ミクロ戦記その6


 ミクロサテライトに宇宙船バッカスが減速しながら近づく。ゲートが徐々に開く。

 「どうやら俺達を歓迎してくれるみたいだぜ。」

 「どう歓迎してくれるのかはわからんがな。」

 ゲートを通り抜け宇宙船格納庫に入る宇宙船バッカス。壁面からドッキングベイがせり出しバッカスのハッチに接続される。

 「嫌な予感がする。ジェットはバッカスで待機だ。レザーと三兄弟はついてこい。ジェット、もしオレ達に何かあったら全弾ぶちこんで離脱しろ。」

 「わかったッス。」ジェットモグラーは不満げだが素直にガンボディの指示に従った。

 バッカスの出入り口に向かうタイタンズ2人と格闘三兄弟の3人。格闘三兄弟は皆緊張した面もちをしている。

 5人が出入り口前に立つとドッキングベイの接続されているハッチが独りでに開いた。

 ドッキングベイの通路をゆっくりと進む5人。いくつかのゲートを抜けてミクロサテライト内に入る。何人ものミクロマンやフードマンの死体が浮遊している。まるで死体置き場だ・・・・。

 「どんな奴がくるかと待っていれば継ぎ接ぎだらけのガラクタと生っ白いガキが3人か・・。」何者かの声がロビーに響く。格闘三兄弟の3人とっさに構える

 「誰だ出てこい!!」武蔵が叫ぶ。

 「フフフ。私の名はバルガー。自分を殺す相手の名前ぐらいは教えておいてやろう。」バルガーはパチンと爪を鳴らした。音が鳴った同時にバルガーの姿が陽炎のように歪む。

 「気を付けろ。こいつただ者じゃない」ガンボディが叫ぶ。だが叫んだ時には火山がうめき声を上げる間もなく中空を舞っていた。

 「何が起こったんだ!?」

 5人がバルガーと戦っていたーその同じ頃。ミクロサテライトの救命カプセルカタパルトに一人の男が逃げ延びていた。彼の名はエステベス、バルガーが襲撃してきた時、偶然サテライトの外でアンテナの修復作業していた為、難を逃れていたのだ。

 操作系が破壊されているため手動で救命エスカルゴをカタパルトレールに乗せる。救命エスカルゴは本来作業用のエスカルゴの機体強度を生かし脱出カプセルとして転用した装備である。

 「地球に何としてもこの事態を知らせなくては・・・。SPコートのこの身体で大気圏内に突入しで無事で済むか・・・・。」射出口のハッチを開く。ハッチが開くとともに室内の空気が凄い勢いで宇宙空間に吸い出されていく。

 宇宙空間に放り出されないように手すり伝いにエスカルゴに近づき、キャノピーを開く。 急いでエスカルゴに乗り込みカタパルトを作動させる。火薬式のカタパルトはエスカルゴをわずか0.5秒で時速700キロまで加速させ宇宙空間に放り出す。身体に強烈なGがかかり彼は失神した。エステベスの乗り込んだ救命エスカルゴは大気圏に突入し日本の中部地方・・・名古屋市の北部に落下していった。


