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回答 きくち小児科医院 菊地浩一

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麻疹の予防注射

麻疹が流行していると聞きました。生後5ヶ月の子どもは麻疹の予防接種を受けたほうがよいのでしょうか?(生後5ヶ月)

生後5カ月では麻疹の予防接種は出来ません。生後9カ月くらいからは可能です。

少し前までは1才以内は麻疹にかかることはあまりありませんでした。この理由は母親からの抗体(移行抗体)が働いているためと云われていました。

ところが最近乳児の麻疹が問題になっています。

最近の母親の麻疹抗体はほとんどがワクチンによるもの(麻疹にかかりその結果自分自身がつくった抗体ではない)であり、また麻疹ワクチンの普及により社会から麻疹が少なくなって麻疹ウイルスとの出会いもなくなり、結果としてワクチンで得た抗体がどんどん低下し赤ちゃんへの移行も少なくなったと考えられています。

そこで実際に赤ちゃんの麻疹抗体の推移を調べてみますと、生後6カ以降は感染(麻疹にかかる)の危険があることがわかります。そして9カ月を過ぎると殆ど抗体は検出されないとのことです。

生後6カ月から8カ月までは母親からの移行抗体があるため、麻疹ワクチンを接種してもワクチンが中和されて十分な抗体が獲られない可能性があり、接種は9カ月以降となります。

お子さんが5カ月ということを考えると、保育園などの集団生活にはいっていなければ、当面感染する可能性は少ないと思います。
もしに麻疹患者と接したときは、6日以内ならグロブリン注射により軽くしたり発病をストップすることが可能です。御相談下さい。

今月ポリオを受けさせようと思ってたのですが、旭川でも「はしか」がはやってるとの事なので
「はしか」を先にして「ポリオ」を次回にした方が良いのか迷っています。
保育園に通っている6歳の兄(予防接種済み)がいるので、感染の確率が高いのではと心配です、
                   (生後11ヶ月)

麻しんが先かポリオが先か、、でいえば、今年のようなな流行には麻しんを優先すべきかと思います。ただし一歳以内と言う事で有料となります。さらに1年後に再接種を勧めます(この時は無料券が使えます)


 6才のお兄ちゃんの件ですが、麻しん予防接種すみなので、まず感染しないと思いま す。
またお兄ちゃんが麻しんのウイルスを家に持ち帰って、赤ちゃんに感染させることもないと思います。

 赤ちゃんは保育園にいっていないようなので、外出しないよう(!)に自衛して 誕生日
まで(あと2週間)待つのもいいと思います。(ポリオを飲んだら4週間のびますので)

(2001/5/17)


BCGの予防接種後について

小学校でBCGをうけて、接種したのですが、化膿してなかなかよくなりません。穴があいて(ぼつぼつと)お風呂に入ったりプールのあと膿が出ている状態です。このままで良いのでしょうか、
                       (小学一年生)

BCG接種後の局所反応の経過については、外来でもよく質問を受けます。
接種後、2週間から1カ月位して局所反応が始まります。局所反応の程度はかなり個人 差があり、殆どめだたない場合や、ジクジクから化膿してしまう場合などいろいろです。

化膿した時でも2カ月を過ぎると大部分は治癒すると言われていますが、ジクジクや化膿して膿がでる状態には困りますね。実際の処置ですが、局所の化膿性の変化が強く、入浴やプール後に膿が流れ出る 時でも清潔なガーゼを当てるだけで十分です。

2〜3カ月経ってもジクジクが続く場合とか、一度乾燥したのに再びジクジクが始まる時は、受診して下さい。混合感染の可能性がありますので、消毒や抗生物質の軟こうを塗布することがあります。

麻しんワクチン後すぐに水ぼうそうになった

麻しんワクチンをして2日目に水痘になってしまいました。医師からは軽い水痘とい われました。麻しんワクチンをもう一度うったほうがいいでしょうか。水痘もまたかかりますか。
(1才3カ月)

日常の臨床では、急性ウィルス感染症が重複して起こることは、まず経験しませんんね。(麻しんと水痘、麻しんと おたふく、おたふくと水痘あるいは、おたふくと風邪、水痘と風邪などが同時に発症 し、進行する) 

もっぱら生ワクチン接種(麻しん、水痘、おたふく、風疹、ポリオ)と急性ウィルス感染の関係が問題となります。

そして、麻 しん、おたふく、風疹、水痘のウィルスを混合したワクチンを小児に接種しても、おのおのの抗体は十分上昇することが確かめられております。


ご質問は、水痘の潜伏期に麻しんワクチンを接種したと考えられ、上の混合ワクチンの結
果より麻しん、水痘(たまたま軽い経過をとったと考えられます)とも十分抗体は大丈夫と考えて、よいのではないでしょうか。

おたふくの子と遊んだが

お友達より「おたふく」になったと連絡がありました。お友達とは毎日遊んでいま
す。いそいでワクチンを受けると、ならないで済みますか?(5才)

麻しんや水痘では患者と接触後72時間以内にワクチンを接種することによって,感染予防効果を期待できます。またガンマーグロブリンの投与も発症予防効果があるとされています。

