新宿家族会7月勉強会より

   精神保健福祉法改正の改良点とポイント
    東京アドボカシー法律事務所   池原毅和先生


 今年5月28日に、精神保健福祉法が国会を通過しまして、法律として新しくなりました。この精神保健福祉法は遡りますと、1900年(明治33年)に「精神病者監護法」という法律が日本で作られました。これが日本で最初に精神病者に対する法律でした。これは法律に基づいて監護義務者という人が警察署長の許可を得まして自分の家に座敷牢を作って患者さんを閉じ込めておくというものでした。

 次ぎにちょうど50年後の1950年(昭和25年)に「精神衛生法」ができました。そこで精神病者監護法は廃止となって、それとの違いは、患者さんは病気であるから治療を施す必要があるという考え方が加わりました。ただ精神病者監護法の閉じ込めは変わらず、閉じ込めながら治療しなさい、というものでした。また、現在もその名残りである「措置入院」はこの精神衛生法で生まれたものです。そして「医療保護入院」もここでは「同意入院」といって、保護義務者が同意することによって、精神病者を入院させることができました。この二つの強制入院制度が生まれました。

 その後1988年、昭和63年に「精神保健法」ができました。これは例の宇都宮病院事件がきっかけとなって世界中から日本の精神医療の立ち遅れが批判され、政府も無視できなくなって精神病者の人権に配慮した法律を定めなくてはならないと判断し制定された法律です。

 ここで目立つことは福祉面を考慮にいれた内容になっていることです。例えば生活訓練施設であるとか、授産施設であるとか、こうしたものを精神保健法の中に取り入れてきたことです。しかし、当時の厚生大臣は「精神障害は病気であるから、病気が治れば一般社会人と変わらないので、福祉面の制度は必要なく、要は病気を治せばいい」という答弁をしていました。精神病者は障害者ではないということです。

 これには多くの批判がありました。つまり、精神病者は病気の面と障害の面と両方の面をもっていることです。ですから精神病者は薬を飲み、治療を続けながら生活のしづらさも合わせもっているということです。これは障害であり、そのための支援施策が必要であるわけです。

 ここで最初の精神病者監護法から精神衛生法、精神保健法の流れを見てみると、精神病者監護法の段階では治療しようという考え方もなく、ただ閉じ込めて厄介なことを起こさないようにすればいい、というものでした。次ぎの精神衛生法になって精神病者は病人として扱われるようになり、治すにはどうすればいいか、と考えるようになりました。そして精神保健法に至って病気を治すことも大事だが、現在持っている障害の部分をどうすればいいか、ということが加えられるようになったわけです。


 今回改正されたなった精神保健福祉法は精神保健法施行以来、3回の修正が加えられことになります。この精神保健福祉法は5年ごとに見直しが行われることが約束されていて、1回目の改正は1992年か3年に行われています。このあと1995年・平成7年に2回目の改正が行われていますが、このときに手帳制度が導入されました。

 この流れの中で大事なことは、1回目の改正のとき福祉、あるいはリハビリの考え方が大きく変わりました。それまでのリハビリは障害を持った人が努力して、一般社会の中に入って来なさい、社会はそのままで障害者が変化しなさい、というものです。

 新しいリハビリの考え方は障害者は社会復帰のための努力をもちろん行いますが、社会の方も変わって障害者が生活しやすいようなシステムを作っていくことも大事ではないか、ということです。障害は克服ではなくて、障害を持ったままでも生活できるシステムを作るという考え方です。その延長線上にはノーマライゼーションということになります。

 ノーマライゼーションというのは、特に日本などは働き盛りの男性(ミスター・アベレージ)を中心に据えて社会のシステムや構造ができています。しかし、世界中どこへ行っても精神障害者、身体障害者、幼児、お年寄り、あるいは女性のいない国なんてどこにもないわけです。特に駅の階段などではそれを感じます。あるいは1日8時間の勤務時間もどのような人を対象に考えられたのか、やはり働き盛りの男性でしょう。ですからノーマライゼーションはどんな障害を持った人でも、幼児やお年寄りでも利用できる施設やシステムが整った社会、そうした社会作りをいうわけです。それができていない社会はアブノーマルな社会、アブノーマルシステムだということです。したがって変わるべきは社会が変わるのであって、障害者や幼児やお年寄りが変わることではないという考え方です。

