4月勉強会より
   「不快な体験を上手に対処する」

           〜幻聴・幻覚・妄想の対処法〜 

       講師 慶應義塾大学精神神経科 水野雅文先生



 まず、この「精神科リハビリテーション・ワークブック」(中央法規出版)は患者さんご本人が読んでも、ご家族の方が一緒に読まれて、家族の中で起こっているいろいろな問題を解決したり、再発予防のために工夫をしていくためのガイドブックとして利用できるようになっています。ですから、文章の語り口調も患者さんご自身とか、あるいは家族の方、向けに書かれています。理想的には専門家の方と一緒に使うのがいいのですが、なかなかそういうわけにもいかないと思いますので、家族の中でどなたかが司会役となって、患者さんとご家族が一緒になって利用するようになっています。

 皆さんは、不快な体験に対処するため、いつも自分なりの工夫や努力をしていると思います。しかし、いくら努力しても問題が解決しないときもあります。不快な体験が続くと、生活上のストレスがたまり、目標が達成しづらくなります。このようなときは、周囲の人と話し合って、不快な体験に対してどうやって効果的に対処すればよいかを探すことが重要です。

 きょうは副題として「幻聴とか妄想に対処する」となっております。まず、この幻聴、妄想が明らかな場合はいいのですが、最初はどなたも何が幻聴で、どれが思い込みと区別がつかないと思います。しかし、ご本人は聞こえてきて困ったりすると、自分なりの対処の仕方をしている場合があります。例えば、聞こえてくると、ウォークマンをかけて別な音楽を聞いて注意をそらしてしまう、というようなことをする人もいます。あるいは、ガムをかんでみたりとか、運動をしてみたりとかですね。それなりに工夫している場合が多くあります。この本ではご本人の工夫をできるだけ集めて、その中で最も有効なものはどんなものかを検討して、それを練習していただこうとしています。そうすることによって、薬に頼らなくても治療ができるようになることを目指しています。

 当事者の方は幻聴は自分だけが聞こえてきていると思って困っている場合が多いものですが、それほど珍しいものではなくて、よくある症状であることと理解していただきたいですね。特に幻聴があったら必ず精神科の病気か、といえばそれは簡単にそうとは言えません。例えば、健常である人が遭難した時、例えばヨットで遭難して一人海に取り残されたとか、山で遭難してさまよっているような場合、心身共に疲れて、そして不安を感じたり孤独を感じたりした時には幻覚という現象を体験する場合があります。あるいは外科の手術を受けたあと、集中治療室ではよく幻覚を味わうというケースは日常的にあります。ですから、幻覚イコール精神病というわけではありません。

 こうしたことを含めて、ご本人が体験する不快なことが必ずしもご本人だけの悩みではないこと、あるいは生理的にも起こりうるメカニズムであることを知っていただくことで、幻覚そのものを隠してしまったりとか、あるいはその幻覚に従ってご自分が行動を起こしてしまうというようなしないでいただくことを目指しています。

問題の分析

 これは幻覚ということがはっきり判っている場合は問題はないのですが、なかなかご本人がそれと認識できず、その通りに言語化できない場合があります。そこで「もしかしたら聞こえているのではないのかな」というような場合、何か日常生活で不快な思いをしているのではないか、あるいはほんとはやりたいことがあっても声が聞こえるから我慢しようとか、そういう体験がないかということを詳しく問題点を整理しておく必要があります。
 あるいは、そのことがご本人にとって生活上どの程度問題となっているのか、それによってどんな問題がおこるかどうかということを患者さんと一緒に検討することを行います。

どのような考えや声が皆さんの生活の邪魔になりますか?

 これをご本人に聞いていただくと、ご本人はいろいろ声が聞こえてくるとか、あるいはCIAがいつも自分を見張っているとか、何をしても邪魔されてしまうとか、街を歩いているとみんなが自分を見ている、一つひとつのことがどうしていいか判らなくなってしまう、自分のやっていることが声になって聞こえてくるんです、というようなことを言います。

 これに対して、以前学習しました「アクティブリスニング」を行います。要するに患者さんの話を聞くとき、そっぽを向いて聞くのではなく、患者さんと一緒に問題を解決していくという態度で話を聞くことです。心配なことをご本人と一緒に明らかにしていって、どうしたら問題に対処できるか、を明らかにしていきます。これはどなたでもそうですが、自分が困っているとき、それについて親身になって相談を受けて入れてくれる人がいるということは、それだけも心の支えになります。ですから、毎回同じことなので、患者さんがいうことに「判っているから、もういい」として先の問題に進んでしまうのではなく、時には陳腐な質問でも患者さんに問いかけて、実際に患者さんがどれ位困っているのかということをよく検討していただきたいと思います。

