ミクロ戦記その2

 地球本部が攻撃を受けている時、本部周辺の偵察に向かっていたディモンズ率いる4機のジェットミラー部隊が帰還してきた。索敵能力とスピードには優れるが滞空時間の短いジェットミラーが一足先に帰還してきたのだ。

 「管制塔、どうしたんだ!!炎が見えるぞ。」ディモンズが叫ぶ

 「敵襲だ。しかし既に撤退命令が出ている。」

 「こっちはガス欠で墜落寸前だ。着陸できる滑走路を指示してくれ。」

 「よし、4番.7番の滑走路に着陸してくれ。」

 「みんな、わかったか。俺とホリー、ヘインズで支援する。ドナー、まずおまえから着陸しろ。着陸の手助けはしてやれん今日は一人で着陸しろ。」

 「了解、着陸します。」

 残ったディモンズ以下ホリー、ヘインズの3機のジェットミラーはトライアングルフォーメーションを組んで上空のアクロボットマンに向かっていった。

 「サイドワインダー2本じゃ心許ないな。」3機のジェットミラーはスピードを上げる。小さな機影が見える。標的のアクロボットマンだ。ピピピピピッ、ジェッミラーの2本のサイドワインダーミサイルが標的をロックオンしたのだ。

 「発射!!」2本のミサイルがアクロボットマンに向かう。ミサイルの存在に気づいたアクロボットマンは反撃しつつ、機体を左右に振るように後方に離脱しようとした。ミサイルはそれを追う。

 ドガッ。サイドワインダーの1本がアクロボットマンに命中した。翼と思われる部品や手足と思われる部品が四散する。標的のアクロボットマンを破壊したのだ。

 「敵1機、撃墜!!」ディモンズはジェットミラーを旋回させる。他のアクロボットマンは状況が掴めず混乱している様だ。チャンスだ。

 「もう一度やるぞ。2機同時にやる。ホリー、ヘインズ、ロックオンしたら直ぐ発射だ。」

 「了解」

 トライアングルフォーメーションのジェットミラーが混乱するアクロボットマンの中に突入した。今度は2機のジェットミラーから2本ずつ4本のサイドワインダーが飛ぶ。ディモンズはレーザーでそれを支援する。

 ドガガッ、さらに2機のアクロボットマンが空中に四散する。

 「よくやった。着陸する。管制塔、対空砲座の支援頼む。」

 「了解、砲座に支援させる。滑走路は7番を使ってくれ。」

 「わかった。ホリー、ヘインズ順に着陸しろ。俺は上空待機する。」

 ディモンズは上空を旋回しながら部下の着陸を見守る。地上の対空射撃は散発的ながら行われているようだ。

 「支援になってないな・・・・・。」ドガガッ。ディモンズは自機の後方に衝撃を感じた。ディモンズは後方を確認する。ジェットミラーの左エンジンから黒煙が出ている。煙で後方は見えないが敵機の攻撃だ。

 「くっそー。」ディモンズは機体を揺さぶって回避する。ガガガッ、また何カ所か被弾したようだ。

 「管制塔、支援頼む食いつかれた。」ディモンズが叫ぶ。ディモンズが滑走路を見ると今アースジェッターが離陸せんとする所だった。

 「バカな地上攻撃じゃないんだぞ。鈍足のアースジェッターでどうするつもりだ。引き返せ!!」ディモンズは思わず叫んだ。

 ビビーッ。コンソールのアラームが点滅しブザーが鳴り響く。後方警戒レーダーが敵にロックオンされたのを知らせている!!