 話を精神保健福祉法に戻しますと、最初の改正の時に精神障害者が病気を治して社会復帰を図るのではなく、精神障害を持っていても働けるような職場の作り方とか、一人住まいできるようなアパートのつくりとかができないか、という考え方が出てきました。ここで具体的に出てきたのが地域生活支援事業としてのグループホームがそうです。

 これまでは入院中の患者さんが、ご両親が亡くなられた場合、障害が軽くなって退院できる状態にあっても、退院する家がないとなると入院生活を続けなくてはなりません。しかし、社会が障害の方でも生活していけるサポート体制が整ったグループホームを作ることによって、退院が可能になったとすれば、それは社会が変化し、障害者に近づいたことになり、障害者の生活範囲が広がったことになります。このように、精神保健法は徐々に変化を遂げて来ました。あとはこのグループホームや障害者でも働ける職場の数をどれだけ増やせるかという問題です。
 
 今回の法改正では私たちの眼目になっている「保護者制度」がありますが、これのルーツは「精神病者監護法」まで遡ります。これは最初「監護義務者」であり、精神衛生法では「保護義務者」となり、平成7年の法改正で「保護者」になりました。

 まず、保護者はどんな場合に必要かといいますと、いままでは精神障害者には入院、通院とも必ず保護者が必要でした。しかし、実際にはどうしても入院が必要だという患者さんが、入院を拒否するような場合医療保護入院として、保護者の同意が必要になります。保護者には父親、母親が一般的で、家庭裁判所に行って選任を受けていただくことになります。

 では、保護者はどんな立場の人が選任されるかと言いますと、父親、母親、兄弟が80%から85%を占めています。法律では後見人、親権者、配偶者、扶養義務者の内から誰かが行ってください、となっています。普通、扶養義務者が選任される場合が多いようです。親権者は患者さんが未成年の場合は両親が親権者ですが、二十歳を過ぎますと親権者ではなくなるので、親権者が保護者として選任されることはありません。

 保護者の仕事には3つありました。一つは治療を受けさせる義務、二番目は自傷他害を防ぐ義務、三番目は財産上の利益を守る義務、ということがあります。それで今回の法改正では二番目の自傷他害を防ぐという義務がはずされました。全家連はこれまで、この保護者の義務をできるだけ少なくし、あるいは全く廃止してほしいと訴えてきました。

 どうして保護者制度を廃止させるべきかといいますと、大きく分けて2つの理由があります。一つは精神障害者の本人の立場から見たときに、治療を受けさせる義務を考えてみると、自ら治療を受けている患者さんは95%で、最後まで拒否している人は5%に過ぎません。そのような実態の中で、保護者に治療を受けさせる義務を負わせるのは実情に反しています。また自傷他害を防ぐ義務も、実態では自傷他害の件数は少なく見れば0.2%。多めに見ても2%くらいです。そうすると98%の確率で自傷他害などないのにすべての患者さんに保護者がついて、それらの義務を負うのはおかしいという考えです。つまりおよそ5%ほどの患者さんを除き、あとの95%の患者さんは治療を拒否することもなく、自傷他害の心配もないのです。

 今回の法改正では、患者さんが入院を拒否し強制的にも入院させなければならない場合(措置入院、医療保護入院)のみ保護者の同意を得るため、保護者が必要だということになりました。したがって、すべての精神障害者に保護者が必要だという制度はなくなりました。

 二つ目の問題は5%の治療拒否や自傷他害の恐れのある患者さんを抱える保護者の問題です。保護者といっても患者さんを治療に結びつける術とか、自傷他害を防ぐ術をもともと持っているわけではありません。全家連の調査では保護者のうち40%以上の方が65歳を超えています。70歳を超えている人は30%です。保護者の収入は年金生活で年収300万未満の方が30%いました。そしてその多くの方が自分自身の体調を崩し、糖尿病、高血圧、精神的な落ち込みなどの病気を持っている方が4割から5割います。

