新宿区後援・1月新宿フレンズ講演会

    

マインドフルネス 坐禅に学ぶ精神医療

講師 臨済宗・林香寺僧侶・精神科医 川野泰周先生

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 私は鎌倉の臨済宗建長寺の末寺で、林香寺という横浜にある小さな禅寺の住職です。先代の住職の父は持病があり、私は6歳から父の亡くなる17歳まで横でお経を読んでいました。 私が法要を執り行う中で、四十九日の法要で笑顔の温かい雰囲気で埋骨に臨むご家族がいる一方で、三回忌でも涙ながらに何もしてあげられなかった、辛い…と後悔の念で悲しむ方もおられ、法事でも感じ方が全く違う。どうしてかと考えたときに、人の心の在り様が物事の見方を変えるのでないかと感じてきました。

 それで心の構造を科学的に分かった上で禅をやりたいと精神科医を志すこととなりました。つまり禅僧が医師として6年務めたあと、30歳で建長寺に修行に入って、一昨年、34歳で住職になったというわけです。

【ストレス耐性を高める】
 ほぼすべての精神疾患は、遺伝負因に環境ストレスが加わって発症する多因子疾患です。その精神疾患をコントロールして再発を防ぐには、ストレスといかに向き合うかが不可避の要素です。それにはセルフ・アウェアネス(自己認識)が大事で、自分の状態やこれからの状況を自覚できれば、早期に対処し重症化を防ぐことができます。自己認識をして心のレジリエンス(耐性・回復力)を高めるための最たるものがマインドフルネスです。

〈健康な人を対象にしたレジリエンス〉 

1.乗り切る:常に安定した精神状態を保ち、ポジティブに物事をとらえられる心。

2.打ち勝つ:精神的なショックや落ち込みに対して、頭を切り替え、落ちこむ加速化を阻止する

〈医療のレジリエンス〉 

3.立ち直る:精神的なショックや落ち込みにこだわらず、早期に抜け出して心を落ち着かせ安定させる。

4.働きかける:立ち上がった元気を維持して、自らを動機付けてモチベーションを奮い立たせて意志の力を育て、情緒的な人格をも育てる。

・レジリエンスを育てる様々な方法

〈意識改革〉

ものの見方・心の感じ方・方向性を理論で変えていく「理入」という方法です。

1.認知行動療法:7年前に保険適用になりました。時間のかかる療法で着手する医師が少ないという問題点も残されていますが、認知行動療法外来のある病院も少しずつ増えています。

2.イメージトレーニング

3.人生哲学つまり人生目標の生成的開発

4.ストーリーテリングによる集団相互啓発

〈情動(感情)コントロール〉

 これも理入です。感情や力をコントロールする理入の理論が心に入っていかず落ち着かない人には、アンガーマネジメント(感情をその場でコントロールする)が効果的な場合があります。

1.メンタルトレーニング:条件反射の調整法を学びます。

2.対人感受性開発

〈両者を兼ね備えた体得的な心身トレーニング技法〉

これは私の専門で、行動から入る「行入」と言います。

1.マインドフルネス:瞑想と呼吸法を使った心の整え方

2.生理学的改善:ヨガ、睡眠習慣の改善、日光浴、散歩

3.アクテイビティ:限界突破の体感、経験学習

【心理療法の系譜】
 心理療法は第一世代、第二世代、第三世代とだんだん進化しました。第一世代は行動療法といい、20年以上前から使われています。

・行動療法:慣らしの治療方法です。例えばパニック障害で電車に乗れない、それを治すために最初は駅まで歩いて行ったり、改札口を入ってみたり、信頼できる人と一緒に電車に乗ってすぐ降りたり、段階を経て最後に急行や新幹線でも乗れるようにします。今でも使われている効果的方法ですが根気が必要です。

・認知行動療法:行動療法を更に進めた第二世代の療法で、心の考え方の癖に着眼した方法です。

・マインドフルネス認知療法:第三世代に当たり、色々な方法で解釈されています。これ以外にもマインドフルネスの考え方を盛り込んだ心理療法としてはACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)や、DBT(弁証法的行動療法)があり、DBTはとくに海外で境界性パーソナリティ障害の治療に用いられています。

