新宿区後援・新宿フレンズ8月講演会

      拡大家族交流会

   「みんなの声を・・・!」

                  参加者全員の話



 8月の定例会では恒例の拡大家族交流会が持たれました。今年の参加者はおよそ35名。お父さん、お母さん、ご兄弟、そして当事者などが一堂に会し、生活状況や相談事、感想などが活発に述べられました。

 今年は家族の話し合いの後、ミュージックセラピストの野口晃代さんに音楽療法のお話を伺いました。最後に全員で「上を向いて歩こう」を合唱、会場は大いに盛り上がりました。

【お金の使い方が心配】

Aさん(母親)は、退院して間もない20代の娘さんと初参加。「高額なコンサートのチケット代を障害年金から出すのはどうか」という相談です。「お金を持っているといろいろ買ってしまうため、障害年金は親の管理で毎月1万5千円を渡しています。親としては障害年金を遊びのために使っていいものか?と思ってしまいます」が、娘さんは「コンサートに行くために退院した」というほど好き。「足りないから2万5千円は欲しい」との希望です。

Bさんは「悩みは浪費。お金があると全部使ってしまって親に頼ってくるのですが…」と、お子さんを心配。

Cさんは、「息子は援護寮でお金の使い方、日々の暮らし方などいろいろ教えてもらい、今でも毎日買った物をメモしています。親からのお金ではないので、自分のお金として買い物や趣味を楽しんでいる。衣食住のうちの衣と食を障害年金で賄っている」とのことです。

そして「三年前に息子から、50万円する物が欲しいと相談されたことがありました。 その趣味にはレッスン代も必要だし、いきなり50万円もする物を買うより、まずは少しランクを下げてはどうかと提案し、10万円の物を買いました」とのこと。 後に、「50万円もするのを買わないで良かったよ。」と、息子さんから言われたそうです。

SSTの第一人者の高森信子先生のお話では、親の死後、大事なことは2つで、「お金の使い方を覚えること。つまり生活保護費くらいで生活が成り立つように管理できること」。もう一つは「親族以外の相談できる人を、社会にたくさんつくっておくこと」だそうです。精神障碍があると、判断力の低下が起きる場合があるので難しいのですが、「お金の使い方」は大きな課題です。

【親子の関係】

Dさん(父親)は20代後半の息子さんの相談。「大学生の時、家族との意思疎通がなくなり、寝たきりになってご飯も食べなくなって入院。退院後も昼夜逆転の生活になり、父親が入院を勧めると怒るので、警備会社に頼み医療保護入院。現在はグループホームに入っていますが、病識がなく強迫性障害もある。私を受け入れないので、妻(母親)が息子の面会に行っていますが、父親に心を開かないのが悩みです」とのこと。

それに対し、Eさんが「家族の内、1人でも息子さんに繋がっている人がいるのはいいと思います」と励ましました。

Dさんも「皆さんのお話を聞いて、息子の病気は長い時間をみなけなければならないと思いました」とのこと。今後、共に学んでいきましょう。

【疲れやすい悩み】

Fさんは母親。息子さんと参加されました。「高校の時の発症でしたが、薬剤治療で良くなって、大学・大学院と進んだ後、服薬しながら海外に留学中、そこの医師が統合失調症ではないと服薬を中止、再発という残念な結果」になってしまいました。

ご本人は「非常に疲れやすくなったために、就職もできずに働いていないことが引け目になる」というお話です。真面目な落ち着いた雰囲気の息子さん、まずはゆっくり休養して、徐々に疲れやすさが取れていくことが願われます。

Gさんは当事者の女性。職業安定所の障害者雇用で、短時間ですが週5日働いているとのこと。でも、「それで疲れてしまうので、家事をする体力がなく、ぶきっちょなので料理も家事もキライ…」とのこと。ご両親は70歳代で、お母様は病気もあり「家事が大変になると、つい喧嘩になってしまう」というのです。