 そこで、治療を受けない、自傷他害の恐れのある患者さんを70歳のお母さんが支えていけるのか、という問題があります。これは「共倒れの構造」ともいえます。こうしたことを考えると保護者制度がいかに現実にそぐわないものかがおかりになると思います。この問題は今回の法改正では解決されないまま残ってしまいました。

 しかし、僅かな救済措置として、先ほどの保護者になる人選(後見人、親権者、配偶者、扶養義務者)で、これに「保佐人」という人が加わりました。最近「成年後見人」という言葉が散見されますが、これには3種類ありまして、後見人、保佐人、補助人があります。

 後見人と保佐人は保護者になれますが、補助人はなれません。成年後見人はどのような場合に依頼することができるかというと、患者さん本人の判断力が極端に衰えてしまって、自分が病気であることも理解できないような状態になった場合です。それを法律用語では「事理弁識能力」と呼びます。「事」は物事、「理」は道理、ものごとの道理を弁識、つまり理解したり判断したりする能力(7歳前後以下の判断力)で、これがない場合、あるいは低い場合、後見人、保佐人が選べます。この場合は家庭裁判所へ行って後見人、保佐人をつけてくださいと申し立てをします。

 日本ではこの後見人になる人は自分で探します。そして、その人物の判定を国が行うというものです。外国では自治体(公務員)が後見人を引き受ける国が多くあります。日本の後見人問題は、この後見人を引き受けてくれる人物が見つからないという問題があります。しかし、身内以外からでも後見人をつける道はできたといえます。
 そこで、最近、法人後見人、またはPSWが後見人になることができるようになりました。あるいは家族会が法人格を取得して、後見人になることもできるようになったのです。例えば作業所を運営してその専従スタッフが後見人になるという道も開かれました。

 今回の法改正で大きな改正点は「移送」問題があります。いままでの医療保護入院での問題は、とにかく患者さんを病院まで連れてくれば、医療保護入院ができます、といっていましたが、問題は病院に連れて行くことができなったわけです。一時警備会社がそれを行ったことがあって、資格のない人がそうしたことをやっていいのか、という問題がありました。

 移送の規定は医療保護入院の必要がある患者さんの場合、指定医という資格をもった精神科の医師が入院の必要があるという診断をし、保護者の同意があれば病院まで連れていってもらえるというものです。行うのは都道府県知事で、具体的に動くのは保健所が連れていってくれるものと思います。ただ、保健所の組織が整備されておらず、車両の問題、人的要員の問題、予算面など今後に課題が残っています。しかし、一応保健所関連機関がそのために動くという規定はできました。これで治療に結びつかない患者さんを病院まで連れていける道は作られました。このほか法改正そのものではありませんが地域生活を支えるシステムづくりとして、
1. 成年後見制度
2. 地域福祉権利擁護事業
3. 財産保全サービス
 
の3本柱があります。これは親なき後の生活をどのように支えていくのか、あるいは本人の自立を地域がどのように支えるのかという制度です。

 まず、成年後見制度については「後見(類型)」「保佐(類型)」「補助(類型)」という3つのものがあり、後見というのは「禁治産」と同じことです。保佐は「準禁治産」です。いままでこの禁治産、準禁治産は戸籍に記載されましたが、後見、保佐とすることで戸籍に乗せない、つまり戸籍を汚さなくなりました。そしてこんど新しく補助類型という呼び名の制度ができました。

 では成年後見人とはどんなことをしてくれるのか。例えば保佐人は9種類の仕事をします。
1. 精神障害者が不動産売買にあたっての成年後見人(保佐人)の許可が必要
2. 大型財産(自動車、貴金属等)の売買の許可
3. 高額借金を行う場合の許可
4. 家の新築、大改築する場合の許可
5. 兄弟等遺産分割する場合の立会い
6. 裁判の立会い
7. 〜9.等々こまごました本人の身の回りの問題への許可や権利擁護など