しかし「おたふく」に関しては、患者と接してからではワクチン、ガンマーグロブリンとも発症予防効果はありません。麻しん、水痘とおたふくでは、ウィルスがからだに入り込んでから発症するまでの「しくみ」が違うことが関係があると考えられています。
また「おたふく」は耳下腺が腫れる数日前よりウィルスを排せつしていると言われて おります。
当院では過去2名「おたふく」による難聴を経験しており、できるだけ「おたふくワ クチン」はするように勧めています。

ワクチンは済んでいるのに、耳下腺が腫れた

「おたふくワクチン」をうったのに耳下腺が腫れ、病院ではおたふくの疑いと診断さ
れました。ワクチンがきかなかったのでしょうか。(5才)

おたふく(流行性耳下腺炎)は「おたふくウィルス」による耳下腺炎で、他人に感染したり、いろいろな合併症(髄膜炎、睾丸炎など)を起こすことがあります。しかし 「おたふくウィルス」以外でも耳下腺炎を起こすことも知られており、コクサッキ ー、パラインフルエンザ等のウィルス感染症、細菌性化膿性耳下腺炎、だ液腺結石による耳下腺の腫れがあります。診断に迷うこともあり、周囲の「おたふく」の流行状 況、血液検査が必要となる時もあります。


おたふくワクチンの有効率は90%前後で麻しんより少し低い程度です。ワクチン接種
にもかかわらずかかることも当然考えられます。しかしこの場合は軽症のことが多い
ようです。


おたふくワクチンの副反応について

1才と2才の子に同時に「あたふくワクチン」をうちました。
ちょうど2週間後、上の子が2日間発熱し、耳下腺が少し腫れたようでした。
その1週間後両方の耳下腺があきらかに腫れてます。
これが副反応なら下の子にうつりますか?
以前、血液検査で抗体がギリギリと言われているわたしには、うつる可能性はありますか?

「おたふくワクチン」による免疫の成立には、3週間かかるといわれています。そのため接種後、15日以内に「おたふく」の症状があったら自然感染によるもので、16日から19日以内なら自然感染か副反応かは即断できません。

20日前後であれば副反応といえると思います。
「麻しん」もそうですが「おたふく」の副反応はうつさないと思います。また下の子も接種後3週間経っていますので免疫は成立しています。あなたの抗体は自然感染によるものと思いますので、お子さんより感染しないと思いますよ。(2002.6.28)

★ワクチン接種の後の風邪


1歳の子に麻疹接種をしたところ、1週間後に嘔吐、下痢になりました。ほぼ同時に兄(3歳)も嘔吐、下痢、発熱で寝込みました。1歳の子は発熱はなかったのですが、飲んでは吐くの繰り返しで便も水様でした。生ワクチンの場合ヴィルスが十分増殖して免疫がつくのに10日くらいかかると聞いたのですが、このように途中で他のヴィルスに感染した場合、免疫の効果は大丈夫なのでしょうか?

自然界には人間にいろいろな病気を引き起こすウイルスがありますが、風邪に限るだけでも200種類以上あるそうです。これらのウイルスが体に侵入して実際に病気(症状)を引き起こす仕組み(ウイルスの侵入経路、増殖する場所、病気を起こす場所ーいわゆる症状)はそれぞれ違います。

このなかでも、麻疹、風疹、おたふく、水痘は、いずれも結構長い潜伏期を持ち、体の中で増殖する場所(リンパ球やリンパ組織)が同じです。ふつうの風邪(消化器系や呼吸器系の風邪)はリンパ組織で増殖することはありません。ですからあまり影響はないのではと考えられます。

ちなみに、増殖する場所が同じである、麻疹とおたふく、麻疹、おたふくと風疹のワクチンを同時に注射しても、抗体の上昇に変化がないことが分かっており、MMR(麻疹、風疹、おたふく)ワクチン(現在日本では使われていません)がありました。(2003.1.10)

★熱性けいれん後の予防接種

熱性けいれん後の予防接種はいつくらいしてからできるのですか。

熱性けいれん後の予防接種については小児神経学会の基準案があります。基準案なので特別に強制力はなく、各小児科医がこれを参考にして個別に判断して実施しています。
 
具体的には、初回の熱性けいれんの場合は、いろいろな病気の鑑別のため2ないし3カ月くらい観察    して問題なければ実施、2回目以降の場合は1カ月くらいあけて実施します。


 熱性けいれんには、ふつうの熱性けいれんとは違うと考えられるタイプのものがあります。

 1)熱性けいれんを起こす前から明らかな発達遅滞や神経学的異常がある
 2)生後6カ月未満、5歳以降に初めて熱性けいれんを起こした
 3)けいれんの時間が長い(15分以上)、1日に何回も起こしたなど

これらにひとつでもあう点があったら、複合型の熱性けいれんと呼んでふつう(単純型)と区別しております。複合型熱性けいれんの場合は3カ月以上あけるのがふつうです。医師の目前でけいれんを起こすことはめったになく、けいれんのようすについて主治医によく話し、その上で主治医が判断してもらうのがいいのではないでしょうか。(2003.1.11)

 


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