平成14年1月家族会例会 
   
      心の病のSST・生活上手になる
講師 SSTリーダー  高森信子先生

 「生きているだけで立派です」。これがご病気の方が親からいちばん言ってほしいこと。存在自体を認めてほしいのです。「人間っていうのはみんな重荷を負って生きてて、それだけで一人前よ」、「それを果たすことで、生きる権利があるのよ」みたいな。「働かざる者食うべからず、働いて一人前よ」みたいな価値観がありますが、そういう価値観の中でいると、ご病気の方は「自分はみんなと同じではない、ダメ人間」っていう、みじめな思いに持っていって、それが孤立ということにもつながってくるんです。「家にいて、私は邪魔なんじゃないか」、「お父さんやお母さんは本当は私がいないほうが楽になるんじゃないか」と、自分への否定的な思いが土台になっているんですね。

 私はメンバーさんに患者さんはカタツムリだって言うのですが、「ナメクジだったら他の人以上にスイスイ行けるじゃない。スイスイ行けない、思うように動けないってことは、他の人より大きな荷物(殻)がのっかっているからよ。それが障害ってものなのよ」と。中身で言えば、生活のしずらさというものが5つあります。

 まず「生活技術の不得手」。「あの人が洗面所使うと、また汚して」とか、「あの人のごはんの食べ方はなに?犬みたいにあっという間に終わっちゃって」とか、「毎日同じ服ばかり着て、ほかの服もあるのに着ない、床屋も行かない」とか、いっしょに生活していて「ああまた・・」と思うようなこと、それが一つの障害になっているんですね。前はできていたのができなくなっているという、これが生活技術の不得手。生きていくうえの力がちょっと足りなくなったのです。

 二番目は、「対人関係の問題」。人づきあいが悪くて、あいさつすら緊張する。お客さんが来ると嫌がる。そうかと思うと、「自分はすごく偉い人間なんだ」とプライドがすごく高いとか、逆にすごい劣等感を持っていてお友達がつくれない。

 三番目は、「就労能力が不足していること」。五体満足なんだけど、仕事に関してまじめすぎちゃう、要領が悪い。持続力に乏しい。そして習得がなかなか進まない。同時に2つのことができない。人への協力ができない。逆に、自分のところに仕事がたまっても人にお願いができない、というところで、就労が下手になってしまったというのがお荷物の一つ。

 もう一つ、「安定性に欠けて持続力に乏しい」というのが、この病気の特色の一つ。というか、調子の波がありすぎるのですね。朝は悪いけど、夕方5時になると元気になるとか、昼夜逆転したりとか、いいなぁと思うとまた悪い日が来るとか、安定しないというのがありますね。

 五番目が「心の中がからっぽ、むなしい、生きがいがない」。そういう問題です。現実離れした空想にふけることが多い。動機づけが乏しくて、生きがいが喪失。

 こういう生活のしずらさ、5つのものが本人は具体的にはわかっていなくて、本人はただ「体が動かないよー、つらいよー、人の中に出れないよー、デイケアや作業所にいたって何を話していいかわかんないよー」っていう程度しかわからないかもしれませんが、この5つがみっちりと入っている、ということなんですね。だから、動けないということ。

 だけど、これはリハビリということが効く障害です。障害はリハビリが有効です。リハビリはそういう意味では希望が持てますね。上の荷物が小さくなるのです。障害が軽くなって、そうしたら、上に何か小さな荷物をのせても大丈夫ですね。やりたいことをのせても大丈夫になる! これはアルバイトでもパートでもいいし、お友達でもいいし、趣味をふやしてもいいし、結婚だって同棲だっていいかもよーって、やりたいことをのせられる。ただ、いま家でフーフー状態で、どうしようもないときに結婚したいよと言ったって、それはムリです。リハビリで上の荷物を小さくしてから、そういうものをのせようというふうにしていくわけです。