 幻聴があると、それを取り去らなくてはいけない、と考えている患者さんやご家族の方がおります。幻聴があるうちは病気が治っていない、と考えている方が多くおります。たしかに、幻聴が聞こえない人のほうが多いし、聞こえる人も以前は聞こえなかったわけですから、幻聴がないことが健康だと考えるのが正しいと言えなくもありません。でも、世の中には幻聴があっても、聞こえてくる声とうまく付き合っていったり、あるいは、それを一種の楽しみのようにして、受け流すとか、声と親しくなるとか、いろいろな患者さんがおります。例えば、浦河のべてるの家では「幻聴さん」という名前をつけて親しく付き合っている例があります。それをカミングアウトして、私には聞こえているんだとして、それを悩みではなく、楽しんでいるとさえ言えるような対処の仕方をしている様子を紹介しているビデオがあります。

 問題は「聞こえる声」が不快であったり、声に従って何か周囲の人から理解できない行動を起こしてしまう、あるいは一人ニヤニヤ笑ったり、声に反応した会話を大声で喋ったりして、周りの人へ迷惑をかけるような行動を起こしてしまう場合に、何か手を打たなければならない場合もあります。しかし、幻聴・幻覚があるイコール病気である、とする先入観ではなくて、それはよく検討していく必要があります。つまり、生活する上でどれ位困っているのか、を検討することです。

 ですから、問題は「困り度」「どれ位困っているか」を検討する必要があるということです。それがワークブック90ページの「日常問題記録表I」です。この表は現在みなさんが問題に対してどのように対処しているかを知るためのものです。
これをもとにして、問題が日常生活に与える影響を軽くするための方法を考えていきます。

記録を取る

 この記録をつけるということは、後になって振り返ると覚えていなかったり、どういう場合に聞こえてきたか、というと印象に残っていることしか思い出せないことが多いです。でも、思い出せない部分にヒントが隠されていて、思い出せないのに聞こえている、覚えているけど気にならない、という場合が多くあります。私たち治療する側はこうした部分を大切にします。つまり、こうした幻聴・幻覚を乗り超えたケースを拾い集めて、治療の手だてに役立てようとします。ですから、理想的にはこうした記録をつけることによって、その人個人の乗り超え方を知ることです。そして、大事なのはその場でつけることです。

 ニヤニヤ笑っていたら、その場でスッと出して書いて頂くと、何が問題か、どれくらい困っている か、について表の0から10までの段階で「日常問題記録表I」に記録しておきます。そして、そうした幻覚の症状がおきるという問題が起きる直前はどんなことをしていたか、例えば誰かと口論した後ではないか、独り入院生活のことを思い出していたのではないか、というようなことも記録しておく。次に、その後どうなっていったか、聞こえてきて何を言ったか、周囲の人たちはどんな顔をしていたか、どんなことを言われたか、といったことを一連のセットとして記録していきます。

 理想的には、その幻覚があっても何事もなく乗り越えられたという場合、その状況、乗り越え方とか、そういうヒントを書き込んでおく。そして、あとで見直して見る。そうすることによって、この幻覚が起きた場合の対処の仕方として身に付けていっていただく、そういうことが大切なことです。

 問題は、これを記録していく中で、以前聞こえてきたときは10だったのが、今回は6だったいうように、度合いの変化を明確にしていくことが大事です。それから、そのときにうまく乗り越えられたということを忘れずにメモしておくことも後々おおいに役立ちます。この「日常問題記録表I」はそのように、患者さんとご家族の方が過去の経験を活かして、回復に向けて役立てられればよろしいかと思います。ですから、これは記録すればそれで終わりではなく、時々、以前の状況を振り返り、また現在、どんなことが問題となっているのかを分析・把握するために役立てられます。

対処方法

 いきなり難しい問題、例えば「友達が欲しいのだが、外出できないので困っている」というような問題を、大きなというか遠めの問題としてみるのではなく、もう少し身近な問題に置き換えて考えて見るほうがいいです。この場合は「1日1回外出ができない」というふうに置き換えてみると問題が解決しやすくなる、ということがお分かりいただけると思います。