 ドガーッ。爆発音がこだまする。

 「ディモンズ無事か!!」無線機から聞き慣れた声が聞こえてくる。スコットの声だ。

 「間に合って良かったぜ、直ぐに着陸しろ支援は俺達にまかせろ。」格納庫からロボットマシーンZとタンクが姿を見せていた。

 「ばかやろう、支援するならもっと早くやれってんだ。」ディモンズはジェットミラーの速度を落とすと着陸体勢に入った。

 「よし、みんな弾薬が尽きるまで射ちまくれ!!」スコットが叫ぶやロボットマシーンZ、タンクと対空砲座が同時に火を噴いた。不用意に近づいてきた敵に集中砲火を浴びせた。

 ボブソンとエックス、エースは司令室を出て管制塔に向かっていた。不意にボブソンが立ち止まる。

 「どうしたんです?」エックスがボブソンに尋ねた。

 「すまん、先にやっておかなければならない事がある。私が戻るまでエックスはコマンドアーミーのエースはコマンドエアーの指揮を頼む。」

 「長官。」エックスはこのボブソンの指示に不信感を感じつつもボブソンが何をしようとしているのかわからなかった。

 「はっ。」エースは驚いた表情を一瞬見せたがすぐ喜々とした表情でボブソンに敬礼した。エースは一時的にとはいえコマンドエアーの指揮を任される事にうれしさを感じていた。当然エースにはこれからボブソンが何をしようとしているのかを理解は出来ていなかった。

 富士山地球本部の地下2階、ここは1フロアーすべてが医療施設として使われている。最新の医療機器やベッド、病室など、患者数1200人を収容できる巨大施設である。ボブソンはその施設の一角にある処置室にいた。そしてボブソンの前には一人の男が座っている。机の上には沢山のカルテとコンピューターがあり、コンピューターのモニターにはには患者のものらしい沢山のデータが表示されている。その男はボブソンの方には目もくれずコンピューターに何かを入力し、そしてカルテに何かを書き込んでいる。

 「なんの用です。ボブソン長官」男は暗い口調でその男は言った。

 「まさかまだここに人がいたとはな・・・。避難命令が出たはずだが。」

 「知っていますよ。」そう言いながらその男は次々と未処理と思われるカルテに何かを書き込んでいった。

 「君は避難しないのか」

 「長官、見ての通り今私は患者のカルテを処理している最中です。」

 「しばらく待っていよう・・・・。」

 「いえ、かまいません。今すべて終わらせました。」

 「直ぐには無理ですが、避難命令には従うつもりです。」その口調は無感情そのものの口調だった。

 「ディオ、一つ急ぎの仕事を頼まれてくれないか。」

 「長官、どういう仕事か想像がつきますよ。」

 「もう一度私をミクロマンパンチにしてくれ。ハルクのボディは保管されている筈だ。」

 「・・・・・。」ディオは沈黙した。

 「しかし、長官の体は健康体とはいえ老朽化が進んでいます。ミクロマンパンチへの改造手術をすればもう二度と普通の体には戻れないかもしれません。」ディオは無表情にそれをボブソンに告げた。

 「かまわん、むしろ年老いた私であるからこそ適任なのだ。未来ある若者達にそんな手術は受けさせられない。」ボブソンは力強い口調でディオに言った。強固な意志を感じさせる口調だった。

 「わかりました。手術の準備をします。最新の機器が揃ったここならそう時間はかかりません。長官は保管庫からボディを持ってきて下さい。」ディオはそう言うと改造手術用の大型機器を起動させた。

 「すまんな無理を言って」

 「構いません、これも仕事の内ですから。」

 処置室の奥には搬送用のエレベーターがあり、それは階下の保管庫に繋がっている。ボブソンはエレベーターに乗ると階下の保管庫に向かった。

 そこは予想外に清潔に保たれていた。そこはとても二十年も使われていないパンチのボディが保管されているようには思えなかった。壁のスイッチを押し、ライトを点ける。6体のボディパーツがそれぞれケースに入った状態で置かれている。ケースにはホコリ一つ積もっていない。ボブソンはケースに近づいていった。

 ボブソンはハルクのボディの入っているケースをのぞき込んだ。天井からの光に照らされメタリックグリーンのハルクのボディが輝く。

 「フフフ、元気そうじゃないか戦友。」ボブソンは少しキザかなと照れながらハルクのボディに語りかけた。

 「長官、手術の準備が出来ました。」

 「わかったすぐ持っていく。」

 富士山地球本部、正面ゲート。既にゲートはこじ開けられ、アクロ兵が侵入していく。数人のコマンド達とミクロナイトが侵入を防ぐ為に戦っているがもはや多勢に無勢だった。ミクロナイトは外装こそ旧式の機体と同じだがこの20年の間で強化改造された新型機である。