 では、リハビリとは何か? ここでご紹介するのは、私が作業所でSSTをやっているメンバーさんたちに「自分が生きていくうえで、少しでも重荷が小さくなるためにどういう努力をしていますか?」と聞いて、あげてもらったものです。

例えば「薬を飲む」というのがありますが、これもただ習慣で飲んでいたのではリハビリではありません。医師の治療ですね。これを理屈がわかって、本人の病識の中で症状のコントロールとして薬を飲む、と認識するとだいぶ違います。親が言うから飲んでいるのでは、すぐ忘れてしまいますね。

 山があって、ダムがあって、空から雨が降ってくる、水がたまります。ストレスの雨です。人はみなストレスを受けています。ストレスの降り方がご病気の方は集中豪雨的に降ってくるんですよ。私たちが降ってきたなという程度ですが、病気の方はざーっと降って来たと感じる方たちなのね。だから、すぐ水がたまってあふれそうになる。発病してしまう。これをなんとかしなきゃいけない、というので、お薬がダムを高くしてくれます。そうすると、また溜まる空間ができて、ストレスがたまります。そのままでは、また薬がふえますね。薬の量の多い人ほど、ストレスをいっぱい受けている人ですね。何からのストレスかというと、家族からのストレス。「あなた、またゴロゴロして・・・」なんて言うのはそうなのね。ストレスが少なくなると、薬も減ってくるのです。

 私たち、薬を飲んでいない人もストレスを受けているけども、ちゃんと、ストレス発散ということをみんなやっているわけですね。お風呂に入るとか音楽を聴くとか、お酒を飲むとか、カラオケに行くとか、それは大事なことなんですね。こういうことがご病気の方たちはとても下手なんです。ストレスの出し方が。だから発病してしまったんですね。まじめ一本の人間だったとか、ストレスを出さずにいい子を頑張りすぎたり・・・ ちょっと悪い子だったら、ならなかったかもしれないとか。

 こういう理屈がわかると、お薬の必要性、「お薬がなくなると、すぐ水がたまってきて再発になる・・・ だから、お薬はあなたを再発させないために守ってくれるもの」とわかってきます。病気を治すものじゃない。病気を治すためじゃなく、再発しないためにダムを高くして、守っているのがお薬の役目です。

 だから、今日帰ったら、こういう絵を描いて説明してあげてください。ストレスをシャットアウトするものじゃないのよって。できたら、ストレスを発散するものがあるといいのです。昨日もご家族が「プラモデルばかりやるんです」と憎々しげに言っていましたが、こういう熱中するものがあることが薬を増やさないためにはすごくいいことなんです。遊ぶことで病気もよくなってくるんです。

 作業所でも、町工場なみに仕事をしているところと、仕事をしない溜まり場的な作業所とがあります。両方でSSTをやりますが、作業をしない作業所のメンバーさんのほうが大らかで人生を楽しんでいます。遊び上手というのは大事なことなんです。

「通院する」というのがあります。通院するには、前日にお風呂に入る、服を先生に失礼にならないように着る。玄関から外へ出るということ自体、外の空気にふれるというリハビリです。うちの中だけでは、リハビリは進まないんですね。社会に出ないと。先生と話といっても、1分もかからないうちに終わってしまって話し合ってないわけですが、少しでも話し合うようになる、自己主張ができるようになると、これはリハビリになるからねって、これを本人のSSTでは練習するわけです。

 これらは、みんなメンバーさんたちが言ったことですが、「朝起きる」「生活のリズムづくり」「人に慣れる」、そのために「1日1回は外に出る」とか、「デイケアとか作業所とかSSTとかイヴニングケアとかそういうところを利用する」、「話をきちんと聞いてはっきりと話せるようにする」「あいさつする」「感謝する」「ほめる」「お願い上手になる」「断り上手になる」「自活能力を身に付ける」・・・ これは家事手伝いって本人が言ったんですね。今日は家族の人たちなので言いますが、自活能力を身につけさせたいとみなさん思っていますね。では、現実に一人暮らしをしているメンバーさんは大勢いますが、そういう方たちがどうやって生活しているかというと、だいたいコンビニのお弁当とか、ごはんだけ炊いておかずは買ってきちゃうとか。