 仙台支部、仙台市内のビルの地下に人知れず建設された基地である。デュアル達に救出されたクラークはいまだこの仙台支部の医務室に収容されている。

 「彼の容態に変化なしか?」司令のヘンリーが医務室に入ってきた。デュアル達が仙台を出発し東京に向かった後、いまだ意識の戻らないクラークの容態を気にしていた。

 「まだ意識は戻りません。脳波は正常なのですが目覚めません。眠っているような状態です。」ジャブスがクラークの体に付けられた医療機器の数値を見ながら言う。

 「・・・・。」ヘンリーはそれには何も応えなかった。

 「ドクター・ディオかドクター・アインに連絡はついたんでしょうか?」

 「ジャブス、先ほど東海とノーザン・ライトへの通信網が回復した。残念だが二人とも現在消息不明だ。」

 「もはや回復手段は残っていないんでしょうか・・・。」

 「方法はある・・・。」ヘンリーは眉間にしわを寄せる。

 「方法?」

 「そうだ。ある人物の元にいる有能なドクターの力を借りる。」

 「もしかしてそのドクターとはドクターマン・ケーン・・・。」

 「・・・。」ヘンリーは黙って頷いた。

「しかし、ドクターマン・ケーンはアマゾン総統の追跡調査の最中では?」

 「ああ、先日まではな。今は任務が完了し手が空いているそうだ。ブラジリアで休養中だということだ。」

 「しかし、いつ敵の攻撃を受けるか判らない現状でブラジルまでどうやって?賛成できません。もし輸送機が攻撃を受ければ患者に付けられている医療機器に悪影響を与えかねません。もし機器が止まったら患者の命の保障は全くありません。」

 「そういう面では優秀な連中を知っている。」

 「その連中とは?」

 「傭兵部隊ブレイカーズ・・・。彼等ならブラジリアに到着するまで患者の乗った輸送機に1発も被弾させない護衛をやってのけられる。輸送機のパイロットはレスキュー隊第3小隊のリチャードに頼む。ベテランの彼の操縦なら長時間のフライトでも信頼できる。」

 「リチャードは既に山形基地からこっちに向かっている。まだ連絡がつかないがブレイカーズは・・・バスターはこういう依頼を絶対に断らない人物だ。」

 「もしブレイカーズの護衛が受けられなければ?」

 「私が自ら護衛任務に当たる。」

 東京臨海基地、エバンスが倒れ騒ぎになっている最中、一人のスパイマジシャンがそっと抜けだした。彼は時折、何かの気配を感じ背後を振り返る。彼が何事もなかったように再びきびすを返して歩き出すと、その背後で空気が陽炎のように揺れた。その揺れは10センチ大の人型をしている。

 「こちらの気配に気づいたか、さすがベテランのスパイマジシャンだ。だがベテランのスパイマジシャンといえどステルススーツを着込んだスパイマジシャンは簡単には察知できん。」姿無き追跡者は心の中でそうつぶやくとその姿を現すことなく再び一人のスパイマジシャンの追跡を開始した。


ハワイ沖約50キロ北の洋上。ハワイ基地所属のベースロケッターが哨戒任務についていた。ベースロケッターの機体上面には各種センサー類が搭載されたオペレーションルームが装備されている。

「もう少し高度を下げてくれ。海面に何か見える。」オペレーションルーム内のナビゲーターは機体下部の偵察カメラに何かが映っているのを見付けた。

「魚群か何かだろ。」

 「いや、少し気になる。」

 パイロットはナビゲーターの指示通り高度を下げた。

海上ギリギリの高度で多数の影が飛行している。そしてその真下を進む巨大な1つの影・・・。

 飛行物体はざっとその数500。偵察カメラに連動した機影識別装置がその飛行物体の正体を過去のデータを元に割り出す。

「アーデンジェット!!」ナビゲーターは絶句した。

 「アーデンジェットが500機だと!!」

 「おそらくこの巨大な物体が母艦だ。こいつの上にも多数のアーデンジェットが乗っかってる。」

 「気づかれた!!。」

 「こちらロケット3、緊急連絡ポイントG12の洋上に敵部隊多数展開。アーデンジェット500以上、それに母艦と思われる巨大物体1。くりかえ・・・。」ベースロケッターが基地に送信できたのはそれだけだった。

 仙台支部の最上階、ビルの排水溝の壁面にあたる場所にマシーン用の格納庫がある。下水管にカモフラージュされた部分に出入り口がある。

司令室に通信が入る。

 「こちらレスキュー隊第3小隊リチャード、着陸許可を頼む。」

 「お、早速来てくれたか。リチャード着陸を許可する。メインゲートは閉鎖中なので第2ルートで進入してくれ。出るときはメインゲートが空いてるはずだから安心しろ。」

 「了解。」

レスキュー隊第3小隊のリチャードの操縦するレスキュー3号バードジェットがレスキュー4号を搭載した状態で狭い下水管に向かう。

 「相変わらず狭い入り口だ。機体幅の掴みやすいバードジェットで良かったよ」リチャードはつぶやく。

 バードジェットは失速寸前の最低速で慎重に機体幅ギリギリの進入路を抜ける。この狭い進入路の壁面は、度々機体を接触させているらしく、翼端をこすった痕跡が付いている。設計者のビンセントの談によると地球人の下水管の規格に合わせているためこの幅になったという事だ。