Hさん(母親)は「私は話すことはないので聞いています」ということでしたが、聞いているうちに「うちの子と同じ…勉強が好きなのに、とても疲れやすくて」と自然に話の輪に入って来られました。「友達もいなくて、気晴らしもできないし…」との悩み。

Iさんが「犬を飼って散歩にいくと、ペットを通じていろんな人と友達になれますよ。運動にもなるし」との体験談。

Hさんのお子さんは、自分で病気を調べて「病院に一緒に行ってほしい」というのが受診の初めとか。

Jさんは「それって病識があるってこと。自分で病院に行くなんてすごい!」と、病識が無くて苦労をしたことを話されました。

【恋人ができたけれど】

Kさんは「2年間、高校に行けず取り残された感じで、この前まで死にたいと言っていたのですが、今は同じ定時制高校の恋人ができました。どう思われているか気になるようです。相手も病気があって、2人ともあまり学校に行けない状態なので、相乗効果になってしまわないかと…」。また「就職活動をしなくちゃと焦っているのですが、学校にも行けていないので…」という心配を話されました。

「病気に関わらず、人を好きになるのは良いこと」

「焦る気持ちは分かります」

「取り残されたという感覚は良く分かるけれど、ゆっくり行きましょう」

「なかなかできない状態を受け入れて、1年2年でなく、10年スパンで考えようと思っています。少しずつは成長しています」などの声がありました。

【発達障害への理解を】

Mさん(母親)は2年前に統合失調症を発症した20代前半の息子さんの将来を心配。「小学校の頃からADHD、発達障害と言われていて、癲癇もあります。勉強をしない、先生の話も聞いていない、興味のあることだけしか頭に入っていないのです。細かいことが苦手で、書道の時間は墨を服につけてしまうし隣の子の服も汚してしまう。先生が口頭で『明日は遠足ですよ』と告げても、本人は分からないので当日、何も持たずに行ってしまう。お手紙はぐちゃぐちゃになってしまう。先生には『こんな扱いにくい子はいない』と言われて、面倒を見てもらえませんでした」というお話。

「発達障害は世の中で理解されにくく、学校でも苛められるなどして、そのストレスで統合失調症になってしまうこともある」と聞くと、教育の現場で、もっと心の病気への理解が深まるようにと願われます。

 新宿フレンズの役員のお1人は、今までになかった発達障害の方々中心の居場所「Necco」を早稲田に作られました。11月の勉強会にはそのお話を伺います。

【友達が欲しい】

Nさんの「子供は大学2年のときに、あまりに酷いから病院に連れて行ったら、入院になってしまった。『殺してやる』とか『通りがかりの人がいちゃもんつけてくる』とか、幻聴だと思うんだけど…」とのお話の後、ポツリと「本当は、かまってほしいのでしょうけど…」との一言に、心の病気で思いがけない人生を歩む若い人の切ない状況が伺えます。

「友達が遊びに来て、大学卒業して就職したとか聞くと…」

「友達は、ネットのチャットなどで作っているだけ」

「精神病の友達ばかり家に集まる中で、具合が悪くなった友達を病院に連れて行った…でも健康な友人はいない」

「親亡き後が心配。同じ病気の友達もほしい。お嫁さんも探してほしい」と友人を求める声が出ました。

「ADHD・統合失調症といっても友達は平気で、ネットで調べて『大変な病気なんだね』と」といった話には、あまりこだわらなくても友人関係が保てていることもうかがえました。

【働きたい願い】

Oさんは「コンビニでバイトをしていると、おつりが100円のところ、幻聴が200円といったりするので混乱し、間違えそうになって、バイトを辞めたのです。幻聴さえなければ仕事はできるのです」