 この間は、メンバーさんにビデオを貸して、自分の食卓を写してきてくれたんですが、見たら畳の上に新聞紙をしいて猫メシみたいに並んでいるんですよ。「偉いね。ちゃんと何品もあるじゃない!」って。「なに、新聞紙!?」なんて言わないんですよ。「いくつもあるアラカルトいいねー」って。「どうして新聞紙しいたの?」と聞くと、「後片づけが楽だから・・・ 拭かなくていい。こぼしたら、そのまま丸めて捨てればいい」。一人暮らしなら、それなりに合理的にやっているわけですから、これでもかまわない。でも、親がみたら、「また、あんた、手抜きしてー」なんてね。ストレスの雨浴びちゃうことになりますよね。「ごはんはテーブルの上で食べるもの!」なんて言って。

 ここで言いたいことは、家族は、自分は大変な思いしてごはんを作っていますよね。「お母さん、ごはんまだ?」なんて言われると、自分はお茶づけでもいいのに、その子のために作らなきゃいけないと思うと、うんざりしながら作っていますよね。だから「せめて、後片付けくらいやってよ」って、そういう気持ちになっちゃう。そこで、私がいつも言うのは、おままごとの原点にかえってくださいということです。

 子どものころのおままごとというのは、食器洗いはあまりやらないんですよね。それよりも木の葉をとってくるとか、お花を摘んでくるとか、泥んこでハンバーグを作るとか、盛り付けして食べることをやるんですね。だから食器洗いにあまりエネルギーを使って、自活能力をつけるためにと考えてさせることはあまり楽しくない。逆にストレスなんです。メンバーさんに聞くと、「(親が疲れるから)親孝行だと思ってやっています」という。せめて、作るのはできないから、食器洗いをやる。親のためにやっているっていう。でも、一人暮らしをしている人は、食器なんて洗わなくてすむような食べ方を現実にはしている、ということなんです。だとすれば、あまり目くじらを立てて、「洗いなさい!流しに持って行きなさい!」なんて言わないで、それよりも、「ちょっとトマトを好きなように切ってくれない?」とか、食べることの方に少し会話をふやしてほしいです。コンビニのお弁当でも、こういう傾向のものを食べたほうがいいんだよ、という栄養学とか、野菜を多くしようとか、教えてほしいんです。

 ほかにリハビリとしてあがっているのは、「買い物」「バランスのとれた食事」「清潔を心がける(入浴も含めて)」「金銭の使い方」・・・ お金のことでは、「自分の6万5000円のやりくりはできるんだけど、いざお母さんが死んじゃったときに、うち一軒のやりくりはできない、とても不安だ」というんですね。先の不安を先取りして悩むんです。だから、家族の方、通帳の引き落としとかみせたり、食費はこのくらいよとか、オープンに教えてあげるほうがいいではないかと思います。

 それから、お医者さんが言うには、ご病気の方にとってお金が足りないのはストレスになるということ。私たちは、必要経費「3万円いるんだけど」と言われて、2万7000円あげて、「あとは自分でやりくり勉強しないさい」なんて言ったりしますが、それはご病気の人には通じないそうです。足らない分をあげてやりくりなんて言うと、ドカーンとストレスをもらっちゃうんだそうです。だから、必要経費プラスαつけてあげてください。

 買い物は、自己決定するいちばんいい勉強です。ご病気の方は、そのメンバーさんに聞くとわかるんですが、いつでも迷うと言います。決定できない。親に聞いてしまう。トイレに入るたびに、「お母さんトイレ入っていい?」なんて、自分の問題なのに、聞きに来る。そのくらい、不安で迷ってて、聞いて指示してもらうクセがついているんですね。でも、買い物っていうのは、自分の意志で買えるんです。これはすごい自己決定っていう快感なんですね。だから、買い物好きで困るという家族もいますが、全くケチなうちよりはよっぽどいいですね。生きる力っていうことを考えることです。ケチで絶食寸前まで食べない生活保護の人が居て、保健婦さんが困り果てて、イヴニングケアとか夕食会を先にお金を生保からとって、「行かなきゃダメよ、もうお金とっちゃったんだから」って、無理やり食べさせている人もいるほど、お金を使うことに罪意識を持つ人もいるんですね。ですから、プラスαあげてください。