 それから、状況とか時間帯によっていつも同じ症状を繰り返すという方がおります。例えば街中とか人ごみに出ると聞こえてくるとか、夕暮れになると聞こえてくるとかですね。あるいは通勤電車に乗ると出てくる方とかがいます。そのように、患者さんそれぞれにはある種のパターンのようなものがあります。そういったことをご家族の中で、さきほどの「日常問題記録表I」をもとに話し合い、お互いの意見がまとまってくれば、それに対してどうしようか、というようなことにつなげていってほしいと思います。

 例えば、人ごみに入ると聞こえてくるという場合は、それなら人ごみに入らないような時間帯を選ぶとか、コースを変えるなどといった対処方法が考えられます。その人が苦手な部分はなるべく避けるほうがよろしいと思います。外出できない患者さんに対して、ただ漫然と「外出してみたら」というのではなく、その患者さんが夕刻出かけていくと幻覚が出やすいということであれば、そして、それがわかっていれば、朝夕には外出を勧めないで、患者さんの外出しやすい時間帯に勧めることによって、患者さんも素直な気持ちで受け入れられます。

 また、外出はいかなる条件でも苦手という方もします。そういう方にはアクティブリスニングをしていただいて、問題を探っていただいて、どういう条件なら出られそうか、そうした事前調査というようなものをやっておくことです。どなたでも気分が悪いときに「何かしなさい」と言われれば気が重くなったり、言われた通りにできないものです。なるべくなら、患者さんにとってチャンスというか、可能性の大きいときに見つけておいてあげることです。そのタイミングに合ったときに「いいボール」を投げてあげるということがポイントです。それなりの仕掛けを作っておくとでも言うべきことです。その仕掛けの段取りとしてこのような表を作成しておくということです。

 ほかにも聞き方としては、問題となるきっかけにはどんなことがあるか、ということでは、独りで考え込んでいるとき、とか、将来のことを考えていると不安が湧いてきて、とか、気持ちに焦りがあるときに聞こえてきます、と答える方もいます。また、では問題になるようなことに至るきっかけを変えることはできますか、と聞いてみると、例えば聞こえてきたら動いてみると消えるとか、と答える方もいて、そうした場合それぞれが何らかの工夫で消すこともできるものであることがわかります。

 あるいは問題への対処方法で効果的な方法がありましたか、と聞いてみます。その場合も、例えばテレビを見ていながら幻聴が聞こえているときに、母親などが話しかけたらフッと消えてしまった、と答えた方もいました。こういう場合も、ご本人がぼんやり内容を理解せずテレビを見ているか、一応内容を理解しているが興味を持たずに見ているときか、興味深々で食い入るように見ているときか、を判断して最もいい効果的なタイミングを知って、声をかけてあげるなどの工夫があれば、そこから早く抜けられることになります。

 これは確かなデータはありませんが、こうしたタイミングのよい抜け出し方を身につけますと、これはご本人もそれによって、自らの抜け出し方を身につけられるようなことになるようです。

 躁うつ病の場合、躁と鬱が入れ替わるときがありまして、それは投薬が間に合わないくらいの早さで切り替わります。その場合、最も有効な手段はご本人が「上がらない、上がらない」と心のブレーキをかけることが即効性があり、かつ有効であると研究結果から判明しています。炭酸リチウムという薬で躁を抑えるわけですが、これは量を増やしていってもなかなか血液中の濃度が上がっていきませんので、そういうときにご自分で躁を抑えるようなこころの動きというか、ブレーキをかけるということであれば、非常にうまくコントロールできるということがあります。

 従って、心の枠組みをご自分で操作するということは、かなり有効な手立てとなること、それは訓練によっても変えられることができるものであることがわかります。ですから、悪いパターンにはまったときに、変え方をいろいろな場面で体験しておくということが大事になります。

もっと効果的な対処法はありますか?すべて挙げてみましょう。

 これは聞こえてくる方の例ですが、例えば体のどこかに意識を集中するという、指先に神経を集中して、天声人語を書き写したり、般若心経を写すという方もおりますが、そういうことをすると幻聴が消えるという方もおります。それから「思考を止める」という高等技術を身につけている方もいます。ウォークマンを聞くという方も多いです。それから運動をする、散歩をする。これは疲れない程度に行うことが大切だといわれています。

今挙げてもらった対処法の中で実行できそうなものを選んでください。

 あまり実現不可能なことを候補として挙げても、その場になって何をするのか分からない、というのでは意味がありませんから、実行可能なものを選ぶことが大切です。ウォークマンで音楽を聞くことにしておこう、としておくと取り組みやすいですね。しかし、これも曲目の選び方にも工夫が必要です。そして、曲の中のどのフレーズで幻聴が消せるか、ということまで決めておくといいです。この音楽のこの部分で一緒に口ずさむと幻聴が消えてしまう、というようなことです。これを記録しておいて、ウォークマンにボタンを設定しておいて、幻聴が聞こえてきたら、ポンとスイッチを入れるとその部分が聞こえてきて、幻聴が消えるというやり方です。

質問 ご本人はこれは幻聴の声、こっちは本当の声というふうに区別できるものですか?