Pさんは「姉は20代で統合失調症を発症して、今は40代です。派遣で無理をして働き続けて、がんばれば何とかなるとしていたが、何年かして発病してしまいました」

Qさん「進路か就職試験での失敗や、就職後の人間関係で発病する人が多いですね。理想が高すぎて、挫折して発病する。大学も社会で働く予行練習みたいなもので、挫折していると実際に就職しようとする時点で撥ねられてしまう。レールに乗った就職も、一回外れると仕事もなくなってしまう。病気以前に社会の問題があります。本人も病名を与えられ障害年金を得ると、そこに安住してしまい、働かなくてもよくなってしまう。障害年金の在り方にも問題があるように思います」

Rさん「うちの子も、年金が出ている間は働かない。2年ごとの審査で通らないと働くのですが、どこに行っても長続きしないのです」

こういった悩みが語られ、それに対して意見が寄せられました。

「対人関係が苦手な場合は、人とあまり接しなくても良い仕事を探すなど、合った道があるかもしれないですね」

「中学のときに苛められて発病したのですが、現在はデイケアで就職訓練をしています」

 そして働ける社会環境への要望が出されました。

「環境がしっかり整えば、働いて暮らせるような気もする。社会で生きられるまでが治療だと考えれば、親や社会が環境を整えてあげれば良いですよね」

「医療では薬を与えるだけで、後は家族でやってくれと全て任されてしまう。その制度が問題です」

「誰でも使える制度がないので、希望が持てない家族もいます」

「江戸時代では、お寺の寄り合い所でお茶汲みをしたりして障碍者が働いている様子を、大森貝塚を発見したモースが日記に書いているのです。近代つまり明治維新から障碍者の排除が始まったと」

「『智恵子抄』で、高村光太郎は、妻の智恵子のことを『もう人間界の切符を持たない』とか『もう人間であることをやめた』とか言っている。とんでもない話です。人間なんだから、人間扱いしてほしい…」。

【共に生きるための情報を】

Sさんは、お母さまが統合失調症です。以前にお母さまが心中しようとされて驚いた経験をお持ちだとか。

「母は早くに離婚したので、兄弟と親が面倒を見てくれています。私が物心ついたら病院に居ました。幻聴で何か怖がっていたそうです。すごく怒りっぽく、その後も何度も死のうとして、家の屋根から飛び降りたりしました。母の父親は最期まで心配していました」とのこと。

そして「50歳代で再発しましたが、前のように事件を起こすような元気はありません。薬は飲んでいます。今までは母の経過を遠くで見ていたのですが、何かできるのではと考えています。これからの母と生きて行くための情報を知りたいのです」との願いを話されました。

                      *

 家族会は、つらい思いを吐き出し、情報を得る場です。参加者は何らかの苦しみを味わった人ばかり。「仲間がいる」と思うだけで気持ちがラクになるでしょう。

 発症間もないご家族の相談に対し、役員はじめ長く参加している人は、どんなお話でも受け止めて、より良くなる道はないかと、自分の体験から一緒に考えていきたいと願っています。

 対応の仕方や医療・福祉などの、新しく確かで良質な情報を得ることは、今後の病状や生活にも大きく影響しますから、毎月の勉強会で学び続けましょう。

精神科領域の音楽療法

          野口晃世さん

      (音楽療法士・NPO法人そしおん)

 はじめにリラックスしながら季節の歌を歌いましょう(「夏の思い出」を合唱する)。皆さん、たいへんいい声で、ウォーミングアップも必要ないくらいですね。

 私は、これまで音楽療法士として精神科の病院や高齢者の通所・入所施設などで音楽療法を行ってまいりました。現在は音楽療法士仲間で集まって「NPO法人そしおん」という団体を作って、地域で暮らす人たちを対象に活動しています。

 事業内容は、精神障碍者の方を対象とした音楽療法、障碍児のための放課後支援、流産・死産を経験された方のためのグリーフケア(悲嘆の癒し支援)、高齢者の通所施設や、それぞれのグループのニーズにあった音楽療法、また、落としても壊れないマラカスなど個々の必要性に合ったオリジナル楽器の製作も行っています。