 「五分五分の友達関係」。これもとてもいいことで、どの程度その人が認識しているのかと思って聞いたら、「ぼくは今までいつも友達に全面依存でこわれてた、絶交されてた」と言うんですね。「電話かけると、自分の話ばかりして・・・ 向こうがいやになって、嫌われてきた。だから、5分しゃべったら、5分聞く」。うちの中でも、向こうが親にしゃべりつづけてきたときに、「五分五分の関係になろうよ」とか、「あなた50分しゃべったから今度お母さんに50分しゃべらせて」とか、そうすると、同じ関係になるということですね。

「困ったときの対応」。これも一つの例ですが、私の知っているご病気の人から電話がかかってきて、「友達から勧誘されて生命保険に契約してしまった。毎月3万3000円、生活保護で一人暮らしなのに、それを言えずに1回目払ってしまった」と。2回目の支払いに困り果てて、4年前に一度会っただけの私のところに、「こういうとき、どうしたら」と電話をかけてきたんですね。その方は毎日作業所に行っているんですよ。ここで、みなさん家族だから言いたいんですが、家族は100%援助者としてやっていますね。木があって親は大木。これにご病気の方は気持ちよく寄りかかっている。親がいるから大丈夫と。親が死んじゃったとき、100の力で寄りかかっても大丈夫という人がいますか? 自分と同じように、あの子を見てくれる、という人。います? いませんね。100の人がいないことはわかりきっているのですね。だから、病気の人も不安なんですね。親の死を心配するという人はたくさんいます。これは「10の力の人が10人いれば、100になるよね」と。じゃあ、誰がその10人になってくれるか? 親を100として10分の1くらいのお助けをやってくれる人は?

「ヘルパーさん、ケースワーカーさん、保健婦さんとかのスタッフ、あと兄弟・・・」「友人、仲間たち」「いとこ」・・・ 民生委員、支援センター、よく知っている知人、家族会、電話相談、ピアカウンセリング、お医者さん・・・ 交番だっていい。隣の家だっていい。相談、お願いができる関係になれるといいですね。たくさんいるといい。「お願いする人を一人に決めちゃうと、その人も重荷だから逃げちゃうんだよ。たくさんいるんだよ」ということを伝えてほしいんです。私のところに電話してきたその人は、毎日通っている作業所のスタッフが助けてくれる人として全然浮かばなかったのね。そういう困ったときに、どういう方法があるか、誰に頼めばいいのか、今日、伝えてあげてくださいね。

 「危機管理」「症状のコントロール」「休む」「寝る(お休みするのもあなたの仕事)」。休むのもストレスを発散するためなのだから、休んでいる最中に「また寝てるの!」って言ってしまったら、ストレス発散にならないのね。この間、メンバーさんからお手紙が来ました。「私は眠くて眠くてたまりません。朝の5時頃寝て、夕方の5時頃起きます。それでもまだ眠くて眠くてずーっとやる気がしません。で、手首を切りました。去年は4回切りました。最後のときは缶きりで切ったのでギザギザになってしまいました。もう生きているのがイヤです。どうしたらいいでしょうか?」という手紙なんですよ。

 会う前に、まず一つのお返事を出したのは、「あなたはいま眠いって体がサインを出しているのだから、徹底的に寝たほうがいいですよ。いま、お仕事をしていない、学校に行っていないってことは、寝るチャンスよ。だから寝たほうが自分が元気になると思って寝てください」と。ところが、彼女は寝ちゃいけない、起きてなんかしなきゃいけないっていう思いで寝るから、いい睡眠じゃないのですよ。ストレスのはけない眠り方なんです。