 保佐類型では、保佐人の立会いなしに患者さん本人だけで取引や借金等を行った場合、保佐人はそれらの取引、借金、買い物等をすべて無効とすることができます。

 また、補助類型では、この9週類の仕事のうち、補助人が1種類あるいは2種類だけを担うことができます。そして後見人は9種類に限らずすべてを任せることになり、何をするにしても後見人の許可が必要となります。

 但し、成年後見人にも限界があります。それは日常生活の問題までは関与できないことです。人は障害者に限らず不動産売買や高額借金などはそう毎日行われるものではなく、一生に一度か二度程度のことで、人によっては一度もないこともあります。後見人の仕事は患者さんの毎日の生活にはあまり関係しないことになります。そこで日常生活を支えるために地域福祉権利擁護事業という制度が生まれました。これは患者さんをグループホームや作業所に入れたいと家族が考えたとき、社会福祉協議会等(未確定)の生活支援員という職員が相談にのったり、下見に同行したりの援助事業を行うものです。特にこれから介護保健など、契約に基づいてサービスが受けられる制度が増えていきますので、この契約の際の相談やアドバイスの支援を生活支援員が行います。

 最後の財産保全サービスですが、これには大きな柱が2つあります。
1. 保管
2. 家計の組み立て
があります。これは自治体によって内容が異なりますが、保管は重要書類や高額商品などを患者さんに代わって貸し金庫を利用して保管してあげるものです。その目的は患者さんが大事なものをなくさないためです。患者さんが一人住まいになったとき、入院したりすると長期に家をあけることなり、物騒な状況をなくすためです。あるいは、人によっては家の中の片付け作業とか整理作業が苦手の人もいます。このような場合、患者さんに代わって保管、管理を行います。

 もう一つの目的は、患者さんが無駄遣いをしたり、あるいは他人から騙し取られたりすることから身を守ることです。7,8年前にこんな事件がありました。母親と二人暮らしだった患者さんが、母親が亡くなったあと、母親名義の財産を遺産相続しました。その後、知り合ったある男から、会社重役にするから、君のもっている財産を担保に金を借りたいという話があって、本人はその通りにしてしまいました。するとその男は金を持ってどこかに消えてしまったという事件がありました。こうした場合、この保管業務は重要書類とか実印とかを預かって、本人から返してほしいと言って来たとき、その理由を聞いて、疑問があったり危険な話があったりしたとき、事故を未然に防ぐことができます。

 私たちの行っている保管業務では、このような場合3ヶ月間はお返しできません、という約束を交わしています。この3ヶ月間で本人の考えを確かめたり、再考させる期間として設定しています。しかし、どう見てもこの話は事故につながるという判断をした場合、成年後見人を選んで本人の財産保全を守るというやり方をします。ここに財産保全サービスと成年後見制度との連動ということが活かされるわけです。


 次ぎに家計の組み立てについてですが、たとえば私たちのところでは障害者年金の遡及分として300万円くらいもらった患者さんがいたとします。それに2ヶ月に1回12万円の年金を受け取ります。この人が1ヶ月4万5千円の家賃のアパートに住み、1週間2万円の生活費でやっていくと、これらの金を使って7〜8年間は生活することができます。しかし、患者さんは自分でこうした計算をして、上手に調整することは苦手です。それを私たちのサービスは2週間単位とか1ヶ月単位に仕送りの形にして本人に渡して来るようなことを行います。そして、患者さんと会うことによって患者さんの生活振り、健康状態も見ることができます。

 自治体がやっている財産保全サービスは高齢者を中心に考えたもので、単なる足の役目しか持っていない場合が多々みられます。つまり銀行や郵便局への出し入れだけのサービスです。しかし、精神の患者さんは足腰はしっかりしていますから、そんなことは自分でどうにでもできる。できないのは金銭管理ができないわけですから、その辺のアドバイスが必要なわけです。ですから自治体の財産保全サービスはこうした相談、アドバイス業務が求められるわけです。
以上、大まかに精神保健福祉法の改正点を述べました。質問があればどうぞ。