 「誰かゲートに、ゲートに行ってくれミクロナイトでもいい」

 「だめだ防ぐだけで手一杯だ」

 数体のミクロナイトがゲートに向かうが数体のアクロ兵に一斉に取り囲まれ瞬時にして破壊された。

 「ぐああっ」一人のコマンドが数体のアクロ兵に組み伏せられた。急にアクロ兵の動きが組織的なものに変わった。アクロ兵達の後ろに何か別のものがいる!?いや、新たに加わったのだ。

 「!!」数人のコマンド達が見たものは無機質な姿をした敵。一部のベテラン兵は同じ姿の敵をかつて見たことがある。それはアクロイヤー・・・。

 「デモングリーンめ、こんなゲートなどに時間をかけていてどうするのだ。」

 「ゴ、ゴールドスター!!」ベテランコマンドが叫んだ。その声にそのアクロイヤーは反応した。

 「ふふふ、私を見たものは生かしておかん。」ゴールドスターの体が急に動いた。ドガッ!!次の瞬間ベテランコマンドの体はふっ飛ばされゲート脇の壁にたたきつけられた。何度かけいれんをしたがそのまま動かなくなった。ブレストが破壊され、ダイガードが砕けている。大量の血液が破壊されたブレストから吹き出す。

 「ミクロマン、おまえ達の最大の武器にして最大の急所は生命維持を司るそのブレストなのだ。」ゴールドスターはベテランコマンドの体液を身に浴び喜々としている。こいつは返り血を浴びることを一番の楽しみにしているのだ。

 「・・・・。」一瞬でたたき殺されたベテランコマンドを見て他の若いコマンド達は恐慌状態に陥っていた。

 ドガッ、ドゴッ。ゴールドスターは次々とコマンド達やミクロナイトを葬っていく。

 「弱い、弱すぎるぞ。何という手応えのなさだ。かつてのおまえ達は違ったはずだ。」ゴールドスターは屍を踏みつけつつ叫んだ。

 格納庫、アースジェッターに搭乗するエース。この機体はこれからオーバーホールを受ける予定だった機体で整備状態は良好とは言い難い。

 「大丈夫ですかこの機体で?」ダニエルが心配げにエースに尋ねる。

 「飛べればいい後は何とかする。」エースは不機嫌そうな表情でダニエルを見ずに言う。

 「何かあったらムリせずに戻って下さいよ」

 「わかったよ。下がってくれ発進できない。」

 「了解。」

 既に上空ではディモンズ達ジェットミラー隊が戦闘状態にあった。偵察任務から帰還した多数の機体もそれに加わっていた。

 ひゅぉぉぉぉぉっ両翼のローターが回転し始める。ローターは推力を生みだし機体がゆっくりと前進していく。アースジェッターは滑走路に向かう。

 「管制塔、アースジェッター離陸する。」

 「了解、敵に気を付けてくれ。」

 「OK、OK」エースは面倒くさげに応対した。

 ひゅぉぉぉぉぉっ。アースジェッターはゆっくりと高度を上げる。

 「ディモンズ、こちらコマンドリーダー、エースだ。これから指示に従ってくれ。」

 「了解、ボブソン長官から聞いている。偵察から帰還した部隊も新たに加わってくれている。」ジェットミラー隊のディモンズからの応答だ。

 「こちらコマンド・エアーのサイモンだ。これからあんたの指揮下に入るぜ。」サイモンはディモンズの通信に割り込んだ。

 「・・・・という事だ。」ディモンズは苦笑しながら続けた。

 「現存する全機で本部南西部の上空の敵を排除、地上のハワード隊の支援を行う。その後、本部周辺の敵をたたく。ディモンズは右翼、サイモンは左翼を担当。残りは私に従ってくれ。」