【効果が示されている疾患】
 疫学的に明らかにマインドフルネスは効果があるというエビデンスが蓄積されてきているのが、うつ病と、不安障害つまりパニック障害、GAD(全般性不安障害)、OCD(強迫性障害)などです。不安障害には森田療法が盛んに導入されてきましたが、これは禅の考え方です。日本のマインドフルネスは、ちゃんと昭和の初期からあったわけですが、今ほどには科学的根拠が蓄積されませんでした。そこで今、海外から逆輸入されているのですが、根底の禅の考え方を日本人は持っているので理解しやすいと思います。

【マインドフルネスはなぜ効くのか】
 精神的なストレスがどのように体に作用するのでしょうか。心は意識と感情から成り立っていますが、体の調子と結びついているのは感情です。好き嫌い、熱い冷たいといった感情は意識を挟む余地のない直感的なものなので、自分の意識では体をコントロールできないのです。この2つの調整が乱れるとストレスが発生して、それが自律神経を介して体の調子に現れます。
 人間の体全体が自律神経の塊で、感覚器から始まって食道、胃、十二指腸、肝臓、胆嚢など内臓はすべて自律神経が調節しています。ストレスがたまると体の弱いところに不調が出てきます。たとえば気管支に喘息のような症状が、腸は下痢や便秘をしたりします。過活動膀胱も起きます。今の日本人は、自律神経失調症の発症率が高くなっています。
 「私は疲れている、こういうストレスを溜めている」と気付かず、言語化できないアレキシサイミア(失感情症)の人は意外に多いです。過労死はこのタイプで、どんなに辛くても我慢してしまいます。すると頭痛や腹痛、肩凝り、脱毛など体の異常が出て、初めて病院にかかります。内科や脳外科や整形外科で相談しますが調べても異常はありません。そこで心療内科や精神科を勧められます。でも「私を精神疾患扱いして」と不服に捉える方も少なくありません。適応障害という精神疾患を発症しているにもかかわらず、身体の症状しか出ないので半年ぐらい治療しないと、自分は心の病気なのだと納得しません

【禅からマインドフルネスへ】
 ここからはいよいよ医学的な話です。西洋のクリスチャンやムスリムの方たちには禅問答だけでは伝わりません。そこでジョン・カバットジン教授が、マインドフルネスを定義して治療にしました。
 “a moment-by-moment awareness”「一瞬一瞬の気づきを大切にする」。

 “We pay attention to our thoughts and feelings without judging them”「評価や判断をしないで感覚だけに注意を向ける、感じたことによしあしをつけてはいけない」。

 “Tune into what we are sensing in the present moment”「いまこの瞬間に感じていることだけでいい」。先のことも後のことも考えず今感じていること、今、床に立っている足の感覚、これで十分なのです。今に注意を向けていくことがマインドフルネスだと著書にあります。簡単なことですね。
 このカバット-ジン教授がMBSR(Mindfulness-Based Stress Reduction:マインドフルネス・ストレス低減法)という治療方法を作りました。週1回のセッションとホームワークの8週間のプログラムを決めたのです。多くの研究者がこのやり方をもとに研究することができたのでエビデンスがあるのです。坐禅をエビデンスにするのは非常に難しいが、マインドフルネスはカバット-ジン教授のおかげで簡単だったのです。それで今これほど世界に広まった。すばらしい方だと思います。
 実はカバット-ジン教授より30〜40年前に世界にマインドフルネスを伝えた人が、ベトナムの禅僧ティク・ナット・ハンさんで、ノーベル平和賞候補にもなりましたが、英国連邦議会や印度国会でもマインドフルネスを勧め、グーグルの会社で全社員がマインドフルネスをやるきっかけを作った人でもあります。

【マインドフルネス活用の実際】
 マインドフルネスの活用の場は、医療の場以外にも会社の研修、少女少年院でも導入が進んでいます。非行を繰り返す青少年にマインドフルネスを導入したところ問題行動が減ったとエビデンスとして出ています。海外でも懲罰を与える代わりに瞑想をさせると非常に効果があって、平和な教室になったそうです。
 マインドフルネスと坐禅は違うという議論はよくなされます。科学者やビジネスでマインドフルネスを活用している方は、説明もしないで坐禅をさせるだけでは伝わらないと宗教者を批判し、禅宗の僧侶たちは5分だけ瞑想して何の意味があるのかといいます。10年坐禅をしなければ悟りは開けない。けしからんと怒ります。
 事実、私が僧侶でありながら精神科医として宗教の集まりで話をすると「君、安直に考えちゃいかんよ」と先輩の和尚さんたちから叱られることもあります。しかし入口はどうあれ、心を整えてそこから慈悲の心が出てくるのがマインドフルネスなので、これからの世界に一番必要だというのが私の論点なのです。