 今日はお話しながら、歌ったり、楽器に触れたり、音楽療法を体験して頂きたいと思います。


【音楽の力を生かして】

 そもそも音楽には癒しの力があり、人の心に働きかける効果があります。日常的な体験の中にも音楽の力はあり、歌って気分がすっきりしたり、カラオケにいってストレスを解消したり、音楽を聴いて身体や心が安らいだりという経験は誰にでもあるでしょう。

 その音楽の癒しの力を、専門的知識や技術を持って引き出し、より対象のニーズにあった音楽を選択し、心身の不調や不具合を治していく、それを行うのが音楽療法士です。

 日本音楽療法士学会認定の「認定音楽療法士」は、2011年現在2008名です。専門的技術や知識を学び、音楽の持つ生理的・心理的・社会的働きを用いて、心身の障害の軽減回復、機能維持・改善、生活の質の向上、問題となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的・計画的に使用し、音楽の療法的な効果を発揮させます。

 対象はゆりかごから墓場まで、広い範囲の方々です。発達段階での音楽療法の適応と適応領域を、心身医学や精神病学からみてみます。

 胎児期は、妊婦さんの情緒の安定、誕生時は安心感のある出産のためや痛みの軽減。誕生後は未熟児や赤ちゃんの発育促進を促す療法にもなります。

 乳幼児や児童期は、小児クリニック、養護施設、児童館、特別支援教育機関で。思春期や青年期は、児童青少年のための精神療法、特別支援教育機関、青少年センターなどでも音楽療法は様々に対応できます。

 壮・老年期は、精神社会的扶助、老化の予防、コーチング(未来に向けて行動を起こす)や、自立のためのグループ、老人医学や老人学に重点をおきます。後期高齢者では、緩和ケア、死に寄り添って、ご自分の人生を振り返っていただくための音楽療法を行います。

 福祉施設や医療施設、自主グループ、自宅に伺うなど、その人や場所に合わせて良いと思われる音楽を提供します。ジャンルはクラシックでもジャズでも歌謡曲でも何でも、対象の人のニーズに合わせ、効果が期待できるように選び、参加者のストレスを発散させ、心を安らげ、つらい気持ちが和らぐようにします。

 また、歌唱、楽器、鑑賞、身体活動など、それぞれを組み合わせ、対象者の好む音楽や、必要な音楽の種類、活動のために必要な楽器なども選びながら活動をしています。トーンチャイム、鈴やマラカス、手が使えない人には手首に巻く鈴、指を動かすだけでも鳴る鈴などもあります(実際に提示しながら)。また、音が鳴っている時に対し、鳴らない時、つまり静かな空間を感じることもあります。

【精神科領域の音楽療法】

 精神科領域の音楽療法の始まりはとても古く、1887年(明治20年)に松沢病院では「精神的転導法」として注目していました。蓄音機や琴や三味線が購入され、入院している患者の余暇活動のみでなく、音楽は精神の安定を図るものとされていました。さらに、1902年(明治35年)には音楽会を開催し、その後も積極的に取り入れて、精神科医も効果があると認識しています。

 そして様々な病院で、音楽祭や患者の演奏会などが行われるようになりました。初めのころはレクリエーション的なものが多かったのですが、音楽領域の心に及ぼす効果を注目して、積極的に治療に取り入れる精神科医も増えてきました。

 対象は、統合失調症、気分障害、不安障害、パーソナリティ障害、摂食障害、高齢化にともなって認知症や健忘、せん妄などが増えています。また、アルコール、麻薬、ギャンブルなどの依存症の物質関連障害等、この障害の方にはできないということはありません。実際に病院では、それぞれの症状・状態を配慮しつつ、いろいろな障害の方々を一緒に音楽療法を行っています。