 不眠はこの病気を悪くする原因ですね。20時間眠ってても、不眠状態で寝てると、寝てても2〜3時間の眠りしかとれない感覚なんですね。だから、家族は眠くてたまらない人に「あんた、だからリハビリすすまないのよ。ムリして起きなきゃダメよ」って言うのは逆効果なんです。眠いときはもう体が動かないのだから、寝かしてあげたほうがいい。「寝てていいのよー」って。私たちでもわかるように、カゼひいて元気になってきたら寝てられないのよね。ほんとにつらいときは、どんなに仕事があっても起きられないんですよね。ご病気の方も眠いときは寝かしてあげたほうがいい。十分に寝れば、少しずつ元気が出てくる。まだ寝たいという人は寝たりないんですね。

 「遊ぶ」「楽しいことをする」「趣味を広げて深める」。これはストレス発散ですね。「体にいいことをする。散歩とか、水泳とか」「近所に親しむ」「役割と責任」。これは本人に聞いたら、家中の雨戸を開けるのが役割とのことでした。その人のできることをやってもらう。適度な緊張ですね。「社会に挑戦」。この人はマンションの清掃をしていて、住人の人に挨拶をしなきゃいけない。年齢の上の人には「おはようございます」、下の人には「おはよう」。その境目が困る。悩みます。それで社会に挑戦しているのだそう。それもストレスなのね。だから、SSTでは、そういうときにはみんなに「おはよう、ございます」って、くっつけちゃったほうが向こうもいい感じなのよと。ちょっとしたミスで劣等感につながったり、完全主義者がけっこう多いですね。言葉づかいとかでも、「ぼくのことを君と言った」と言ってすごく怒る人もいたりします。だから、みんな「○○さん」「あありがとうございます」といった方がいいのよと。

 その人なりのリハビリは他にもいろいろあると思うので、それをそれぞれ書いてください。そうして「こんなにリハビリがあるのに、このうちいくつやっているつもりなの!」なんて言わないで、「これ、あなたの仲間がやっていることなんだって。できているところに丸をつけるんだって」と、丸がついたらほめてあげてください。薬を飲んでいる→「当然当然」なんて言わないでください。「これはいいこと! じゃあ、なんで薬飲むか知ってる?」と聞いて、まずほめて会話すると、こっちの情報が入りますね。とにかく、ほめてほしいんです。

 ひと通りつけてみたら、「次にあなたが丸をつけたいとしたら、どれがいい?」と、ついていないところから次の目標を考えてみる。「ここに書いてあること以外にしたいことでもいいのよー」というふうに利用してほしいんです。義務のように渡すのではなく、ほめるために使ってください。リハビリを幅広くとらえてほしいです。そして、10回言ってほしいのが「生きているだけで立派です」と。「今日あなた1日生きているだけで人間のお勤めを果たしているのよ。重い荷を背負って頑張ったんだから偉い」って言葉です。

 では、「大事にしている」ってことを実際に会話でやってみましょう。まずお願い上手になることもSSTですね。で、お願いしてダメだったときは、あっさり引っ込めてしまう。ノーゴーサインとゴーサインを見極めて。相手にやってもらうことは期待しないこと。何かをやってもらって自分が助かるんじゃなくて、コミュニケーションのために使おうと思って頼むこと。だから、自分でできることなんだけど、あえて頼んでみて、断ってきても「そうかぁ」と気持ちをわかって認めてあげることが本人が元気になるもとなんです。