 「了解。」通信機からほぼ同時にディモンズとサイモンの返事が帰ってくる。

 前方の右にディモンズ隊、左にサイモン隊、後方にエースの部隊がVの字を描くように編隊を組む。前方には敵の増援と思われる影が多数見えていた。

 地球本部南西ゲート、メイスンは非戦闘員の避難を指揮していた。非戦闘員の数は思ったほど多くはなかった。時折爆発音や銃声が聞こえ、コマンドアーミーがすぐ間近で戦っているのがわかる。バーンズがいざというときのために護衛として付けてくれたポリスキーパー達が守る中、非戦闘員の本部からの撤退は比較的スムーズに進んでいった。

 「アントニー、あと何人ほどだ?」メイスンは借り物のパルサーショットを構えながら先導するアントニーに聞いた。

 「あと15人ってところです。長官。」

 「よし、もう一息だ。しかし、苦労して建設したここから撤退する事になるとはな・・・・。」メイスンは弱気になっていた。そして自分に活を入れつつポリスキーパー達に檄を飛ばした。

 「急げ、敵は間近まで迫っているぞ!!」

 地球本部正面ゲート、ゴールドスターは多数のアクロ兵とともに正面ゲートを抜けた。時折散発的な攻撃がミクロマン側から繰り出されるがその都度アクロ兵の激しい攻撃で沈黙していった。

 正面ゲートを抜けたそこは2階まで吹き抜けのロビーになっている。ロビー中央には2階に続く階段がある。ミクロマンが築いたらしいバリケードがあるが攻撃してくる気配はない。無人の野を行くようにゴールドスターは階段を登り2階へ、バリケードの後ろに人の気配はない。ミクロマン共は既に奥に逃げたようだ。バリケードを蹴り壊しそのまま2階フロアーにのぼる。ここには管制塔や司令室に向かう通路がある。

 「!!」ゴールドスターは何らかの気配を感じて立ち止まった。後から続くアクロ兵もそれに習って停止した。

 「誰だ。」ゴールドスターは気配のする方向に叫んだ。薄暗い通路の奥に誰かいる。

 「ここから先は誰も通さん。命が惜しければ帰るんだな。」それはミクロマンらしかった。だが一回り大きい。深々とヘルメットをかぶりっていてそれが誰なのかはわからないが身のこなしは戦闘経験豊富な様子だった。メタリックグリーンのボディにさらに追加装甲らしいものを装備している。

 「誰に向かってものを言っている。」ゴールドスターは鉄球状の腕を怒りに振るわせている。

 「このボブソン・・・いや、ミクロマンパンチ・ハルク久々の戦闘だ。お前なら腕ごなしにはちょうどいい相手だ。かかってこい。」

 「腕ごなしだとぉ。」ゴールドスターは激怒してハルクに飛びかかった。ハルクは軽くそれをいなすとゴールドスターの腹にパンチを喰らわせた。ゴールドスターはもんどり打って倒れた。ミクロマンパンチは格闘戦能力を飛躍的に向上させる改造手術だ。パンチの威力は伊達ではない。

 いける、体が嘘のように早く動く。老骨に鞭を売って無理な改造手術を受けただけの事はある。

 「では止めだ。」ハルクはゴールドスターを右手で掴み上げると左のアッパーパンチをゴールドスターの腹部、ブレストにあたる部分に喰らわせる。ハルクの拳はゴールドスターの腹を突き破り、その内臓をむちゃくちゃに破壊した。

 「ぐふぅぅぅっ」うめきとも悲鳴とも聞こえる音を発した後、ゴールドスターの機能は完全に停止した。

 「相変わらずの威力だ・・・。ただ、体がいつまで持ちこたえられるかだ・・・。」ハルクはゴールドスターを失い浮き足立つアクロ兵を次々と叩きつぶしていった。

 「これで少々なら時間は稼げるだろう・・・・・。」ハルクは倒したアクロ兵の残骸を厚めそれに火を放った。そして、階段を一歩一歩降り、ゲートの方に向かった。ロビーは後続のアクロ兵でいっぱいになっていた。