 具体的な効果と期待については、病気による困難を軽減させることが目的です。日本音楽医療研究会事務局長の呉東進氏(医師・同志社大学教授)は「好きな曲は生理学的に人を癒す力が強くなる」と言っていますが、好きな曲を聞いてリラックスすると、安静時に多いアルファ波(脳波の一種)が出るといわれます。ある人はロックを聴いて、別の人はクラシック、民謡など、その人の好みによって違います。

 逆に興味のない音楽ではリラックスしないので、アルファ波が出ないという実験結果が出ています。さらに、その人の状態、気分が良くない時、ひどく疲れていたり、ひどく眠かったり、気分が落ち込んでいたりした時には、たとえ好きな曲であっても同じ反応は出ないとされます。

 つまり音楽療法は、そのときの状況に合った曲を選択し、目的に合った使い方をすることで、気分を変える、好きな曲を聴いてリラックスする、コミュニケーションをとるなど、様々な変化や効果を期待することができます。

【心を和らげ 人をつなぐ】

 統合失調症を発症して間もなくは、幻聴や妄想が強くてつらい思いをしている人が多いのではないかと思います。そういう時に、知っている曲、特にその人が好きな曲を聴くと脳が生理的に反応し、音楽に集中するので妄想や幻聴から離れることができます。

 アメリカの音楽療法士マイケル・H・タウトは「脳がビートを予測する」と言っていますが、脳神経にも直接影響することが、実験によって分かっています。

 音楽の集中のしやすさを使ってみましょう。「しあわせなら手を叩こう」(歌う)。皆さん、自然に手を叩きましたね。音楽に自然に集中し、手を叩いたわけです。音楽構造があることで人は早めに行動予測ができ、集中できるのです。

 そして、手を叩く、肩を叩く、隣の人の肩を叩く、音楽が媒介することで人に触れる抵抗がなくなる。つまりコミュニケーションがとりやすくなる、他者を意識することもできるようになります。

 気分を変えると言っても、落ち込んだ時には、まずは静かな曲を、イライラしている時はガチャガチャ賑やかな曲、疲れていて元気になりたい時もいきなり元気な音楽ではなく、まずはその時の気分に合った音楽で始め、そこから音楽を変えていくことで気分を変えていきます。つまり音楽は感情を運ぶ乗り物なのですね。

 体が疲れている時は、ゆっくりした音楽を聴くだけでなく、その曲に合わせてストレッチを行いましょう。脳や神経に影響を与えることによって、緊張をほぐしリラックスさせる効果があります。「涙そうそう」の曲に合わせて、皆さんと一緒にしてみましょう。

1.音楽に合わせて手をぎゅっと握り、ゆっくり開く。顔にも力を入れ、ゆっくりほぐす。手を軽く握り、開きます。ブラブラさせてほぐす。

2.足首をぎゅっとまげ、ゆっくりほぐす 繰り返す 緊張させてゆっくりほぐします。繰り返す

3.ゆっくりと首を回します。反対向きに回します。息を鼻から吸って口から吐きます。

 自分の心拍よりも少しゆっくり、メトロノームで言えば毎分60テンポくらいの音楽を使って、ゆっくり体をほぐすと緊張がほぐせます。体も少し温かくなると思います。お家でもして、リラクゼーションしてください。

 また、考え方がまとまらないとかうまく表現できないときも、コミュニケーションを助けてくれます。あまり言葉で話すことが得意でない、言葉でいえない気持ちを、音楽で相手に伝えることができます。言葉を使わないノンバーバルコミュニケーションとしても、また、歌詞でこの気持ちなの、と伝えることもできますね。

 ある時、中島みゆきの「時代」をリクエストした人がいましたので、皆さんで一緒に歌いました。

 「今はこんなに悲しくて 涙もかれ果てて もう二度と笑顔には なれそうもないけれどそんな時代もあったねと いつか話せる日がくるわ あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ だから 今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう まわるまわるよ 時代はまわる 喜び悲しみくり返し 今日は別れた恋人たちも 生まれ変わって めぐりあうよ……」