〈マインドフルネスの効能・効果〉

1.ストレス耐性、レジリエンスを向上。

2.集中力の向上

3.創造的志向・明晰な志向の促進

4.他者への思いやりや優しさも高める。

それで、ビジネスの人たちがまず注目しました。如何に経費を削減させ、いい仕事をさせるか、最初にシリコンバレーのIT企業で広まりました。
でも私が最も声を大にして伝えたいのは4.の共感性です。マインドフルネスは元々能力向上に開発されたものではなく、禅の教えなのです。自分の呼吸にずっと注意を向けていく。注意を向けるだけで価値判断はしない。呼吸が速かろうが遅かろうが、苦しかろうが心地よかろうが評価をしないのです。だんだん自分の呼吸をありのままに受け止められるようになります。

【科学的に証明されたこと】
 アメリカでうつ病の患者さんたちを何百人も集めて、うつ病が治ったあと、1グループでは再発防止のために抗うつ薬を飲み続け、もう1つのグループでは抗うつ薬を止めてマインドフルネス治療に切り替えました。すると非再発率はマインドフルネス治療のほうが少し上になりました。統計学的には有意差なしですがインパクトがありました。とは言え、マインドフルネス治療だけやればうつ病は治ると思うのは危険なので、薬物療法が必要なことを強調しておきますが、マインドフルネスと併用もできますね。
 スペインのグラナダの公立学校に通う12〜19歳の27名にマインドフルネスをさせたら、衝動性や怒りっぽさが治ったと。つまり思春期の子にも効果的だと分かったのです。
 アメリカのボルティモアの平均年齢12歳前後の小学生300人を対象にしたものでは、ボルティモアはアメリカの中で平均所得は低くて生徒の殆どが無料の給食を受けているという非行が多い地域ですが、マインドフルネスを導入したら身体症状、ゆううつな気分、ネガティブな感情、否定的な行動、自己に対する敵意、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、トラウマの症状がいずれも軽減したことが分かりました。マインドフルネスはもう大人だけではなくて、思春期、学童期にまで効果があることが証明されています。

【脳内ネットワークのエビデンス】
脳には、それぞれ別のことを担当しているネットワークがあります。

1.セイリエンス(気付きの)ネットワーク:気付きを役割とします。人間が感じる色々な感覚の中で、どの部分に注意を与えたらいいか、どの情報を参考にしたらいいかを決めています。例えばパーティ会場でざわざわと会話が飛び交っているのに、目の前の人とちゃんと会話が可能なのは、注意の方向を目の前の人に向けることができるようにこのネットワークが作動しているからなのです。この能力がマインドフルネスで高まることが分かっています。

2.デフォルト(初期)モードネットワーク:脳のアイドリング状態といわれています。新しい刺激に備えてずっとかけっぱなしになっているのです。これが強く働き続けている人は、脳がガソリンを浪費している昔のアメ車のような状態の人です。

3.セントラルエグゼクティブネットワーク:浪費中のデフォルトモードネットワークから、ハイブリッド車のようなセントラルエグゼクティブネットワークに切り替える指示を出しているのが、セイリエンスネットワークです。

マインドフルネスをすると、「セイリエンス監督」の能力が高まって、張り切り過ぎで空回りをしそうな「デフォルトモード選手」を交代させて、実力のある強い「セントラルエグゼクティブ選手」に交代させるというイメージを持ってもらえばいいと思います。