 薄暗くすえた木の臭いのする場所。埃っぽく長く人が使っていないらしい雰囲気だ。ローバーは薄らいだ意識のままそこに横たわっていた。手足には鎖が巻き付けられている。薬品を使われたらしく意識は朦朧としている。時間の感覚が無くなってしまっている。

 ローバーはうっすらとした意識の中で誰かの視線を感じた・・・・。アクロイヤーか?・・・・・・・足音がこっちに近づいてくる。

 「まさかこんな所で仲間に出会うとはな・・・・」その視線の主はローバーに近づくと小声で話かけた。その手にはマジシャンリングが装着されている。ローバーは朦朧とした中でその人物が仲間である事を理解した。

 「アクロイヤーに捕らえられたのか・・・・」

 「余計な仕事が増えてしまったな。ステルス」マジシャンステッキをもてあそびながらもう一人近づいてくる。

 「ダニー、手伝ってくれ。」ステルスはローバーを抱え上げようとする。

 「わかった、急ごう、爆発までそう時間は残ってないぞ。」ダニーはローバーを抱え上げるステルスに手を貸した。

 富士山地球本部司令室、バーンズはモニターに映る各本部施設の惨状を眺めていた。何基もあった自動砲台もほとんどがアクロイヤーの攻撃の前に沈黙してしまった。次々と倒れていく若いミクロマン達。

 「コマンド部隊につぐ、生存者は全員撤退せよ。まもなく地球本部は陥落する。」バーンズはレシーバーに向かって最後の指令を伝えた。

 「バーンズ指令!!あなたはどうするんですか!!」スピーカー越しにエースの声が聞こえてくる。

 「エースか、私の事はいい。近くにいるなら君もここを直ぐ離れるんだ。」

 「我々はまだ戦えます。せめて指令の避難まで上空で待機します。」

 「既に撤退した皆と合流し、再起を図ってくれ!!」

 ビービービービー!!バーンズの言葉を遮るように警報が鳴る。本部地下中央部にある光子力エネルギープラントに敵が侵入したのだ。これまでか。奴らもろとも吹き飛ばしてやるか。バーンズは司令室の自分のシートにあるコンソールパネルを外した。ガラス板でカバーされた赤いボタンがある。緊急時に光子力エネルギープラントの制御を解除つまりエネルギープラントを暴走させるボタンだ。制御を解除されたエネルギープラントは膨張しエネルギー炉が限界をむかえると大爆発を起こすことになるのだ。バーンズは拳でガラス板を叩き割った。

 「さらばだ」バーンズは赤いボタンを押した。司令室の計器類がすべて赤く光る。モニターには4桁の数字が表示され、カウントダウンされる。爆発までのおおよその時間だ。表示されている時間は600秒・・・590・・・580・・・瞬く間に数字は減っていく。

 カウントが400を切った時、司令室のドアが開いた。誰かが入ってきた。

 「誰だ。」バーンズがドアの方に向かうとそこには変わり果てた姿の戦友がいた。

 「ボブソン・・・その姿は・・・ミクロマンパンチ・ハルク」

 「バーンズ」

 「ボブソンまだ間に合う君は逃げろ。」

 「残念だが時間的にムリだ。」

 「そうかすまないな・・・」バーンズがそう言ってモニターに目を向けた。

 ドガガーン、制御を失った光子力エネルギープラントは爆発し、プラントの各部から激しく火を噴く。その炎は次々と周辺の機械や、施設を火の海に変えていった。その火が燃料庫に達したとき。富士山地球本部は最後の時を迎えた。それはまるで富士山の麓で火山が噴火したような様相だった。

 富士山地球本部の爆発の衝撃でアースジェッターの機体が一瞬浮き上がる。エースは操縦桿を力一杯引いて機体を引き起こした。

 「バーンズ長官!!」エースの叫び声も空しく爆音にかき消された。

ミクロ戦記その4