 「これはさすがにビンセントの設計ミスだ。」リチャードは毒づきつつもバードジェットを巧みに操り、狭い進入路を抜ける。

狭い進入路を抜けると広い格納庫に出る。中央に滑走路が見える。

 「無事、進入路を抜けた。着陸する。」リチャードはゆっくりと機体を着陸させた。

 リチャードが機体を下りると誰かが歩み寄ってきた。

 「ご苦労。」

 「これは、司令自らお出迎えして下さるとは恐縮します。」

 「今回は少々長いフライトになるがくれぐれもよろしく頼む。」

 「護衛機が付くそうですね。」

 「傭兵部隊のブレイカーズに護衛を依頼した。」

 「自分としては護衛は不要ですが、司令のご判断ですか?」

 「そうだ、君には輸送機の操縦に専念してもらう。先ほどハワイ基地からハワイ沖で敵の大部隊が展開中との情報が入った。恐らくブラジリアまで最短コースを進めばこの展開中の敵とコンタクトする事になる。ブレイカーズが彼等を足止めしている間に敵中を突破しブラジリアにたどり着いて貰わなければならん。当然、積み込んでいる患者の容態を悪化させずに。」

 「機体を揺らさず敵中を強行突破という事ですね。了解しました。」

 「あと、このフライトにはドクター・ジャブスも同行し、バードベース内の患者の容態を君に逐一報告してもらう。」

 「今回の輸送任務は君の技術を信頼しての人選だ。」

 「自分は与えられた任務は完璧に遂行するつもりです。」

 「過酷な任務だが宜しくたのむ。」

リチャードは黙ってヘンリーに敬礼した。


 ブレイカーズの5機のコスミックファイターは仙台基地の上空に到達した。

 「思いの外、都会じゃないか。」ダーレスが言う。

 「こちらブレイカーズのシンだ、仙台支部上空に到着した。滑走路まで誘導頼む。」

仙台支部管制室では管制官達の他にリチャードが様子を見ている。

 「こちら仙台支部管制室。ブレイカーズ各機、ガイドビーコンに従って順次進入しろ。」

 「管制室、しっかり誘導しろよ。」

 「了解」オペレーターは後ろにいるリチャードの方に向くと両手を上げてあきれた顔をする。

 ビルの排気口にカモフラージュされたゲートが開き、滑走路が見える。

 「あれか。」まずダーレスのコズミックファイターが高度を下げ進入する。

 「ガイドビーコン受信、進入コース固定。」

 「ヘンリー司令の指示とはいえあんな胡散臭い連中と手を組んで大丈夫なのか・・・・・・?」リチャードは腕組みしながらブレイカーズの様子を見ていた。

5機のコスミックファイターが無事着陸し搭乗員が降り立つ。リチャードが出迎える。

 「ようこそブレイカーズ。自分が今回の任務で輸送機の操縦を担当するリチャードだ。」リチャードはブレーカーズに対する不信感を押し隠し、あくまで事務的に出迎える。

 「よろしくシンだ、こっちはダーレス。そして機体と同化しているトビキチ、シュトルヒ、それにヒエンだ」後方の3機のコズミックファイターが機体各部の認識灯を点滅させて答える。