質問1:以前、世田谷区で民間から派遣されたワーカーが障害者の預金通帳から2千万円の現金を引き出して持ち逃げした事件があったが、後見人に適切な人がいない場合、公務員がその役を引き受ければ、そうした被害も少なくなるだろうし、また、事故になっても保障されると思うが・・・。

先生:アメリカなどではパブリックガーディアンといって公的な後見人制度がありますが、日本では逆に職務専念義務で、余計なこととして行ってはいけない状況です。今後、公務員制度の中でそれを引き受けるということであればできますが、現状は無理でしょう。

質問2:移送の制度ができたということですが、指定医の判断を待つとか、保健所から派遣されるといったら土日が休みとかで来られないということでは、私の場合などは、そんなの待っていられない、今のいま病院に連れて行って欲しい訳ですから、その辺はなんとかならないのか?

先生:
精神科救急はそれとして整備されていきますが、救急の場合は本来本人の依頼があってという認識ですからねー。

質問者:
患者は混乱状態で依頼などとてもできない、保護者の依頼でもなんとか連れていって戴きたい訳だ。それから、家計の組立てのことで、本人だけでなく、保護者も疲れちゃって休みたい時、ホテルに泊まるとかしているが、家計的にも大変だ。その辺の援助はないのだろうか。

先生:アメリカではレスパイトケアーでちょっと保護者が休むか、患者を一時的に預かる制度があるが、日本ではまだまだです。ただホームヘルプサービスを利用する方法はありますね。あるいは患者を一時入院させるとか。

質問者:社会で支えようという方針であれば、患者と社会とがコミュニケーションされなければならない。ケースワーカーは入院段階で患者と接触を持って、退院後スムーズに患者とワーカーとが会話できるようにしてもらいたい。

先生:今後、ケアーマネージャーという職務ができて、その人が退院後の生活とか生活場所とか、あらゆる面についてケアーするという制度ができつつあります。

質問3:障害者年金は働くともらえないものなのか。

先生:それは社会保険庁の判断によるので、一概に働いたら貰えなくなるというものではない。つまり主治医の診断で、継続して働けると判断すれば貰えなくなる可能性はあります。

質問者:患者は兄弟に当たる者で高齢になりこれからが心配だ。

先生:生活保護を受ける手段がありますが、両親、兄弟等の扶養義務者が扶養可能の場合は受けられません。しかし、それが不可能だという証明ができれば、受けられます。

質問4:発症時点でたまたま年金納めていなかったのだが、障害者年金は貰えないものか?

先生:そういう例が多々ありますが、法的には難しいです。ただ、基準日の問題がありますから、二十歳前に精神病に関わる診療を受けていないかどうかで、貰えるようになる場合もあるので、よく調べた方がいいです。特に精神病の場合、実際は初診日よりずっと前に発症してわけですね。それで私たちは無年金者をなくそうという運動の中で訴えています。また、診療のカルテは5年間の保存義務がありますから、そのことも忘れないでください。      -----以上----


編集後記

 暑い。やはり太陽は雨雲の上で我々に灼熱の光線を浴びせようと待ち伏せしていたようだ。今年はひときわ日差しを強く感じる。東京の空気が澄んできたのだろうか。心なしか夏の青空が鮮やかだ。
 それにしても、ほっとスペース八王子の多田所長のコメント(表紙)は衝撃的だ。つい身近かな者が安定していると、この病気の真の恐ろしさを忘れてしまう。そして「自ら死を選ぶものほど生に対する欲求が強い」・・・は感情と行動が相反していながら、当事者にとっては、それしかない結論がなのだろう。いや、こんな単純な解釈など言える状況ではないのかもしれない。そこには我々凡人には理解し得ない当事者だけが抱える葛藤があるのだろう。言い換えれば、当事者たちはそれだけ「生」と「死」を真剣に捉え、自らの人生は自らの手でつくり上げていく責任感のようなものを強くもっているのではないだろうか。
 自らが自らをマイナス方向に向かわせるには、プラス方向に向かわせることの何倍、いや何百倍のエネルギーが必要だという。                             


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