【自分は変れる】
 禅の精神に少し触れます。大事な言葉があります。諸行無常です。平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」。どんなに栄えているものでも、やがて滅びていく。人の心、ものの形すべてが変り行くものであり、今と同じ状態は二度とないというのです。
 「自分が変れる」この感覚になって初めて人は変れる。これは治療においても同じです。アルコール依存症の専門治療施設で精神科医をしていたとき、非常に感銘を受けた言葉は、「『アルコールを飲まない人間に変ることができる』と思ったところから治療が始まる。『自分はアルコールを止められない』と思っている間の治療は難航する。『自分は変ることができる』という実感を持たせることが一番大事な治療です」。
 「アルコールは体に悪い」とか「止めなければいけない」と叱ることではなく、「あなたは変れるんですよ」と色々なかかわりの中で気付いてもらう。「変れるんだ」と思った時点から、その人は治っていく。依存症治療の第一歩なのですね。禅的だなと思いました。
 イチロー選手の言葉で「できなくても仕方ないというのは終わってから思うこと。途中で思ったら達成できない」。どんなに無理そうでも諦めず、自分はやれる可能性があると心の片隅に置いておくと、達成できる率が飛躍的に高まるというのです。
 皆さん、マインドフルネスを今更とか、そんなの馬鹿らしいとどこかで思っているかもしれませんが、まず自分が変れることを実感していただきたい。理論を学ぶだけでなく、この1時間でやり方を体得して、講演の後は人に教えてほしいのです。精神疾患で苦しんでいる家族、当事者さんにも急性期でなければ教えていい。ここがポイントです。
 カウンセリングや他の精神療法はやり方を間違えると害になることがあるので、資格を持っていないと教えてはいけない。でもマインドフルネスはもともと人間に備わっている能力ですから、よほど間違った使い方をしない限り人の心を助ける方向に働きます。今日は別の人にどう伝えるかという視点を持って体験して学んでいただきたいと願っています。

【マインドフルネスの実践ー脳の可能性を感じて】
・・・省略・・・

【記憶を断ち切り、ありのままを見る】
 マインドフルネスを高める秘訣は「注意の分割」です。たとえば山を登っている間は、何でこのコースにしたのかとか、そもそもなぜ登山なんかしたのかなど、いろいろな後悔の念が湧き、頂上はまだかと思います。しかし、一番良い登山の仕方は先を見るのでなく、目の前の足元だけを見ていくと早く楽に着くといわれます。
 そして頂上に達して、パーッと景色が開けた。その瞬間クヨクヨ考えていたことはすべて消え、言葉を失う、吾を忘れる。これがマインドフルネスの状態です。壮大な景色に注意を全部使っている。先ほどの後悔の念はもう無くなって、その状況だけに没入している。しかし私たちは毎日の生活でそんなに感動することはできません。登山もだんだん慣れて感動は減ってきます。日常的にこの状態にすることは難しい。だからこそ、マインドフルネスを様々な瞑想法の実践の中で、自分の中に落とし込んでゆくことが大切なのです。

【呼吸瞑想・歩行瞑想を体験】
 瞑想中のポイントは、心で起きる反応に評価判断を加えないこと、考える、解釈する状態ではなくて、感じるだけにしましょう。Doing(やる)モードからBeing(在る)モードに変えるのがマインドフルネスです。

・MBSR(マインドフルネス・ストレス低減法)における5種類の瞑想法

1.呼吸瞑想:呼吸に注意を集中

2.静座瞑想:全身、音、感覚、思考、感情に注意を集中

3.ボディスキャン:つま先から頭まで順番に注意を集中

4.ヨーガ瞑想:動作の中で身体に注意を集中

5.生活瞑想:歩行・食事など日常の生活動作に意識を集中

 全部が禅の実践と同じです。たとえば呼吸瞑想は坐禅と全く同じです。お経を読むのも長く息をする呼吸瞑想と同じです。ボディスキャンは、体の細部の部分に注意を向けてそこを解き放っていくことを呼吸と一緒に繰り返していくことで、肩こりとか取れて眠りが良くなります。
 こういう瞑想は儀式と一緒で、体の部位の状態に注意を向けることなのです。禅宗では合掌するときの手の高さまで決まっていて鼻先と上唇の間ぐらいに中指の先が来ないといけなくて、そして腰は90度、これが正しい問訊という礼の仕方です。普段の食事も音を立てずにお箸を持ち上げる、ひじを張らないなど、禅宗の生活をしていると、いろんな動きに注意を集中しなくてはならなくて雑念の入る余地がなく、瞑想と同じなのです。
 意識を今に置くために呼吸を観察すること、これが一番大事といいましたが、呼吸に注意を向けるのは簡単です。鼻の穴を通る空気の流れを感じるだけ。でもそれが難しい人もいます。もう一つのやり方があって、お腹の膨らみと萎みを感じること、これはやりやすいです。鼻に注意が行ったりお腹に注意が行ったりしてしまうとマインド・ワンダリングで気もそぞろになりますから、どちらかに注意を固定してください。
 でも必ずこんなことに意味があるのかとか、後何分やるのかとか色々考えてしまいます。そういう雑念が沸いたらラベリングをします。たとえば「暑いな」「痒いな」「長いな」を頭の中の言葉で表現します。たとえばプロジェクターの音が気になったら、「プロジェクター」を3回ぐらい頭の中で言って、呼吸に戻りましょう。この戻ることを何回も繰り返します。
 今日は2分ぐらいやろうと思いますが、2分の間に平均的には20〜30回呼吸に戻す作業をしなければいけないだろうと思います。これが10回で済んだ人は相当集中力が高いです。そこで雑念が出た自分を責めないで下さい。いま雑念に気づいた、ラッキーだな。呼吸に戻ろうと思ってください。ここが雑念を捨ててただ座る坐禅と違うところなのです。
 聴覚による誘導も重要です。この引磐(いんきん)という小さな鐘と柝木(たく)という拍子木を使うのが臨済宗です。曹洞宗では鐘を鳴らして始めます。ヨガなどチベットの瞑想ではチベティアンベル、ティンシャともいう鐘を使います。クリスタルボウルも微かな音が長く響きます。音叉を使うなど残響が長い音を使うと非常に効果があることが分かっています。