 「では早速だがミーティングルームに案内する。」リチャードはきびすを返してミーティングルームに向かう。

 「ちっ、むっつりしやがって。もう少し愛想良く出迎え出来ねぇのかよ。」ダーレスが不満げに言う。

 リチャードとブレイカーズの2人が格納庫を離れる。数人の整備員達は遠巻きに見慣れぬ新型戦闘機コズミックファイターを眺めていた、

 「あ、補給は大丈夫ですので」トビキチが拡声器を通して声を掛けた、整備員の一人が不意に発せられたその声に驚いてコックピットを覗き込む。

 「?誰も乗っていない…」

 整備員にトビキチがまた声を掛ける

 「あ、僕等は航空機操縦用人工知能ユニットなもんで」整備員はコズミックファイターから離れると仲間達を呼んだ。

 「すごいぞあれ、自律対話式コンピューター搭載だ。」

 「初めて見た。」

 ミーティングルーム、中にはハワイ周辺の海図が表示されたテーブルがある。ヘンリーとジャブスが既に席に着いている。

 「ようこそブレイカーズの諸君、仙台支部司令のヘンリーだ、そしてこちらは輸送機に同乗するドクター・ジャブスだ。そして自己紹介は終わっていると思うがそちらが輸送機のパイロットのリチャードだ。」

 「まずは席に着いてくれ」シン達はヘンリーの指示に従いシートに腰掛ける。全員が席に着くとヘンリーが作戦内容を説明し始めた。

 「今回の輸送任務の行程は仙台を出発、ハワイ基地で一旦エネルギーの補給を行い、その後直接ブラジリア基地に向かう。輸送機として使用するレスキュー3.4号は航続距離を稼ぐため最小限の武装とする。護衛機のコズミックファイター5機はレスキュー3.4号を囲みこむように陣形を組んで飛行、途中ハワイ沖で発見された敵勢力と接触する事が予想できるが、もし接触した場合、敵戦力を可能な限り足止めし、輸送機を無傷のまま突破させる。ハワイで確認された敵勢力はアーデンジェット約500機以上とその母艦と思われる巨大な物体が1つ、この巨大な物体は過去のデータにはないが兵器である可能性が非常に高い。あくまで今回のミッションは護衛任務であるので足止めといえど深追いは無用だ。」

 「母艦らしき大型飛行物体とその艦載機500機以上を突破、最短距離でブラジリアまで向かい、俺達は敵の足止めという訳か、了解した!」作戦内容を聞いたシンはすぐさま返答した。

 「遭遇が予想される敵機は500機ですか・・・。」ジャブスが不安げな表情になる。

 「ブレイカーズの面々が途中で臆病風に吹かれて逃げ出さないようだといいがな。」リチャードはわざと聞こえるように皮肉を言った。

 「何だと!!」ダーレスが激高しテーブルに拳を叩きつけ立ち上がる。

 「特にあんたがな。」リチャードが呼応するように立ち上がり睨み付ける。

 「やめないか!!」ヘンリーが慌てて2人のやりとりを制止する。

 「・・・・」リチャード、ダーレスの二人はにらみ合いつつ黙って座り直した。

 「私はブレイカーズの戦闘能力ならぱ突破可能だと考えている。健闘を祈る以上だ。」

 「我々が先に上がります」席を立ったシンはダーレスと共に格納庫へ向かって行った。

 滑走路から離陸する5機のコズミックファイター。続いて離陸するレスキュー3号。

 仙台支部の滑走路を飛び立った5機のコスミックファイターは護衛向きの編隊を組むべく、散開した。輸送機の左右にはそれぞれトビキチとシュトルヒ、後方はヒエン、上空にダーレス、そして前方にはシンのコスミックファイターが素早く編隊を組み、平穏なまま太平洋上を飛行して行く。