先生 それは時と場合によるといえます。できる方とできない方がいます。一人の方でもできるときとできない場合があります。あるいは内容によってできるときとできないときがあります。それは様々ですが、かなりの方ができるといいます。できないときのほうが少ないようです。

 次に、「その問題にどうやって対処しましたか?」というのがありますが、今度は聞こえてきたらどうしたか、ということを記録しておきます。その結果、うまく対処できたかどうか、それを「その結果どうなりましたか」の欄に記録しておきます。

 こうした記録をどんどん記録していく中で、どうも、これが自分には合っていそうだと、いうことを選んでいただきます。それを日常の中で段取りよく活用できるようにしていただきたいと思います。つまり仕掛けに必用な道具も用意しておきます。ウォークマンを使うのであれば、すぐに手が届く位置に置いておくとか、散歩が効果的だと思えば運動靴を玄関に用意しておく、というように準備しておくことです。
 お手元のワークブックのこの部分は皆さんがご家庭で患者さんと記録を取りながら十分活用できるものですから、おうちに帰って早速試みてください。

 大事なことは、その患者さんに合った対処方法を見つけることですから、私が述べたことが必ず皆さんの場合にも当てはまるかといえば、必ずしもそうはいかないと言えます。ですから、皆さんになりに地道にその対処法は見つけてください。
 とはいえですね、幻聴というのは取りきれない部分もあります。それは、先ほども述べましたが、むしろ仲良くしてしまう、という方法もあるということです。しかし、ほかには皆さんどういう風に対処しているか、それを知るのも一つの方法だと思いますので、ここにいくつか挙げておきました。

 幻聴はどういう時に聞こえてくることになるかといいますと、一般的には健康的な人でも情況によっては聞こえてきます。それはどういう時かといえば、身体的に疲れている場合とか、不安や孤独感が強かったり、寝入りばなとかですね、いくつかそういう状況が重なったとき聞こえます。精神の病気の方の場合もそう違いはないだろうと考えられます。

 では、幻聴がない場合はどういう時かといえば、集中治療室などで幻覚が見えたり、時間感覚がなくなってしまうなどの症状が見られます。そういう場合の対処として、患者さんに時計を示したり、部屋の明るさを調整するとか、話し掛けたり、昼間でしたらBGMをかけたり、そういうある種のオリエンテーション・日時、場所、人というものを情報として与えたりとか、あるいは注意を集中する対象として音楽を流すとか、そういうことで覚醒レベルを上げるようなことをします。

 では、精神の病の人の場合を考えてみると、この病気の人は意識のレベルが上がっているのか下がっているのか、これは議論のあるところですが、やはりキーワードは「注意」という概念です。注意をそらすことで幻覚というリアルな知覚の体験を逃れる、そらすことができる、ということだと思います。

 ここでは音楽を聴くということが書かれていますが、それも好きな音楽を聴くということですね。中にはにぎやかな音楽がいい、という人もいれば、中には癒し系の音楽がいいという人もいます。イヤーフォンで聞くのがいい、という人と、スピーカーで聞くほうがいいという人もいます。あるいは音楽ではなくて、ラジオのように人の声が聞こえたほうがいいという人もいます。

 あるいは読書やパズルに熱中することで幻聴から逃れるという人もいます。それから体を動かす、運動をする、これも有効だという人は多いです。エアロビクス、ダンスとか散歩の最中は聞こえても忘れていられる、ということです。

 また、他の人と会話をしたり、一緒に歌を歌っていると忘れるということもあります。歌は一人でも歌えますから、これは自分がすぐに口ずさむことができる歌を決めておいて、聞こえてきたら一人で口ずさむ方法もいいですね。
 いずれにしても、注意をそらしたり、リラックスしてなるべく幻覚と距離をおく、ということが大切だといわれています。