 マインドフルネスはビジネスの世界で流行しています。能力開発や業務効率の改善のためにマインドフルネスを使おうというのです。でも、何かを手に入れようとして瞑想すると、欲求が強くなってしまい瞑想に入れないのです。例え何らかの効果を目指していても、瞑想に入ったその瞬間だけは、何かになろうとする自分、何かを得ようとする自分を手放してほしいのです。ただそこに居ることが大事、これが禅の真髄です。      〜了〜

平成17年4月からの新宿フレンズホームページ「勉強会」の表示形式について

 新宿フレンズでは4月から「勉強会」ホームページの表示について、概略掲載とすることになりました。そして、「フレンズ」(新宿フレンズ会報紙)ではいままで同様、あるいはより内容を充実させて発行することにしました。これまで同様に勉強会抄録をお読みくださる方は、賛助会員になっていただけますと「フレンズ」紙面版が送られますので、そちらでお読みできます。
どうぞ、この機会に是非賛助会員になっていただけますよう、お願い申し上げます。

賛助会員になる方法        

 
新宿フレンズへのお誘い 

 新宿フレンズでは毎月第2土曜日、12時半から新宿区立障害者福祉センターに集まって、お互いの情報交換や、外部からの情報交換を行い、2時からは勉強会で講師の先生をお招きして家族が精神障害の医学的知識や社会福祉制度を学び、患者さんの将来に向けて学習しています。
入会方法 


編集後記 
 そもそも川野先生との接点はいろいろなところで在った。まず、私の菩提寺の住職が鎌倉・建長寺で川野先生らと修業した。その後私が建長寺発行の「巨福」という小冊子を読み、川野先生が書いた「掛け値のない思い遣り」の記事に感動し先生に講師を願い出た。

 快諾していただいた先生が当日新宿フレンズの会場に現れた。端正な服装で、深々と挨拶された。私の田舎の菩提寺についても良く知っておられ、懐かしく田舎を思い出した。

 先生曰く、「水野先生にも慶應病院で何度かお会いしています」「えーッ」「それから山澤先生も良く知っております」「えーッ」川野先生とは知るべくして知り合ったと言っても過言ではないかも知れない。

 そんな川野先生がマインドフルネスについて詳しく語っていただいた。テープ起こしに一週間要したという。その川野先生が最初に持った疑問は同じ供養でも涙を持って墓参する人とそうではない人ががいる。その違いはどこから来るのか、がきっかけだったと言う。先生はそこから僧侶でありながら精神科医を目指した。

 得た答えがマインドフルネスであった。臨済宗の僧侶である先生は臨済禅の作法を実技を持って教えられた。かつて私も曹洞禅ではあるが十年ばかり嗜んだ経験がある。坐禅の最中、自分の唾を飲み込む音さえ気になる静寂さ。経行の時の畳の感覚が足に伝わる心地よさよ。

 先生は冒頭の「掛け値のない思い遣り」で「今この瞬間になすべきことを必死で行う」こと、つまり掛け値のない思い遣りこそがマインドフルネスであると述べている。三分診療を問題としている昨今、掛け値のない診療こそ、今求められているのではないだろうか。   

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新宿家族会 E-mail: frenz@big.or.jp