 「よう、輸送機の!」市街地を抜け太平洋に差し掛かった頃、ずっと無言だったダーレスが輸送機の通信回線に強制介入して、いつもの調子で話しかけた。

 「仙台支部ってんのは、人出迎える時にゃ無表情で出迎えろって規則でもあんのか?そこのXXX!」

 「・・・・・。」リチャードは無視した。

 「おい、ダーレス」シンが制止に入る。

 「管理が行き届かない部下の様だな。」

 「ダーレス、索敵続行しろ!」リチャードの一言にシンはムッときたが怒りを胸に閉じ込めてダーレスに指令を下した。

 「了解…!」ダーレスは渋々索敵を進めた。

 「…!お出迎えのお成りだぜ!」最短距離の進路を確認していたダーレスが全機に回線を開き、敵反応を多数察知した予定進路図を送った。

 「母艦付きで500機以上、この速度だと10分以内に会敵するな」ダーレス機から送られてきた画面を埋め尽くさん限りの敵反応を見たシンは吐き捨てる様に言った。

さて、奴らの腕前を見物するとするか・・・。リチャードは護衛機が陣形を維持しやすいよう機体高度と速度を一定に保つ。

 「全機、輸送機の進路を切り開くぞ!!」シンの号令が飛ぶ。

 号令とほぼ同時に遥か水平線の彼方に見え隠れする敵の一群に向けて、5機のコズミックファイターが一斉に攻撃を開始した。

 「馬鹿なっ、こんな長距離から射撃してどうするつもりなんだ。」リチャードは言葉に出しそうになったがぐっと抑えた。

 シン機とダーレス機の両翼下に取り付けられたミサイルポッドから、ドロイド達の機体の砲塔からアーデンジェットの群れに向かい一斉にミサイルと集光子光弾が放たれる。

前方の敵編隊の数カ所で爆発が起こる。ブレイカーズの最初の一撃が数機を葬り去ったようだ。

 だが、空を埋め尽くす位の数は残っている、そしてその下方に巨大な影が見えてくる。

 「母艦か!」甲板に大量のアーデンジェットを載せた巨大な航空母艦が視界の隅に入って来る。そしてその巨大な航空母艦からアーデンジェットが次々と発進していた。

 シンの駆るコズミックファイターはアーデンジェットの大群の中に敢然と突進して行く、翼下のミサイルポッドから全てのミサイルを放ち、機首下に装備された大型砲で敵機の攻撃をすり抜け、行く手を阻む者を次々と倒しつつ血路を切り開いて行った。

なんてムチャなヤツなんだ。・・・・リチャードは絶句する。

 「ブレイカーズの根性、見せてやる!!」闘争本能を剥き出しにしたシンの叫び声が通信機から響く。

 「始まった。」バードベース内、外部モニターで外の様子を見ていたジョブスが不安げにつぶやく。

 「エネルギー障壁展開。」トビキチとシュトルヒ、ヒエンはトライアングル陣形を維持しながら散布射撃をしつつ輸送機の前方に障壁を張る。次の瞬間には敵の反撃のミサイル攻撃が輸送部隊を襲った。

 エネルギー障壁に触れた瞬間、ミサイルは爆発を起こす。

 「ブレイカーズ、敵編隊が2手に別れるぞ。」リチャードが叫ぶ。

 「了解。右の編隊はこちらで引き受ける。」シンはそう言うと機体操作をトビキチに任せ、フライトウイングを装備し、コズミックファイターから飛び出す。

 シンは高速で接近するアーデンジェットに文字通りの『空中格闘戦』を試みる。

 アーデンジェットに接近し、機体に取り付き、キャノピーを叩き割る。

 「!!」中にいたアーデンは予想もしない肉弾攻撃に呆気にとられ身じろぎも出来ない。シンは彼をコックピットから引きずりだし空中に放り出す。操縦者を失ったアーデンジェットはあっという間に安定を失い切りもみ状態になる。後続のアーデンジェットがそれを避けきれず衝突、2機とも炎上し墜落していく。

シンは墜ちていくアーデンジェットには目もくれず次の標的に向かう。

「!!」シンの視界に敵母艦が映る。その姿はクジラそのものだがその背中は飛行甲板になっている。飛行甲板上には十数基のエレベーターがあり、後続部隊の20機あまりのアーデンジェットが離陸準備に入っている。

「さらに後続機を出すつもりか!!」シンは母艦の甲板に向かってほぼ垂直に急降下する。


ミクロ戦記その8