では、子供とお母さんの役で、責められる場面でやってみましょう。

子役「お母さん、いつも私のこと大事に思ってくれないよね」

母役「大事にって、どういうふうに思ったらいいのかしら・・・ 私、大事に思っているつもりなんだけどなぁ」

先生「あっ、大事に思ってないって、あなた、思ってるんだぁ」と言ってみましょう。

子役「だって、そうだよ。お兄ちゃんと私の接し方、お母さん、違うもん」

母役「そう? お兄ちゃんとの接し方、違うかなぁ?」

子役「うん。ひいきしているよ。ずっとそう思ってきた」

母役「ずっと、お母さんがお兄ちゃんのことひいきしてきたと思っているんだ」

子役「そう思ってた。だって、お母さん、冷たいし、子供っぽいし、すごくそのへん、わがままだと思う」

母役「そうか、お母さんわがままなんだ」

子役「すごく、そのへんわがままだと思う」

母役「そうなんだぁー、お母さんわがままなんだぁ。・・・・悪いことしたねぇ」

先生 いちばん感情がこもっていたのは、お母さん冷たいし・・・何と言いましたか? 忘れちゃいますね。そしたら思い出さなくていいから、聞いてみてください。感情のこもっているところは、もう一度言わせるほうがカウンセリングになるんです。だから、それを聞ける自分になること。本当は自分への攻撃の言葉だから聞きにくいですよ。

母役「お母さん、わがままだったかなぁ? あと何と言ったっけ?」

子役 こういうときうちの娘は「またそうやって人の話を聞いてない。だから、そこがイヤなんだよ」となるんですよね。

先生 これがいちばん病気の方が親に言いたいセリフなんですよ、本当に。だから、ある程度の話をきちんと繰り返してあげると納得するのね。本当に聞いてたなと。聞いているポースだけとってるのはいちばんよくありません。親を責めるってことは、本当はつらいことなのだけど、調子のいいときは責めないんですよね。調子の悪いとき、あの4つの条件がそろったときなんですよね。だとすれば、なおさら、治療の一つとしては相手の孤立の部分を埋めてあげる必要がある。

では、「お母さん、わがままって言ってたけど、その前なにか大切なことを言ったよね。もう一度ちゃんと聞かせて。お母さん、反省しなきゃいけないから」って感じで聞いてみましょう。

(大変申し訳ありません。事務局の都合によりここで打ち切らせていただきます。なお、「フレンズ」紙面版は、今月号は休止させていただきました。3月に合併号として発行する予定です。)
テープ起こし:渡辺信喜 菊地太一(新宿社協ボランティア)

勉強会講演記録CDの2枚目が完成しました。
フレンズ編集室では講師の先生方の講演記録を生の声で聞いていただこうと、CD制作を行っていきます。
まず第1弾として、9月勉強会で講演していだいた曽根晴雄さんです。
タイトル『ちょっと私の話を聞いてください』  
 =聞けば見えてくる・精神分裂病当事者が語る患者の本音=

 家族は患者本人の気持ちを知っているようで理解できていません。二十数年間この病気と戦って来た曽根さんが、自らの体験をもとに訴える精神病者の苦悩、怒り、病気のこと、希望、それはすべての精神の病いに侵された人たちの声を代弁しています。
 また、当事者仲間の先輩として語る内容は、回復しつつある皆さんのお子さんが聞いても大いに励まされます。
 そして誰よりも聞いてもらいたいのは、分裂病を全く知らない人たちです。”もしあなたのお子さんが病気になったら”という目的の他に、各地で取りざたされる障害者の事件の度に生まれる誤解や偏見を防ぐためにです。一般の方に呼びかけてください。

第2弾は
「心の病を克服 そして ホームヘルプ事業へ」 
大石洋一さんです。
収録分数;62分 CDラジカセ、パソコン、カーステレオ等で聞けます。
価格;各¥1,200(送料共、2枚同時申込の場合2,270円)
   申し込みはフレンズ事務局へ E-mailでお申し込みください。frenz@big.or.jp
発売:平成14年1月
企画・制作 新宿家族会フレンズ編集室
(新宿家族会創立30周年記念事業)
編集後記
 事務局多忙のため、今月の紙面版「フレンズ」は休止せざるを得なくなってしまい、HP版も中途半端で終わってしまった。更新が遅れたことと合わせてお詫び申し上げます。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。                    
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新宿家族会 E-mail: frenz@big.or.jp