだからと主治医にデイケアを進められて通うことになりましたが、スタッフに「近ごろどう?」と声を掛けられると、それに返答するのが精一杯な状態でした。それでもデイケアに通う回数を週2回に増やし、ビデオを見て感想を言い合ったり、陶芸をしたり、当時の私は周囲のみんなについていくのに必死で楽しみは感じられませんでした。

 その後、主治医に週3日のデイケアに通うか作業所に通うことを勧められ、より仕事に近い作業所に行こうと思いました。デイケアのスタッフに作業所や就労訓練ができる所を都内6件ぐらい同行してもらい、就労移行支援事業所「プロデュース道」のレストランで2年間の訓練をすることになりました。「プロデュース道」では、具合が悪い時も先輩や仲間、スタッフに声をかけてもらい仕事を教えてもらうことができたので、徐々に社会性を取り戻していきました。週5日9時から3、4時まで通えるようになり、次に過渡的雇用で外資系法律事務所のメッセンジャーボーイのアルバイトを1年。ここで再び実社会の仕事をつかめた感じがしました。

 そして、支援センターのスタッフに日立のモデル事業の取り組みを紹介され、2か月の実習を経て1年間の雇用になり現在に至ります。仕事は勤労部で労災関連の業務を行っています。1日のスケジュールは、6時20分に起床、ウォームアップ(シャワー、朝食、インターネット)。8時50分に出社し、まずメールチェック・返信をして、労働災害システムのチェック、相談案件の処理、営業担当者の応対やグループで打合せ。間でまたメールチェック・返信をして、労働災害申請書類の作成や労働基準監督署との応対や書類提出や電話応対などです。17時20分退社ですが、仕事が立て込んでいる時には積極的に残業も引受け、余力がある時は近所へ飲みに行きます。

 本当にゼロ以下の状態から、デイケアや支援機関スタッフをはじめ、病気の仲間や先輩に支えてもらいました。日立では仕事を基礎からしっかり教育してくれた上司もいました。

 家では一貫して母親と一緒に生活ができ、病気以前と変わらず普通の感じで接してくれたのがよかったですね。これからは、苦労をかけた親の老後も考えながら、周りの方々に支えてもらったことを忘れずに働き続けたいと願っています。

「仕事をしたい」と言い続けて   

Aさん(人事教育部)

 大学卒業後はデザイン事務所で雑誌のデザイナーとして好きな職業に就き、周囲からは評価され結果も残せたので順風満帆でしたが、ステップアップをめざして自己退職をしました。その頃の私はプライドが高く、身の程知らずに辞めた後も仕事を選り好みし、何社かデザイン事務所に入社したものの、どの会社も勤務時間が長くて労働条件は過酷でした。派遣会社にいた1か月は徹夜続き。今思えば、その時に物の見え方が違うような錯覚に陥るような妄想の症状が出ていたような気がします。しかし一時的に休息すれば大丈夫だったので、病院へも行かずに働いていました。

 美術の道で食べていくのは難しいと悟り、アルバイトに転じたのですが思ったようにお金を稼ぐことが出来ず、掛け持ちで2つの職場を行ったり来たり。2,3年経っても働き方に無理がある状態で、仕事を辞めて自宅に居ることが増えていきました。

 その頃、自分が普段と違うなぁと感じて、初めて母に心療内科に連れていってもらいました。通院しながらクローズでアルバイトをしていても、「結婚も就職もしないで」と心苦しい思いが強くなり、自分を追い詰め「働かざる者食うべからず」という考えが頻繁に頭に浮かび、ものが食べられなくなってしまい、どんどん痩せていき入院になりました。

 病院では状態の悪い人が集まると、お互い「この人よりはマシ」と相手の姿を見ている。乳飲み子と離れて運ばれてくる人、ダイエットし過ぎた人、貧困に追い詰められた人など、本当につらい状態の人がたくさんいました。私は、逆境になるとポジティブになれる性格だったのか「ここまで落ちたのなら這い上がるしかない、早く治そう」という心境になりました。

 病棟では3度の食事と寝る時間が決まっている。それまでは朝食も摂らずに出勤したり、疲れても夜中に遊んだりしていたのです。規則正しい生活がこんなにも体にいいことなんだと本当の心地よさを体験し、生活管理に開眼して今でも体内リズムを崩さないようにしています。

 退院後、デイケアに行きたくないという方もいるようですが、私は通勤の練習になると思ったので、週2日からスタートして4日通えるまで徐々に日数を増やしていきました。入所中に短期アルバイトを見つけたので、リハビリにもなると考え、会期中の3ヵ月働いてデイケアに戻り、次の会期でまた募集があると応募して働きました。

 デイケアのスタッフに「仕事がしたい」と言い続けていると、富士ソフト企画の障害者委託訓練「トライ」を紹介され、パソコンのスキルを習得するため受講しました。そこに日立の藤原さんが見学に来て声をかけられ、日立で実習をすることになりました。実習終了後はトライアル雇用3ヵ月、1年間の雇用契約、契約満了が近づくと更新を繰り返し現在に至っています。