 歌い終わったとき、リクエストした人に「私もこんなふうにつらい時があったよ。いつか変わっていくといいよね」と自分の体験を話しかけた人がいました。歌によってコミュニケーションが成立した一瞬でした。

【人の輪に入ること】

 社会生活を行っていくうえで、人と一緒に何かやっていくことは避けられないと思います。それが苦手な人には、音楽は人と人をつなげる、その効果を使います。例えば作業所でバンドを組むことができるかもしれません。一緒に「歌う」こと、楽器を使うことで、隣の人とつながることもできます。

 それぞれ1本ずつトーンチャイム(ハンドベルの一種・1本が1つの音に対応する)を持って下さい。指示を出すので鳴らしてくださいね。これは、1人は1つの音を出すだけなので、1人では演奏ができません。それぞれのつながりを意識して、それぞれの音を聞きながら、自分の音を出していきます。

 「アメイジンググレイス」に合わせて鳴らします。自分はたった1つの音をだすだけですが、前の音、次の音とのつながりを意識して下さい。1人1人が役割をきちんと果たしていくと、素晴らしい音楽が完成します。楽器を持ってない人は、柔らかい音と、音楽の雰囲気の中で、「ラララ〜」で合わせましょう。こうして、お隣の方とつながってほしいと思います。

 最後に皆で「上を向いて歩こう」を、鈴や太鼓も使いながら歌いましょう。

 障碍のある人もない人も、音楽療法で地域のつながりができて、少しでも生きやすい社会をと願っています。
 なお、この10月17日(月)17:00〜18:00に、新宿区戸塚地域センター音楽室で音楽療法をいたしますので、興味のある方はおいでください。

                                    〜了〜



新宿フレンズへのお誘い 

 新宿フレンズでは毎月第2土曜日、12時半から新宿区立障害者福祉センターに集まって、お互いの情報交換や、外部からの情報交換を行い、2時からは勉強会で講師の先生をお招きして家族が精神障害の医学的知識や社会福祉制度を学び、患者さんの将来に向けて学習しています。
入会方法 


編集後記

 今度は台風が痛い爪跡を残して消えて行った。死者数十名、行方不明者数十名と百名を超す犠牲者が出た大惨事となってしまった。自然の猛威は留まることを知らない。早いかも知れないが大雪の被害が心配になる。

 さて、そんな今年の夏だが、新宿フレンズの拡大家族交流会に足を運んでくれた会員の皆様には心からお礼を言いたい。

 皆、病気は一様だと言うが、聞いてみればそれぞれに悩みは異なる。お金のこと、親子の関係、疲れやすい、働きたい、友達がほしい、そして、恋人ができて悩みとなる。そうなんだ。我々一般人では何でもないことが彼らには苦痛となり、悩みになってしまう。

 最近、新宿フレンズの会員の中にも「発達障害」と診断を受けた人も見られるようになった。今年は発達障害が障害を認められ、様々な助成が受けられるようになった記念の年でもある。

 そんな折、当会の役員の金子さんが発達障害の作業所(就労B型)を立ち上げた。新宿フレンズの親戚筋で、名前は「ゆあフレンズ」。発達障害だけでなく、統合失調症、そう、うつの患者さんもいる。理事長であるネコ、こと金子さんは「精神障害の誤疹は当たり前になっている。医師の診断一つでその人の人生が変わってしまう」と訴えている。

 家族交流会に参加された発達障害の子の母親は、「発達障害は世の中で理解されにくく、学校でも苛められるなどして、そのストレスで統合失調症になってしまうこともある」と嘆いていた。このことからもいかに精神の病が複雑にして難しいかが分かる。                  

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新宿家族会 E-mail: frenz@big.or.jp