 逆に幻聴を一生懸命に聞いてしまうという方法もあるようです。幻聴を自ら引き起こしてみることもできるそうです。これは幻聴もコントロールできるんだということを自覚するということでしょうね。それが自信につながるということだと思います。幻聴の声の質とか大きさとかとかを聞き分けるくらいの心のゆとりを持つ人もいるということです。
 こうした中から、その人なりの得意のパターンを見つけて、実際に幻聴があった場合には記録をして、対処方法を含めていい方向が見えてくるのではないでしょうか。

 今日はお薬がいらないということでお話したわけではありません。お薬は精神科の治療では基本的に不可欠です。しかし、お薬というのは、化学物質で誰も同じように服薬します。ところが起こってくる幻聴とか妄想の内容というのはあくまでも個人的な体験に基づくものです。幻聴の内容というのは、すべてその人が考え付いたものです。その患者さんだけの深い悩みの発露というか、一端であったり、本人の辛い部分です。周りからみるとバカバカしいと見えても、本人にとっては闇の部分ですから、周りの人は温かく受け止めてあげる必用があります。

 一方お薬はこうした個人の心に起こる内容に干渉することはありません。お薬を飲んだから心地よい幻聴が聞こえるようになることはありません。ですから、幻聴については周りの人はその内容を聞いてあげるとか、それはどういうときに聞こえるとか、よく共感しながら、その本質的な解決を目指していくべきですね。

 それにしても、患者さんの年齢が高くなってくるとなかなか内容についてまでは周りの人が把握することも難しくなります。ですから、幻聴が起こるのはどんなときか、悪くなるのはどんなときか、うまくいくのはどんなときか、ということでしたら可能でしょう。そういうことから問題を分析して、少しづつ対処に役立てていって上げられればよろしいと思います。

(紙面の都合で抄録はこれで終わります)


勉強会講演記録CDの2枚目が完成しました。
フレンズ編集室では講師の先生方の講演記録を生の声で聞いていただこうと、CD制作を行っていきます。
まず第1弾として、9月勉強会で講演していだいた曽根晴雄さんです。
タイトル『ちょっと私の話を聞いてください』  
 =聞けば見えてくる・精神分裂病当事者が語る患者の本音=

 家族は患者本人の気持ちを知っているようで理解できていません。二十数年間この病気と戦って来た曽根さんが、自らの体験をもとに訴える精神病者の苦悩、怒り、病気のこと、希望、それはすべての精神の病いに侵された人たちの声を代弁しています。
 また、当事者仲間の先輩として語る内容は、回復しつつある皆さんのお子さんが聞いても大いに励まされます。
 そして誰よりも聞いてもらいたいのは、分裂病を全く知らない人たちです。”もしあなたのお子さんが病気になったら”という目的の他に、各地で取りざたされる障害者の事件の度に生まれる誤解や偏見を防ぐためにです。一般の方に呼びかけてください。

第2弾は
「心の病を克服 そして ホームヘルプ事業へ」 
大石洋一さんです。
収録分数;61分 CDラジカセ、パソコン、カーステレオ等で聞けます。
価格;各¥1,200(送料共、2枚同時申込の場合2,270円)
   申し込みはフレンズ事務局へ E-mailでお申し込みください。frenz@big.or.jp
発売:平成14年1月
企画・制作 新宿家族会フレンズ編集室
(新宿家族会創立30周年記念事業)

編集後記 

 フレンズ(新宿家族会ホームページ)にe-mailによるメーリングリストがある。その投稿に行政からの支援について、筋違いの支援策が提示されて、ガッカリした、というような書き込みがあった。こうした事例は各地で起こっている。

 その原因の一つは、担当課としては「形」を示さなければカウントにならない、という日本の政治、行政の旧態依然とした体制があるからではないだろうか。つまり、精神の問題は「こころ」の問題であり、いくら患者、家族が心が豊かになり、回復に近づいてもそうした成果は目に見えない成果であり、担当者の成績にならない。そこで「今年は作業所をいくつ作る」とか「ホームヘルプサービスをやる」という、箱もの(建物)をつくるとか、件数で報告できる事業を始めることになる。

 問題は、その中身である。「閉じこもっていた精神障害者が思わず行ってみたくなる場所とは何か」に患者の要望を聞き、家族の意見を聞き、専門家の経験を参考にする。それには作業所にこだわらない、支援センターにこだわらない、あるいは建物など必要ない、位の柔軟な考え方で「真の障害者のための・・・」施策が望まれる。      嵜

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新宿家族会 E-mail: frenz@big.or.jp