 入院中の大変な状態から今に至るまで、デイケア・スタッフや主治医や母親、職場の人が、折にふれて客観的な視点で一緒に就労に向き合い、アドバイスや仕事の話を整理してくれました。今は少し遠くから見守られるようになり、何かあると手を差し伸べてもらえるようになりました。長い期間、支えてくれた方々のおかげで現在があります。このご支援を無駄にしないように、生活リズムと体内リズムを整えるなど自分のできる範囲のことは努力して、職場では分からないことは教えて頂き、できることはコツコツやるスタンスが仕事を続けるポイントかと思います。

 就労前には基礎体力をつけるために、早朝散歩して高齢の方ばかりが集まるラジオ体操に参加するなど精一杯努力をしてきました。自分の経緯を振り返ってみると、自分に合った環境で仕事をしたいと思考錯誤する中で、仕事をしたい気持ちをいつも持ち続けていたのがよかったと思います。今は庶務に回されてくる雑用にも余計なプライドもなく進んで取り組んでいます。今も病気は病気として上手くつき合うようにしていますが、就労することによって本来持っている力や健康な部分が増えてきたことを実感しています。今日ここでお話させて頂いたのを機に過去の大変だった時が思い起こされますが、アルバイト時代の苦労や入院なども無駄な経験は一つもないと思っています。これからは、どんな部署でも働くことができるように、早く独り立ちができるように一歩ずつ努力しながら、今は支えられて仕事を続けていきたいと願っています。

五味渕 律子さん(人財統括本部 勤労部)

 私は勤労部で障がい者雇用を担当しておりますが、社内で働く精神障がい者の相談業務や職場と支援機関の調整などを行うPSWでもあります。 日立に入社して3年半になりますが、就職された方の中には既に退職された方も3名います。発表した当事者のお二人に共通しているのは、ラッキーな巡り合わせ(タイミング)もあったと思いますが、発病してからこれまで、どんな些細なことも訓練も馬鹿にせず、一歩ずつ一生懸命に取り組んできた結果だと思います。また、ご家族も一緒になって病気と向き合い、変に期待感やプレッシャーを与えるのではなく、今ある本人の力を認め続けてきたことが働く力を支えているのだと実感しています。

                                〜了〜

平成17年4月からの新宿フレンズホームページ「勉強会」の表示形式について

 新宿フレンズでは4月から「勉強会」ホームページの表示について、概略掲載とすることになりました。そして、「フレンズ」(新宿フレンズ会報紙)ではいままで同様、あるいはより内容を充実させて発行することにしました。これまで同様に勉強会抄録をお読みくださる方は、賛助会員になっていただけますと「フレンズ」紙面版が送られますので、そちらでお読みできます。
どうぞ、この機会に是非賛助会員になっていただけますよう、お願い申し上げます。

賛助会員になる方法        



新宿フレンズへのお誘い 

 新宿フレンズでは毎月第2土曜日、12時半から新宿区立障害者福祉センターに集まって、お互いの情報交換や、外部からの情報交換を行い、2時からは勉強会で講師の先生をお招きして家族が精神障害の医学的知識や社会福祉制度を学び、患者さんの将来に向けて学習しています。
入会方法 


編集後記

 この木なんの木気になる木 名前も知らない木ですから 名前も知らない木になるでしょう、で始まる歌はもうお馴染、日立グループのCMソング。そんなのんきな話は一度も出なかった新宿フレンズ1月の講演会であった。

 冒頭、藤原さんご自身が1級の身体障害者であると聞かされてびっくり。ほぼ毎月出席してくれる夜の家族会では障害者であることを微塵も感じさせなかった。

 それゆえか「精神保健福祉手帳は、自分が頑張って生きてきた勲章だと思って就職活動をしてほしいです。」は、説得力があった。多くの当事者がせっかく精神保健福祉手帳をもらっても、それを十分に活用していないように思える。職場でのいじめの話もよく聞く。そんな時、「これが見えぬか」的に手帳を翳す誇りを持って欲しいものである。

 青木さんの「苦労をかけた親の老後も考えながら、周りの方々に支えてもらったことを忘れずに働き続けたいと願っています。」やAさんの「過去の大変だった時が思い起こされますが、アルバイト時代の苦労や入院なども無駄な経験は一つもないと思っています。」は、明らかに障害者であることに自信と誇りが感じられた。自らの立場を認識しながらも自信過剰に至っていない部分とを持ち合わせ、人生を見据えた態度であると思える。

 藤原さんのいう=「薬さえ飲んでいれば何でもできます、大丈夫、健常者と同じです」と言うのは絶対にやめて頂きたいですね=の発想がそこに生きているようだ。

 32万人が働く日立。見たこともない木ですから見たこともない花が咲くでしょうの歌詞の通り、見たこともない職場となるでしょう。       

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新宿家族会 E-mail: frenz@big.or.jp